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教育ローンのおすすめはどこ?仕組み・金利・審査まで初心者向けにやさしく解説

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子どもの進学を前に、「学費が足りるか不安…」「奨学金だけで足りる?」と感じていませんか?

私立大学や専門学校では、予想以上に高額な費用がかかることもあり、貯蓄や奨学金だけでは不十分なケースもあります。そんなときに検討したいのが「教育ローン」です。

教育ローンは、入学金・授業料・教材費・住居費など進学にかかる費用を、保護者が金融機関から借りられる専用のローン制度です。

とはいえ「どこで借りる?」「金利は?」「審査は大丈夫?」と疑問や不安はつきもの。この記事では、教育ローンを初めて検討する方向けに、制度の仕組みや金利・審査の基本、家庭別の選び方や2025年のおすすめ商品までやさしく解説します。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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目次

教育ローンとは?仕組みと奨学金との違いを解説

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これまで教育ローンを利用したことがないと、そもそも「教育ローンとは何なの?」とよくわからないでしょう。

まずは教育ローンの基本的な仕組みや、奨学金との主な違いを解説します。

教育ローンは何に使えるお金? 対象となる費用を確認

教育ローンは「学資ローン」とも呼ばれており、子どもの学費や教育費などを工面するためのものです。借入のため、返済しなければいけません。

大きく「国の教育ローン」「金融機関の教育ローン」の2種類があり、それぞれで申し込み条件や借り入れ可能な上限額などが異なります。

ローンの対象となる費用、つまり使用できる用途は教育ローンの種類によって違います。例えば、入学金や授業料といった学校へ直接支払う費用に限定したローンの場合、塾や予備校の授業料、海外留学の費用などには使えません。

一方で使用可能な用途が広いローンでは、入学金や授業料はもちろんのこと、パソコンや教材の購入費、下宿代などにも使えるものもあります。

入学金や授業料以外にも使いたい場合は、使用可能な用途をあらかじめ確認しておくことが大切です。

教育ローンは学生本人ではなく、保護者が借りるのが一般的

教育ローンは学生本人ではなく、保護者が借りるのが一般的です。返済義務は保護者に課されるため、子どもに学費の負担をかける必要がありません。

ただし国の教育ローンでは年収が一定額を下回ること、金融機関の教育ローンでは年収が一定額以上あることなど、教育ローンを組むためには、借りる人の年収に条件があります。また対象となる費用や限度額もそれぞれで異なるため、事前に理解しておくことが欠かせません。

教育ローンと奨学金の違い

教育ローンと同じように、教育資金の調達に役立つのが奨学金です。奨学金にもさまざまな種類がありますが、最も知られているのが「日本学生支援機構」の奨学金でしょう。

教育ローンと日本学生支援機構の奨学金の違いを、以下の表にまとめました。

項目 教育ローン 日本学生支援機構の奨学金
借りる人 保護者 学生本人
借入金の受け取り方法 一括や分割など 在学中に毎月分割
返済の開始時期 借りた翌月から 卒業後から
最大の返済期間 10~20年 20年
金利・利率 借入先によって異なる 無利子、または年3.0%が上限

教育ローンの借り入れには「安定した収入があること」が求められるため、債務者は保護者です。一方の奨学金では学生本人が債務者となり、借り入れと返済は学生本人が行います。ただし保護者や近親者が連帯保証人となるのが一般的でしょう。

借入金の受け取り方法は、教育ローンでは一括や分割など借入先によって異なります。奨学金の場合は、在学中に毎月分割して受け取ります。

また教育ローンでは借りた翌月から返済が始まり、最大の返済期間は国の教育ローンで15~18年、金融機関の教育ローンで10~20年です。

奨学金は卒業後に返済がスタートし、借入金額によって返済期間が異なるものの、最大で20年となっています。

金利は、教育ローンでは借入先によって異なります。国の教育ローンは固定金利で、年2.85%(2025年6月時点)。金融機関の教育ローンでは固定金利と変動金利などがあり、具体的な金利は借入先によって変わります

奨学金は「第一種奨学金」「第二種奨学金」に分かれており、それぞれで金利が異なります。「第一種奨学金」は学力や家計の条件があるものの、無利子です。「第二種奨学金」は固定利率と変動利率から選べますが、どちらも利率は年3.0%が上限です。

