新潟県の高校受験ガイド|制度・スケジュール・対策を徹底解説
新潟県の中学生や保護者の中には、高校受験を意識し始めたものの、受験制度やスケジュールなどを把握できていない人や、公立高校を志望しているが、私立高校も受験すべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
新潟県の公立高校受験では、2026年度と2027年度の入試で受験制度の変更が予定されています。公立高校受験を乗り越えるためには、正しい情報を収集することが不可欠です。また、子どもの目標に合った進路選択をするために、公立高校と私立高校の受験制度の仕組みやスケジュールを理解し、早めに対策を始めることも必要でしょう。
この記事では、新潟県の高校受験に関する基本情報やスケジュール、志望校選びのポイントなどを詳しく解説します。また、受験勉強を効率的に進めるための勉強法や塾の活用法についても紹介しますので、これから受験を迎える中学生や保護者はぜひ参考にしてください。。
2026年(令和8年)入試から調査書の様式が変更
新潟県の公立高校入試では、2026年度(令和8年度)入試から調査書の様式が変更になります。
主な変更点は、次の2つです。
- 志願先・志望学科等の記載欄の削除
- 各教科の学習の記録(観点別評価)は評定のみを記載
合否判定に関わる評定のみを調査書に記載するのは、調査書の取り扱いについて透明性や客観性を持たせるための変更であると発表されています。
(参照)令和8年度新潟県公立高等学校入学者選抜における「調査書」の様式について(新潟県教育庁高等学校教育課)
2027年入試から特色化選抜が廃止、一般選抜に「学校認定枠」を設置
2027年度入試から公立高校入試で実施されている特色化選抜が廃止され、一般選抜の中に「学校認定枠」が導入されます。
新潟県の公立高校では、スポーツ活動や文化活動、科学分野の活動などで優秀な成績を修めた生徒を対象に特色化選抜を実施しています。しかし、今後の部活動の地域移行を見据えて2026年度入試を最後に廃止されることとなりました。
一方で各高校がアドミッションポリシーを踏まえて生徒を選抜できる「学校認定枠」を新設します。
新潟県の高校受験の基本情報
まずは、新潟県の高校受験の基本情報をチェックしましょう。
高校受験の流れ
・公立高校の場合
新潟県の公立高校受験は、特色化選抜と一般選抜で実施時期が異なります。特色化選抜と一般選抜に分けて、受験の流れを解説します。
【特色化選抜】
【一般選抜】
募集定員に満たなかった高校では、3月中旬~下旬に2次募集が行われます。万が一、公立高校に合格できなかった人は2次募集に出願できます。
・私立高校の場合
新潟県の私立高校受験は、1月下旬が入試のピークとなります。高校によっては2月中旬に一般入試を実施したり、公立高校入試後の3月に専願入試を行ったりする場合もあります。
ここでは、新潟県の私立高校受験の流れを推薦入試と一般入試に分けて解説します。
【推薦入試】
1月上旬~中旬:志望校に出願
▼
1月中旬~下旬:検査日
▼
1月中旬~下旬:合格発表
【一般入試】
1月上旬~中旬:志望校に出願(※1月に試験を実施する高校の場合)
▼
1月中旬~下旬:検査日①
▼
1月中旬~下旬:合格発表①
▼
2月上旬:志望校に出願(※2月に試験を実施する高校の場合)
▼
2月中旬:検査日②
▼
2月中旬:合格発表②
▼
3月中旬:志望校に出願(※3月に試験を実施する高校の場合)
▼
3月中旬:検査日③
▼
3月下旬:合格発表③
新潟県の私立高校では、最大で3回の一般入試を実施する学校もあります。ただし、一般入試の実施回数や実施時期は各学校で異なるため、注意が必要です。
また、新潟県の私立高校受験の特徴として、多くの高校がほぼ同時期に選抜検査を実施するのことが挙げられます。しかし、選抜区分や出願期間などは各高校で異なるため、募集要項を確認しましょう。
公立高校と私立高校の受験制度の違い
ここからは、新潟県の公立高校と私立高校の受験制度について解説します。公立高校と私立高校では、受験制度が異なります。受験戦略を考えるためにも、受験制度をしっかりと理解しましょう。
公立高校の受験制度
