愛知県の高校受験完全ガイド|スケジュール・勉強法・志望校の選び方
愛知県の高校受験は、公立・私立とも特徴的な部分があり、志望校選びや受験対策に悩む受験生や保護者も多いでしょう。
本記事では、愛知県の高校受験の仕組みや日程、志望校選びのポイントなどを詳しく解説します。受験勉強を効率的に進めるための勉強法や、塾の活用法についても触れているので、これから受験を迎える中学生や保護者は、ぜひ参考にしてください。
愛知県の高校受験の基本情報
まずは、愛知県の高校受験の大まかな流れを確認しましょう。
高校受験の流れ
・公立高校の場合
もし志望校に合格できなかった場合、以下の流れで2次選抜を受けることができます。
公立高校入試では、特色選抜と推薦選抜が実施された後、一般選抜が実施されます。
志望校に合格できなかった場合は2次選抜を受験できますが、2次選抜は1次選抜の合格者が募集人員に満たない公立高等学校・学科でしか実施されません。
・私立高校の場合
10月~11月ごろ:募集要項の発表、志望校を決定する。
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1月上旬:「特色入試」「推薦入試」出願。
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1月中旬:「特色入試」「推薦入試」の選考、合格発表が行われる。
「一般入試」出願。
▼
1月下旬:「一般入試」の選考、合格発表が行われる。
私立高校受験のスケジュールは、学校・学科によっては上記の表と異なる場合があります。またすべての学校で両方の入試方法を実施するわけではない点にも注意が必要です。
受験日程や実施される選抜方法の詳細については、10月ごろには各高校のホームページ上に公表されるので、早めに確認しておきましょう。
愛知県の高校受験の仕組み
ここでは、愛知県の高校受験の仕組みについて、公立と私立に分けて解説します。
公立高校受験の仕組み
公立高校受験の各選抜方法には、以下のような特徴があります。
選抜方法 | 出願 | 選考方法 |
---|---|---|
一般選抜 | 第1志望・第2志望に出願可(複数選抜制度) ※第1志望校、第2志望校のいずれか1回に限り志願変更可 |
学力検査(国語・社会・数学・理科・英語)、一部の高校で面接・特別検査 |
推薦選抜 | 1校のみ出願可/特色選抜との併願不可 ※中学校からの推薦書が必要 |
面接、一部の高校で特別検査 |
特色選抜 | 1校のみ出願可/推薦選抜との併願不可 | 面接、作文・プレゼンテーション・特別検査・基礎学力検査のいずれか一つ |
・一般選抜の特徴
公立高校受験の一般選抜では、一度の試験で第1志望・第2志望両方の高校への出願が可能です(複数選抜制度)。
普通科・専門科・総合学科のいずれを受験する場合も、あらかじめ「Aグループ」「Bグループ」に分けられた高校群の中から1校ずつ選び、志望順位を決めてから出願します。
普通科を受験する際には、原則自分の居住が含まれる学区からしか志望校を選べません。
普通科を受験する場合 | |||
---|---|---|---|
尾張学区 | 三河学区 | ||
居住地域 | 名古屋市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、津島市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、東海市、大府市、知多市、尾張旭市、岩倉市、豊明市、日進市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、あま市、長久手市、愛知郡、西春日井郡、丹羽郡、海部郡、知多郡 | 豊橋市、岡崎市、豊川市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、新城市、知立市、高浜市、田原市、みよし市、額田郡、北設楽郡 | |
尾張第1群 | 尾張第2群 | 三河群 | |
Aグループ | 旭丘、惟信、松蔭、昭和、熱⽥、豊明、日進⻄、江南、小牧、⼀宮北、⼀宮南、津島、稲沢緑風館、半⽥東、常滑、内海、市立緑、市立名東 | 明和、松蔭、名古屋南、瀬⼾⻄、春日井、春日井⻄、高蔵寺、⻑久⼿、新川、⼀宮、⼀宮北、津島、津島北、稲沢緑風館、常滑、東海南、大府、内海、市立向陽、市立山⽥ | 衣台、豊⽥北、豊⽥南、加茂丘、⾜助、岡崎、岡崎⻄、岩津、刈⾕、安城、⻄尾東、⼀色、高浜、豊丘、豊橋南、福江、国府、御津あおば |
