共通テストで英検®利用できる大学一覧と免除・加点の仕組みを徹底解説【2026年度入試】


編集部
塾選ジャーナル編集部
「共通テストで英検®が使えるのは知っているけれど、実際どこの大学で、どのように使えるのかわからない」「加点?免除?どんな仕組みで優遇されるの?」
現在、共通テストでは、多くの大学が英検®のスコアや級を出願要件や得点換算に利用しています。
ただし、その内容や条件は大学によって異なるため、事前にしっかり確認しておく必要があります。
本記事では、2026年度入試において共通テストで英検®を利用したい方に向けて、以下の内容を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
- 出願資格、得点換算の違いと仕組み
- 共通テスト×英検®の活用制度がある国公立・私立大学一覧(エリア別)
- スコア・級・有効期限などで注意すべきポイント
共通テストの受験で英検®は利用できる?|共テ利用入試の「得点換算」に活用しよう
「得点換算」を受けられる
大学共通テストで英検®を利用すると、得点換算の優遇措置が受けられます。
得点換算は英検®の級やスコアに応じ、共通テストの英語が満点、もしくは点数加算される措置です。例えば、英検2級を持っていると、大学共通テストの英語の点数に70点加点されるといった措置を受けられます。
受けられる加点や得点換算は大学や学部、入試方式によって違いがあるので、自分が志望する大学の出願要項をくまなくチェックしておくようにしましょう。
活用事例|東京芸大・富山大学などの制度を紹介
ここでは、共通テストの「得点換算」利用について、実際に活用している大学の例を紹介します。
【東京芸術大学 音楽部 入試】
東京芸術大学音楽部の入試では、準1級以上の英検®保有者に対し、共通テストの英語の点数を満点とする得点換算措置をとっています。なお、共通テストの外国語の受験は必須なので、注意してください。
【富山大学 理学部 入試】
富山大学理学部の入試では英検®保有のスコアを得点換算し、以下のように点数を加算します。
換算点 | 実用英語技能検定 英検®CSEスコア(※) |
---|---|
50点 | 2300以上 |
45点 | 1950以上 |
40点 | 1700以上 |
(参照:富山大学 令和7年度 入学者選抜要項)
(※)英検®CSEスコアとは、英検®のスコアを客観的に評価し、レベルごとの比較を可能にする統一スコアシステム。詳しくは「英検®CSEスコアの見方にも要注意」で解説しています。
英検®の保有で英語が満点もしくは加点される制度は、受験生にとっても心強いでしょう。
なお、英検®準1級で英語試験が満点になる大学については、以下の記事をご覧ください。
英検®が使える国公立・私立大学一覧【共通テスト2026年度対応】
大学共通テストで英検®を利用できる一部の国公立大学・私立大学をエリア別で紹介します。
なお、こちらにある大学一覧はすべて2025年度の入試要項をもとに作成しています。最新年度の募集要項については、必ずご自身で確認するようにしてください。
国公立大学(北海道・東北/関東/北陸/中国・四国/九州・沖縄)
大学名 | 学部 | 入試方式 | 受けられる優遇措置 | 求めているスコア |
---|---|---|---|---|
国際教養大学 | 国際教養学部 | 一般選抜 | 大学入学共通テストの英語科目を満点換算し、合否判定 | 英検®準1級以上 |
東京芸術大学 | 音楽学部 | 音楽学部入学者選抜試験 | 大学入学共通テストの英語科目を満点換算。(ただし、共通テストの外国語の受験は必須) | 英検®準1級以上 |
東京都立大学 | 都市環境学部(地理環境学科、都市基盤環境学科、建築学科、環境応用化学科)、システムデザイン学部 (情報科学科、航空宇宙システム工学科、インダストリアルアート学科)、健康福祉学部 |
外部英語検定試験(共通テスト併用方式) | 得点換算(「外部英語検定試験の換算得点」と「大学入学共通テストの外国語の得点」のうち、いずれか高得点の方を合否判定に利用) | 英検®3級1400未満、英検®準2級1400未満、英検®準2級プラス1550未満、英検®2級1728未満、英検®準1級1980未満及び英検®1級2304未満は不可。 |
富山大学 | 理学部 | 一般前期募集区分Ⅱ、一般後期募集区分Ⅱ | 共通テストの英語試験への加点 | 英検®CSEスコアが1700以上 |