新潟県の公立高校は、特色化選抜と一般選抜で受験できます。以下は、特色選抜と一般選抜の受験制度の概要です。
【新潟県の公立高校の受験制度】
項目 | 特色化選抜 | 一般選抜 |
---|---|---|
対象 | スポーツ活動・文化活動・科学分野の活動などで優秀な実績を修めており、高校が定める実績条件を満たしている人 | 県教育委員会が定める出願資格を満たす人 |
選考方法 | 個人面接+内申点(※一部高校では実技検査の受験やPRシートの提出が必要) | 学力検査+内申点(※一部高校では学校独自検査を実施) |
倍率 | 2025年度入試の最終倍率は0.60倍 | 2025年度入試の最終倍率は1.03倍 |
学費 | 全日制課程の授業料は年額118,800円(※1)だが、実質無償。その他の費用は学校ごとに異なる | |
その他 | ・出願には中学校長の推薦が必要・一部の高校のみが特色化選抜を実施 | ・内申点:学力検査点の比重は5:5/4:6/3:7のいずれか |
(※1)出典:新潟県立学校条例
特色化選抜は、いわゆる推薦入試です。特色化選抜に出願するには各高校が定める実績条件を満たし、中学校長から推薦される必要があります。
一般選抜では、学力検査点と内申点で合否判定を行います。学力検査のほかに学校独自検査を実施する高校もあり、2025年度入試では新潟中央高校音楽科で実技検査を実施しました。検査内容は学校や学科により異なるため、各学校のホームページを確認しましょう。
公立高校の一般選抜では、学力検査点と内申点をそれぞれ1000点に換算した後、各高校で決めた内申点と学力検査点の比重に沿って得点を圧縮させます。圧縮させた得点の合計を主な判断材料として、合否を決める仕組みです。
ここで新潟高校普通科を一般選抜で受験した場合を例に、得点換算方法をチェックしましょう。A君は中学3年間の内申点の合計が120点で、学力検査では430点を取りました。
A君の得点を換算したものが下表です。
新潟高校普通科(内申点:学力検査点=3:7)を受験したA君の場合 | ||||
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素点 | 1000点への換算方法 | 得点の圧縮方法 | 合計得点 | |
内申点 | 120点/135点 | 120点÷135×1000=888.9点※小数第二位を四捨五入 | 888.9点×0.3=267点※小数第一位を四捨五入 | 788点 |
学力検査点 | 372点/500点 | 372点×÷500×1000=744点 | 744点×0.7=521点※小数第一位を四捨五入 |
(参照)令 和7年度 新潟県公立高等学校 入学者選抜要項(新潟県教育委員会)
上表の手順で合計得点を算出して、得点が高い人から合格とします。なお、学校独自検査をする高校では上表の手順で計算した合計得点に学校独自検査の結果を加点して、合否判定を行います。
私立高校の受験制度
新潟県の私立高校は推薦入試と一般入試で受験できます。
新潟県の私立高校の出願基準や選考方法は各高校によって異なるため、志望校の募集要項を必ずチェックしてください。
受験科目と配点
この章では、新潟県の公立高校と私立高校の受験教科の違いや配点について解説します。
・公立高校の受験科目・配点
新潟県の公立高校受験では、一般選抜の受験者が学力検査を受験します。受験教科と配点は、以下のとおりです。
学力検査 | ・5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の学力検査・各教科50分・各教科100点満点(※一部高校で傾斜配点あり) |
---|---|
その他の検査 | 学校独自検査(実技検査など) |
選抜方法 | 学力検査と内申点の総合得点で合格者を選抜 |
・私立高校の受験科目・配点
新潟県の私立高校の受験教科と配点は、下記のとおりです。
学力検査 | ・3教科(国語・数学・英語)の学力検査を受験・配点・試験時間は高校によって異なる |
---|---|
その他の検査 | 面接など |
選抜方法 | 内申点や当日の学力検査、面接などの総合得点で選考 |
