帰国子女の息子が音読と反復で偏差値59→63!関西屈指の難関校・甲陽学院中学校に合格! 親たちの中学受験体験記 Vol.12

偏差値59→63、国語が苦手な帰国子女でも合格できた! 甲陽学院中学校への合格を実現したのは、音読と反復学習、そして“新しいことをやらない勇気”。家庭学習・塾選び・受験本番に至るまで、親子で向き合った日々を綴ります。

編集部
塾選ジャーナル編集部
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【保護者プロフィール】
お名前 | 篠崎 翠(仮名) |
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お住まい | 兵庫県西宮市 |
年齢 | 40歳 |
職業 | 会社員 |
性格 | 現実的な視点を持つ手堅い性格。 |
家族構成 | 夫、長男(中学2年生)、次男(小学5年生) |
【中学受験を行った子どものプロフィール】
子どもの名前 | 篠崎 蒼佑(仮名) |
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性別 | 男子 |
現在通っている学校名 | 甲陽学院中学校 |
現在の学年 | 中学2年生 |
受験期に通っていた塾 | 日能研関西 |
得意科目 | 算数 |
苦手科目 | 国語 |
性格 | 素直で真面目。親が転勤族で頻繁に変わる環境でも友達をつくることができる、明るく前向きな性格。帰国子女。 |
通塾開始時の偏差値 | 59(日能研関西) |
受験本番直前の偏差値 | 63(日能研関西) |
受験結果 | 甲陽学院中学校 合格 高槻中学校 不合格 帝塚山中学校(スーパー理系医学部コース) 合格 北嶺中学校 不合格 |
得意の算数を生かす戦略で、難関校・甲陽学院中学校を第一志望に
―はじめに、息子さんの中学受験を考え始めた理由・きっかけを聞かせてください。
私も夫も私立中高の出身だったので、子どもが生まれたときから、漠然と私立の教育を受けさせるのかな、という思いがあったんです。自分たちが中高一貫で6年間の教育を受けたことに満足していましたし、逆に高校受験についてはまったく知見がなくて。
息子の中学受験に関しても「決断した」というよりは「当然、中学受験はするもの」という感覚でした。
―自然な流れで受験を視野に入れていったんですね。お子さんにも、小さい頃から「中学受験をするよ」という話はされていましたか?
周りの親族が私立の中高一貫校に進学していたこともあり、息子が小学低学年の頃から「うちも受けてみようか?」と話はしていましたね。当時住んでいた地域も、近くに国立大付属中学があったためか、中学受験をするご家庭が4割程度と比較的多かったんです。そのため、息子も自然と「自分は中学受験をするものだ」と受け止めていたようです。
―ご両親の中に、「こんな学校に通わせたい」という学校選びの基準はありましたか?
基準に置いていたことは3つほどありました。1つ目は、通学環境。うちの子は電車が好きなので、多少時間がかかっても大丈夫かなと1時間半以内を目安にしていました。2つ目は、伝統のある学校であること。3つ目は、コースが細かく分かれておらず、生徒みんなが同じ教育を受けられることです。
学校を選ぶ段階では、自分たちが中高生の頃の記憶から、オーソドックスな学校のほうが息子が通っている姿をイメージしやすかったんですよね。後で知人に話を聞くと、最近はコース制の学校であっても、違うコースの生徒同士が交流する機会も多いようですね。今だったらコース制の学校も視野に入れて探すなど、当時とはまた違う基準で選んでいくと思います。
―数ある学校の情報を集めるだけでも大変なことですよね。候補の中から、どのようにして受験校を絞っていかれたのですか?
関西の中学受験では、算数が強いと偏差値の高い学校を目指しやすい傾向があるんです。息子は算数が好きで得意な子だったので、入塾テストで上位クラスに在籍することになりました。
受験校は、同じクラスの子が目指す学力レベルの学校の中から、理数系に強い中学を選んでいった感じです。説明会などでいくつかの学校に足を運ぶ中で、息子が気に入ったのは自由な校風の甲陽学院。第一志望は最後までブレることなく、受験準備を進めていきました。
偏差値59→63にUP。「自分で考える力」を育んでくれた日能研関西の丁寧なサポート
―ここからは、受験に向けた塾・ご家庭での学習についてお話を聞かせてください。小学低学年のうちから1日30~60分ほど継続して家庭学習の時間をとられていたのですよね。
幼稚園の年中くらいのときに、お友だちがやっていた公文のワークを見て、「自分もやってみたい」と言い出して。公文に通い始めてから、家で机に向かう習慣が自然と身についていきました。
公文では基準をクリアするとトロフィーがもらえるなど、子どもが楽しみながら継続して学べる工夫がされているんですよね。「あなたならもっとできるよ」と息子の気持ちをうまく乗せながら導いてくださったおかげで、継続して学ぶ姿勢を持つことができたと思います。
その甲斐あってか、中学受験のために「勉強しなさい!」と私たち親から活を入れるということはありませんでした。
―通塾を開始されたのはいつからになりますか?
