55%がひとりで留守番!?小学生の夏休みの過ごし方の実態と親の悩み・工夫を徹底調査

夏休みは子どもたちにとって待ちに待った長期休暇ですが、保護者にとってはどのように過ごさせるかが大きな課題となる期間でもあります。特に、共働き家庭が増加する現代において、子どもの夏休みの過ごし方は多岐にわたり、保護者の悩みも尽きません。
そこで塾選ジャーナルでは、小学生の子どもを持つ保護者100名を対象に、夏休みの過ごし方に関する実態調査を実施。小学生の夏休みにおける実際の過ごし方、保護者の具体的な悩み、そしてそれらを乗り越えるための工夫に迫ります。

編集部
塾選ジャーナル編集部
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小学生の夏休みの過ごし方の実態
夏休み期間中、小学生の子どもたちはどのように過ごすのでしょうか。塾選ジャーナルのアンケート調査では、最も多かったのが「ひとりで留守番をする」という選択肢であり、55%にのぼります。これは多くの共働き家庭が直面する現実を反映していると言えそうです。
また、祖父母に頼る家庭も少なくありません。このことから現代の家族構成や共働き世帯の多さが見て取れます。
アンケートでは「夫婦共働き、かつ夫婦共に実家が非常に遠く両親をあてにすることができないので、必然的に朝から夜まで子供達だけで過ごすこととなり、子供たちのやりたい放題にならないか心配です。」というコメントがあがっていました。
では、小学生の夏休みの過ごし方に対して悩みを抱える保護者はどのくらいいるのでしょうか?悩みを抱える保護者の割合や、具体的な悩みの内容などを次で詳しく紹介します。
夏休みの過ごし方に悩む小学生の保護者は71%!
「小学生の夏休み、どう過ごさせよう…」そう悩む保護者は、実は全体の71%にものぼります。長い休みだからこそ、子どもには有意義に過ごしてほしいと願う一方で、様々な現実的な問題が立ちはだかります。
夏休み 小学生の保護者の悩みランキング
保護者が夏休みの過ごし方について具体的にどのような悩みを抱えているのか、ランキングで解説します。
このランキングから、子どもの「暇」や「デジタルデバイスの使用時間」、そして「生活リズムの乱れ」が主な悩みの種であることがわかります。ランキング上位の悩みについて、保護者の具体的なコメントを見ていきましょう。
第1位:子どもが暇を持てあましてしまう
「外出した時に気温が高すぎて外遊びができないこと、学校のプール解放などがないので自宅で遊ぶ遊びばかりになるのが悩みです。」
「暑い日中は家で過ごすことも多い。宿題や絵を描いたりして過ごす時間もあるが、テレビをずっと見ていたり、暇をもてあまして体もあまり動かさず一日終わる日もある。」
「学童などに行かせていないので、暇な時間が多くなることが心配です。私は家にいるけど、在宅ワークなので、頻繁には遊びに外に連れ出すこともできないし、メリハリのない夏休みにならないかと思ってしまいます。」
近年の猛暑により、外での活動が制限される中、家の中で過ごす時間が増えることで、子どもが暇を持てあましてしまうという声が多く聞かれました。特に、学童に通っていない子どもや、近くに友達がいない子どもを持つ保護者からは、遊び場の確保や時間の使い方について悩む様子がうかがえます。
第2位:ゲームをする時間が長くなる
「暑いから外で遊ばせるわけにもいかず、かと言って勉強ばかりさせるのも可哀想なので、ついついタブレットやゲームをさせる時間がいつもより長くなり、ダラダラと過ごしてしまうことが心配。」
「家にいる時間が大幅に増えるのでやることがなくなり、ゲームをするようになってしまう」
「子供が外で遊ばず、勉強もせずに1日中ゲームをして言うことも聞かず身体も動かさず不健康なこと。」
家にいる時間が長くなることで、ゲームをする子どもが増え、その時間が長時間に及ぶことを心配する保護者の声が目立ちました。特に、宿題がおろそかになったり、就寝時間が遅くなったりと、生活習慣の乱れにつながることを懸念する声も多く寄せられています。
第3位:生活リズムが崩れてしまう
「娘は夏休みなど長期の休みになると朝起きなくなり、夜遅く寝るような生活になります。また、癇癪を起して宿題をまったくやらないで、だらだら過ごすようになってしまうのが悩みです。」
「夜更かしして朝起きるのが遅くなりメリハリのない生活になる。そのままダラダラと特にすべきこともなく過ごしてしまう。」