新潟県の私立高校受験では学校によって検査内容や選考方法が異なるため、募集要項やオープンキャンパスなどで詳しく確認しましょう。
受験スケジュール(2026年版)
この章では、新潟県の受験スケジュールを紹介します。
新潟県公立高校入試日程(2026年)
2026年度の新潟県公立高校入試の日程は下記のとおりです。
特色化選抜 | 一般選抜 | |
---|---|---|
出願期間 | 2026年1月30日~2月3日 | 2026年2月16日~2月18日 |
志願変更 | ー | 2026年2月24日~2月26日 |
検査等実施日 | 2026年2月9日(面接等) | 2026年3月4日(学力検査)2026年3月5日(学校独自検査) |
追試験※やむを得ない事情で学力検査を受験できなかった人が対象 | ー | 2026年3月9日(学力検査)2026年3月10日(学校独自検査) |
合格内定通知 | 2026年2月12日 | ー |
合格発表 | 2026年3月12日 | 2026年3月12日 |
(参照)令和8年度新潟県公立高等学校入学者選抜学力検査等の実施期日等について (新潟県教育庁高等学校教育課)
2025年の受験スケジュール
高校受験に臨むには、スケジュールが異なる公立高校と私立高校の入試日程をしっかりと把握する必要があります。
2026年度の私立高校の入試日程は未発表のため、参考として2025年度の公立高校入試と私立高校入試のスケジュールを比較して紹介します。
日程 | 新潟県の公立高校 | 新潟県の私立高校 |
---|---|---|
2024年12月1日~ | Web出願登録 受付開始 | |
2025年1月7日ごろ~17日ごろ | 推薦入試・一般入試① 願書受付 | |
2025年1月21日~23日 | 推薦入試・一般入試① 試験日 | |
2025年1月24日ごろ~27日ごろ | 推薦入試・一般入試① 合格発表 | |
2025年1月31日~2月4日 | 特色化選抜 願書受付 | |
2025年2月3日ごろ~2月7日ごろ | 一般入試② 願書受付 | |
2025年2月10日 | 特色化選抜 試験日 | |
2025年2月11日ごろ | 一般入試② 試験日 | |
2025年2月13日 | 特色化選抜 合格内定通知 | |
2025年2月13日ごろ~14日ごろ | 一般入試② 合格発表 | |
2025年2月17日~19日 | 一般選抜 願書受付 | |
2025年2月25日~27日 | 志願変更 | |
2025年3月5日~6日 | 一般選抜 学力検査※3月6日は一部学校のみ | |
2025年3月10日~11日 | 一般選抜 学力検査※3月11日は一部学校のみ | |
2025年3月13日 | 特色化選抜/一般選抜 合格発表 | |
2025年3月13日 | 合格発表 | |
2025年3月13日ごろ~3月14日ごろ | 一般入試③ 願書受付 | |
2025年3月15日ごろ~17日ごろ | 一般入試③ 試験日 | |
2025年3月18日ごろ | 一般入試③ 合格発表 |
新潟県の高校受験における内申点の基本
新潟県の公立高校受験では、内申点も合否判定の重要な要素です。内申点と学力検査点を同じ比重として合格者を選抜する高校では、1点の内申点が合否を分ける場合もあるでしょう。
とはいえ「内申点はどうやって計算するの?」「何年生の評価が内申点に反映されるの?」など、内申点について詳しく知らない人もいるでしょう。
本章では、新潟県の高校受験において押さえておくべき内申点の基本情報を解説します。
内申点の対象期間
新潟県の高校受験では、中学1年生~3年生までの成績が内申点の対象です。
内申点の計算方法
調査書には9教科それぞれの成績が5段階評定で記載されます。各学年が45点満点で、3年間の合計は135点満点です。
内申点を上げる方法
内申点を上げるためには、次の3つのポイントを意識して日々の学習に取り組みましょう。
内申点の評価には定期テストの得点だけでなく、日頃の学習態度も大きく影響します。