Bグループ | 名古屋⻄、中村、鳴海、 天白、春日井東、日進、東郷、犬山、尾北、小牧南、丹羽、⼀宮⻄、⽊曽川、美和、半⽥、大府東、阿久比、東浦、武豊、市立菊里、市立富⽥ |
千種、守山、瑞陵、瀬⼾、春日井東、春日井南、旭野、犬山、小牧南、⻄春、⼀宮興道、⽊曽川、津島東、美和、五条、横須賀、大府東、阿久比、東浦、武豊、市立桜台、市立北 | 豊⽥⻄、豊⽥、豊野、松平、三好、岡崎北、幸⽥、碧南、刈⾕北、安城東、安城南、⻄尾、吉良、知立東、時習館、豊橋東、成章、小坂井、蒲郡東、⽥口 |
※参考:令和6年度愛知県公立高等学校入学者選抜方法の基本方針及び基本事項について
例えば尾張学区に住居がある人は「尾張第1群」のAグループから1校、Bグループから1校選択できます。「尾張第1群」Aグループから1校「尾張第2群」Bグループから1校といった選び方はできないので注意しましょう。
各学区の境界付近に自宅がある場合は、別学区の一部高校も受験可能な場合があります。該当しそうな人は、愛知県のホームページでチェックしておきましょう。
専門科・総合学科を受験する場合は、学区による縛りはなく、県内のどの地域の高校にも出願できます。「Aグループ」「Bグループ」は以下の表のように分けられているので、それぞれ1校ずつ選択可能です。
専門科・総合学科を受験する場合 | ||
---|---|---|
学科 | Aグループ | Bグループ |
農業 | 稲沢緑風館、半⽥農業、安城農林、新城有教館・作⼿校舎 | 佐屋、猿投農林、渥美農業、⽥口 |
工業 | 名古屋工科、春日井工科、⼀宮工科、⼀宮起工科、常滑、豊⽥工科、碧南工科、豊橋工科、市立工芸 | 愛知総合工科、瀬⼾工科、小牧工科、愛⻄工科、半⽥工科、岡崎工科、刈⾕工科、豊川工科、市立工業 |
商業 | 愛知商業、⼀宮商業、津島北、半⽥商業、岡崎商業、豊橋商業、国府、市立若宮商業 | 中川⻘和、春日井泉、犬山、古知野、⽊曽川、東海樟風、碧南、成章、市立名古屋商業 |
家庭 | ⼀宮、大府、岩津、安城、⼀色、豊丘、豊橋南 | 瑞陵、春日井泉、古知野、佐屋、桃陵、松平、吉良、成章、市立桜台 |
福祉 | 海翔、高浜、宝陵 | 古知野 |
そのほかの専門学科 | 旭丘(美術)、明和(音楽)、宝陵(衛生看護)、市立向陽(国際科学)、市立名東(国際英語) | 千種(国際教養)、瑞陵(理数)、尾北(国際教養)、桃陵(衛生看護)、三好(スポーツ科学)、岡崎北(理数)、刈⾕北(国際探究)、三⾕水産(水産)、市立菊里(音楽) |
総合 | 緑丘、瀬⼾北総合、犬山総合、豊⽥東、知立、蒲郡、市立⻄陵 | 南陽、岩倉総合、杏和、知多翔洋、岡崎東、鶴城丘、豊橋⻄、新城有教館 |
※参考:令和6年度愛知県公立高等学校入学者選抜方法の基本方針及び基本事項について
グループが異なれば普通科との併願も可能です。ただし普通科では学区の制限があるので注意しましょう。
なお一般選抜の面接、特別検査は一部の高校のみで実施されます。
・推薦選抜の特徴
推薦選抜は、中学校からの推薦を受けた人のみが受けられる選抜方法です。推薦を受けるには一定の基準があり、誰でも利用できるというわけではないので注意しましょう。
推薦選抜はすべての学校、学科で実施されており、上記表に従って自分の該当するグループ、群から志望校を選びます。ただし一般選抜とは違い1校1学科のみ出願可能です。
選考の際は、すべての受験者を対象に面接を行います。学力検査はありませんが、一部高校では特別検査が実施されるので、受験校に応じて対策を進めましょう。
・特色選抜の特徴
特色選抜とは、学校や学科ごとの特色を生かした選抜方法のことです。中学校からの推薦状は不要で、以下の表のように各学校・学部が求める人材であることが求められます。
学校・学科 | 必要とされる人材 |
---|---|
農業、工業、商業、水産、家庭、看護、福祉に関する学科 | 当該高等学校・学科の特色ある教育内容を理解し、その教育内容に関連する明確な進路目標と当該高等学校・学科で学習する強い意欲を有する者 |
