中学受験に向けた小学6年生の夏休みの過ごし方|やるべきことも紹介
編集部
塾選(ジュクセン)編集部
本記事では中学受験を控える小学6年生の夏休みの過ごし方について徹底解説しています。夏休みにやるべきことや学習計画の立て方、勉強時間の目安も紹介。子どもとの関わり方や夏休み前にすべきこともまとめていますので参考にしてください。
中学受験を控えた夏休みは、勉強の基礎固めや苦手分野の克服をするための絶好のタイミングです。
「夏を制すものは受験を制す」「天下分け目の天王山」ともいわれるほど、夏休みは重要な時期とされており、成績や偏差値の伸びにも大きく影響を与えます。
塾に通っている子どもは、中学受験の試験範囲を夏休みの期間で終わらせるケースがほとんどのため、夏休みの時期にどのように学習を進めるかについて深く考える必要があるのです。
本記事では、中学受験をする小学6年生が学習効果を高めるために、夏休みの過ごし方や心構えを詳しく解説します。
夏休み前にやっておくべきことや学習計画を立てる際のコツ、勉強時間の目安などもわかりやすく紹介するため、中学受験を控える方はぜひ参考にしてください。
事前準備!中学受験に向けて夏休み前にやっておくべきこと
長期休みである夏休みは、集中して学習に取り組み、志望校合格に近づくための絶好のチャンスです。
夏休みにどれだけの学習時間を確保し、どのように対策を行うかによって、今後の成績や偏差値の伸び方が大きく左右されるといっても過言ではありません。
受験を控える小学6年生が夏休みを迎える前にやるべきことは、次のとおりです。
- 苦手分野などの分析を行う
- 夏休みに達成したい目標を決める
- 夏休みの学習計画を立てる
- 夏期講習に参加するかどうかを決める
- 志望校合格に向けて現状の立ち位置を確認する
それぞれの内容について詳しく解説します。
苦手分野などの分析を行う
夏休みは、苦手科目や弱点を克服する絶好のチャンスです。
夏休みを逃してしまうと、これまで学習してきた単元をゆっくりと復習する時間を確保しづらくなります。基礎的な内容をしっかりと理解できているかを確認するためにも、夏休みの時期を有効活用しましょう。
これまで受けた模試やテストなどを参考にしながら、十分に理解できていない分野を分析することから始めてください。
苦手分野の分析は、子どもだけでは正しく把握しきれない恐れもあるため、保護者のサポートが必要不可欠です。
苦手分野や単元の見つけ方として、大きく分けて次の2つの方法があります。
- 公開模試の正答率
- 定期テストの偏差値
公開模試や定期テストにおける正答率や偏差値は、単元別にチェックできます。得点だけにフォーカスするのではなく、正答率や偏差値を重視してください。
子どもの苦手分野が可視化できたら、復習のための教材や問題集を選び、実際に解いていきましょう。間違った問題をまとめた解き直しノートを作成すると、後日復習する際に役立ちます。
夏休みに達成したい目標を決める
長期休みを有効活用するためにも、夏休みにやるべきことや目標を明確にすることが重要です。
夏休みに何を頑張るかがはっきりとしないと、モチベーションを維持しづらくなるだけでなく、学習に対する方向性も見失ってしまう可能性があります。
目標は「志望校合格」のようにアバウトな内容ではなく、より具体的なものを考えることが大切です。子どもも保護者も成果を判断しやすいように、数値化できる目標を掲げてみましょう。
具体的な目標の例は、次のとおりです。
- 夏休み明けの模試で85点以上取る
- 夏休み中に算数の問題集を3回解く
- 夏休みのトータルの学習時間を400時間以上確保する
- 朝は7時に起きて、夜は22時までに就寝する など
学習面に関する目標はもちろん、生活面での目標も立てておくと、規則正しい生活リズムで毎日を過ごせるでしょう。
目標を立てる際は、親子で一緒に考えることも意識してください。
保護者主導で目標を設定してしまうと、子どもが「勉強をやらされている」と感じやすくなります。具体的な目標を立ててモチベーションを高め、本格的な受験モードに切り替える準備をしていきましょう。
夏休みの学習計画を立てる
具体的な目標を設定できたら、目標達成に向けて学習計画を作成していきましょう。
まずは塾の予定や学校の登校日、家族の予定などをチェックし、どの程度勉強に集中できる日があるかを明確にしてください。
勉強できる日数がわかったら、予定表を作成して親子で勉強の進捗状況をチェック、共有できるような仕組みをつくりましょう。
予定表を作成する際は、勉強時間だけでなく、息抜きする時間も確保するよう意識してください。
1ヶ月以上もの長期間、毎日勉強し続けることは至難の業です。疲れもストレスもたまるため、スケジュールには空白の予備日を設けて無理のない学習計画を立てていきましょう。
夏期講習に参加するかどうかを決める
多くの受験生は塾で夏期講習を受講しています。
進学塾になればなるほど、志望校別のクラス編成になったり、受験対策を意識した授業内容になったりと、6年生の夏期講習はより受験モードが高まるものです。
通常時の授業よりも授業時間が長くなり、教室内の緊張感も高まるため、自然と子どもたちのやる気や受験に対する意識も高まります。
自宅学習に限界を感じている方や受験モードになかなか切り替えられないと悩んでいる方は、夏期講習に参加することでうまく勉強を進められるでしょう。
・中学受験におすすめの塾20選!大手4大塾から中小規模の塾まで一挙に紹介!