定期テストでは、テスト範囲をしっかりと把握し、学習計画を立てて日々の勉強に取り組む必要があります。定期テストが内申点に及ぼす影響は学校によって異なるものの、定期テストの結果を重視している学校では60点以上だと評定3、80点以上だと評定4を取れる可能性が高くなるでしょう。
課題や提出物は、期日を守って全てやりきってから提出することが大切です。期日を過ぎてからの提出や、全て解き終わっていない状態で提出すると、内申点を下げるおそれがあるため注意しましょう。
授業では、生徒の積極性が評価される傾向にあります。授業中に積極的に発言したり、教師に指名されたときに正しい解答ができたりすると、内申点アップも期待できるでしょう。
志望校の選び方
高校受験では志望校を早めに決めておくことが、受験を成功させるコツの1つです。目標が明確になると、やるべきことがはっきりするため、学習意欲の向上にもつながります。
この章では、志望校を選ぶときに重要なポイントを5つ紹介します。
偏差値だけで決めない!適切な学校選び
志望校は偏差値だけでなく、校風やカリキュラムも踏まえて選ぶことが重要です。
偏差値が同じぐらいの高校でも、文武両道を目指す高校と勉強に重きを置く高校では校風が異なります。校風は先輩に聞いたり、オープンキャンパスに参加したりして雰囲気をつかむとよいでしょう。
志望校選びでは、カリキュラムもチェックすべきポイントです。特に私立高校では、学校独自のプログラムや授業が実施される場合も多くあります。「興味を持って学習に取り組めそうか?」「自分の将来の夢や目標に役立ちそうか?」という視点を持って、志望校を選ぶことが大切です。
また2学期制と3学期制では1年間で行われる定期テストの回数も違うため、志望校選びの段階で確認しましょう。
公立高校 vs 私立高校のメリット・デメリット
志望校選びでは、公立高校と私立高校のどちらにするか迷っている人もいるでしょう。公立高校・私立高校は、どちらにも下記のようなメリット・デメリットがあります。
公立高校 | 私立高校 | |
---|---|---|
メリット | ・費用が安い・比較的自由度が高い | ・施設・設備が整っている・大学受験に対して手厚いサポートが受けられる高校もある |
デメリット | ・私立高校よりも一人ひとりのサポートは手厚くない・数年ごとに教師が変わる可能性がある | ・費用が高い・校風が合わない場合がある |
公立高校の学費は実質無償となっているため、費用を抑えて高校に通えるでしょう。
私立高校においては、国の高等学校等就学支援金制度によって授業料の支援が受けられます。2人以上の子どもが同時に私立高校に通学する場合に、経済的負担を軽減し、子育てを支援するための学費軽減制度もあります。ただし、国のと私立高校等への「学費軽減制度」は、どちらの制度も所得制限があるため、授業料の一部を負担しなければいけない家庭もあるでしょう。
また、その他の費用も公立高校より高い傾向にあります。
制服だけでなく、靴下や通学鞄などの小物も学校指定品を購入する必要があったり、修学旅行先が海外であるために月々の積立金額が高かったりと授業料以外にもさまざまな費用がかかる可能性は事前に把握しておきましょう。
公立高校の校則は私立高校ほど厳しくない場合が多く、制服やスマートフォンの使用などのルールに自由度を持たせている高校が多い傾向にあります。一方で教師の異動が数年ごとにあるため、3年間のうちに教師が変わる場合もあるでしょう。
私立高校では大学進学率を重視して、補習や進路指導などの受験サポートを充実させている学校も多くあります。私立高校は校風や雰囲気の違いが各学校の大きな特徴ですが、入学後に「合わない」と感じる可能性もゼロではありません。私立高校の志望校選びでは、検討段階から校風や雰囲気をしっかりとチェックする必要があるでしょう。
それぞれのメリットとデメリットを比較して、自分にぴったりな高校を選ぶことが大切です。
私立併願の活用法
公立高校を第一志望にする生徒は、私立高校の併願入試を活用するとよいでしょう。とはいえ、公立高校と、私立高校の受験対策を両立させるのが困難だと感じる人もいるはずです。
新潟県の私立高校では、面接や内申点で合否が決まる一般入試の併願試験を実施している高校もあります。高校が定める内申点の基準を満たしていれば合格となる可能性が高いため、公立高校の受験対策を優先したい人におすすめの選抜区分です。
