石川県の高校受験完全ガイド|スケジュール・勉強法・志望校の選び方
石川県の高校受験は、公立・私立とも特徴的な部分があるため、志望校選びや受験対策に悩む受験生や保護者も多いでしょう。
本記事では、石川県における高校入試日程や内申点の計算方法、おすすめの模試などについて詳しく解説します。受験勉強を効率的に進めるための勉強法や、塾の活用法についても解説するため、これから受験を迎える中学生や保護者は、ぜひ参考にしてください。
石川県の高校受験の基本情報
まずは、石川県の高校受験の基本情報を把握しておきましょう。
高校受験の流れ
・公立高校の場合
公立高校受験では、「推薦入学」の選抜が行われた後「一般入学」の選抜が実施されます。
・私立高校の場合
10~11月ごろ:三者面談で志望校を確定させる
▼
12月上旬~1月上旬:「推薦入試」出願
▼
1月中旬:「推薦入試」選考、合格発表
「一般入試」出願
▼
1月下旬:「一般入試」選考
▼
2月上旬:「一般入試」合格発表
石川県の私立高校受験では「推薦入試」「一般入試」ともに選考日が統一されています。しかし、出願期間は学校ごとに異なるため注意が必要です。志望校が決まったら、まずは各高校のホームページで詳細を確認するようにしましょう。
また、学校によっては2次選抜が予定されているケースもあります。2次試験は2月中旬~3月にかけて実施されるので、受験を検討する際には公立高校の日程にも注意しましょう。
石川県における高校受験の仕組み
ここでは、石川県の高校受験の仕組みについて、公立と私立に分けて解説します。
公立高校受験の仕組み
選抜方法 | 出願 | 選考方法 |
---|---|---|
一般入学 | 1校のみ出願可 ※例外あり | 学力検査(国語・社会・数学・理科・英語)、調査書、一部の学校で面接など |
推薦入学 | 1校のみ出願可 | 調査書、志願理由書、一部面接や適性検査を実施する高校もある |
※参考:石川県広報
一般入学では、原則一人1校1学科(コース)にしか出願できません。ただし、同一校においてのみ、第2志望への出願または併願が可能です。また、志願先の変更は1回限りできますが、変更後の取り消しや再変更は不可となっています。また、第2志望のみの変更はできませんので、慎重に検討しましょう。
推薦入学も、出願できるのは1校1学科のみです。出願には各学校・学科が定める要件を満たし中学校からの推薦を受ける必要があります。推薦入学に合格すると、必ず入学しないといけない点にも注意しましょう。
なお、推薦入学で不合格だった場合は、一般入学への再出願も可能です。
私立高校受験の仕組み
私立高校には「一般入試」「推薦入試」の2種類の受験方法があります。どちらの受験方法とも、ほとんどの学校で同日に選考が実施されるため、出願できるのは実質1校のみです。
ただし、選考方法は各学校や学科によって異なります。また、「専願」と「併願」の区別があるほか、学力やスポーツに特化した推薦など入試制度自体にも違いが多いため、詳細については各高校のホームページなどで確認しましょう。
受験科目と配点
公立高校と私立高校では、学力検査の科目や配点、評価対象などにも違いがあります。
公立高校の受験科目・配点
選抜方法 | 配点 |
---|---|
一般入学 |
|
推薦入学 |
|
一般入学の学力検査の配点は、5教科(国語・社会・数学・理科・英語)各100点の500点満点です。学校や学科によっては傾斜配点を実施しているケースもあるので注意しましょう。内申点は180点満点です。また、面接を実施する高校では、面接の結果も合否に影響します。
推薦入学では、学力検査は実施しません。選考時には面接を行うほか、学校によっては適性検査を実施する場合もあります。
私立高校の受験科目・配点
選抜方法 | 配点 |
---|---|
一般入試 |
|
推薦入試 |
|
※参考:各私立高校の募集要項
私立高校の一般入試では、主に5教科(国語・社会・数学・理科・英語)の学力検査が実施されます。配点は各100点、500点満点のケースが一般的です。また、学力検査の他に面接や実技試験を行う学校や学科もあります。
推薦入試は面接や作文のみを実施する高校が多いものの、学力試験を行うケースもあるため注意しましょう。
なお、私立高校の合否判定の選抜方法や評価割合は、学校ごとに異なります。詳細は公表されていない場合も多いため、中学校の先生や塾などに事前に確認しておくと安心です。
石川県の高校受験における内申点の基本
