【お悩み相談室♯009】高校受験編|目標を高く持つ子ども。成績が落ちてしまった時の親からの声掛けは?


編集部
塾選ジャーナル編集部

ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司
「子どもが勉強をしない」「うちの子、本当に高校に行ける?」「反抗期でまったく親の言うことを聞かない」……子どものモチベーションの低さや学力の伸び悩みに加え、親子間でのコミュニケーションの難しさ。思春期でもある高校受験生を持つ親の悩みは尽きません。
実際、塾選ジャーナル編集部が行った高校受験に関するアンケートによれば、98%の保護者が「悩みがある」と回答。そこで、高校受験を控えた中学生の子を持つ保護者の悩みを解決するため、受験指導のプロ・大山雅司先生にアドバイスをもらいました。ぜひ、お子さんへのサポートに役立ててください!
【今回のお悩み】目標を高く持つ頑張り屋の子ども。頑張ったのに、成績が落ちてしまったときの親からの声掛けは?
【CASE 009】中学3年生・女子
性格:
負けず嫌いで頑張り屋さん。真面目でやや神経質な一面があるが、本来は明るい性格。
【今回のお悩み】
ペンネーム:恵ちゃん さん(中学3年生 保護者)
娘は苦手がなく、どの科目もよくできるタイプ。しかし、本人が目指す目標ラインが高く、そこに届かないと落ち込むので、励ますのが毎回大変です。塾のランキングで3位以内を目指していて、結果1点差で4位だったときには、かける言葉に迷ってしまって……。目標に向かって頑張っていた点を褒め、次への課題を一緒に整理するうちに落ち着いてくれましたが、こうした場合、親としてどんな声かけをするのがいいのでしょうか。
【大山雅司先生のアドバイス】親は子どもの心理的な安全ベルト。しんどい気持ちに共感して、頑張りを褒めてあげればそれでいい。
目標に届かなくて落ち込むというプロセスは成長において必要不可欠なこと。わかっていても、親として頑張る姿を知っているだけに、落ち込む我が子を見るのはつらいものです。どんな言葉をかければいいのか、悩むこともありますよね。
子どものうちは、自分の思い描いている結果が得られないと、それだけでつらくなってしまうことがあります。受験という経験の中でも、壁に何度もぶち当たる子もいるでしょう。そんなときは、「目標に届かなくても、仮に失敗しても、決して自分の価値が変わるわけではない」ということを親が示してあげてください。いわば、心理的な安全ベルトとなるのが理想です。
逆に、避けた方がいいのは、落ち込んでいるときに「もっと頑張れ」と追撃すること。気落ちしているときには、優しく助け舟を出してあげる方がいいですね。
大切なのは、「しんどい」と感じている子どもの気持ちに共感して寄り添ってあげることです。そのうえで、今後の課題解決方法を一緒に考えるのか、本人に任せるのかは、お子さんの性格や親子の関係性にもよるのでケースバイケースになると思います。
もし僕が、同じように悩んでいる生徒を励ますなら、まず「頑張っていることは、わかっているよ」と伝えますね。大事なのは、結果ではなく「頑張った」という過程を言葉にして認めてあげること。そうすれば、本人も安心してまた頑張れると思います。
「頑張っていたんだから、それは落ち込むよね」と共感して、「気にすることないよ。次はいけるよ」と励ます。何を言ったとしても落ち込むときは落ち込むので、思いっきり落ち込ませてあげるくらいの心積もりでもいいのではないでしょうか。
今回のお悩みのケースのお子さんは、とても上昇志向が強く、非常に受験適正の高い印象を受けます。受験の世界では、完璧主義で上昇志向が強いほど勝ちにいける傾向がありますが、その反面、子どもの心理面での負担が心配になることもあるでしょう。
“目標に向かって頑張っていた点を褒め、次への課題を一緒に整理する”という、今の保護者様の対応で充分、勉強を頑張っているお子さんの助けになっていると思いますよ。
成功へ導く賢者からの金言!
完璧主義は受験適性が高いともいえる。
「頑張っているのはわかっている」と結果よりも過程を認めてあげて
※塾選調べ:
対象:高校受験をする予定の子どもをもつ保護者49名にアンケートを実施
期間:2025年1月7日~14日実施
執筆者プロフィール

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監修者プロフィール

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。