万が一、第一志望の公立高校に不合格となった場合に進学できる高校が決まっていれば、安心して受験勉強に励めるはずです。公立高校志望者は、受験前に押さえの進学先を確保するとよいでしょう。
志望校のオープンキャンパス活用法
気になる高校がいくつかある場合は、オープンキャンパスを活用しましょう。オープンキャンパスでは、学校ごとにさまざまな催しを開催しており、実際に授業を体験できたり、先輩からの話を聞いたりできます。
オープンキャンパスでは、以下の項目をチェックしておきましょう。
在校生の様子
在校生の様子を見れば、おおよその校風や雰囲気をつかめるでしょう。生徒の自主性を重んじる高校もあれば、伝統ある趣きで落ち着いた雰囲気の高校もあります。
教師の雰囲気
高校によっては、体験授業が受けられます。どのような雰囲気で授業が進むのかを確認しましょう。
施設の充実度
校舎、体育館、プール、グラウンドのほか、学食や購買の有無など、自分がこの高校でどのようなことをしたいかを想像しながら、必要な施設について考えましょう。またトイレや更衣室の清潔さもチェックしておきたいポイントです。
通学の利便性
通学にかかる時間や、電車の場合は利用経路などを調べておきましょう。自転車や徒歩の場合は、天候が悪い日でも通学しやすいかも考えてみましょう。
学習カリキュラム
文系・理系の決定時期、クラス分けが成績別かどうか、定期テストや大学進学に対するサポートなどは、自分の進路に関わるので重要です。
部活動の様子
部活動の加入率や入りたい部活動があるかなどを確認しておきましょう。
在校生や教師の雰囲気、通学の利便性については、実際に高校に行ってみないとわからないことがほとんどです。複数の高校のオープンキャンパスに参加することで、入学後の生活を想像しやすくなり、自分に合っている高校を見つけられるでしょう。
オープンキャンパスは、高校の雰囲気を実際に見れる貴重な機会です。少しでも気になる高校があれば、オープンキャンパスに参加してください。
進学実績・大学合格実績の確認
大学進学を検討している人は、志望校の進学実績の確認も必須です。特に国公立大や難関私大の受験を考えている人は、目標とする大学や同じぐらいのレベルの大学への進学実績がどの程度か、高校のHPやパンフレットで確認しておきましょう。
進学実績が豊富にある高校では、個別相談や進路セミナーなどの進路指導が充実していると考えられます。高校によっては、指定校推薦枠を設けている可能性もあります。自分の希望する進路や将来の目標とマッチした高校かどうか見極めましょう。
塾・家庭教師・オンライン学習の選び方
高校受験を考えている人にとって、塾選びは合格への重要なステップの一つです。
高校受験対策の塾の種類を大きく分けると、「集団指導塾」「個別指導塾」「映像授業の塾」「オンライン塾」の4種類があります。
塾の種類 | 講師1人が指導する人数 | 授業料目安 | カリキュラム | 代表的な塾 |
---|---|---|---|---|
集団指導塾 | 少人数/6~10人大人数/11人以上 | 約6,000~約15,000円※中学3年生が週1回通塾する場合の月額相場 | あり | ・TOP進学会・アルファ進学スクール・少人数制指導塾 関塾 |
個別指導塾 | 1~3人 | 約6,000~約36,000円※中学3年生が週1回通塾する場合の月額相場 | オーダーメイド | ・個別教室のトライ・スクールIE・明光義塾 |
映像授業の塾 | ー | 3,278円※東進オンライン学校中等部 | オーダーメイド(ない場合も) | ・東進オンライン学校中等部 |
オンライン塾 | 1人(大人数の場合も) | 5,400円※そら塾 | オーダーメイド(ない場合も) | ・トライのオンライン個別指導塾・そら塾 |
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立中学生が通信教育・家庭教師を利用しなかった割合は約72.7%、学習塾を利用しなかった割合は、約34.1%とわかりました。この結果から、通信教育・家庭教師を利用した人は、全体の約3割、学習塾を利用した人は約7割にのぼるといえます。
