体験格差とは?夏休みに広がる“見えない差”と家庭での対策

体験格差とは、家庭の経済状況や地域環境によって、子どもたちが得られる“体験の量と質”に差が生じることを言います。
「夏休みに旅行に行った」「習い事を続けている」──そんな“当たり前”が、すべての子どもに平等とは限りません。
体験格差は勉強への意欲や学力の形成に影響を及ぼすとされ、最近では社会問題として注目されています。
この記事では、体験格差の意味や具体例、特に夏休みに広がりやすい理由、そして保護者にできる対策までをわかりやすく解説します。

編集部
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体験格差とは?子どもの「経験の差」が将来に与える影響を解説
まずは体験格差の言葉の意味や定義、経済的状況との関係性といった概要を、わかりやすく解説します。
「体験格差」とは、子どもたちが成長過程で得られる“体験の量と質”に生じる差を指します。
では、ここでいう「体験」とは何を指すのでしょうか?そしてなぜその格差が生まれるのでしょうか。
「体験」とは?文部科学省の定義に見る3つの種類と重要性
体験格差を理解するうえで欠かせないのが、「そもそも体験とは何か?」という問いです。“体験の差”が子どもの成長に影響するというのであれば、その体験の中身をきちんと捉えておく必要があります。
文部科学省は平成20年1月に公表した「体験活動事例集-体験のススメ-」にて、体験活動について次のように述べています。
体験活動とは、文字どおり、自分の身体を通して実地に経験する活動のことであり、子どもたちがいわば身体全体で対象に働きかけ、かかわっていく活動のことである。この中には、対象となる実物に実際に関わっていく「直接体験」のほか、インターネットやテレビ等を介して感覚的に学びとる「間接体験」、シミュレーションや模型等を通じて模擬的に学ぶ「擬似体験」があると考えられる。
参照元:文部科学省「体験活動事例集-体験のススメ- 1.1.体験活動の教育的意義」
このように体験には、大きく分けて3つの種類があります。
- 直接体験:人や自然、モノと実際にふれ合う経験(例:料理、キャンプ、博物館見学など)
- 間接体験:テレビやインターネットを通して得る経験(例:ドキュメンタリー視聴など)
- 擬似体験:VRや模型、シミュレーションによる模擬的な経験(例:バーチャル体験、ゲームなど)
現代の子どもたちは、「間接体験」や「擬似体験」が豊富にある一方で、五感を使って実際に経験する「直接体験」の機会が減っていると懸念されています。
実際、習い事や旅行、様々なイベントへの参加といった、学校外にある学びや発見の機会にアクセスできるかどうかが、子どもたちの学力や価値観、さらには将来の選択肢に大きな影響を与えるといわれています。
しかし、現実には家庭の経済状況、保護者の時間的な余裕、生活している地域などによって「体験したくても、体験できない」といった子どもが存在しているのも事実です。
たとえば、自然の中で虫を観察したり、親子で料理をしたり、地域のイベントに参加したりといった経験は、子どもの好奇心や自信、意欲を育む“土台”になります。
それが得られるかどうかは、環境によって左右され、やがて子ども同士の“見えない差”となって表れてくるのです。このように、「体験できた子」と「できなかった子」の間に積み重なっていく“見えない差”。
それこそが、今問題になっている「体験格差」なのです。
なぜ体験格差が生まれるのか【3つの要因】
ではなぜ、子どもたちのあいだに体験の格差が生まれるのでしょうか。主な背景には、次の3つの要因があります。
- 家庭の経済格差
- 保護者の認識や時間の差
- 地域インフラの差
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
① 家庭の経済格差
学校外でのさまざまな体験活動には、少なからず費用がかかります。例えば、塾や習い事では授業料や教材費、旅行では交通費や宿泊費が必要ですよね。
家庭の経済状況はさまざまであり、なかには体験活動にかけられる余裕が限られている場合もあるでしょう。こうした金銭的な制約が、子どもが得られる体験の種類や頻度に影響を及ぼし、結果として体験格差の一因となります。
② 保護者の認識や時間の違い
保護者の考え方や家庭の事情によっても、子どもの体験機会に違いが生まれることがあります。