理数、体育、外国語、国際関係に関する学科 | 自然科学、人文・社会科学、スポーツなど特定の分野で優れた能力と顕著な実績を有する者 |
総合学科 | |
コースを設置する普通科 | |
特色ある教育課程を有する普通科 | |
地域に根差し、地域貢献を特色とする高等学校 | 当該高等学校で学習する強い意欲と地域社会に貢献する意志を有する者 |
※参考:令和7年度愛知県公立高等学校入学者選抜(全日制課程)において「特色選抜」を実施する高等学校・学科及び入学検査の内容について
特色選抜は、一部の学校・学科のみで行われています。実施校はその年によって異なるので注意しましょう。
選考方法は、該当するすべての高校で面接が行われるほか、作文、基礎学力検査、プレゼンテーション、特別検査の中から1つを、各高校が選択します。
私立高校受験の仕組み
・一般入試の特徴
私立高校の一般入試では、受験日程が異なる場合3校まで出願可能です。
選考方法としては、学力試験が行われます。多くの高校では5科目試験実施されますが、高校によっては3科目のケースや実技科目が必要となるケースもあるので注意しましょう。
・推薦入試、特色入試の特徴
推薦入試、特色入試で出願できるのは、1校に限られます。また推薦入試で出願するには中学校からの推薦状が必須です。
どちらの入試方法も、合格した場合には必ず入学しなければいけないので、私立校が第一志望の場合のみ利用するようにしましょう。
選考には調査書のほか、面接、基礎学力検査、作文などが使われます。高校によって方法が異なるので、各高校や教育委員会のホームページから確認しておく必要があります。
受験科目と配点
次に愛知県の高校受験に必要な受験科目と、その配点について確認しましょう。
公立高校の受験科目・配点
公立高校の受験科目、配点は、以下のとおりです。
選抜方法 | 実施教科 | 配点 |
---|---|---|
一般選抜 | 国語、数学、社会、理科、外国語(英語) | 各22点(22×5教科=110点満点) |
特色選抜 | 学力検査の実施はない ※基礎学力検査は国語、数学、英語(実施校のみ) |
― |
推薦選抜 | 学力検査の実施はない | ― |
※参考:令和7(2025)年度愛知県公立高等学校入学者選抜実施要項
一般選抜で国際英語科、国際教養科、国際研究科を受験する場合、英語の得点・配点が1.2倍で計算されます。また全日単位制高校では得点の高い3教科を2倍したうえで、ほかの2教科と足し、合計得点(176点満点)を110点満点に換算します。
最終的には、次の計算式のうちいずれか一つを高校が選択し、算出値の高い順に合格判定が出されます。
Ⅰ (評定得点)+(学力検査合計得点) Ⅱ {(評定得点)×1.5}+(学力検査合計得点) Ⅲ (評定得点)+{(学力検査合計得点)×1.5} Ⅳ {(評定得点)×2}+(学力検査合計得点) Ⅴ (評定得点)+{(学力検査合計得点)×2} |
---|
多くの普通科ではⅢやⅤを採用しており、学力検査が重視される傾向があります。
なお評定得点の算出方法については次の項で詳しく説明しているので、併せてチェックしてみてください。
特色選抜、推薦選抜では基本的に学力検査は行いません。ただし特色選抜の場合は基礎学力検査を実施する高校もあるので、注意しましょう。
私立高校の受験科目・配点
私立高校の受験科目や配点、合格基準は、学校により異なります。
一般入試では5教科の試験を実施する学校・学科が多いですが、「国・数・英」「国・数・理」などの3教科や実技試験を伴うケースもあります。
特色入試、推薦入試の受験科目は、一般的には「国・数・英」の3教科です。ただし高校によっては面接や作文、プレゼンテーションが必要になる場合もあります。
なお私立高校では合格基準や校内順位の付け方が公表されません。中学校や塾などは詳細を把握していることも多いので、確認しておきましょう。
愛知県の高校受験における内申点の基本
内申点とは、中学校の各学年の年度末に通知表に書かれる「5段階評価」の成績を、高校入試の評価用に算出し直したものです。
受験する学校や学科によっては学力検査と同じくらい重要視されることもあるので、きちんと対策しておきましょう。
内申点の対象期間
愛知県の高校受験の基準となる内申点は、中学3年次の1学期と2学期の成績のみ(2学期末に出される5段階評価)を使って算出されます。