文部科学省が公表したデータは中学生全体の割合のため、中学3年生の受験生だけに絞ると、さらに多くの人が通信教育・家庭教師・塾などを利用したと考えられるでしょう。
ここからは、新潟県の高校受験に適した塾を選ぶ方法を紹介します。
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
集団塾 vs 個別指導塾の違い
高校受験対策ができる塾には、集団塾と個別指導塾の2つのスタイルがあります。
集団塾の指導スタイルは、講師1人が生徒10名以上に対して指導を行います。学習カリキュラムはあらかじめ決まっており、学校の授業のように講師が一方通行で解説を行うのが特徴です。生徒の学力や目標に合わせてクラスがわかれている塾が多く、同じ目標を持った塾生と切磋琢磨しながら学習を進めることができます。
ライバルがいたほうが学習のモチベーションになる人や、学習習慣がある程度身についている人には、集団塾がおすすめです。
一方、個別指導塾は、講師1人が生徒約1~3名に指導をするスタイルです。生徒の学力や目標に合わせてカリキュラムを設定するため、一人ひとりのニーズに合った授業を受けられます。講師が生徒の近くで指導を行っているため、解説中にわからない所があれば、すぐに質問できる環境です。
苦手分野が多い人や自分のペースで学習を進めていきたい人は、個別指導塾が向いているでしょう。
オンライン学習の活用法
オンライン学習は、インターネットを活用して学習指導を行うスタイルです。インターネット環境さえあれば、場所を問わず授業を受けることができます。通塾する必要もなく、通塾にかかっていた時間を勉強に回せることは、メリットといえます。
また、場所にとらわれずに授業を受けられるオンライン学習では、自宅にいながら有名講師の授業を受けることが可能です。ただし、高校受験は各地域の特色が出ます。地元にある学習塾のほうが、受験に対するノウハウを持っていることが多いため、志望校への合格実績があるかどうかは事前にチェックしておきましょう。
模試の活用法
模試は自分の苦手分野や受験時点での学力を客観的に把握できるため、受験生にとって欠かせない存在です。しかし、さまざまな種類の模試があり、どれを受験したらよいのかわからない人もいるでしょう。
この章では、新潟県の主要な模試を紹介します。それぞれの模試のレベルや出題傾向も解説するため、模試選びの参考にしてください。
主要な模試の種類
新潟県で実施される主要な模試は、次の2つです。
模試の判定結果の見方
模試の結果が返ってきたら、一番気になるのは志望校の判定結果でしょう。志望校にA判定が出ていたら、今の自分の実力でも合格できると安心する生徒もいるかもしれません。しかし、A判定が出たからといって、必ず合格するというわけではありません。
模試の合格判定は、過去に模試を受けた生徒の合格率で判断されています。たとえば、過去にその模試で偏差値60だった人たちの80%以上がその高校に合格していれば、偏差値60をとれるとA判定が出るという仕組みです。
そのため、模試の判定結果を見る際には、偏差値と過去の生徒の合格率を結び付けて合格判定を出していることを認識しておきましょう。
模試を有効活用するには、自分が間違えた問題や足を引っ張っている教科を確認し、見直しをすることが大切です。
まとめ
新潟県の高校受験では、2027年度入試から特色化選抜が廃止されます。それに伴って、公立高校受験者全員が学力検査を受験する必要があります。調査書には中学1年生~3年生の成績が記載されるため、日々の学習にしっかり取り組むことが受験の合否を左右するポイントになるでしょう。
高校受験では、公立高校と私立高校の受験制度の違いや受験スケジュール、内申点の扱いなどを理解して対策することが大切です。ただし志望校選びで悩んだり、受験勉強の途中で正しい学習方法で取り組めているか不安になったりする人もいるでしょう。
学習塾ではこれまでの高校受験指導で培ったノウハウやデータによる、高校受験のサポートが受けられます。塾選では新潟県の高校受験対策にぴったりの塾を掲載しているので、ぜひ塾選びの参考にしてください。