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親たちの中学受験体験記Vol.4 娘の自走力を信じて。“マイペース”を大切に掴んだ合格

更新日:
中学受験
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塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

中学受験の主役はもちろん子どもですが、その保護者にも受験を決意した日から結果発表までの期間、さまざまな思いや葛藤があります。受験を終えた保護者にインタビューを行い、保護者の視点から中学受験のリアルをご紹介します。

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目次

【保護者プロフィール】

お名前 高橋 葵(仮名)
お住まい 埼玉県戸田市
年齢 42歳
職業 会社員
性格 明るくポジティブで前向き。決めたことに迷いのない潔い性格。
家族構成 夫、長女(新中学1年生)、次女(小学3年生)

【中学受験を行った子どものプロフィール】

子どもの名前 高橋 結愛(仮名)
性別 女子
現在通っている学校名 2025年4月香蘭女学校入学予定
現在の学年 新中学1年生
受験時にしていた習い事 英会話(オンライン)
得意科目 なし
苦手科目 国語、算数
性格 内向的で人見知り。芯が強く必要な場面ではリーダーシップを発揮するタイプ。
偏差値or模試の種類 四谷大塚模試で56〜62程度

 

中学受験で叶えたかったのは、自由な中高生活

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―はじめに、中学受験をすることにしたきっかけ・理由を聞かせてください。

子どもに伸び伸びと中学校生活を楽しんでもらいたいと思ったことがきっかけです。というのも、私は地方出身なので、中学受験の経験はありません。高校、大学と受験をして進学したのですが、振り返ってみると中高時代の思い出は受験勉強の記憶しかないんですよ。それで、子どもには中高の6年間を自分の自由に時間を使える6年間にしてほしいと考えて、それには中学受験がいいのではと思いました。

ーお母さまの実体験から、お子さんの中学受験を意識されたんですね。

今は首都圏に住んでいて、中学受験という選択肢が珍しくない環境にいたということも大きいですね。

あと、高校受験となると勉強面はもちろん内申点にも気を配る必要があると思ったことも理由のひとつです。中学受験をした方が、伸び伸びとした中学時代を過ごせるのかなと思いました。

ー旦那さまは中学受験について、どういう意見をお持ちでしたか?

夫は「中学受験はしなくてもいいのでは?」というスタンスでした。娘本人も、自発的に中学受験をしたいという思いは持っていなかったですね。

―それでは、お母さまから中学受験を勧められたんですね。お子さんの反応はいかがでしたか?

小学3年生から塾に通い始めたのですが、そのタイミングで「中学受験をすると、高校受験に縛られなくてすむ。中高の6年間を自由に過ごすことができるよ」「大学付属の中学校なら、大学受験をしなくていい可能性もあるよ」という話をしました。それが娘には魅力的だったようで「だったら中学受験を頑張って、大学まで行ける中学校に行きたい」と考えるようになったみたいです。

―そうなんですね。学校説明会への参加や志望校選びは、具体的にはどのようにして進められたのでしょうか。

娘の希望が「大学付属の中学校に行きたい」というものだったので、志望校選びも大学の付属校を中心に検討していきました。

学校説明会への参加は、模試と連動して学校説明会を受けられる制度を活用しました。模試を受ける学校を選んで、子どもが模試を受けている間に保護者は学校説明会へ参加するという仕組みです。都内の学校10校くらいに足を運びました。学校の雰囲気を知る良い機会になりましたし、受験本番も模試で行ったことのある学校ばかりだったので安心感があって良かったですね。

ーそういった制度があるんですね。受験をする学校は最終的にどのようにして絞りましたか?

娘の意思を尊重してある程度学校を絞った後は、模試の結果から具体的な学校を選んでいきました。まず大学の付属校、付属校でない場合は系列大学への推薦枠はあるかを確認して優先度を決めていった感じですね。

入塾をきっかけに受験への意識が向上。宿題に追われる日々…

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―本格的な受験勉強は、いつから始めましたか?

塾に行き始めた小学3年生の10月からです。小学低学年の間は公文式に通っていて、公文式から塾に切り替えました。そのせいか、塾に行くこと自体に拒否反応はありませんでしたね。

―では、受験勉強を始める前から机に向かう習慣はついていたのですね。周りのお友達も塾に通う子は多かったのでしょうか?