3年生のときに、いとこが塾に通っているのを見て、ポジティブな興味を示したんですよね。そこで、冬期講習で塾の体験に参加したところ「通いたい」と言ってくれたので、これ幸いとそのまま通塾させることにしました(笑)。
―塾は日能研関西を選ばれたとのことですが、選定には迷いはありませんでしたか?
日能研に決めたのは、受験勉強だけでなく子どもたちのQOLを大事してくれる塾のスタンスが、我が家の方針と合っていると感じたためです。
「あくまでも中学受験は長い人生の過程に過ぎない。本人が目標を持って、そこに向かって努力をする経験が大切だ」というのが塾の方針。息子は、幼稚園から小学低学年を海外で過ごした帰国子女で、当時はインターナショナルスクールに通っていました。日本のいわゆる詰め込み型の塾は息子に合わないのでは、と夫からの強い勧めもありました。
―結果として、塾のサポートには満足していましたか?
はい。息子が在籍していたのは、受験が終わるまで一貫して専任の先生が見てくださるクラスだったのもよかったです。志望校の傾向や息子の得意・不得意に合わせて宿題のフィードバックをカスタマイズしてくれるなど、とてもきめ細やかにサポートいただきました。
模試の結果がふるわないときもありましたが、「お子さんは落ち込んでいないですか?」と気にかけてくださって。私も家での勉強方法や受験校など、先生には本当にたくさん相談していました。特に小学6年生になってからは、密に連絡を取り合っていたので、子どもだけでなく私にとっても心強い存在でしたね。
―逆に「もっとこうだったらいいのに」と思うことはありましたか?
日能研関西は、他塾と比べると6年生の夏までは比較的ゆったりとした歩みの塾なんです。SNSで他塾の受験生の親御さんの情報を見ると「あの塾ではこんな模試をやっているんだ。うちの子はやらなくて大丈夫なのかな?」と、時折ヤキモキしたことはありましたね。
終わってみると、塾で習った主体的に学ぶ姿勢が役に立っていると感じていますが、受験期には将来のことを考える余裕はとてもなかったですね。私自身初めての経験が多く、「これでいいのだろうか」と、常に不安な気持ちがどこかにあった気がします。
―不安を感じる中で、併塾や転塾を考えたことはありませんでしたか?
併塾や個別の家庭教師をつける選択肢は持っていませんでした。受験勉強は自分の苦手と向き合って克服していくもの。親が課金して対策するのではなく、本人が地道に取り組むべきだと考えていたんです。
必要であれば転塾はしてもよいと思っていましたが、息子が塾のクラスの先生や友達が大好きだったので、もうこの塾で最後まで走り切るしかないなと。
―息子さんには、日能研関西での学び方が合っていたのですね。受験期に塾の先生からのアドバイスで心に残っていることなどはありますか?
息子の希望で甲陽学院を第一志望にしたものの、模試の判定はいつもギリギリの結果…。私としては、志望校に落ちる我が子の姿を見たくなくて、手堅く受かりそうな学校を受験してほしかったんです。6年生の夏頃まで、「志望校変えない?」と何度も息子に言っていました。
そんなとき、塾の先生が私にこんなアドバイスをしてくださったんです。「合格できなくてもそれは失敗ではないので、本人の思いを貫かせてあげてほしい。仮に、本人の意思に反した学校に合格したとしても『目指す学校を受験させてもらえなかった』とずっと後悔が残ってしまう」と。
当時は、「尊敬する先生が止めてくれれば、息子もきっと言うことを聞くのに…」と恨めしく思う気持ちもありました。振り返ると、子ども第一で親身になって考えてくださったことが、とてもありがたいですね。先生の言うとおりだったなと、今はわかる気がしています。
音読で国語と理科をフォローアップ。小6夏前の伸び悩みは「100%理解するまでの反復」で克服
―日能研偏差値で59から63と、学力面では通塾開始後順調に伸びていったようですね。受験準備をするうえで、課題に感じていたことや伸び悩んだ時期などはありますか?
うちの子は海外にいるときに、一定期間は日本人学校に通っていたこともあり、普段の生活で日本語に困ることはありませんでした。ただ、同じレベルの学力の子たちと比べると問題を読むのに時間がかかるのが課題だったんです。
対策としては音読を学習に取り入れることで、かなり読むスピードがアップしたと思います。こうして苦手な傾向があった国語と理科の底上げをしつつ、得意の算数でさらに追い上げていくというパターンで学力の向上を狙いました。
4〜5年生のうちは、弱みを解消することで順調に学力を伸ばしていくことができましたが、6年生の夏前に一度成績が伸び悩んだ時期があったんです。
結局、明確な理由はわからないままだったので、メンタル的な影響だったのかもしれません。算数と理科を中心に、これまでやってきたことの復習をすることで再度安定させることができました。
一度できること・できないことをひっくるめて、しっかりと振り返りをしたことで「あれだけ復習したのだから大丈夫だ」と精神的に落ち着いて問題に取り組めるようになったようでした。
―伸び悩んだ時期の勉強法については、塾の先生にも相談しましたか?