志望校合格に向けて現状の立ち位置を確認する
志望校に向けて現状の立ち位置を把握し、差がどのくらいあるのかを理解できると、受験勉強に対するモチベーションアップにもつながります。
志望校に合格できるのかどうか、現状把握をするために有効なのが模試の受験です。
模試を受けることで、志望校の合格ラインにいるのか、そうでないかが明確になります。
万が一合格ラインに達していない場合は、どの科目のどの分野の対策が必要かをチェック。力を入れて学習すべき項目がはっきりとすれば、優先的に勉強に取り組むべき部分も明確になるでしょう。
小学6年生の夏休み前のタイミングで模試を受けている子どもは多いものの、なかにはまだ模試を受けた経験のない子どももいます。
夏休みを迎えるまでに模試を受けたことがない場合は、夏休み明けに控えている模試を受けるのがおすすめです。
模試で納得できる点数を獲得するためにも、夏休みの期間中にそれぞれの科目の苦手分野をどのように対策すべきかを検討してみましょう。
中学受験に向けた小学生の夏休みの過ごし方・やるべきこと
中学受験を成功させるためにも、夏休み前に「夏休み全体の目標設定と計画を立てること」、そして「志望校の合格ラインと現状の立ち位置を確認すること」を特に意識しましょう。
夏休みが終わるまでに、どのようになっていたいか、どのような課題を克服すればよいかを明確にして、具体的な学習スケジュールを立ててください。
中学受験に向けた小学6年生の夏休みの過ごし方で意識すべきことは、次のとおりです。
- 夏休み中に苦手分野の克服・基礎固めをする
- 1日の始まりに当日のスケジュールを確認する
- 週末に振り返りをして翌週の計画を確認&必要であれば調整する
- 適度に休みを取りコミュニケーションをしっかり取る
それぞれの内容について詳しく解説します。
夏休み中に苦手分野の克服・基礎固めをする
一般的に小学6年生の受験生の多くは、秋以降に過去問演習や志望校対策を進めます。そのため秋を迎える前段階の夏休みは、苦手分野の克服、そして基礎固めをする最後のタイミングといえるでしょう。
夏休みだからこそ、難しい問題や応用問題にチャレンジしたいと考えている保護者も多いかと思いますが、まずは暗記ものや復習を中心に、全4教科の基礎固めを進めるのがおすすめです。
過去問や入試演習の問題が解けない原因として多いのが、暗記不足や理解不足が挙げられます。
そのため、夏休みに理科や社会などの暗記学習は用語や語句をしっかりと覚え、算数や国語は反復学習をして、知識や問題の解き方を定着させていきましょう。
1日の始まりに当日のスケジュールを確認する
夏休みは学校がないため、時間がたっぷりあると感じてしまう方も多いでしょう。
しかしスケジュールを立てておかないとあっという間に時間は過ぎてしまい、気づいたら1日が終わっていたというケースも少なくありません。
そのため中学受験を控えた小学6年生は、1日のスケジュールを事前に決めておき、当日の朝に確認することを習慣化させましょう。
夏期講習や塾の授業が何時から何時まであるのか、宿題は何時から何時までに終わらせるのかなどの大体のスケジュールを決めていきます。
食事や入浴の時間、休憩時間などをスケジュールに入れ込まずに、勉強時間のみでスケジュールを作成してしまうと、やるべき学習内容に時間を割けない可能性もあるため注意しましょう。
無理なく学習に取り組めるようなスケジュールであるかを親子で確認しながら計画を立ててください。
週末に振り返りをして翌週の計画を確認&必要であれば調整する
スケジュールの管理は、1日単位のみではなく、週単位で計画することも重要です。
週末に1週間の振り返りをして、できたこと・できなかったことを把握し、次週の学習スケジュールの確認・調整をしていきます。
子どもだけでなく保護者も一緒に振り返りをすることで、平日に細かくチェックしなくても、計画どおりに学習が進んでいるかを把握できるでしょう。
万が一予定どおりに勉強できていなかった場合は、厳しく責めるのではなく、優先的に取り組むべき学習内容をチェックしたり、学習計画に無理がないかを見直したりすることも大切です。