子どもにかかる教育費の平均

ちなみに、子ども1人にかかる教育費は、進学ルートや家庭の教育方針によって大きく異なりますが、文部科学省などの調査から平均的な目安を知ることができます。

例えば、保育園・幼稚園から大学までをすべて公立で進学した場合は約850万〜1,000万円程度、一方で私立中学校や私立大学などを選択した場合には、2,000万円を超えるケースも珍しくありません。

特に小学校以降の進路(私立か公立か)や、塾・習い事などの学校外活動費が大きな差を生む要因になります。

教育ローンのおすすめ比較【2025年版】

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国の教育ローンは1種類ですが、金融機関ではさまざまなところで独自の教育ローンを提供しています。そのため、それぞれの家庭事情に合った教育ローンを選ぶためには、内容を比較することが欠かせません。

以下で、2025年版のおすすめ教育ローンを紹介します。

国の教育ローン|日本政策金融公庫・沖縄振興開発金融公庫

国の教育ローンは、日本政策金融公庫沖縄振興開発金融公庫が取り扱っているものです。正式名称は「教育一般貸付」といいます。

項目 詳細
対象者 保護者
世帯年収(所得)の上限 扶養している子どもに人数によって変動
1人:790万円(600万円)
2人:890万円(690万円)
3人:990万円(790万円)
4人:1,090万円(890万円)
5人:1,190万円(990万円)
使用可能な用途 ・学校納付金(入学金、授業料など)
・受験費用(受験料や交通費、宿泊費など)
・教科書代やパソコン購入費
・通学費用
・在学のための住居費用(敷金や家賃など)
・留学費用
・学生の国民年金保険料
・その他
借り入れの限度額 1人につき350万円以内
※自宅外通学のほか、修業年限5年以上の大学(昼間部)や大学院、海外留学のいずれかの資金として利用する場合は450万円以内
受け取り方法 一括
金利 年2.85%(固定金利)
※母子・父子家庭や交通遺児家庭、世帯年収200万円(世帯所得132万円)以内の家庭、または子ども3人以上の世帯で、かつ世帯年収500万円(世帯所得356万円)以内の家庭は年2.25%
返済期間 20年以内
返済方法 元利均等返済

参考:政府広報オンラインの公式ホームページ

世帯年収(所得)の上限は、扶養している子どもの人数によって変わります。使用可能な用途は入学金や授業料といった学校納付金に限らないため、教育に関わるあらゆる出費をカバーできるのが魅力です。

金利は、融資契約時に決まったものが完済まで続く固定型。借り入れしたときの金利が変わらないため、返済計画が立てやすいでしょう。

無担保ですが、融資保証は必要です。公益財団法人 教育資金融資保証基金の保証を受けるか、連帯保証人を別に立てなければいけません。

また日本学生支援機構といった、各種奨学金との併用が可能です。

利用する際は、まず教育ローンコールセンターや日本政策金融公庫支店の窓口へ相談してみましょう。審査から融資まで20日ほどかかるため、資金が必要となる時期の2~3か月前に申し込んでおくと安心です。

民間の教育ローン おすすめ5選(一覧表+要点)

民間の金融機関では、さまざまなところで独自の教育ローンを提供しています。多くの教育ローンの中から、特におすすめの5つをピックアップしました。

項目 1. 千葉銀行スーパー教育ローン 2. 横浜銀行教育ローン
対象者 ・子どもが千葉県・東京都・茨城県・埼玉県・神奈川県にある教育機関に入学、または在学している方

・千葉県・東京都・茨城県・埼玉県・神奈川県に住んでいる方
・神奈川県・東京都(一部地域を除く)・群馬県(前橋市・高崎市・桐生市・みどり市)に居住、または勤務先住所がある方
世帯年収(所得)の条件 お問い合わせください お問い合わせください
使用可能な用途 ・入学金
・授業料や教材費、制服代、定期代
・アパートの敷金や仕送り
・他金融機関の既存教育ローンの借換資金や借換に伴う諸費用(支払利息・印紙税など)
・すでに支払った資金(審査申込日から3カ月以内のものに限る)
・入学金や授業料
・就学関連の諸費用
・海外進学や留学費用
※留学費用はカードローンのみ
借り入れの限度額 3,000万円
(1契約あたり、最大2,000万円まで)
1,000万円
借り入れの方法 一括、またはカードローン 一括、またはカードローン
金利 年2.6~3.0%(変動金利) 年0.9~3.3%(変動金利)
返済期間 16年6カ月以内 一括借入:10年以内
カードローン:18年以内
返済方法 元利均等返済 元利均等返済
おすすめポイント 高額の借り入れにおすすめです。
限度額は3,000万円
(1契約あたり、最大2,000万円まで)と高く、医学系以外の学部・学科でも対象
首都圏在住で低金利で借りたい方におすすめ。
審査結果によるが年0.9%〜と低い設定が魅力。
カードローンなら返済期間が最大18年と長い

