SAPIX小学部に小2から通塾し麻布中学校に合格した方への合格者インタビュー(34)
生徒プロフィール
- 通った塾
- SAPIX小学部
- 住まい
- 東京都目黒区
- 性格
- 予想外の出来事にも動じないタイプ
- 偏差値推移
- 小4:偏差値40〜55
小5:偏差値50〜60
小6:偏差値60〜72.7
私の受験ポイント
集団塾と個別指導塾、合計3つの塾に並行して通い、苦手分野を総合的にフォロー
漢字、計算問題、重要語句の暗記…基礎問題の正答率100%を目指し、繰り返し復習
第一志望校以外の過去問にもチャレンジ。さまざまな出題パターンに慣れてみる
受験情報
- 受験年度
- 2022年
- 受験校数
- 6校
合否
志望順 | 学校名 | 合格判定 | 受験結果 |
---|---|---|---|
1 | 麻布中学校 | B判定 | 合格 |
2 | 浅野中学校 | A判定 | 合格 |
3 | 攻玉社中学校 | A判定 | 合格 |
入試スケジュール
- 1月
- :栄東中学校
- 2月1日
- :麻布中学校
- 2月2日
- :攻玉社中学校
- 2月2日
- :東京農業大学第一高等学校中等部
- 2月3日
- :浅野中学校
- 2月4日
- :芝中学校
学校選び
自由闊達な雰囲気に心を撃ち抜かれて、第一志望校を決定
朋宏さんにお聞きします。志望校はどのように決めていきましたか?
最初は親の職場が近いこともあり、「駒場東邦中を受けようかな」となんとなく思っていました。ところがいろいろと受験校を調べているうちに、駒場東邦中と同じぐらいの偏差値の学校で、「麻布中という自由な校風の学校がある」と知ったんです。塾や他の学校に通っている友だちからも「髪を何色に染めても大丈夫らしい」と教えてもらい、その自由さに強く心を惹かれました。制服もありませんからね。
実際に学校説明会に参加してみて、まず驚いたのが先生たちの姿。生物の先生が学校紹介をしてくれたのですが、見た目は金髪、ゴリゴリの色黒マッチョなのに話がとても面白いんです。そういう個性的な先生と出会って、ますます麻布中を第一志望として受験したい気持ちが高まりました。学校説明会で販売していた『論集』という生徒が書いた論文集があるのですが、そこに校長先生のサインをいただいて、合格を誓いました。
その他の志望校に関しては?
浅野中は麻布中の入試問題と出題傾向が似ていたので、受けてみることにしました。あとは塾とも相談しながら自分の偏差値と比較し、攻玉社中、東京農業大第一中、芝中を選んでいきました。
塾について
集団塾をベースに学習を進めながら、個別指導で苦手をフォロー
- メインで通っていた塾
- SAPIX小学部
- 指導方法
- 集団授業
- 頻度
- 週3〜4回
- 科目
- 算数、理科、社会、国語
- 通塾時期
- 小2〜
- 授業時間と費用
-
小4:週3(1回60分)、月5~10万円
小5:週3(1回60〜90分)、月5~10万円
小6:週3〜4(1回60〜90分)、月5~10万円
- 併塾していた塾
- 進学個別指導のTOMAS(トーマス)
- 指導方法
- 個別指導
- 頻度
- 週2回
- 科目
- 国語、理科
- 通塾時期
- 小3〜
- 授業時間と費用
-
小4:週2(1回80分)
小5:週2(1回80分)
小6:週2(1回80分)
朋宏さんにお聞きします。『SAPIX』『TOMAS』『フォトン算数クラブ』の3つの塾をかけ持ちで通っていたのですね。それぞれの塾を選んだ理由について教えてください。
難関校の受験対策のために『SAPIX』に入り、受験勉強のベースを作りました。さらに苦手科目を強化するために、『TOMAS』『フォトン算数クラブ』に並行して通っていました。
具体的には、苦手だった国語・理科を強化するために個別指導の『TOMAS』に通って、さらに算数の基礎学力をフォローするために『フォトン算数クラブ』に入りました。けれどなかなか偏差値は上がりませんでした。組み分けがあるマンスリーテストや模試の偏差値は、大体いつも40〜50。一番できなかった時は、4年生の夏休みに受けたマンスリーテストで国語の偏差値24.8を取ってしまいました。
この頃は『SAPIX』で出される宿題はほとんどやっておらず、本気で勉強もしていなかったので当然の結果だと思います。
そこから、成績に変化はありましたか?
偏差値は少しずつ伸びていって、小5の頃には偏差値50〜60、小6では偏差値70以上を取ることもありました。小6になると偏差値60前後がキープできるようになってきましたね。それまでは両親も心配して口を出してきましたが、結果が出てきたので見守ってくれるようになりました。
成績が安定してきた背景には、何があると思いますか?