「弛んだ生活が連続するようになって夏休み明けに学校のスケジュールに対応できないことになりそうで不安。」
長期休暇による生活リズムの崩れは、多くの保護者が共通して抱える悩みです。夜更かしや朝寝坊が増えることで、新学期に向けての切り替えが難しくなることへの不安がうかがえます。
第3位:スマホを使う時間が長くなる
「スマホでYoutubeを見る楽しさを覚えてしまい、一日の大半をスマホと過ごしているのが悩みです。時間制限を設定しましたが、それでもスマホにかじりついています。」
「外に遊びに行かないでずっとスマホを使っているので目が悪くなりそうで心配になる。」
「スマホを手放せず、自分から宿題に取りかかろうとしないことが多いです。声をかけても反応が薄く、毎日のように注意していますが、なかなか改善されません。」
第5位:一人で過ごす時間が増える
「共働き家庭かつ、上の子もそれぞれ部活動やバイトで家を空ける時間が長いので、末っ子が1人でいる時間が長くなり、ちょっと心配。」
「共働き家庭であるため、子どもを置いて家を空けざるを得ない機会が増え、突発的に生じるできごとの対処を子どもがうまくできるかどうか気になっています。」
共働き家庭や、兄弟姉妹と年齢が離れている場合など、子どもが一人で過ごす時間が増えることへの心配の声が聞かれました。安全面や、寂しさからくる行動の変化などを懸念する保護者もいました。
第5位:宿題をなかなかやらない
「自分から計画を立てて宿題をすることが難しいようで、親がつきっきりにならないと宿題に取り組みません。」
「子どもは塾に行っており、塾の宿題はするんですが、学校の宿題はあまりせず、家でゲームをすることが多いのです。」
「休みが長くなるので気が緩んでなかなか宿題をやろうとしません。基本的に後回しでスマホゲームばかりしています。宿題が終わるのは夏休みギリギリ、普段は外に遊びに行かずスマホばかりいじっていて運動不足にも感じるので困っています。」
夏休みの宿題は、毎年恒例の「親子バトル」の種となることも。自分から進んで取り組まない子どもにどう声をかけるか、計画的に進めさせるかといった悩みが見受けられます。
夏休みにおける保護者の悩みは多岐にわたりますが、それらは決して特別なものではなく、多くの家庭で共通して直面する課題です。次の章では、これらの悩みを乗り越えるための具体的な工夫を紹介します。
夏休みの過ごし方として工夫していること
保護者は子どもたちが有意義な夏休みを過ごせるよう、目的に合わせた工夫をしています。
工夫① 朝型生活と学習時間で生活リズムを整える
夏休み期間中も規則正しい生活を送ることは、子どもの心身の健康を保つ上で非常に重要です。多くの保護者が、学校がある日と変わらないリズムを意識しています。
「朝型」を意識した計画的な学習・活動時間の設定
「朝の時間に宿題や読書を済ませるように声をかけ、午後は自由に遊べるようバランスを取っています。」
「夏休みでも基本的に生活リズムは変えず、起床や食事の時間は一定に保ったり、毎日学習の時間を設ける。」
「午前中に宿題や勉強を済ませて昼からは自由に遊んだり出かけたりする時間を作る。また、早めに宿題を終わらせて旅行やお出かけが出来るようにする。」
多くの保護者が、午前中の涼しい時間帯に宿題や学習に取り組ませることで、規則正しい生活リズムを維持しようと努めています。また、具体的な目標設定や「やること」を決めることが効果的だと考えていました。
子ども自身に1日のスケジュールを立てさせる
「1日の予定を子どもに考えさせて目標を作り達成させるようにすることでダラダラさせない。」
「自分でスケジュールや目標を決めさせて、できたかどうかチェックしながらやらせている。」
「自分でホワイトボードにスケジュールを書かせて、それ通りに過ごさせるようにしています。」
子ども自身に計画を立てさせることで、自主性を育むとともに、時間を意識した行動を促しています。ホワイトボードにスケジュールを書き出すなど、視覚的にわかりやすくするなどで、子どもが自分で管理・達成しやすい環境を整えるのも工夫の1つです。
ゲームやスマホの使用にルールを設ける
「一時間ゲームをしたら一時間勉強をするルールを作り、夏休みだからといってだらけすぎないように工夫しています。」
「午前中は宿題に集中してほしいので、スマホを使えないように管理しています。」