ここでは、石川県の高校受験における内申点について詳しく解説します。
受験する学校や学科によっては学力検査と同じくらい重要視されることもあるため、きちんと対策しておきましょう。
内申点の対象期間
石川県の高校入試における内申点の算出対象期間は、中学1年次から中学3年次までの3年間全てです。
特に、難関校の入試では学力テストで差がつきにくいことから、合格を勝ち取るためには早いうちから苦手分野を作らないように内申点対策を進めることが重要なポイントといえるでしょう。
内申点の計算方法
石川県では、中学1年次~3年次までの成績を下表のように計算して内申点を算出します。
中1 | 中2 | 中3 | 合計 |
---|---|---|---|
9教科×5段階=45点満点 | 9教科×5段階=45点満点 | 9教科×5段階×2=90点満点 | 180点満点 |
内申点を算出する際は、中学1・2年次の成績と中学3年次の成績を2倍した値を足します。
なお、中学3年次の成績は1・2学期の成績を5段階で評価されたもので、3学期の評価は加味されません。
内申点を上げる方法
内申点を上げるためには、定期テストで高得点を取ることはもちろん、日頃の学習態度にも気をつける必要があります。
定期テストでは、テスト範囲をしっかりと把握し、日々の学習計画を立てて勉強に取り組むことが求められます。定期テストが内申点に及ぼす影響は、学校によって異なります。しかし、定期テストの結果を重視している学校では、60点以上取れると評定3、80点以上だと評定4を得やすくなります。
提出物と授業態度も、内申点に大きな影響を与えます。提出物は、期日を守ってすべてやりきったうえで提出することが大切です。期日を過ぎてからの提出や、未完成での提出は、内申点を下げるリスクがあるため注意しましょう。
授業態度では、生徒の積極性を重視する学校が多いとされています。授業中に積極的に発言したり、講師に当てられたときに正しい解答ができたりすると、内申点アップが期待できるでしょう。
受験スケジュール(2025年度)
ここでは、石川県における高校受験のスケジュールを紹介します。
以下の表は、2025年に実施された高校入試日程です。
公立高校 | 私立高校 | |||
---|---|---|---|---|
一般入学 | 推薦入学 | 一般入試 | 推薦入試 | |
出願 | 2月19~25日 | 2月4~6日 | 12月9日~1月24日 | 12月2日~1月9日 |
志願先変更 | 2月28日~3月4日 | ― | ― | ― |
選考 | 3月11~12日 | 2月13日 | 1月31日 | 1月11~19日 |
合格発表 | 3月19日 | 2月18日(内定) | 2月5~7日 | 1月14~23日 |
※参考:石川県広報、各私立高校の募集要項
公立高校の推薦入学では、2月18日に内定が出ますが、合格発表自体は3月19日に行なわれています。
私立高校入試の日程は、学校によって異なるため注意が必要です。特に出願期間は、12月中に終わる学校もあれば1月から受け付け開始する学校もあります。スケジュールの詳細については、各学校のホームページを確認しましょう。
志望校の選び方
高校受験では、志望校を早めに決めておくことが、受験を成功させるコツの1つです。目標が明確になると、やるべきことが見え、学習意欲の向上を図れます。
ここからは、志望校を選ぶときの重要なポイントを5つ紹介します。
偏差値だけで決めない!適切な学校選び
志望校は、偏差値だけで決めるのではなく、高校の校風やカリキュラムも重視しましょう。
校風は、高校によって大きく異なります。文武両道を目指している高校や、大学受験を重視している高校、学校行事を盛んに行っている高校など、さまざまです。先輩から話を聞いたり、オープンスクールで見学したりすると、雰囲気をつかめるでしょう。
また、カリキュラムも志望校選びで見ておきたいポイントです。将来の夢や目標に合わせて、学びたい内容が充実している学校を選ぶとよいでしょう。特に、大学進学を目指している場合は、志望大学の受験に対応したカリキュラムになっているかどうかを確認しておくことが大切です。
公立高校 vs 私立高校のメリット・デメリット
志望校を選択するときに、公立高校にするか私立高校にするか迷っている人もいるでしょう。公立高校・私立高校は、どちらにも下記のようなメリット・デメリットがあります。
公立高校 | 私立高校 | |
