大学受験|推し活に夢中の高1娘。YouTube三昧で勉強してないけど受験に間に合う?

「スマホばかりで勉強しない」「推し活に夢中で受験の実感がない」——。
高校生を育てる保護者なら、一度は感じるこの“もやもや”。このままで大学受験に間に合うのか、不安になりますよね。今回は、受験を控えたスマホ世代の子どもとの向き合い方について、大学受験指導のプロ・青戸一之先生に聞きました。「推し活と勉強をどう両立させるか」「スマホ世代のやる気スイッチの入れ方」についてアドバイスを届けます。「うちの子にも効きそう!」と思えるヒントが、きっと見つかります。

編集部
塾選ジャーナル編集部
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監修者
青戸一之先生
1983年生まれ、鳥取県出身。地元の進学校の高校を卒業後、フリーター生活を経て25歳で塾講師に転身。26歳から塾の教室長としてマネジメント業を行う傍ら、学習指導にも並行して携わる。29歳の時に入塾してきた東大志望の子を不合格にしてしまったことで、自身の学力不足と、大学受験の経験が欠如していることによる影響を痛感し、30歳で東大受験決意。塾講師の仕事をしながら1日3時間の勉強により33歳で合格。在学中も学習指導の仕事に携わり、現在は卒業してキャリア15年目のプロ家庭教師・塾講師を行う傍ら、ドラゴン桜noteマガジンの編集長を務める。 著書に『あなたの人生をダメにする勉強法 「ドラゴン桜」式最強タイパ勉強法で結果が変わる』(日本能率協会マネジメントセンター)、『家庭教師の技術』(星海社)がある。