小学3年生の頃はあまりいませんでしたが、小学4年生になると増えた印象です。保育園の時の友だちが同じ塾に通い始めた、クラスで仲のいい子は違う塾に通っているという話を娘からチラホラと聞くようになりました。

中学受験をする同級生は、クラスに4~5人ほどでした。地域的にそこまで中学受験をする子が多いというわけではありませんでしたね。塾には中学受験をする子がたくさんいたので、その子たちから刺激を受けて受験に対する意識が高まったと思います。

―塾にはどれくらいのペースで通われていましたか?

小学3~4年生は週2回、小学5~6年生になってからは週3回でした。4年生は1コマ160分だったのですが、5年生からは1コマ210分になりました。そのため5年生からは、勉強する時間が格段に増えましたね。

ー塾はご自宅のご近所ですか?

はい、自宅から近い塾に通っていました。通い始めた小学3~4年生はコロナ禍で、夫婦ともに在宅勤務が多かったんです。娘は学校から帰ったら1人で塾に行って、帰りは私か夫がお迎えに行くというスタイルでした。

小学5~6年生になるとコロナは収束していたので、夫か私のどちらかが仕事帰りに塾に寄って一緒に帰宅することが多かったです。

―塾以外での勉強時間はどうですか?意識的に増やしたりされたのでしょうか。

早稲田アカデミーに通っていたのですが、宿題の量が結構多くて。塾のない日は、塾の宿題に追われていましたね。時間のやりくりの面で大変そうではありましたが、おかげで家庭学習の習慣がついたのは良かったなと思います。

ー塾の宿題が家庭学習のきっかけにもなったのですね。

娘は算数が苦手で、塾に通い始めたばかりの頃はかなり苦戦していました。塾の宿題をする延長でテストで間違えた問題を自宅で復習するという習慣をつけると、問題を解く時にかかる時間がだんだん短くなったんです。最終的には算数を得意科目にすることができました。

―時間のやりくりはどのように工夫していたのですか?

学校の宿題は学校の隙間時間に終わらせて、帰宅後は塾の宿題や復習に充てるなど、本人なりに考えて時間調整をしていたようです。

とはいえ、私が仕事から帰ってきて娘に「学校の宿題は終わったの?」と尋ねると、うっかり忘れていた…という日もありました。そんな時はお風呂上りにパパっと終わらせる、なんてこともしていましたね。

―娘さんが自分で考えて、勉強に取り組んでいたんですね。

本人の中で「受験を中学受験で終わらせる」という目標がしっかりあったので、勉強に向き合うことが苦ではなかったのかなと思います。娘とはよく「中学、高校、大学とエスカレーター式に進学したいのであれば、今頑張らないと!」という会話をしていました。

具体的な勉強方法は塾と本人に任せていたのですが、しっかり自走して頑張ってくれました。親の目から見ると「こんなにマイペースに、のんびりやっていて大丈夫?」と心配になってしまうことはありましたけど、私からうるさく「勉強は?」と言うことはありませんでした。

―お母さまも塾の先生とは頻繁に連絡を取られていたのですか?

そうですね。塾は1クラス20人くらいの座学形式でしたが、個別フォローも充実していました。成績が伸び悩んでいるときはお電話で連絡をくださったり、気軽に相談しやすい環境だったのはありがたかったです。

過去問に取り組むスケジュールや添削、模試を受けるペース配分と復習の仕方など、具体的なカリキュラムをしっかり立てて伴走してくれました。勉強面は全面的に安心して塾にお任せすることができたので感謝しています。

マイペースさを武器に挑んだ受験本番。日々の積み重ねが力に

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―娘さんが「受験勉強を辞めたい」と言うことはありませんでしたか?

私は「やる気がないのであれば辞めた方がいい」というスタンスで、娘にもそう話していました。勉強への向き合い方を見て私が「もう受験辞める?」と聞くことはありましたが、娘から「辞めたい」と言うことはありませんでした。塾以外の習い事もそうなのですが、私が「もう辞める?」と聞いても、絶対に「ううん、続ける」と答えるんですよ。

頑張り屋さんというか、負けず嫌いでマイペース、悪く言うと頑固なところがあるんです。その性質がうまく働いたのか、受験勉強も自分のペースで淡々と取り組んでいました。

―スランプなどもありませんでしたか?