予定どおりに学習計画を進めた場合はきちんと褒めることで、子どものモチベーションアップにつながるでしょう。
適度に休みを取りコミュニケーションをしっかり取る
中学受験を控えた小学6年生は、学習ばかりに時間が取られてしまうため、どうしても孤独な気持ちに陥りがちです。
体を思う存分動かせなかったり、友達との時間を確保できなかったりと、リフレッシュできないケースもあります。
そのため、自宅学習の時間に適度に休憩時間を取り入れながら、親子のコミュニケーションを大切にしていきましょう。
休憩時間に一緒にゲームをしたり、ウォーキングやジョギングしたりして体を動かすのもおすすめです。
万が一予定していた休憩時間よりも長く休んでしまった場合は、その後の勉強時間で調整すれば問題ありません。
休息する時間やリラックスできる時間を確保したスケジュールを作成するよう意識しましょう。
中学受験に向けた夏休みの計画の立て方やコツ
中学受験を控えた小学6年生の夏休みの学習計画を立てる際は、いくつか押さえるべきコツがあります。
- 必須予定をまず割り当てる
- その後優先順位を割当てる
- すきま時間を活用する
- 毎日4教科を学習する
学習計画を立てる際は、まず必須予定を割り当ててください。必須予定とは、塾の夏期講習や学校の登校日などです。
これらの予定は最優先事項として先に予定を割り当てます。夏期講習を受講する場合は、夜の時間帯に宿題の時間を確保することも忘れないようにしましょう。
必須予定を割り当てたら、そのほかの学習すべき項目に優先順位をつけてください。
夏休みに苦手科目を克服したい場合は、個別指導や家庭教師を活用するケースもあるはずです。その場合は、夏期講習や通塾日以外の日程でスケジュールを組むようにしてください。
学校の宿題や模試の総復習、苦手分野の復習なども学習計画に盛り込んでいきましょう。
また限られた時間を有効的に使うためには、ちょっとしたすきま時間を活用する必要があります。
塾の休憩時間や送迎バスの待ち時間、お風呂に入っている時間など、勉強に充てられる時間を探してみましょう。その時間に漢字学習や歴史の暗記学習などを進めていきましょう。
さらに塾に通っている子どもも、自宅学習をする子どもも、1日のうちに4教科の学習を必ずこなすことも大切です。
もちろん、それぞれの科目の学習時間を同じように割り振る必要はありません。期間をバラバラにして教科ごとに学習を進めるよりも、毎日学習時間を積み重ねた方が、高い学習効果を得られるでしょう。
日中のまとまった時間帯である「ゴールデンタイム」には、算数と国語を勉強するのがおすすめです。じっくりと時間をかけて学ぶのが適している教科であるため、頭の回転がよい日中にまとめて学習時間を確保しましょう。
一方で理科や社会の暗記学習は、就寝前にやることで高い学習効果を得られます。
・【小学6年生】中学受験に向けた年間スケジュール|勉強スケジュールを立てる際のポイントや親がすべきことなど解説
中学受験に向けた夏休みの勉強時間の目安
中学受験を控えた小学校6年生の夏休みの勉強時間は合計300〜400時間が目安とされています。1日あたりに換算すると、8〜10時間ほど勉強することになるでしょう。
1日8〜10時間と聞くとかなりハードルが高いように感じてしまいがちですが、普段の学校の授業時間をそのまま受験勉強に充てればそこまで難しいことではなく、十分に達成できる時間といえます。
勉強の合間に適度に休憩時間を入れ、学習時間とリラックスする時間のメリハリをつけましょう。
・【小学4年生】中学受験に向けた学習スケジュールの立て方|やっておくべきことや勉強時間、おすすめ塾など解説
・【小学5年生】中学受験に向けたスケジュールを立てる際のポイント|やっておくべきことや勉強時間、おすすめ塾も解説
中学受験を控える小学生と親の関わり方|押さえておきたいポイント
中学受験を控える小学6年生と保護者との関わり方で押さえるべきポイントは、次のとおりです。
- 会話を大切にする