「スマホやゲームの時間はタイマーを使って管理しています。」
工夫② 室内の遊び・学びなど家で過ごす時間の充実化
猛暑が続く夏、外での活動が難しい日でも、家の中で楽しく過ごせるような工夫が求められています。
家庭での「小さなイベント」づくり
「できるだけ毎日が単調にならないように、出かけない日でもベランダでお弁当を食べるなど、小さなイベントがあるようにしています。」
「おやつを作るのを一緒に手伝ってもらったり、食事をホットプレートで自分で作れるようにしてパーティーメニューっぽくしたりして、家にいても少しでも楽しめるようにしています。」
料理やお菓子作りは、子どもが主体的に取り組める活動として人気です。また、ベランダでの食事やホットプレート料理など、日常の中に非日常の要素を取り入れることで、家での時間を特別なものにする工夫がされています。
学びやすくするための環境を整備
「家の中で勉強ができるスペースを確保してあげる。リビングなどでさせると、兄弟
間で騒いだり、ゲームや漫画など誘惑がたくさんあるので、勉強部屋をつくりました。」
「自宅で過ごす時間が長いので、子どもが興味を持ちそうな本を買ったり、自分から机に向かえそうな学習教材を与えたりします。」
「図書館のカードを作ってあげて、子供だけでも本を勝手に借りれるようにしておく。」
「時間を持て余したり、学習からあまりに距離が生じないよう、学校の宿題とは別にドリルなどの課題を与え、日常的に学習の時間を設けられるように工夫しています。」
学習スペースを確保したり、子どもの興味を引く本や教材を用意する保護者もいました。このことにより、集中して学習に取り組めたり、自分から学べる環境を整えています。
工夫③ 外で安全に活動できるようにする
暑さや天候に左右されがちな夏の屋外活動ですが、安全に配慮しながら工夫している保護者もいます。
安全に楽しめる場所選び
「外は暑すぎるので、モールや安全な小川で涼しく遊ばせる予定です。」
「避暑のため図書館や児童館を友人と活用させたり、商業施設などに定期的に外出したり、祖父母の家に遊びに行くなど過ごす場所を変えるよう工夫したいです。」
猛暑を避けるため、涼しい室内施設や水辺の遊び場を選ぶなど、安全を優先した場所選びが重要視されています。図書館や児童館の活用も、子どもの居場所づくりとして有効な手段です。
短期イベントや地域の活用
「学童だけでは飽きるかもしれないので、短期のスイミングスクールに通ったり、子どもがやりたいと言った普段やっていないことをさせてあげたいです。」
「地域のケアプラザの工作教室に申し込み色々な体験をさせる。」
「地元の夏祭りやイベントなど地域活動を活用し計画を立てる。」
学童保育以外の短期スクールや地域のイベントに積極的に参加させることで、普段できない体験をさせたり、友達との交流の機会を増やしたりする工夫が見られます。
工夫④ 親子のふれあい×お手伝いで自立心を育てる
共働き家庭が増える中、子どもと過ごす時間の確保と、子ども自身の自立を促すバランスが重要視されています。
限られた時間のなかでの密な関わり
「自分の仕事が休みの日は子どもと一緒にいられる時間を増やす。」
「夏休みの半分は家族で過ごすようにしていて、日頃仕事で一緒にいられない分、一緒にいられる時はなるべく一緒にいてあげたい。」
「毎年、ここ数年間お盆休みを可能な限り削って、7月下旬から9月初旬に三連休を意図的に複数回作る様にしています。」
保護者の仕事の都合で毎日一緒にいられない場合でも、休日にまとめて時間をとったり、休みの取り方を工夫するなどして、子どもと過ごす時間を確保するための努力がされています。
家事への参加で自立を促す
「早寝早起きができたら1ポイント、お手伝いができたら3ポイントなど、ゲーム感覚で楽しく過ごせるように工夫している。」
「お手伝い」ではなく「バイト」と言って、しっかり自分から「働く」ということで、それ相当の「お金」がもらえるということも教える期間にもしています。」
家事をお手伝いという形で子どもに任せたり、「ポイント制」や「バイト」という形で報酬を与えることで、自立心や金銭感覚を育む工夫も行われています。
これらの工夫は、一見すると手間がかかるように思えるかもしれませんが、子どもの夏休みを有意義なものにし、保護者の悩みを軽減するための大切なヒントとなるでしょう。
夏休みに子どもに経験させてあげたいことは?