つまり、たとえ中学1・2年次に勉強につまずいたとしても、中3までに挽回できれば難関校への挑戦もできるといえるでしょう。
ただし中1からの理解度が中3の成績に影響する科目も多いので、わからない箇所が出てきた場合には、早めの対策がおすすめです。
内申点の計算方法
愛知県の公立高校受験における内申点の計算方法は、以下のとおりです。
9教科×5段階評定の成績の合計×2(最高得点:90点)
内申を算出する際には、主要教科、副教科に関わらず、すべての数値を合計してから2倍します。
私立高校を受験する場合は、9教科の合計点がそのまま内申点となります(最高得点45点)。
内申点が合否に与える影響の度合いは、高校によってさまざまです。点数の高低で足切りをすることはありませんが、低ければ当然合否にも影響してしまうでしょう。
内申点を上げる方法
内申点を上げるためには、定期テストで高得点をとることはもちろん、日頃の学習態度にも気をつける必要があります。
定期テストでは、テスト範囲をしっかりと把握し、日々の学習計画を立てて勉強に取り組むことが求められます。定期テストが内申点に及ぼす影響は、学校によって異なります。しかし定期テストの結果を重視している学校では、60点以上とれると評定3、80点以上だと評定4をとれる可能性が高くなるでしょう。
提出物と授業態度も、内申点に大きな影響を与えます。提出物は、期日を守ってすべてやりきってから提出することが大切です。期日過ぎてからの提出や、すべて解ききっていない状態での提出は、内申点を下げる可能性があるため注意しましょう。
授業態度では、生徒の積極性を重視する学校が多いとされています。授業中に積極的に発言したり、講師に当てられたときに正しい解答ができたりすると、内申点アップを期待できるでしょう。
受験スケジュール(2025年版)
2025年度愛知県の高校受験に関するスケジュールをまとめました。次年度以降のスケジュール把握に、ぜひお役立てください。
公立高校 | 私立高校 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
一般選抜 | 特色選抜 | 推薦選抜 | 一般入試 | 特色入試 | 推薦入試 | |
出願 | 2月7~17日 | 1月27日~2月3日 | 1月27日~2月3日 | 1月10~17日 | 1月8~10日 | 1月8~10日 |
志望変更 | 2月18日 | |||||
選考 | 2月26~28日 | 2月6~7日 | 2月6~7日 | 1月22~24日 | 1月15日 | 1月15日 |
合格発表 | 3月11日 | 2月10日 | 2月10日 | 1月25~28日 | 1月16~17日 | 1月16~17日 |
2次試験出願 | 3月11~13日 | 3月11~23日 | ||||
志望変更 | 3月14日 | |||||
選考 | 3月17日 | 3月12~24日 | ||||
合格発表 | 3月18日 | 3月12~24日 |
参考:令和7(2025)年度愛知県公立高等学校入学者選抜実施要項、愛知県私学協会「令和 7年度入試に係る私立高等学校生徒募集入試日程一覧」
志望校の選び方
高校受験では志望校を早めに決めておくことが、受験を成功させるコツの一つです。目標が明確になるとやるべきことが見え、学習意欲の向上を図れます。
ここからは、志望校を選ぶときの重要なポイントを5つ紹介します。
偏差値だけで決めない!適切な学校選び
志望校は偏差値だけで決めるのではなく、高校の校風やカリキュラムも重視しましょう。
校風は高校によって大きく異なります。文武両道を目指している高校や大学受験を重視している高校、学校行事を盛んに行っている高校など、さまざまです。先輩から話を聞いたり、オープンスクールで見学したりすると、雰囲気をつかめるでしょう。
またカリキュラムも志望校選びで見ておきたいポイントです。将来の夢や目標に合わせて、学びたい内容が充実している学校を選ぶとよいでしょう。特に大学進学を目指している場合は、志望大学の受験に対応したカリキュラムになっているかどうか確認しておくことが大切です。
公立高校 vs 私立高校のメリット・デメリット
志望校を選択するときに、公立高校にするか私立高校にするか迷っている人もいるでしょう。公立高校・私立高校は、どちらにも下記のようなメリット・デメリットがあります。