---|---|---|
メリット | ・費用が安い・比較的自由度が高い | ・施設・設備が整っている・大学受験に対して手厚いサポートが受けられる |
デメリット | ・私立高校よりも一人ひとりのサポートは手厚くない・数年ごとに教師が変わる可能性がある | ・学費が高い・校風が合わない場合がある |
公立高校は、費用が安いというメリットがある一方で、教師の異動が数年ごとにあるため、3年間のうちに教師が変更になる可能性があります。
また、私立高校は、大学進学率を重視している学校も多く、受験サポートがしっかりしています。ただし、校風や雰囲気が学校ごとに大きく異なるため、入学後に「合わない」と感じる生徒もいるかもしれません。
それぞれのメリットとデメリットを比較して、自分にぴったりな学校を選びましょう。
志望校のオープンキャンパス活用法
気になる高校がいくつかある場合は、オープンキャンパスを活用しましょう。オープンキャンパスでは、学校ごとにさまざまな催しを開催しており、実際に授業を体験できたり、先輩からの話を聞いたりできます。
オープンキャンパスでは、以下の項目をチェックしておきましょう。
在校生の様子
在校生の様子を見れば、どのような校風か、何となくつかめます。生徒の自主性を重んじる高校もあれば、伝統ある趣きで落ち着いた雰囲気の高校もあります。
教師の雰囲気
高校によっては、体験授業が受けられます。どのような雰囲気で授業が進むのかを確認しましょう。
施設の充実度
校舎、体育館、プール、グラウンドのほか、学食や購買の有無など、自分がこの高校でどのようなことをしたいかを想像しながら、必要な施設があるかを確認しましょう。また、トイレや更衣室の清潔さもチェックしておきたいポイントです。
通学の利便性
通学にかかる時間や、電車の場合は利用経路などを調べておきましょう。自転車や徒歩の場合は、天候が悪い日でも通学しやすいかも考えてみましょう。
学習カリキュラム
文系・理系の決定時期、クラス分けが成績別かどうか、定期テストや大学進学に対するサポートなどは、自分の進路に関わるため重要です。
部活動の様子
部活動の加入率や入りたい部活動があるかなどを確認しておきましょう。
在校生や教師の雰囲気、通学の利便性については、実際に高校に行ってみないとわからないことがほとんどです。複数の高校のオープンキャンパスに参加することで、入学後の生活を想像しやすくなり、自分に合っている高校を見つけることができるでしょう。
オープンキャンパスは、高校の雰囲気を実際に見ることができる貴重な機会です。少しでも気になる高校があれば、オープンキャンパスに参加してください。
進学実績・大学合格実績の確認
大学受験を検討している人は、志望校の進学実績を確認しておくとよいでしょう。特に国公立大や難関私学への受験を考えている人は、目標とする大学への進学実績がどの程度が確認しておくことが大切です。
進学実績が豊富にある高校では、個別相談や進路セミナーなどの進路指導が充実していると考えられます。高校によっては、指定校推薦枠を設けている可能性もあります。自分の将来の目標とマッチした高校かどうか見極めましょう。
塾・家庭教師・オンライン塾の選び方
高校受験を考えている人にとって、塾選びは合格への重要なステップの1つです。
高校受験対策の塾の種類を大きく分けると、「集団指導塾」「個別指導塾」「映像授業の塾」「オンライン塾」の4種類があります。
塾の種類 | 講師1人が指導する人数 | 授業料目安 | カリキュラム | 代表的な塾 |
---|---|---|---|---|
集団指導塾 | 少人数/6~10人大人数/11人以上 | 約6,000~約15,000円※中学3年生が週1回通塾する場合の月額相場 | あり | ・金沢育英センター ・能力開発センター・トフルゼミナール |
個別指導塾 | 1~3人 | 約6,000~約36,000円※中学3年生が週1回通塾する場合の月額相場 | オーダーメイド | ・個別教室のトライ・スクールIE・明光義塾 |
映像授業の塾 | ー | 3,278円※東進オンライン学校中等部 | オーダーメイド(ない場合も) | ・東進オンライン学校中等部 |
オンライン塾 | 1人(大人数の場合も) | 5,400円※そら塾 | オーダーメイド(ない場合も) | ・トライのオンライン個別指導塾・そら塾 |