夏休みは、小学生の子どもたちにとって特別な体験ができる絶好の機会です。保護者も、長期休暇だからこそ経験させてあげたいと願うことがたくさんあるようです。ここからは、夏休みにはどんな経験が重要視されているのかを見ていきます。
保護者が夏休みにおける子どもの経験として重要視することのトップは「自然に触れること」と「家族旅行」でした。子どもの夏休みは心身の成長や学び、そして家族との思い出作りにいい機会だと考えている保護者が多いようです。
ここからは、家庭の状況や子どもの興味関心に合わせて取り入れられるアイデアをご紹介します。思い出に残る有意義な夏休みを計画してみてはいかがでしょうか。
自然の中で五感を育む体験
「自然に触れる」ことは、半数以上の保護者が子どもに経験させたいと願うトップ項目です。都会での生活が中心となる子どもたちにとって、自然の中での体験は五感を刺激し、豊かな心を育む貴重な機会となります。
- キャンプやハイキング:星空の下で眠ったり、自然の中で体を動かしたりする経験は、子どもにとって忘れられない思い出となるでしょう。
- 川遊びや磯遊び:水に触れ、生き物を観察することで、命の大切さや自然の不思議さを肌で感じることができます。
- 農業体験:野菜を収穫したり、土に触れたりする体験は、食への感謝や労働の尊さを学ぶ機会にもなります。
家族の絆を深める旅行
「家族で旅行に行く」ことも、自然に触れることと並んで多くの保護者が重視しています。普段は忙しくてなかなかゆっくりと過ごせない家族にとって、旅行はかけがえのない時間となります。
- 非日常の体験:新しい土地の文化に触れたり、普段行かない場所を訪れたりすることで、子どもの視野を広げることができます。
- 共通の思い出作り:家族みんなで計画を立て、協力し、楽しい時間を共有することで、家族の絆をより一層深めることができます。
- 学びの機会:旅行先の歴史や地理、文化について事前に調べたり、現地で実際に体験したりすることで、座学では得られない生きた知識を学ぶことができます。
体力向上と社会性を育む活動
「スポーツで体を動かす」ことや「友だちと遊ぶ」ことも、子どもの健やかな成長には欠かせません。
- スポーツ体験:水泳やサイクリングなど、普段あまりしないスポーツに挑戦することで、運動能力の向上だけでなく、達成感を味わうことができます。
- 友達との交流:地域のイベントに参加したり、友だちと一緒に遊ぶ機会をつくることで、コミュニケーション能力や協調性を育む機会となります。
知的好奇心を刺激する学びの機会
夏休みは、学習の遅れを取り戻すだけでなく、知的好奇心を刺激する様々な学びの機会でもあります。
- 科学館や博物館巡り:興味のある分野について深く学んだり、実物に触れたりすることで、子どもたちの探求心を育みます。
- 読書:普段は忙しくてなかなか時間が取れない読書も、夏休みならじっくりと取り組めます。様々なジャンルの本に触れることで、感性や想像力を豊かにすることができます。
自立心を育む家庭での経験
家庭での「お手伝い」や「料理」も、子どもの自立心を育む大切な経験となります。
- 積極的にお手伝いをする:家事に参加することで、責任感や協調性を養い、家族の一員としての役割を自覚することができます。
- お昼ごはん・夕飯づくりに挑戦する:料理の工程を通して集中力を養い、完成した時の達成感は、子どもの自信につながります。
まとめ:夏休みを「乗り越える」から「楽しむ」過ごし方へ
今回の調査で、小学生の夏休みは、半数以上の家庭で子どもが一人で留守番をしているという実態と、保護者の多岐にわたる悩みが明らかになりました。特に「暇を持てあます」「ゲームやスマホの長時間利用」「生活リズムの乱れ」は共通の課題です。
しかし、多くの保護者が工夫を凝らし、この期間を子どもにとって有意義なものにしようと努力しています。規則正しい生活リズムの維持、家庭での「小さなイベント」創出、安全に配慮した屋外活動、そして親子での時間と自立のバランス。これらの工夫は、悩みを軽減し、夏休みをより豊かにするための大切なヒントです。
また、「自然に触れる」「家族旅行」といった非日常の体験をさせたいと願う保護者が多いことから、夏休みが「子どもの心身の成長と家族の絆を深める貴重な機会」と捉えられていることがわかります。
今年の夏休みは、これらのヒントを参考に、それぞれの家庭の状況や子どもの興味関心に合わせて計画を立ててみましょう。完璧を目指すのではなく、子どもが笑顔で過ごせる時間を少しでも多く作り、夏休みを「乗り越える」だけでなく「楽しむ」時間へと変えていくきっかけにしてください。
アンケート調査概要
調査対象:小学生の子どもを持つ保護者(有効回答数100名)
調査時期:2025年6月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「小学生の夏休みの過ごし方 実態意識」についての調査
※掲載しているグラフや内容を引用する場合は「塾選調べ:「小学生の夏休みの過ごし方 実態状態」についての調査」と明記し、『塾選』(https://bestjuku.com)へのリンク設置をお願いします。
執筆者プロフィール

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