 

項目 3. オリコ学費サポートプラン 4. 住信SBIネット銀行教育ローン
対象者 保護者 申込時年齢が満20歳以上で、完済時満70歳未満の方
世帯年収(所得)の条件 お問い合わせください 毎月安定した定期収入
使用可能な用途 ・入学金や授業料
・教材費や実習費
・留学費や寮費
・そのほか、学校へ支払う費用
・学校や塾、予備校等に納付する教育関連資金
・学校に納付する教育関連資金以外の資金(教科書代や学習用品、通学費用、制服代、引っ越し代、下宿費用など)
・他社で借入中の教育ローンの借り換え
借り入れの限度額 500万円 1,000万円
借り入れの方法 オリコから学校指定口座へ直接振込 一括
金利 提携校によって異なる 年2.275~4.475%(変動金利)
返済期間 - 15年以内
返済方法 月額指定払方式 元利均等返済
おすすめポイント 必要書類は2枚だけ。
ウェブで手続きが完了するため、簡素に教育ローンを利用したい方におすすめ
同社の他商品を利用している場合、商品の種類によっては最大年1%金利が下がる。
元金据置期間(※)を最長5年に設定可能

※借入後すぐには元金を返済せず、一定期間は利息だけを返済する仕組み

項目 5. きらぼし銀行 Web完結型 教育ローン
対象者 きらぼし銀行の営業地域内に居住、または勤務先住所がある方
世帯年収(所得)の条件 お問い合わせください
使用可能な用途 ・授業料
・留学費用
・下宿代
・その他
借り入れの限度額 一括借入:2,000万円
都度借入:500万円
借り入れの方法 一括、または都度
金利 一括借入:年2.2%

都度借入:年2.4~5.9%

返済期間 一括借入:14年9カ月以内
(医学部・歯学部・薬学部に関わる資金の場合は16年9カ月以内)
都度借入:6年7カ月
返済方法 一括借入:元利均等返済
都度借入:元金定額返済
おすすめポイント 低金利で一括借り入れが可能。
一括借り入れの金利は年2.2%と低く、さらに使用用途も授業料から下宿代まで幅広い

千葉銀行スーパー教育ローンは、特に高額の借り入れをしたい方におすすめです。借り入れの限度額は3,000万円(1契約あたり、最大2,000万円まで)と高く、医学系以外の学部・学科でも対象となります。

ただし対象者は「子どもが千葉県・東京都・茨城県・埼玉県・神奈川県にある教育機関に入学、または在学している方」「千葉県・東京都・茨城県・埼玉県・神奈川県に住んでいる方」に限定される点に注意が必要です。

横浜銀行教育ローンは、首都圏に住んでおり、できるだけ低い金利で借り入れしたい方に向いています。具体的な利率は審査結果によって決定されますが、年0.9%~と低い設定。さらにカードローンなら返済期間が最大18年と長いため、無理のない返済計画を立てられます。

一般的な教育ローンと異なり、必要書類が2枚だけで済むのがオリコ学費サポートプランです。ウェブ上のみで手続きが完了するため、できるだけ簡素に教育ローンを利用したい方におすすめといえるでしょう。

住信SBIネット銀行教育ローンは、同社の他商品(住宅ローンやカードローンなど)を利用している方におすすめです。利用している商品の種類に応じて、最大で年1%の金利が引き下がります。また元金据置期間を最長5年に設定できるため、学校卒業から1〜2年後に返済を始められます。

きらぼし銀行 Web完結型 教育ローンは、低金利で一括借り入れができる商品です。一括借入の金利は年2.2%と低く、さらに使用用途も授業料から下宿代まで、幅広い設定になっています。

金利が低い教育ローンは?

上記で紹介した中で、金利が低い教育ローンのランキングは次のとおりです。

  1. 横浜銀行教育ローン:年0.9%~
  2. きらぼし銀行 Web完結型 教育ローン:年2.2%~
  3. 住信SBIネット銀行教育ローン:年2.275%~
  4. 千葉銀行スーパー教育ローン:年2.6%~
  5. 国の教育ローン:年2.85%

国の教育ローンは固定金利ですが、ほかはすべて変動金利です。また実際の適用金利は借入方法や審査結果によって確定します。

審査に不安がある人におすすめのローンは?