例えば、保護者自身が子ども時代にさまざまな体験をする機会が少なかった場合、「特別な体験はなくても大丈夫」と思うこともあるかもしれません。
また、仕事が忙しい、介護が必要な家族がいるなど、家庭の状況によっては、子どもの体験の場をつくる時間的な余裕がなかなか持てないこともあるでしょう。
こうした日常のなかの違いが、少しずつ体験の差につながっていくことがあります。
③ 地域インフラの違い
住んでいる地域の環境によっても、子どもが体験できることには違いが出てきます。
たとえば都市部では、美術館や博物館、各種の習い事など文化的な体験にふれやすい一方で、自然の中で思いきり遊ぶ機会は少なくなりがちです。
一方、自然に恵まれた地域では、山や川、星空など豊かな自然体験が身近にある反面、都心のような施設やイベントへのアクセスは限られることもあります。
また、「海に行ってみたい」と思っても、海から離れた地域に住んでいると、気軽に行けないということもあるでしょう。
こうした地域ごとの環境の違いや交通手段の制約などが重なり合い、子どもによって「出会える体験の幅」が大きく異なることがあります。
「行ったことがない」「やったことがない」といった体験の差が積み重なると、子ども自身の自信や意欲の差につながっていくこともあります。
こうした“気づきにくい差”が広がらないよう、子どもたちが少しでも多くの機会に出会える環境を整えていくことが大切です。
体験格差の具体例:“当たり前の日常”が体験格差に?
普段から意識していないと、体験格差を感じることがないかもしれません。しかし、実際には日常に潜んでいる見えない格差があります。
以下で体験格差の具体例を、4つのカテゴリーに分けて見ていきましょう。
① スポーツや音楽といった習い事
水泳やサッカーといったスポーツ、ピアノをはじめとする音楽など、月謝が必要な習い事へ通っている子どもは昔からいます。継続的な参加によって、技術や集中力が養われます。
経済的に余裕がある家庭では、子どもの興味・関心などに合わせて習い事を始めやすいでしょう。しかし、余裕がない家庭では子どもが希望しても、習い事に通わせる機会が限られてしまいます。
② 旅行・博物館・美術館などの文化体験
旅行や博物館、美術館といった文化体験も、体験格差の対象です。
家族旅行は子どもの世界観や価値観を広げる貴重な機会ですが、様々な理由から旅行へ行けない子どもがいます。家族旅行の機会がなく、さらに身近な場所に博物館や美術館がない場合も、体験格差につながります。
なかには経済的事情で「一度も旅行へ行ったことがない」とする子どももいるほどです。
③ 学校外の学習・イベント・ボランティア体験
学校外では様々な学習やイベント、ボランティア体験の機会があります。
例えば、夏のキャンプやハイキングではリアルな自然に触れられるでしょう。また地域によってはお祭りといった各種のイベントを開催し、イベントごとに貴重な体験ができます。
しかし、そもそもキャンプやハイキングの機会があるかどうか、開催しているイベントの種類や数などは、地域によって差があります。例えば、都市部ではイベントの種類や数が豊富ですが、地方では少ないという場合もあるでしょう。
④ 家族との時間・会話・金融教育の有無
最後は家族との時間や会話、金銭教育の有無です。
「晴れた日に、親子で公園を散歩する」「一緒に料理をしながら、学校の話をする」など、日常生活の中での家族との時間や会話。保護者にとってはささいなことでも、子どもにとっては貴重な体験です。
しかし、時間に余裕がないと、家族と一緒にゆっくりと過ごしたり、話をしたりする機会が少なくなることもあるでしょう。
また「お金の使い方」といった、金融教育の有無も体験格差のひとつです。
夏休みに広がる体験格差の実態
夏休みは、子どもがどんな体験をするかによって、成長に大きな違いが生まれる時期です。しかしその内容は、各家庭の経済状況や保護者の働き方、生活スタイルによって大きく異なります。
家庭によって異なる夏休みの過ごし方
ここでは、体験機会が多い家庭と、体験が限られる家庭で、夏休み中の過ごし方にどのような違いがあるのかを比較してみましょう。
項目 | 体験機会が多い家庭 | 体験が限られる家庭 |
---|---|---|
旅行 | 国内外の家族旅行あり | 遠出が難しく自宅中心 |
学び | サマースクール、夏期講習など | 宿題以外の学びが乏しい |