公立高校 | 私立高校 | |
---|---|---|
メリット | ・費用が安い ・比較的自由度が高い |
・施設・設備が整っている ・大学受験に対して手厚いサポートが受けられる |
デメリット | ・私立高校よりも一人ひとりのサポートは手厚くない ・数年ごとに教師が変わる可能性がある |
・学費が高い ・校風が合わない場合がある |
公立高校は費用が安いというメリットがある一方で、教師の異動が数年ごとにあるため、3年間のうちに教師が変更になる可能性があります。
また私立高校は、大学進学率を重視している学校も多く、受験サポートがしっかりしています。ただし校風や雰囲気が学校ごとに大きく異なるため、入学後に「合わない」と感じる生徒もいるかもしれません。
それぞれのメリットとデメリットを比較して、自分にぴったりな学校を選びましょう。
志望校のオープンキャンパス活用法
気になる高校がいくつかある場合は、オープンキャンパスを活用しましょう。オープンキャンパスでは、学校ごとにさまざまな催しを開催しており、実際に授業を体験したり、先輩からの話を聞いたりできます。
オープンキャンパスでは、以下の項目をチェックしておきましょう。
在校生の様子
在校生の様子を見れば、どのような校風か、なんとなくつかめます。生徒の自主性を重んじる高校もあれば、伝統ある趣きで落ち着いた雰囲気の高校もあります。
教師の雰囲気
高校によっては、体験授業が受けられます。どのような雰囲気で授業が進むのかを確認しましょう。
施設の充実度
校舎、体育館、プール、グラウンドのほか、学食や購買の有無など、自分がこの高校でどんなことをしたいかを想像しながら、どのような施設が必要かを考えましょう。またトイレや更衣室の清潔さもチェックしておきたいポイントです。
通学の利便性
通学にかかる時間や、電車の場合は利用経路などを調べておきましょう。自転車や徒歩の場合は、天候が悪い日でも通学しやすいかも考えてみましょう。
学習カリキュラム
文系・理系の決定時期、クラス分けが成績別かどうか、定期テストや大学進学に対するサポートなどは、自分の進路に関わるので重要です。
部活動の様子
部活動の加入率や入りたい部活動があるかなどを確認しておきましょう。
在校生や教師の雰囲気、通学の利便性については、実際に高校に行ってみないとわからないことがほとんどです。複数の高校のオープンキャンパスに参加することで、入学後の生活を想像しやすくなり、自分に合っている高校を見つけることができるでしょう。
オープンキャンパスは、高校の雰囲気を実際に見ることができる貴重な機会です。少しでも気になる高校があれば、オープンキャンパスに参加してみてください。
進学実績・大学合格実績の確認
大学受験を検討している人は、志望校の進学実績を確認しておくとよいでしょう。特に国公立大や難関私学への受験を考えている人は、目標とする大学への進学実績がどの程度が確認しておくことが大切です。
進学実績が豊富にある高校では、個別相談や進路セミナーなどの進路指導が充実していると考えられます。高校によっては、指定校推薦枠を設けている可能性もあります。自分の将来の目標とマッチした高校かどうか見極めましょう。
塾・家庭教師・オンライン塾の選び方
高校受験を考えている人にとって、塾選びは合格への重要なステップの一つです。
高校受験対策の塾の種類を大きく分けると、「集団指導塾」「個別指導塾」「映像授業の塾」「オンライン塾」の4種類があります。
塾の種類 | 講師1人が指導する人数 | 授業料目安 | カリキュラム | 代表的な塾 |
---|---|---|---|---|
集団指導塾 | 少人数/6~10人 大人数/11人以上 |
約6,000~約15,000円 ※中学3年生が 週1回通塾する 場合の月額相場 |
あり | ・佐鳴予備校 ・名進研 ・明倫ゼミナール |
個別指導塾 | 1~3人 | 約6,000~約36,000円 ※中学3年生が 週1回通塾する 場合の月額相場 |
オーダーメイド | ・個別教室のトライ ・スクールIE ・明光義塾 |
映像授業の塾 | ー | 3,278円 ※東進オンライン 学校中等部 |
オーダーメイド (ない場合も) |
・東進オンライン学校中等部 |
オンライン塾 | 1人 (大人数の場合も) |
5,400円 ※そら塾 |