金沢大学 | 全学部 | 大学入学共通テストを課す全選抜 | 得点換算(大学共通テストの英語の点数と比較し、高得点の方を利用) | 英検®CSEスコアが1950以上 |
岡山大学 | 全学部 | 一般選抜(前期日程) | 大学入学共通テストの英語科目を満点換算。(ただし、共通テストの外国語の受験は必須。 | 英検®準1級以上 |
広島大学 | 全学部 | 総合型選抜II型 | みなし満点 | 英検®準1級以上合格 |
九州大学 | 共創学部 | 学校推薦型選抜 | 大学入学共通テストの英語科目を満点換算。(ただし、共通テストの外国語の受験は必須。 | 英検®準1級以上 |
九州工業大学 | 全学部 | 一般選抜 (前期日程・後期日程)、 学校推薦型選抜(推薦Ⅱ)、 総合型選抜(総合Ⅱ) |
得点換算(換算点と大学入学共通テストの「外国語」による得点を比較し、換算点の方が高い場合は、大学入学共通テストの「外国語」による得点を換算点に置き換え) | 英検®CSEスコア1670以上 |
鹿児島大学 | 全学部 | 一般選抜 (前期日程・後期日程)、 学校推薦型選抜Ⅱ及び総合型選抜(自己推薦型選抜)の大学入学共通テスト 「外国語」を課す学部・学科 |
大学入学共通テストの英語の点数に応じて、「みなし満点」もしくは「加点」 | 英検®準1級以上 |
私立大学(関東/北陸/中部/近畿/中国・四国/九州・沖縄)
続いて、大学共通テストの英検®利用で優遇が受けられる私立大学を一部紹介します。
大学名 | 学部 | 入試方式 | 受けられる優遇措置 | 求めているスコア |
---|---|---|---|---|
立教大学 | 全学部 | 大学入学共通テスト利用入試 | 得点換算 | なし(スコアがあれば出願可) |
上智大学 | 全学部 | 共通テスト利用方式(3教科型・4教科型) | 得点換算(大学入学共通テストの外国語の得点とみなし得点のいずれか高得点を採用) | 英検®CEFRレベルB2以上(B2で180点、C1・C2で200点) |
上智大学 | 全学部 | 共通テスト併用方式・学部学科試験 | 点数加点 (CFERのレベルごとに得点化し、大学入学共通テストに加点) |
英検®CEFRレベルA2以上 |
千葉工業大学 | 全学部 | 大学入学共通テスト利用入学試験 | 得点換算(大学入学共通テストの外国語と英検®の換算点を比較し、高得点を採用) | 英検®CSEスコア1764点以上 |
目白大学 | 全学部 |
全学部 大学入学共通テスト利用選抜 外部英語検定試験併用方式
|
得点換算 | 英検®CSEスコア1980点以上 |
開志専門職大学 | 全学部 | 大学入学共通テスト利用選抜 | 得点換算 | 英検®CSEスコア1700点以上 |
新潟医療福祉大学 | 全学部 | 大学入学共通テスト利用選抜 | 得点換算 | 英検®CSEスコア1700点以上 |
南山大学 | 全学部 | 共通テスト利用入試 | 大学入学共通テスト「外国語」満点換算 | 受験級が英検®2級以上、英検®CSEスコアが2300以上、各技能が460以上 |
愛知大学 | 全学部 | 共通テスト利用入試 | 満点換算 | 英検®CSEスコアの総合が2304以上 かつ 各技能460以上 |
龍谷大学 | 全学部 | 一般選抜入試(共通テスト併用方式)、共通テスト利用入試 | 得点換算(大学入学共通テスト外国語の点数に100点、85点、70点の3段階で加算) | 英検®1950点(2級・準1級受験) |
関西大学 | 文学部 | 共通テスト利用入試 2科目型 | 得点換算 | CEFR B1レベル以上 |
関西大学 | システム理工学部 | 共通テスト利用入試 3科目型 | 出願資格 | CEFR B1レベル以上 |
大阪経済大学 | 全学部 | 大学入学共通テスト利用(前期C方式) | 得点換算 | 英検®CSEスコア1950点 |
広島修道大学 | 全学部 | 共通テスト利用選抜 | 得点換算(大学共通テストの外国語と比べ、点数の高い方を採用) | 英検®2級以上 |
九州共立大学 | 全学部 | 一般選抜(共通テスト利用)Ⅳ期 | 得点換算 | 英検®CEFR A1以上 |
九州女子大学 | 全学部 | 共通テスト利用Ⅳ期 | 得点換算 | 英検®CEFR A1以上 |
久留米大学 | 商学部、文学部、人間健康学部、法学部、経済学部 | 共通テスト英語4技能利用選抜 | 得点加算(大学入学共通テストで受験した科目で、各学部・学科(専攻)が定める科目の合計点に英語資格・検定試験の点数を加点し、合否判定) | 英検®準2級以上 (合格級によって、加算点数が変わる) |