年収などから審査に不安がある方におすすめなのは、国の教育ローンです。

そもそも低所得者を対象に、家計の教育費の負担を軽減することを目的としていることから、金融機関の教育ローンと比べて審査が厳しくないと考えられます。

反対に、金融機関の教育ローン審査が通過できるほど年収が高い方は、審査が通らない可能性があるでしょう。

家庭の状況別で考える「教育ローンどこがいい?」

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母子家庭やひとり親家庭、さらに進学を控える子どもがいる場合など、家庭の状況別におすすめの教育ローンを紹介します。

母子家庭・ひとり親家庭の場合

母子家庭や父子家庭といった、ひとり親家庭の場合は国の教育ローンがおすすめです。通常の金利は2.85%ですが、ひとり親家庭の金利は2.25%と低くなります。

また公的な貸付制度である、「母子父子寡婦福祉資金」を検討するのもよいでしょう。無利子で、修学資金として月52,500~183,000円が借りられます。教育ローンとの併用も可能です。

教育資金が必要になる下の子がいる場合

次に教育資金が必要になる子どもがいる場合は、きらぼし銀行 Web完結型 教育ローンがよいでしょう。次の子どもを含めたそれぞれの教育資金の計画に沿って、返済ペースを変更できます。

また元金据置を利用できるため、元金返済を子どもの卒業まで遅らせることも可能です。

私立文系を目指している場合

私立文系の大学を目指している場合は、上記で紹介したすべての教育ローンがおすすめです。

文部科学省の「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、私立大学文科系学部の初年度学生納付金の平均額は119万4,841円でした。4年間の合計は410万7,759円です。

実家暮らしなのか、一人暮らしなのかといった各家庭の状況にもよりますが、学費の面だけに着目すると、400万~500万円まで融資してもらえるところがよいでしょう。

先に紹介した教育ローンでは、すべてで400万~500万円の融資をカバーしています(国の教育ローンは、条件付きで450万円以内)。

私立理系を目指している場合

私立大学の中でも、工学部・理学部・農学部・薬学部などは、設備費や実験・実習費が高額になる傾向があります。

文部科学省によると、初年度納付金の平均は工学部で約150万円、薬学部では200万円超に達します。修学期間が6年に及ぶ学部もあり、4年間で500万〜1200万円以上かかるケースもあるでしょう。

さらに実験機器や専門教材の購入、パソコンなどの学習環境整備費、学外実習の交通費や滞在費なども必要になるため、教育費は予想以上に膨らみがちです。加えて地方からの進学で一人暮らしをする場合は、下宿代や仕送りも含めた生活費の負担も加わります。

こうした背景から、私立理系学部を志望する家庭では、奨学金だけでは足りず、教育ローンの活用が現実的な選択肢となることが多いです。

高額な借入にも対応できる「借入限度額が高め」の教育ローンを検討すると安心です。例えば、千葉銀行スーパー教育ローン(最大3,000万円)やきらぼし銀行Web完結型ローン(最大2,000万円)などは、高額進学資金にも対応しています。

また修学期間が長めの場合は、返済期間が柔軟なローンや据え置き返済が可能なローンを選ぶと、家計への負担を軽減しやすくなります。

医学部を目指している場合

医学部進学には、非常に高額な教育費がかかることで知られています。特に私立大学医学部の場合、文部科学省の調査によると、6年間で平均約2,330万円以上が必要とされ、中には3,000万円超の大学もあります。

一方で国公立大学の医学部であれば、学費は年間約54万円(6年間で約325万円)+入学金約28万円前後と抑えられており、私立と比べると大幅に経済的負担が少ないのが特徴です。しかし生活費・教科書代・実習関連費用・模試代・国家試験対策費などは別途必要なため、家庭によっては資金的なサポートが不可欠になることもあります。

医学部を目指す場合、以下のような観点で教育ローンを選ぶのが現実的です。

・借入上限額が高いローンを選ぶ(私立の場合に備えて)
例:千葉銀行スーパー教育ローン(最大3,000万円)