スマホと推し活ばかり…勉強しない子どもは、受験モードに切り替えられる?
【CASE 023】高校1年生・女子
性格:
真面目でやることはちゃんとやるタイプ。ちょっと抜けたところがある。
【今回のお悩み】
ペンネーム:さくらこ さん(高校1年生 保護者)
推し活にハマっている娘。今はいいけれど、受験生になった時にどこまで自制できるか不安になります。最近はYouTubeを見ていることが多く、勉強に関する動画から自分の推し関連の動画や美容関連の動画までいろいろ見ているようで、いつ勉強しているのかが分かりません。受験勉強が本格化してきたら、推し活に割く時間はどのくらいに抑えるのがいいのでしょうか?
推し活をやめさせなくても大丈夫!受験勉強の“味方”に変える3つの工夫
推し活が“やる気スイッチ”になる理由とは?
推し活は、単なる趣味にとどまらず、人によっては心の支えになっていることもあります。推し活を完全にストップさせれば勉強に集中するかといえば、現実はそう単純ではありません。好きなことを無理やり辞めさせることで、かえってモチベーションが下がるケースもあります。
むしろ大切なのは、推し活のエネルギーを勉強のモチベーションに変える工夫をすること。受験勉強のために、やみくもに推し活を禁じるのではなく、上手に共存していくバランスをとるのがいいでしょう。
推し活と受験勉強を両立する3つの工夫
それでは、推し活と勉強をどのようにして両立するか、推し活を勉強のモチベーションにするコツを3つ紹介します。
✅1.推しへの愛情をやる気に変える
私の教え子の一人は、机の上に推しのアイドルのアクリルスタンドを置いていました。“見られている感”を演出し、「推しにだらしない姿を見せたくない」という気持ちを奮い立たせて勉強していました。
誰かを好きという気持ちは、時に自分磨きの原動力となります。推し活にただ時間を費やすのではなく、推しへの愛情を頑張る力に変えることに意識を向けてみましょう。
✅2.推し活を勉強のご褒美にする
何時間勉強したら、推しのYouTube動画を見てもOKと決めることで時間の使い方にメリハリが生まれます。1日中ずっと動画を見ていては勉強にならないので、ご褒美の時間は短時間に抑えましょう。
また、「大学に合格したらライブに行っていいよ」といった未来のご褒美を提示することも、目標意識を持つうえで効果的です。
✅3.推し活と勉強のバランスは自分で考える
推し活やスマホ時間の管理は、親が決めるのではなく、子ども自身が『時間配分』を考えることが大切です。なぜなら、自ら時間の管理をすることで、目的意識を持って時間を使うことができるようになるからです。
勉強と趣味を両立するには、「勉強する時間」と「息抜きする時間(=推し活の時間)」をはっきり分けることが大切です。何となくYouTubeを見るのではなく、時間を決めて使うようにしましょう。
自分の自由時間をどう使うかを考え、意識的に行動する習慣が身につけば、勉強と推し活の切り替えが上手になり、どちらにも前向きに取り組めるようになります。
「勉強してる?」は逆効果?思春期の子に響く“親のかかわり方”とは
昨今では、子どもがスマホを見ている時間が多く「勉強しているのか・していないのかわからない」という悩みが非常に多いです。保護者の視点では、机に向かって勉強している姿が安心材料になるのは当然のこと。歯がゆく思う気持ちはとてもよくわかります。
しかし、今はデジタルの学習ツールが充実しているので本当にスマホで勉強している子もいますし、反抗期ゆえに「自分が頑張っている姿を親に見せたくない」という気持ちから、あえて家では勉強している姿を見せないという子もいます。「勉強してるの?」という何気ない一言が、【信頼されていない】と感じさせ、やる気をそぐ原因になることもあります。思春期の子にとっては、親から一方的に決めつけられると勉強意欲の妨げになる場合があるため注意が必要です。
私の経験上、受験が成功するご家庭ほど、親が過干渉することなく子どもが自立している傾向にあります。大学受験は、自分の将来に直結する大きな選択。仮に親が管理して大学受験を乗り越えたとしても、自分で考えて行動する力が育たなければ、就職活動や社会人になってから壁にぶつかることになります。
子どもが「勉強してるよ」と言うなら、まずはその言葉を信じて見守る姿勢が大切です。一定の距離感を取りつつも、子ども自身が時間の使い方を自覚できるように促していくのが理想です。受験はあくまで通過点。自立心を高める成長機会と捉えて見守ってあげましょう。
まとめ|子どもの“好き”を尊重し、信じて見守ろう
推し活やYouTubeなど“自分の好きなこと”は、成長への原動力にすることもできます。大切なのは、どのように向き合い、どのように時間を使うかを自ら考えて行動できるようになることです。
親としては、「このままで大丈夫?」と心配になる場面も多いと思いますが、「ちゃんと見ているよ。でも、信じているよ」と寄り添うスタンスで、勉強と好きなこと、どちらも応援してあげてください。
成功へ導く賢者からの金言!
推し活を「敵」にせず、「味方」に変えれば、
勉強のモチベーションアップにつながる!
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※塾選調べ:
対象:大学受験をする予定の子どもをもつ保護者50名にアンケートを実施
期間:2025年3月5日~12日実施
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール

1983年生まれ、鳥取県出身。地元の進学校の高校を卒業後、フリーター生活を経て25歳で塾講師に転身。26歳から塾の教室長としてマネジメント業を行う傍ら、学習指導にも並行して携わる。29歳の時に入塾してきた東大志望の子を不合格にしてしまったことで、自身の学力不足と、大学受験の経験が欠如していることによる影響を痛感し、30歳で東大受験決意。塾講師の仕事をしながら1日3時間の勉強により33歳で合格。在学中も学習指導の仕事に携わり、現在は卒業してキャリア15年目のプロ家庭教師・塾講師を行う傍ら、ドラゴン桜noteマガジンの編集長を務める。 著書に『あなたの人生をダメにする勉強法 「ドラゴン桜」式最強タイパ勉強法で結果が変わる』(日本能率協会マネジメントセンター)、『家庭教師の技術』(星海社)がある。