『TOMAS』で国語・理科を十分にフォローしてもらえたことが、点数アップに直結したと感じています。特に国語は圧倒的にできていなかったので、助かりました。国語の先生は経験も豊富で、学習内容に関係ない話ができた点も良かったです。「国語の問題が解けなくて辛い」と相談した時も、精神的に支えてくれたと思います。
理科は基礎固めからしっかり取り組んでいました。同時に、「なぜこういう解答になったのか」という解説を先生がわかりやすく教えてくれたことが、印象に残っています。ただ覚えるだけの勉強法では、記憶になかなか定着しません。僕の理解が進むようにといろいろな資料を出してきて、本当に丁寧に教えてくれましたね。
さらに算数に関しては、『フォトン算数クラブ』が出す宿題量の多さが成績アップにつながったと思います。そのおかげで基礎学習を積み重ねられて、得意科目になっていきました。この塾も少人数制で、生徒にあわせて教えてくれるので安心です。
お母さまから見た、塾を選んだ決め手はありましたか?
『TOMAS』は大手の個別指導塾であり、自宅からも通いやすいと感じて選びました。結局、あまり使いませんでしたが、自習室が充実しているところも気に入りましたね。『フォトン算数クラブ』も同様に、一人ひとりに合わせて教えてくれるので、学力強化にあっていると思って選びました。『SAPIX』はチェックテストが定期的にあるので、実力を測るには良い環境だと思います。息子曰く「教えてくれる先生によって、自分のやる気のモチベーションに差があった」とのこと。でも授業内容は面白いものが多かったそうなので、選んで良かったと思います。
受験勉強について
漢字、四字熟語、計算問題。基礎を集中的にカバーしてから過去問へ
- 勉強時間
-
小4 塾:週7(1回60分~180分)、自宅:1日30分~60分
小5 塾:週7(1回60分~180分)、自宅:1日30分~60分
小6 塾:週7(1回60分~180分)、自宅:1日90分~120分
朋宏さんにお聞きします。受験勉強を振り返って「やってよかった勉強法」について教えてください。
どの教科も共通ですが、ひとつは「基礎固めをすること」。もうひとつは「いろんな学校の過去問をたくさんやってみること」です。まずは基礎固めをきちんとやらなければ、過去問を解きたくても歯が立ちません。「この解答になるのは、なぜなのか」という理由を学び、理解するプロセスが大切だと思います。
例えば社会は、歴史マンガを活用して時代の流れを把握して。歴史上の人物が何を考え、どのような行動を取ったのかが分かるようになり、問題も解きやすくなりました。オススメは、「この絵の感じ、いいな〜」と思った作者さんの巻から読んでみることです。そうすると自然に頭に入って、「この分野だけは絶対に得点する!」という強い気持ちになれました。その上で、SAPIXで使っている問題集「コアプラス」を使って、重要語句を完璧に覚えられるようにしましたね。理科も「人体のつくりだけは自信を持って答えられるようにする!」と決めて、力を入れて復習しました。
その後にいろんな学校の過去問にチャレンジしました。1つの年度につき5回以上はやってみたと思います。生まれる前に出された過去問も解いてみました。さまざまな出題パターンに触れることができたので、最終的には「本番でどんな問題が出ても大丈夫!」と思えるようになったと感じています。
偏差値20台を取ってしまった国語は、どのような対策を取ったのですか?
まずは漢字練習です。漢字が書けなくて点数を大幅に落としていたので、たくさん練習しました。何度も取り組んでいるうちに、四字熟語もわりと書けるようになってきて、じわじわと偏差値も上がっていったと思います。自信を持って解けるようになってからは、麻布中の過去問にもたくさん取り組みました。過去問の傾向としては、物語文が多く出題されています。物語文ができるようになれば、説明文もできるようになるんですよ。解答を考えるのではなく、文章内から見つけられるような長文の読み方を『TOMAS』で教わり、小6になる頃には偏差値60以上に上がりました。
算数に関して、意識して取り組んだことはありましたか?
算数に関しては、基本の計算を丁寧にやり直すようにしました。小6の後半ぐらいに、『フォトン算数クラブ』の先生から「いつも大問1〜3の基本的な問題で、ミスしちゃっているよね?」と指摘されたんです。言われてみて改めて考えてみると、確かに過去問を解くときや、模試を受けているときに全然集中できていないと気づきました。「常に脳内で音楽を流しながらリズム良く進めているかもな」と。ちゃんと集中して、計算問題と向き合えば典型的な基本問題は100%解けるようになりました。そうなると、偏差値も60から65へとアップ。安心して受験に臨める気持ちになれました。
受験中、苦しかった出来事はありましたか?