オーダーメイド (ない場合も) |
・トライのオンライン個別指導塾 ・そら塾 |
文部科学省のデータによると、公立中学生が通信教育・家庭教師を利用しなかった割合は約72.7%、学習塾を利用しなかった割合は、約34.1%とわかりました。この結果から、通信教育・家庭教師を利用した人は、全体の約3割、学習塾を利用した人は、約7割にのぼるといえます。
文部科学省が公表したデータは中学生全体の割合なので、中学3年生の受験生だけに絞ると、さらに多くの人が通信教育・家庭教師・塾などを利用したと考えられるでしょう。
ここからは、愛知県の高校受験に適した塾を選ぶ方法を紹介します。
(出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」)
集団塾 vs 個別指導塾の違い
高校受験対策ができる塾には、集団塾と個別指導塾があります。
集団塾は、講師1人が生徒10名以上に対して指導を行う指導スタイルです。学習カリキュラムはあらかじめ決まっており、学校の授業のように講師が一方通行で解説を行うのが特徴。生徒の学力や目標に合わせてクラスが分かれている塾が多く、同じ目標を持った同級生と切磋琢磨しながら学習を進めることができます。
ライバルがいたほうが学習のモチベーションになる人や、学習習慣がある程度身についている人には、集団塾がおすすめです。
一方で個別指導塾は、講師1人が生徒1~3名に指導をするスタイルです。生徒の学力や目標に合わせてカリキュラムを設定するため、一人ひとりのニーズに合った授業を受けられます。講師が生徒の近くで指導を行っているため、解説中にわからないところがあれば、すぐに質問できる環境です。
苦手分野が多い人や自分のペースで学習を進めていきたい人は、個別指導塾が向いているでしょう。
オンライン塾の活用法
オンライン塾は、インターネットを活用して学習指導を行うスタイルです。インターネット環境さえあれば、場所を問わず授業を受けることができます。通塾する必要もなく、通塾にかかっていた時間を勉強に回せることは、メリットといえます。
また場所にとらわれずに授業を受けられるオンライン塾では、自宅にいながら有名講師の授業を受けることが可能です。ただし高校受験は各地域の特色が出ます。地元にある学習塾のほうが、受験に対するノウハウを持っていることが多いため、志望校への合格実績があるかどうかは事前にチェックしておきましょう。
模試の活用法
模試は、自分の苦手分野や現在の学力を客観的に把握できるため、受験生にとって欠かせない存在です。しかし模試にもさまざまな種類があり、どれを受験したらいいかわからないという人もいるでしょう。
ここからは、愛知県の主要な模試を紹介します。それぞれの模試のレベルや出題傾向も解説するので、模試選びの参考にしてください。
主要な模試の種類(愛知全県模試・愛知県マーク模試など)
愛知県の高校入試に特化した主な模試は、以下の2つです。
模試の判定結果の見方
模試の結果が返ってきたら、一番気になるのは志望校の判定結果でしょう。志望校にA判定が出ていたら、今の自分の実力でも合格できると安心してしまう生徒もいるかもしれません。しかしA判定が出たからといって、必ず合格するというわけではありません。
模試の合格判定は、過去に模試を受けた生徒の合格率で判断されています。例えば、過去にその模試で偏差値60だった人たちが80%以上その高校に合格していれば、模試で偏差値60をとれるとA判定が出るという仕組みです。
そのため模試の判定結果を見る際には、偏差値と過去の生徒の合格率を結び付けて合格判定を出していることを認識しておきましょう。
模試を有効活用するには、自分が間違えた問題や足を引っ張っている教科を確認し、見直しをすることが大切です。
まとめ
愛知県の高校受験では、公立2校+私立3校の最大5校まで受けられます。学校や学科によって受験日や科目、志望校の選び方などにはルールがあるので、早いうちに把握しておけば、落ち着いて受験に臨めるでしょう。
また受験勉強は単なる暗記ではなく、模試を活用して苦手を把握し、計画的に学習を進めることが重要です。学習塾・家庭教師・オンライン塾など、自分に合った勉強方法を選び、効率的に学習しましょう。
「塾選」では、愛知県の高校受験対策に適した塾を掲載しています。ぜひ塾選びの参考にしてみてください。