日中の過ごし方 | 家族と外出 | 子どもだけで留守番が多い |
さまざまな体験機会がある家庭の場合
家庭にある程度の経済的・時間的余裕がある場合、次のような体験が夏休み中に得られることがあります。
- 家族での国内外旅行
- サマースクールやプログラミング教室への参加
- 自由研究イベントや博物館巡り
- 学習塾での夏期講習
旅行や講座などに参加することで、新しい環境や人との出会いが、子どもの好奇心や意欲を育てる貴重な機会になります。
また、学習塾や講習に参加することで、苦手の克服や得意分野の強化など、学びの面でも刺激を受けることができます。
体験の機会が限られる家庭の場合
一方で、経済的な事情や保護者の忙しさなどにより、夏休み中の体験が制限されるケースもあります。
- 家族での遠出が難しく、自宅で過ごす時間が多い
- 学校の宿題以外に学びや体験の場を得るのが難しい
- 保護者の仕事などで、日中一人で過ごす時間が長くなる
こうした状況は、本人や家族に非があるわけではなく、社会的・経済的な環境によるものです。しかし、子ども自身がまわりの友人との違いを意識しやすくなり、「自分には日記に書くような体験がない」「友人に話せる思い出がない」と感じることもあるかもしれません。
調査データに見る“夏休みの体験格差”
夏休みにおける体験格差は、表面からは見えにくいものですが、各種調査結果からその実態が明らかになっています。
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC)の調査では、困窮世帯の子どもは各種体験への参加率が極端に低いことが示されています。自然体験では約1.7倍、旅行は約1.8倍、無料で参加できる地域の行事でも約1.3倍の開きがありました。
また認定NPO法人カタリバの特別体験プログラムレポートでは、体験が不足している子どもは自己肯定感や学習意欲の低下につながる可能性があると指摘しています。
さらに、体験格差は「思い出作文」といった課題にも影響を及ぼします。学校によっては、夏休みの体験を振り返り文章にまとめる課題を出すことがありますが、体験が乏しい子どもは書くことが思い浮かばず、戸惑ってしまうことも少なくありません。
体験格差が子どもに与える3つの影響
様々な原因から生じる体験格差は、子どもや社会にどのようなリスクをもたらすのでしょうか。
考えられる主な影響を、全部で3つ紹介します。
① 教育格差・情報格差・職業選択の幅の違い
教育格差や情報格差だけでなく、職業選択の幅にも違いを及ぼします。
例えば、金銭的に余裕がない家庭の場合、子どもを学習塾へ通わせることが難しいケースもあるでしょう。
通塾せずに独学で学力を向上させて、志望校へ合格できる子どもがいる一方で、なかには塾へ通って専門的な学習指導を受けた方がよい子どももいます。しかし、金銭的な理由から塾へ通えないことで、本来持っていた学力を引き出せない可能性があります。
情報格差はIT格差とも呼ばれており、インターネットを通じて様々な情報へアクセスできない状態のことです。
2019年に始まった文部科学省の「GIGAスクール構想」によって、最近は学校でパソコンやタブレットを使った授業が増えてきました。しかし、貸し出されるパソコンやタブレットは自宅へ持ち帰れず、中には金銭的な理由から、自宅でパソコンやタブレット、インターネットを利用できない子どもがいます。
普段から自宅でもパソコンやインターネットを使っている子どもと、使っていない子どもでは、ITリテラシーに格差があります。入手できる情報量に差があるほか、就職して社会へ出た後も、パソコン操作といったIT利用で差が生まれる可能性があるでしょう。
そして、将来の職業選択の幅にも違いを及ぼしかねません。多様な体験をとおして「自分にもできる」といった自己肯定感が高まり、子どもは自分が好きなものを見つけたり、自分が就きたい職業をイメージしたりします。職業選択の幅に影響を与え、体験が多い子どもと少ない子どもの間で、格差が生まれます。
さらに、将来の選択肢を狭めるだけでなく、挑戦意欲そのものに格差が生まれる危険もあるでしょう。
② 子どもの劣等感や孤立感につながる
「この前、家族と一緒に動物園に行った」「苦手科目を克服したいから、塾の夏期講習に参加してみた」といった会話は、友達同士の当たり前のことかもしれません。
しかし、子どもによっては決して当たり前のことではなく、他の子どもと比べて「自分にはないんだ」と気づく瞬間でもあります。