英検®の取得時期に注意|出願時に有効な期間を確認しよう
大学入学共通テストでの英検®利用は、大変便利ですが、注意も必要です。
なぜなら、大学入学共通テストで英検®を利用する際の基準が、大学ごとに異なるからです。必要なポイントを押さえておかないと、制度が利用できず、優遇措置が受けられない事態も起こり得ます。
本章で、大学入学共通テストで英検®利用をする際の、注意すべきポイントを確認しましょう。
大学ごとに級・スコア・入試形式の指定が異なる
大学入学共通テストで英検®が利用できる入試方式、また英検®のレベルは、大学によって異なります。
そのため、この英検®の級を所持していれば、大学入学共通テストで利用できるだろう、などと自己判断してはいけません。志望大学の募集要項を細かく確認しましょう。
大学によっては、英検®自体の合否は問わず、大学が基準とする英検®CSEスコアやCEFRレベルを所有していれば、入試に利用できる大学もあります。
例えば、上智大学の「共通テスト併用方式・学部学科試験」では、CEFRレベルがA2以上であれば、級の合否は問われません。
CSEスコアやCEFRレベルの見方にも要注意
大学入学共通テストの英検®利用では2級、準1級などの級ではなく、英検®CSEスコアの点数やCEFRレベルを基準とする大学も多いです。
ここでは英検®CSEスコアやCEFRレベルについて確認していきましょう。
CSEスコアとは、英検®の各級で共通のスコア尺度で、客観的に英語力を確認するための数値です。
CEFRは「ヨーロッパ言語共通参照枠」の略で、外国語の教育者、評価者、学習者の熟達度を同一の基準で判断するための仕組みです。
英検®の成績表では、4つの技能をCSEスコアで表しており、各技能の数値と総合点が記載されます。4つの技能は、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングです。
また、その下にCEFRレベルが記載されています。
成績表のスコア部分を抜粋すると以下のような形になります。
試験 | 英検®CSEスコア | CEFRレベル |
---|---|---|
Reading(一次試験) | 525 | B1 |
Listening(一次試験) | 525 | B1 |
Writing(一次試験) | 525 | B1 |
Speaking(二次試験) | 525 | B1 |
CSEスコアの総合点だけでなく、各技能の点数にも基準を設ける大学もあります。
例えば、南山大学の「共通テスト利用入試」は、受験級が2級以上、CSEスコアが2300以上、各技能が460以上が基準です。
CSEスコアのどの部分を大学側が基準としているのかも含め、出願前に確認しましょう。
合格証明書・スコアレポートは早めに準備する
大学入学共通テストの英検®利用では、合格証書やスコアレポートの提出が求められます。
合格証書やスコアレポートは紛失していた場合、再発行が必要になるので、早めに準備しておきましょう。
紛失した場合の再発行の手続きは、日本英語検定協会に有料で依頼します。
再発行には申込書類の送付後、1週間から10日ほど時間が必要です。また申込みが集中する11月〜1月では、さらに時間がかかるといわれています。
また多くの大学は、英検®の資格取得期間に制限を設けています。例えば、「2022年4月1日以降に受験した検定のものに限る。」などの但し書きがされている場合です。
大体、取得から2年程度の英検®が大学共通テストで利用できます。
自身の英検®の取得期間が期限内かどうかも、合格証書の確認の際に、併せて確認しましょう。
出願前には必ず最新の募集要項を大学公式サイトで確認しよう
大学の募集要項には毎年、変更が生じる可能性が高いです。大学入学共通テストの英検®利用についても、必ず最新の募集要項を各大学のサイトでチェックするようにしましょう。
例えば、九州大学では2026年度以降の入試から、「英検®の基準点CSEスコア2300点」を「準1級以上取得」に変更することを、2024年11月に発表しています。
このように変更が生じる場合、大学側は早めに発表するケースが多いです。志望校を検討する段階で、入試に関わる情報は確認しておくと良いでしょう。
共通テストの英検®利用でよくある質問(FAQ)
ここでは、共通テストの英検®利用でよくある質問を解説します。
共通テストで英検®を利用するとき、何級から有利になりますか?