- 生活習慣・スケジュールを管理して学習効率を高める
- 強制せずに毎日の声かけで勉強を習慣化させる
- 受験に備えて志望校の情報を調べる
- 勉強に関しては、塾に一任する
夏休み期間中は、友達との関わりが減ってしまうだけでなく、学習時間が大幅に増えることでストレスを感じる子どもも少なくありません。
子どものメンタルをサポートするためにも、日頃から会話を大切にしましょう。具体的に褒めることで、学習に対するモチベーションを高められます。
また生活習慣や学習スケジュールを管理して、勉強効率を高めることも保護者の重要な役割です。
机まわりを整理整頓したり、プリントや資料を整理したりして、集中できる環境や体制を整えましょう。ポジティブな声かけをすることで、勉強を習慣化させることにもつながります。
さらに、受験に備えて志望校の情報を調べることも保護者の大切な役割です。
勉強に関しては、保護者はあまり介入せずに、塾に一任することも重要なポイント。わからない箇所があった場合は一緒に解決するスタンスで、親子で協力しながら受験勉強を進めていきましょう。
・【中学受験】小学6年生の夏期講習は必要?夏休みの過ごし方も解説!
小学6年生の夏からでも中学受験は間に合う?
中学受験率の増加や大学受験制度の改革などに不安を感じ、公立中学校への進学予定から急遽中学受験に路線変更をする家庭も少なくありません。
ただし、6年生の夏からのスタートでは志望校に合格できる確率は非常に低いのが実情です。その理由は次のとおりです。
- 学校の勉強だけでは対応できないケースが多々ある
- 中学受験の準備は4年生、またはそれよりも前に進めるのが一般的
- 学習習慣がついていない子どもが多い
- 6年生を受け入れてくれる塾が見つからないケースがある
いくら学校の成績が良い子どもであっても、短期間で受験に向けた準備をするのはとても困難です。
中学入試では、小学校6年間で学ぶ内容にプラスして、広範囲の学習内容や発展的な問題が出題されるため、学校の勉強だけではカバーしきれません。
小学6年生から中学受験勉強を始めて成功するか否かは、それまでの学習習慣が大きく影響してきます。
中学受験は小学3年生の2月、もしくは4年生になったタイミングからスタートする家庭がほとんどです。早いタイミングから受験の準備を始めている子どもとの差を埋めるためにも、学習量を増やさなければなりません。
しかし6年生から受験準備を始める子どもの多くは、学習習慣がついていないケースがほとんどです。いきなり何時間もの勉強時間を確保しようとしても、気力も体力も疲弊してしまうでしょう。
さらに6年生を受け入れてくれる塾が限られるため、個別指導塾や家庭教師などに依頼しなければならない場合もあり、通常の塾に比べて費用が高額になる傾向にあります。
このように、小学校6年生の夏から中学受験の準備をスタートするのは、あまり現実的ではありません。
しかし志望する学校によっては、強い覚悟があり、かつ適切な方法で勉強を行えば、合格できる可能性はゼロではありません。また中学受験に特化した信頼できる学習塾に通うことで、合格の確率を高められるでしょう。
以下、中学受験におすすめの学習塾を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
・中学受験におすすめの塾20選!大手4大塾から中小規模の塾まで一挙に紹介!
まとめ
夏休みの過ごし方や学習時間によって、受験結果に大きく影響を及ぼします。
夏休みは、長いようであっという間に終わってしまうため、夏休みを迎える前の事前準備が大切です。
中学受験を控えた子どもの学習はあれもこれもと詰め込みたくなってしまいますが、これまでの学習内容を総復習するタイミングと捉えて、学習計画を立ててください。
学習計画や苦手科目の克服に自信がない場合は、本記事で紹介した内容を参考にしながら、子どもに合ったスケジュールを考えていきましょう。
執筆者プロフィール
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。