無意識の比較が、劣等感や孤立感につながることもあるでしょう。
③ 家庭→学校→社会へと体験格差が連鎖する
体験格差は子どもの学力や進路、就職格差にまで波及し、さらに世代間で再生産されやすい構造です。
例えば、家族旅行やキャンプといった各種の体験は、社会性や忍耐力といった非認知能力を育て、さらに学力といった認知能力にもつながります。そのため、体験格差が子どもの学力に影響を与え、学歴を経由して、社会へ出る際の格差にも連鎖していくと考えられます。
そして、親と子どもといったように、世代間で再生産されやすいのもリスクです。保護者自身が子どもの頃に体験する機会が少ないと、体験活動を重要なものと捉えていない場合があります。そのため、自分の子どもに対しても「体験活動は重要ではない」と考えてしまう恐れがあるのです。
体験格差は数値化されにくく可視化しづらいため、対策が遅れがちです。
「塾へ通って勉強したら、テストの成績が上がった」といったように、行為が数値として結果に表れれば、つながりや効果を理解できます。
しかし、家族旅行やイベントへの参加などは数値化されにくく、すぐに結果として表れにくいものです。そのため、体験の重要性がわからず、深刻な機会の喪失につながっているケースもあるでしょう。
体験格差を埋める!保護者ができること
体験格差が生まれる主な原因は「家庭の経済格差」「保護者の認識や時間の差」「地域インフラの差」の3つです。
家庭の事情はそれぞれで異なり、すぐに体験格差へつながる原因を解消できないケースも多いことでしょう。
最後に、体験格差を埋めるために保護者ができることを紹介します。
① 行政・学校・NPOを活用する
行政や学校、NPOの中には、体験格差を解消するためのプロジェクトをしているところがあります。オンラインで参加できるものもあるため、上手に利用してみるとよいでしょう。
以下は取り組みの一例です。
- 認定NPO法人カタリバ「キッカケプログラム」
- 日本財団「子ども第三の居場所」
- CFC「スタディクーポン」
経済的事情を抱える家庭を対象に、オンラインでの伴走と学びの機会を届ける奨学プログラムが、認定NPO法人カタリバの「キッカケプログラム」です。
創作漢字や3Dモデリングといったデジタルコンテンツの提供、子どもとの週1回オンライン面談、保護者との月1回の面談などをとおして、子どもたちの「機会」の格差を解消します。
日本財団の「子ども第三の居場所」は、全国248拠点(2025年3月末時点)で行われているプロジェクトです。安心できる居場所を提供し、将来の自立に向けて「生き抜く力」を育みます。
食事や歯磨きといった基本的な生活習慣の育成、スタッフによる学習サポート、季節行事や地域イベントへの参加など、様々なプログラムが準備されています。
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC)では、学習や文化・スポーツ、体験活動などで利用できる「スタディクーポン」を提供。経済的困難を抱える家庭の子どもたちを対象に、年額15〜30万円分のクーポンを配布しています。
地域にある2,900以上の教室や団体が利用先として参画しており、豊富な選択肢の中から選べます。
② 家庭でできる小さな“体験”の工夫をする
お金をかけたり、遠くへ外出したりせず、以下のように家庭でも気軽にできる体験はたくさんあります。
- 一緒に料理をする
- 近所の公園や図書館に出かける
- 無料の博物館・施設の活用
料理を通じて味覚・触覚・視覚・嗅覚・聴覚の五感が培われるほか、好奇心も育めます。また比較的短時間で、子どもの成長に欠かせない達成感も持てます。
近所の公園や図書館へ、一緒に出かけるのもおすすめです。公園で一緒に遊んだり、季節の植物を観察しながら話をするほか、図書館へ行って子どもの興味・関心に合った様々な本を読んでみるのもよいでしょう。
最後は無料の博物館や施設の活用です。科学館やミュージアム、植物園など、地域によっては無料で利用できるところがたくさんあります。インターネットで「〇〇市 無料 博物館」などと検索すると一覧で表示されるため、上手に活用してみるとよいでしょう。
私たちの身近には、お金をかけずにできる“体験”もたくさんあります。
体験格差に関連するよくある質問(FAQ)
体験格差の具体例はどのようなものがありますか?