一般的に大学受験では、英検®準2級を取得していることがアドバンテージを得る最低ラインとされています。英検®2級を持っていることで、大学入試において優遇措置を受けられる大学の数が大幅に増えるため、おすすめです。
英検®準1級以上を取得すると、国際系の学部入試で加点を得られたり、個別試験の英語科目が免除されたりと、より大きな優遇措置を受けられる可能性が広がります。特に、難関大学やグローバル系の学部では、英検®準1級以上を取得していることが出願資格になっている場合もあります。
まずは、英検®2級を目指すのが理想的です。 高校1年生・2年生のうちに早めに対策を進めておけば、受験期に英語の勉強にかかる負担を減らすこともできます。
英検®S-CBTで取得した資格は、大学受験に利用できますか?
英検®S-CBTが大学受験に使えるかどうかは、志望する大学や学部によって異なります。大学側が利用を認めていない場合、英検®S-CBTのスコアを出願資格として使うことはできません。
例えば、大学によって以下のような違いがあります。
早稲田大学:文系学部の多くで英検®S-CBTを出願資格として認めている。例:文化構想学部、国際教養学部など
同志社大学:推薦型では利用可能だが、一般選抜では英検®自体を利用不可。
参考:2025年度入学試験要項|早稲田大学
2025年度入学試験の主な変更点について|同志社大学
このように、英検®の取り扱いは大学・学部ごとに方針が異なるため、必ず志望校の入試要項で最新情報を確認しておきましょう。
とはいえ、英検®S-CBTを利用できる大学の多くでは、従来型英検®と同等の評価基準で扱われているのが一般的です。
スコアの有効性や基準点も共通であるケースが多く、「受験の利便性」を理由に英検®S-CBTを選択する受験生も増加しています。
英検®S-CBTについては、以下の記事も併せてご覧ください。
大学受験の英検®対策に塾の利用は必要ですか?
英検®の一次試験については、日本英語検定協会の公式サイトで過去問を閲覧できるため、自学自習が得意な方であれば塾や家庭教師を利用しなくても十分に対策できます。
ただし、二次試験のスピーキングは、独学での対策が難しい場合があります。 発音や流暢さ、適切な受け答えの練習が必要になるため、一人では試験の形式に慣れにくいことが考えられます。
「英検®に特化した専門的な指導を受けたい」「試験の形式に慣れておきたい」と考えている場合は、塾や家庭教師を活用するのも一つの手です。 特に、スピーキングの実践的な対策をしたい場合には、マンツーマン指導やオンライン英会話を利用するのも効果的でしょう。
まとめ|共通テストで英検®は活用できる!出願や二次試験を有利に進めよう
大学入学共通テストで英検®を利用できる大学と、その仕組みについて詳しく紹介しました。
改めておさらいになりますが、大学入学共通テストで英検®を利用すれば、得点換算の優遇措置が受けられる大学が多くあります。
大学によっては、英検®を持っていることで共通テストの外国語の点数が満点になるので、メリットが大きいのは明白でしょう。
全国各地の大学で活用できるのも、うれしいポイントです。
英検®は大学共通テストで、ほかの受験生との差がつく資格の1つです。大学共通テストを有利に進められるので、英検®の取得をぜひ検討してみてください。
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