小6の時の『SAPIX』正月特訓で思うような成績が取れず、順位もクラスも下がってしまったことです。受験本番直前だったので不安が大きく、頭が真っ白になって、何も考えられなくなってしまいました。なんとか『TOMAS』のアドバイスどおりに勉強は進めていたものの、気持ちは落ち込んだまま。麻布中の先輩が塾に遊びに来てくれて、応援してくれたので「やっぱりもう少し頑張ろう」となんとか思えるようになりました。いよいよ受験がスタートし、最初に受けた栄東中に合格してからようやく気持ちが上向きになった気がします。さらに最後は当時好きだった人や周囲の友だちに「絶対、麻布中に合格するから!」と大声で宣言。「合格しないとカッコ悪いぞ」と自分を追い込んだりしていました。
お母さまはどのように感じていましたか?
小6のお正月のころは、成績も思わしくなく、かなり落ち込んでいて心配でした。今までどんな偏差値を取ってきても、ずっと自信満々で「僕は麻布中に行く!」と宣言していた息子が「やっぱり無理かもしれない」と言い出しましたから。親としては驚きつつも、子どもの気持ちを支えたいと思いました。そこで『TOMAS』の先生にすぐ連絡して、サポートしていただけるように相談したんです。ずっと伴走してくれてきていたので、学習面でもメンタル面でも安心してお任せできました。
家庭のサポートについて
温かいごはんとお風呂を変わらず用意してくれるありがたさを感じた
朋宏さんにお聞きします。「やってもらってよかった家庭での取り組み」はありますか?
帰宅が遅かったのですが、毎日ご飯を用意してくれてありがたかったです。お風呂にもゆっくりつかれたのも、大切でした。母は勉強に関しては何も言ってこなかったのですが、それがとても良かったです。父は母とは逆で、勉強の進捗状況を細かくチェックしてくれた時期もありました。でも少しずつ任せてもらえるようになり、最後は両親とも見守ってくれていましたね。
「反省点」はありますか?
YouTubeで動画を見たり、ゲームをしすぎたりして、まったく勉強していない時期もありました。ちょうど小6の11月、正月特訓の前です。そのせいで成績が一気に下がってしまいました。10月は午前3時まで勉強してしまった日もあったのですが、その後、コソコソと勉強をサボってしまったわけです。
YouTubeを見るならば「1時間以内」と制限をかける。受験直前はゲームをやめる。そんなふうにルールを決めておけば良かったなと思っています。
学校生活について
学校運営を生徒主体で行なっていく「自治」が根付いた校風
- 学校名
- 麻布中学校
- 部活
- 化学部、予算委員会、文化祭実行委員会、シン自治改革小委員会
朋宏さんにお聞きします。「麻布中」に入学してみて、どんな印象を持ちましたか?
入学後に「自治組織がある」と知り、すごく面白いなと感じました。
予算委員会を頂点にして、その下に各部活・サークル、文化祭実行委員、運動会実行委員があり、さらに独立した組織として選挙管理委員会があります。入学後に各組織の紹介があった時に、予算委員会の先輩が「自治」について語っていて、その姿が本当にかっこよかったんですよ。「最高機関である予算委員会で、自分もバリバリ仕事をしてみたい」と強く思って委員に立候補しました。学校運営の中枢に関わることに、とても誇りを感じています。
他にもいろいろな活動をしているんですね。
予算委員会と並行して、文化祭実行委員会の運営局、化学部、シン自治改革小委員会にも入っています。「シン自治改革小委員会」は、どの部活・サークル・委員会に所属していてもかまわないから、「自治について語り合おう」という場を設けている委員会です。麻布中のいろんな歴史を遡って先輩から話が聞けるので、楽しいですよ。
つい先日、文化祭を行いましたが、たくさんの来場者の方々やOBと繋がることができてとても充実していました。
目指している未来があれば教えてください。
今のところは、麻布中でたくさん遊んで、学んで、予算委員会事務局事務局長を目指したいです。また今、通っている塾『鉄緑会』で、他校との交流を持ってみたいなと思います。化学部の部長になって、化学グランプリで金賞を取るのも良いですね。そして最後に予算委員会議長となり、自治に関わりながら東大に進学できたら最高です。
取材して
小2から5年間、塾に通い、第一志望合格を実現した古賀さん。長い受験生活は紆余曲折、さまざまな成績の変遷がありました。偏差値20台〜70台を行き来した経験もお持ちであり、学習方法だけでなくモチベーション維持の方法、直前期の過ごし方などリアルな声をシェアしていただけたと思います。「過去問をやり込んだことが合格につながった」と断言されていましたが、その背景には基礎問題を繰り返しコツコツと取り組んだ年月があったのでしょう。本番直前に成績が下がって自信を失いかけた時も、いつもと変わらずに寄り添ってくれる塾の存在が、心の助けになったのだと感じました。
※上記は、2022年10月時点での取材をもとに作成しています。
この記事はインタビューを基に執筆されました。
文:林美夢/編集:塾選(ジュクセン)編集部
通った塾について
集団塾をベースに学習を進めながら、個別指導で苦手をフォロー
ココがポイント
- 開成・麻布・武蔵など難関中学への圧倒的合格率!
- 「復習中心の学習法」で本質的な理解を深める
- 少人数制の学力別クラス編成で指導