文部科学省のデータ「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立中学生が通信教育や家庭教師を利用しなかった割合は、約72.7%、学習塾を利用しなかった割合は、約34.1%とわかりました。この結果から、通信教育・家庭教師を利用した人は全体の約3割、学習塾を利用した人は約7割にのぼるといえます。
文部科学省が公表したデータは中学生全体の割合であるため、中学3年生の受験生だけに絞ると、さらに多くの人が通信教育・家庭教師・塾などを利用したと考えられるでしょう。
ここからは、石川県の高校受験に適した塾を選ぶ方法を紹介します。
(出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者が作成)
集団塾 vs 個別指導塾の違い
高校受験対策ができる塾には、集団塾と個別指導塾があります。
集団塾は、講師1人が生徒10名以上に対して指導を行う指導スタイルです。学習カリキュラムはあらかじめ決まっており、学校の授業のように講師が一方通行で解説を行うのが特徴。生徒の学力や目標に合わせてクラスがわかれている塾が多く、同じ目標を持った同級生と切磋琢磨しながら学習を進められます。
ライバルがいたほうが学習のモチベーションが高まる人や、学習習慣がある程度身についている人には、集団塾がおすすめです。
一方、個別指導塾は、講師1人が生徒約1~3名に指導をするスタイルです。生徒の学力や目標に合わせてカリキュラムを設定するため、一人ひとりのニーズに合った授業を受けられます。講師が生徒の近くで指導を行っているため、解説中にわからない所があれば、すぐに質問できる環境です。
苦手分野が多い人や自分のペースで学習を進めていきたい人は、個別指導塾が向いているでしょう。
オンライン塾の活用法
オンライン塾は、インターネットを活用して学習指導を行うスタイルです。インターネット環境さえあれば、場所を問わず授業を受けられます。通塾する必要もなく、通塾にかかっていた時間を勉強に回せることは、メリットといえます。
また、場所にとらわれずに授業を受けられるオンライン塾では、自宅にいながら有名講師の授業を受けることが可能です。ただし、高校受験は各地域の特色が出ます。地元にある学習塾のほうが、受験に対するノウハウを持っていることが多いため、志望校への合格実績があるかどうかは事前にチェックしておきましょう。
模試の活用法
模試は、自分の苦手分野や現在の学力を客観的に把握できるため、受験生にとって欠かせない存在です。しかし、模試にもさまざまな種類があり、どれを受験したらいいかわからないという人もいるでしょう。
ここからは、石川県の主要な模試や出題傾向を紹介します。あわせて、模試の判定を見る際に注意すべき点についても解説しているので、高校受験対策の参考にしてください。
主要な模試の種類(石川県総合模試・石川県公立高校オープン模試)
石川県の高校入試におすすめの模試としては、以下の2つが挙げられます。
模試の判定結果の見方
模試の結果が返ってきたら、一番気になるのは志望校の判定結果でしょう。志望校にA判定が出ていたら、今の自分の実力でも合格できると安心してしまう生徒もいるかもしれません。しかし、A判定が出たからといって、必ず合格するというわけではありません。
模試の合格判定は、過去に模試を受けた生徒の合格率で算出されます。たとえば、過去にその模試で偏差値60を取った生徒のうち80%以上が高校に合格していれば、模試で偏差値60でA判定が出るという仕組みです。
そのため、模試の判定結果を見る際には、偏差値と過去の生徒の合格率を結び付けて合格判定を出していることを認識しておきましょう。
模試を有効活用するには、自分が間違えた問題や足を引っ張っている教科を確認し、見直しをすることが大切です。
まとめ
石川県の高校受験では、私立高校で「推薦入試」「一般入試」が行われた後、公立高校で「推薦入学」「一般入学」の順で実施されます。選抜や評価の方法は学校・学科によって異なるので注意しましょう。
内申点が合否に影響する割合が高いのも石川県の特徴の一つです。内申点の算出には中学1年次からの成績が使われるため、早い時期からの対策が重要といえます。
また、受験勉強は単なる暗記ではなく、模試を活用して苦手を把握し、計画的に学習を進めることが重要です。学習塾・家庭教師・オンライン塾など、自分に合った勉強方法を選び、効率的に学習しましょう。
「塾選」では、石川県の高校入試対策に適した塾を掲載しています。ぜひ、塾選びの参考にしてください。