・長期返済が可能なローンを選ぶ
例:きらぼし銀行。最長16年9か月

・元金据置制度がある商品で卒業後の就職を見据えた返済を設計する
例:住信SBIネット銀行

また国の教育ローン(日本政策金融公庫)でも最大450万円まで借りられる場合があり、奨学金との併用も可能です。学費の規模感や進学先の特性に応じて、ローンの活用計画を柔軟に考えることが重要です。

専門学校への進学を予定している場合

専門学校への進学を予定している場合も、上記で紹介したすべての教育ローンがおすすめです。

公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会の調査では、東京都にある私立専門学校の初年度納金の平均額が130万1,000円でした。修学期間は学校や科によって異なるものの、2年間と想定した場合のトータル金額は242万3,000円です。

ただし修学期間が2年以上と長い場合はトータルの金額が大きく膨らむため、借り入れ可能額で賄えるかを確認しておきましょう。

必ず借りたい人が気をつけるポイント

まとまった教育資金の確保に役立つのが教育ローンですが、希望したからといって必ず借りられるとは限りません。必ず借りたい場合は年収や勤続年数、保証人や返済額など気をつけておきたいポイントがあります。

詳細は次の項目で見ていきましょう。

教育ローンの審査は厳しい?落ちる理由と通すコツ

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「教育ローンの審査は厳しい」といわれることがあるように、実際に審査に通らなかったケースもあります。続いては教育ローンの審査に落ちる主な理由と、審査に通るためのコツを見ていきましょう。

年収・勤続年数・信用情報の見られ方

教育ローンの審査では、主に次のような項目がチェックされます。

  • 年収
  • 勤続年数
  • 信用情報

特に重視されるのが年収です。借入希望額に対して年収が低かった場合、審査に通りにくくなるでしょう。

自営業で収入が給与所得以外の方は、できるだけ年収を安定させることがポイントです。副業でアルバイトをすると、年収アップにつながります。

勤続年数も審査に影響を与える項目です。あまりにも勤続年数が短いと「すぐに会社を辞めるかもしれない」と思われかねません。早くから将来の申し込みを想定して、できるだけ勤続年数を長くすることが大切です。

また他社の借入状況や債務整理といった、信用情報もチェックされます。車のローンやカードローンなど、他社からの借入件数・額が多ければ多いほど、審査に通らない可能性が高まります。延滞がないかどうかもポイントです。

債務整理をした場合は、個人信用情報機関に信用事故情報として7~10年登録されます。信用事故情報があると判明すると、審査に通るのは難しいでしょう。

教育ローンを申し込む前に、できるだけ他社からの借入を整理しておくと安心です。

保証人は必要?連帯保証ってなに?

国の教育ローンでは保証人が必要ですが、金融機関の教育ローンでは不要なところが多いです。ただし、保証人の代わりに保証会社の保証が必要なケースが増えてきています。

詳細は金融機関によって異なるため、各自でご確認ください。

また保証人と似たものとして連帯保証人がありますが、両者には以下のようにいくつかの違いがあります。

項目 保証人 連帯保証人
責任 保証責務のみを負う 主債務者と同様
借金の返済範囲 保証人の人数で割った額 全額
裁判所からの強制執行 主債務者を強制執行をした後 反論不可

上記の表からもわかるように、連帯保証人のほうが返済について大きな責務を負っています。国の教育ローンでは連帯保証人を立てる場合、保証会社の保証は必要ありません。

無理のない借り方・返し方。返済計画の立て方と注意点

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教育ローンは借入のため、必ず返済しなければいけません。「返済額が大き過ぎて、生活がままならない」といった状況に陥らないためには、無理のない借り方と返し方が大切です。

続いては、返済計画の立て方と注意点をチェックしていきましょう。

月々いくら返せる?借入額別の目安をシミュレーション

借り入れるときは、借入総額と月の返済額とのバランス、返済総額、そして世帯の年収に着目することが大切です。

以下で国の教育ローンを利用した場合の、借入額別の目安をシミュレーションしてみました(金利は年2.85%で計算)。

返済期間10年の場合

項目 借入額
100万円 200万円 300万円 350万円
毎月の返済額 9,700円 19,400円 29,000円 33,800円
1年間の返済額 115,900円 231,800円 347,700円 405,600円
返済総額 1,149,100円 2,298,300円 3,447,400円 4,022,000円
保証料総額 67,467円 134,934円 202,401円 236,134円