体験格差の具体例としては、家庭の経済状況や地域差により、旅行・自然体験・習い事・博物館等への見学・スポーツ活動などに参加できる子どもと、そうでない子どもとのあいだに生じる体験の差が挙げられます。たとえば「夏休みに旅行に行けない」「課外活動に参加できない」「習い事ができない」といった経験の機会の差が、学びや自己肯定感の形成に大きく影響します。
体験の貧困とはどういう意味でしょうか?
体験の貧困とは、家庭環境や経済的理由などで、「子どもが多様な経験や挑戦の機会を十分に得られない状態」を指します。自然体験、文化活動、習い事、スポーツなど、成長に必要な学びの機会が乏しいことで、非認知能力や自己肯定感、社会性の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。体験格差の深刻化とも密接に関わる概念です。
教育格差の一番の原因は何ですか?
教育格差の主な原因は、家庭の経済状況や保護者の時間的な余裕、教育への投資機会の違いです。世帯収入や保護者の状況、居住地域によって、塾・習い事・ICT環境などへのアクセスに差が生まれ、学習機会や体験の質に差が生じます。また、保護者の教育意識の有無も大きく影響します。これらの複合的な要因が、教育格差の根底にあります。
機会格差とはどういう意味でしょうか?
機会格差とは、本来すべての子どもに等しく与えられるべき「学習や成長の機会」に差が生じることを指します。家庭の経済状況、地域資源の有無などにより、習い事・体験学習・進学などの選択肢に違いが生まれます。機会格差は、やがて学力格差や体験格差、さらには将来の職業選択や収入格差へとつながる可能性があります。
受験格差とは何ですか?
受験格差とは、家庭の経済状況や支援体制の違いにより、受験対策や学習環境に差が生まれ、結果的に合格可能性に格差が生じることを指します。たとえば、塾や家庭教師、模試の活用、過去問演習の量などに大きな差がつくことがあります。経済力や情報量の差が、進学機会に直接影響を与えるのが受験格差の特徴です。
体験格差はなぜ問題なのですか?
体験格差が問題とされるのは、子どもの成長や将来に大きな影響を与えるからです。多様な体験は、自己肯定感、挑戦する意欲、非認知能力の育成に不可欠です。体験の機会が乏しいと、学力だけでなくコミュニケーション力や問題解決力の面でも差が開きやすくなります。結果として、将来の進学・就職機会や社会的成功にも影響を及ぼします。
まとめ|体験格差を小さくすることは、子どもの未来を支えること
体験格差は目に見えにくいものですが、子どもの成長や将来の選択肢に少しずつ影響を及ぼしていきます。
経済的な事情や地域環境によって、体験の内容に違いが生まれるのは自然なことです。けれども、日々の暮らしの中にも、子どもの心を育てる体験のチャンスはたくさんあります。
長期休みに限らず、日常のなかでどんな「きっかけ」や「挑戦」に出会えるかはとても大切。大人にとっては何気ない出来事でも、子どもにとっては大きな気づきや自信につながることがあります。
体験の機会を少しずつでも広げていくことは、未来を生きる子どもたちへの支えとなります。あなたのお子さんには、どんな体験を届けていきたいですか?
執筆者プロフィール

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