塾に通い始めてから成績は安定していたのですが、小学5年生の秋に1度だけ塾のクラスが下がったことがありました。本人も落ち込んでいましたが、すぐに切り替えて「絶対に次のテストで元のクラスに戻りたい」と、その経験をバネに頑張っていましたね。

クラスが変わると一緒に授業を受けるメンバーはもちろん、授業を受け持つ先生も変わるんですよ。成績が下がるとはどういうことなのかを身をもって知る、良い機会になったようでした。本人は悔しい思いもしたと思いますが、そこから勉強に対してさらに本気で取り組むようになったと感じています。

―すぐに気持ちを切り替えることは大切ですよね。そういったお子さんのメンタルの強さは、どんなところから来ていたと思いますか?

娘が小さい頃から、子ども扱いしないように、対等に話すことを意識していました。厳しいことも言ってきたかなと思うので、打たれ強くなったのかもしれません(笑)。

もともとメンタルが強く自走するタイプでしたが、「中学受験で受験を終わらせる」というブレない目標があったこともメンタルを強く保てた理由だと思います。私も受験勉強に関してはあまり口出しはしなかったので、自分で考えて色々なことを乗り越えていました。

―お母さまが娘さんの“自走力”を信じていたことも、メンタルを強く保てた理由かもしれないですね。

どうなんでしょう。娘は受験の直前でも毎日30分から1時間はゲームをしていたくらい緊張感がなくて……。親としてはそんな姿を見ていると「本当に受験生なの!?」と不安になったりもしました。今にして思うと、本人なりにオンオフを切り替えながら上手く息抜きしていたのかなと感じています。

―受験当日も、あまり緊張している様子はありませんでしたか?

受験の前日も当日も、いつも通りでした。周りのお友達は緊張して眠れなかったという話を聞いたりもしましたが、うちの子はそういったことは一切なかったです。

小学5年生以降は、2週間に1回の模試と1カ月半に1回塾のクラス替えのテストがあり、定期的にテストを受けていました。そのお陰で試験やテストという場には慣れていたので、受験本番も落ち着いて迎えることができたのかなと思います。

中学受験で得たのは、目標を達成する経験

―受験期の娘さんとのコミュニケーションで、お母さまが気を付けていたことなどはありますか?

私は最小限の声掛けをしただけで、あとはすべて塾の先生と娘に任せていました。そういう意味では、私と娘のコミュニケーションも「受験生だから」と身構えることなく、割とフラットだったかもしれないです。

気を遣って「勉強しなさい」と言わないようにしていたということもなく、塾のクラスが下がったときもすごく慰めるわけでもなく、いつも通りに接していました。

―娘さんの中学受験を振り返って、親としていま何を思いますか?

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受験勉強に関しては、もっと具体的な進捗確認や復習のサポートなどをしてあげたら良かったかな、申し訳なかったな、と思うこともあります。

中学受験をして良かったと思うことは、「やらないといけないこと」を自分で考えてやるという習慣が身についたこと。そして、最後まで自分で頑張って目標を達成するという経験ができたことです。きっと本人にとっても、大きな自信につながったのではないかなと思います。

―ようやく受験が終わって、娘さんもホッとしているのではないですか?

そうですね、のんびり羽を伸ばしています。受験前は友だちと遊ぶのを控えていたので、今は休みの日に友だちと遊びに行くのが楽しいみたいです。小学校卒業前に、良い思い出をたくさん作ってほしいですね。

取材後記

受験だからといって身構えすぎることはなく、フラットに中学受験に向き合い、やるべきことをしっかりとやって合格を掴んだお子さんの姿に尊敬の念を感じたインタビューでした。幼い頃から「一個人」として娘さんと向き合ってきたというお話から、「心の強さ」を育てるヒントをもらったような気がします。取材の中でお母さまは「私は何もしていない」と繰り返しおっしゃっていましたが、対等に話せる母娘の信頼関係・絆があったからこそ、娘さんが最後まで走りきることができたのではないかと感じました。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
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塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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