【お悩み相談室♯007】高校受験編|小学校の勉強でつまづいてしまった子ども。宿題も把握していない。どうやって遅れを取り戻せばいい!?


編集部
塾選ジャーナル編集部

ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司
「子どもが勉強をしない」「うちの子、本当に高校に行ける?」「反抗期でまったく親の言うことを聞かない」……子どものモチベーションの低さや学力の伸び悩みに加え、親子間でのコミュニケーションの難しさ。思春期でもある高校受験生を持つ親の悩みは尽きません。
実際、塾選ジャーナル編集部が行った高校受験に関するアンケートによれば、98%の保護者が「悩みがある」と回答。そこで、高校受験を控えた中学生の子を持つ保護者の悩みを解決するため、受験指導のプロ・大山雅司先生にアドバイスをもらいました。ぜひ、お子さんへのサポートに役立ててください!
【今回のお悩み】宿題も把握していない子ども。小学校の内容でつまづいている。何からはじめたらよいの?
【CASE 007】中学1年生・男子
性格:
末っ子タイプ。自分の好きなことには集中するが、勉強は大嫌い。
【今回のお悩み】
ペンネーム:毎日22時には寝たい さん(中学1年生 保護者)
小学校の勉強でつまずいていて、中学校の勉強はほとんどついていけていない息子。授業のノートも取らず、宿題で何をすればいいのかもわかっていないようで、どんどん勉強が遅れています。息子に「宿題は?」と尋ねると嘘をついている風でもなく「ない」と答えますが、息子と仲のいい同級生の女の子にメッセージツールで連絡をすると、すぐに細かく宿題の内容を返信してくれるのですが、正直、うちの息子との違いに愕然とします…。
【大山雅司先生のアドバイス】小さな目標をクリアしながら、勉強習慣を身につけさせるのが一番の近道。
特に思春期の男の子は勉強習慣を身につけるのが難しいことが多いので、気長に構えて小さな目標を立てて課題をクリアしていくクセを身につけさせることが大切です。
例えば、「宿題を書いてくる」ということを目標にするのもいいですね。「今日の宿題が何か」を自分でわかるようになれば、それも一つ、課題をクリアできたといえます。このように、スモールステップをいくつも踏んでいくイメージです。
勉強に関しては、目の前の定期試験の結果も気になるとは思うのですが、いったんそこには目をつぶって、まずは勉強習慣を身につけさせることを優先する方がいいと思います。新しい習慣をつけるためには、すでにある習慣につけ足す形でセットにしてしまうことがおすすめです。例えば、夕食の時間が終わった直後、その場で宿題を確認する時間を設けることをルール化する、など。初めのうちは家族の目が届く範囲で、すでにある習慣に+αする形だと持続がしやすいです。お悩みの宿題の把握の練習にもなるかと思います。
中学1年生の間は、「暗記が必要なときは、どうやって覚えるか」「間違えた問題を答えを見て終わらせるのではなく、再度自分で解き直す」など、勉強方法の見直しに時間を使っても、今後取り返すことは十分できます。勉強方法がわかるようになると、学校で新しく習うことにも同じ方法で対応していけるので、そこからぐんと成績が上向きになることもあるので安心してください。
中学1年生で教わる内容は、どの教科も今後の中学3年間の勉強の土台となる基礎にあたるものです。基礎の理解が甘く、土台がゆるいままだと、上にどんどん知識を積んでもまた崩れてしまうことになりかねません。中学1年の単元をしっかり勉強して理解できていれば、中学2年生以降に勉強が少しずつ難しくなっていっても、きっと乗り切っていけるはず。1年間じっくり時間をかけてもいいので、中学1年生で習う単元はしっかりと消化できる環境をつくってあげることがポイントです。
塾に通わせるのであれば、カリキュラムがどんどん進んでいくような塾よりも、息子さんがつまづいているところまで単元を戻って学びなおせるような、補習が充実しているマンツーマンや少人数の個別学習塾。もしくは集団塾でも、一人ひとりの状況が比較的見えやすい少人数クラスの塾などの方が向いていると思います。
同級生の女の子との違いは、男子と女子の生育過程のスピードの違いも考えられますので、あまり気にしすぎなくても大丈夫。保護者の方も「中学1年生であれば1学年違うくらいの差があって当たり前」くらいの心積もりをしておきましょう。同級生との違いを比べる必要はありません。
でも、サポートしてくれている女の子への感謝の気持ちはぜひ積極的に伝えてあげてくださいね。「あの子にちゃんと感謝しなさいよ」という人としての在り方を説くことで、息子さんも「本当は自分でやらないといけないことなんだ」と、いつかちゃんと気が付くと思いますよ。
成功へ導く賢者からの金言!
まずは、スモールステップで、確実にクリアできるゴール設定を!
※塾選調べ:
対象:高校受験をする予定の子どもをもつ保護者49名にアンケートを実施
期間:2025年1月7日~14日実施
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。