※日本政策金融公庫「教育ローン用 返済シミュレーション」にてシミュレーション

返済期間20年の場合

項目 借入額
100万円 200万円 300万円 350万円
毎月の返済額 5,500円 11,000円 16,500円 19,300円
1年間の返済額 65,900円 131,800円 197,600円 230,500円
返済総額 1,311,700円 2,623,300円 3,934,900円 4,590,800円
保証料総額 136,660円 273,320円 409,980円 478,310円

※日本政策金融公庫「教育ローン用 返済シミュレーション」にてシミュレーション

借入額が多くなればなるほど、また返済期間が長くなればなるほど、当然ながら返済総額は借入額よりも膨らみます。毎月の返済額と返済総額、世帯年収のバランスを見ながら、無理なく返せる計画を立てましょう。

ボーナス併用や繰り上げ返済のメリットと注意点

ボーナス返済や繰り上げ返済を併用すると、利用後の返済額や返済期間の負担を減らせます。

ただし利用には手数料が発生する場合があり、金額は数千~数万円と教育ローンによって幅があります。利用回数が多くなると、その分の手数料もかさむ点に注意しましょう。

借りすぎないための考え方・相談先

借りすぎないためには金利がかかる点のほか、返済が長期にわたる場合は負担も長くかかる点を理解しておくとよいでしょう。また借入額と返済期間に応じた返済総額をシミュレーションしてみるのも有効です。

教育ローンについては各機関にて相談を受け付けているため、問い合わせてみることをおすすめします。

教育ローンに関するよくある質問(FAQ)

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教育ローンで一番金利が安いのは?

今回紹介した中で一番金利が安いのは、横浜銀行教育ローンです。年0.9~(変動金利)と、安くなっています。

ただし実際の適用金利は借入方法や審査結果によって確定する点に注意が必要です。

教育ローンの借入額の平均は?

東京私大教連の「私立大学新入生の家計負担調査2024年度」によると、学費など入学に必要な費用を借り入れた家庭は、全体の14.7%。借入額の平均は203万1,000円でした。

首都圏の私立大学・短期大学に入学した新入生の家庭を対象とした調査ですが、借入額を知る一つの参考になります。

即日で借りられる教育ローンはある?

三井住友銀行の教育ローンは最短で即日融資が可能です。大学の入学金など、奨学金では賄えない急な用途にも利用できます。ただし申し込みの受付時間帯によっては、審査結果が翌日以降になる場合もあるでしょう。

国の教育ローンは審査が甘い?

国の教育ローンは低所得者への支援を目的としていることから、金融機関の教育ローンと比べて、審査に通りやすいといわれています。とはいえ世帯年収が低すぎると「返済能力がない」と判断され、審査に通らない可能性も十分にあるでしょう。

奨学金と教育ローンはどっちが得?

金利(利率)だけに着目すれば、奨学金のほうが得といえます。

例えば、日本学生支援機構が提供している奨学金の第一種奨学金は無利子です。学力や家計についての条件があるものの、借りた分だけを返済すればよい点で得といえるでしょう。

第二種奨学金の利率は年3.0%が上限ですが、教育ローンの中には年3.0%よりも低いものもあります。

奨学金と教育ローンは併用できますか?

奨学金と教育ローンは併用可能です。

別々に申し込む必要があり、それぞれの審査に通らなければいけません。また併用によって返済金額が増える点には注意が必要です。

学生本人でも借りることはできますか?

教育ローンの対象は一般的に保護者ですが、中には学生本人が借りられるものもあります。

例えば埼玉りそな銀行のりそな教育ローン学生プランは、学生本人が契約可能です。医師や看護師、理学療法士といった医療系国家資格を取得するための学校へ在学中、または入学予定の学生が利用できます。

教育ローンのデメリットはなんですか?

教育ローンのデメリットは、収入によっては審査が通らない可能性があることです。国の教育ローンと金融機関の教育ローン、どちらにも収入要件が設けられており、基準を満たしていないと審査に通らないかもしれません。

まとめ|子どもの教育費と家計のバランスを考えた教育ローンを選ぶ

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子どもの入学金や授業料といった学費、下宿代、アパート敷金などの費用を賄うために、主に保護者が借り入れられるのが教育ローンです。

使用用途や金利、返済期間などは各機関によって異なるため、各家庭の状況に合わせていくつかを比較してみるとよいでしょう。

無理なく返済するためには、借入総額と月の返済額、返済総額のバランスを見ることが大切です。インターネット上でシミュレーションできる教育ローンもあるため、上手に活用してみましょう。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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