ええ。親の立場だと「あれもこれもやったほうがいいのではないか」と考えてしまい、「何かいい参考書ありますか」と相談したんです。
そのときにいただいたのは「今は新しいものには手を出さないで」というアドバイスでした。塾の勉強はそれだけやっていれば完結できるようにカリキュラムが組まれているので、時間があるのなら既習テキストを反復するほうがよいと。
タイミング的には過去問対策が本格化していく少し前だったので、ギリギリ復習する時間をとることができたのは、まだよかったのかなと思っています。
―課題が増えるにしたがって、時間のやりくりで苦労されたりはしませんでしたか?
時間管理に関しては、曜日ごとの塾のスケジュールに合わせて、勉強だけに限らずルーティン化していたのでそこまで苦労することはありませんでした。「〇時になったから、勉強を始める」と、自分から勉強に取り組む習慣がついていたので、「あと何分で始めなさい」とこちらから言うことはなかったですね。
宿題にどれくらい時間がかかるか、その総量を見積もって逆算して動くことは、本番の試験でも求められるスキルだったりするので、日頃から時間を意識させるようにはしていました。60分でこの宿題をやると決めたらタイマーをかけて、時間どおりに終わらなくても終わらせるとか。そういった取り組みはしていました。
―勉強の仕方や学習の方針で、お母様が大事にしていたことがあれば教えてください。
「取りこぼしたらもう二度と取り返せないんだよ」ということを、口を酸っぱくして言っていた気がします。
授業を受けただけで「わかった気になる」のは危険だと伝えていました。だから、「自分にうそをつかないこと」「わかった気にならないこと」「できていなかったら、もう一回やる」というスタンスが大事だと。
今回の単元を今、100%理解しないと、後からどこが抜けているかはわからない。だから毎回「自分なりの100」を目指して仕上げる、ということは本当にうるさく言っていたと思います。日頃から繰り返し伝えていたことは、過去問や復習へのモチベーションにもつながったのかもしれません。
第一志望校に合格も悔やまれる前受け校(※)選び。偏差値よりも“相性”を優先すればよかった…
(※)本命校を受験する前に、試験慣れするために受験する学校のこと
―受験本番の時期にサポートの面で心掛けていたことはありますか?
今まで取り組んできたことの100%の力を出せる状態にコンディションを整えることが、親として一番重要な務めだと考えていたので、体調管理にはナーバスになっていたかもしれません。
インフルエンザなども流行する時期なので、受験が迫ってくる1週間くらい前から学校は休ませることに。その時期は時間には余裕があったので、当日と同じスケジュールで起き、入試の時間には机に向かって生活のリズムを整えるようにしていました。
―受験本番時期の息子さんのご様子はいかがでしたか?
本人はあまり緊張している様子は見られず、「頑張るぞー!」という感じ。むしろアドレナリンが出ていたのかもしれません(笑)。ただ、偏差値が10も下の前受け校から不合格をいただいてしまって…。まだ幼い12歳の子ですから、私も本人も気づいていなかったけれど、すごいプレッシャーの渦中にいたのかなという学びになりました。
―前受け校の候補は2校あったのですよね。
本命となる甲陽学院の入試の前に試験に慣れておきたかったため、前受け受験を決めました。ただ、どこかに「受かっても行かないから」という感覚があり、前受け校選びが雑になってしまったことは後悔しています。
本命前に合格をつかんで弾みにするために、塾の先生からご提案いただいた2校のうち、偏差値の低いほうの学校を選んで出願したんです。出願書類を提出してから事後報告で息子に話をすると、もう1校の偏差値の高い学校のほうが過去問を解いた感触はよかったようでした。
結果として不合格をいただいてしまったので、ちゃんと問題との相性や本人の意見も聞いて選んだほうがよかったかな、と今は思っています。
―偏差値だけではなく、問題との相性も大きく影響するのですね。しかし、前受け校に続いて受験した第一志望校の甲陽学院からは見事に合格をいただきました。
本人は手応えを感じていて、「もしかしたら受かったかも」と言っていました。でも私はこれまでの判定結果から、「そんなわけないだろう」と悲観的に考えてしまって。
実際、合格発表の掲示を見たときでさえ、番号を覚え間違えたのだと思っていました。一緒に発表を見に行ってくださった塾の先生にも「多分番号が違うと思います」と言っていたくらい(笑)。先生が「受かってますよ」と言ってくださって…うれしいというよりも、信じられない気持ちのほうが強かったのを覚えています。
―合格を知った息子さんのご様子はいかがでしたか?
息子は別の学校の受験に行っていたので、実際に掲示を見ることはできませんでした。だから受験会場に迎えに行ったときに私から口頭で伝えました。「ワーイ!」と無邪気に喜んでいましたね。本人としては、「やっぱり!」という気持ちだったのだと思います。
―中学生になった息子さんを見ていてどんなときに中学受験をしてよかったと感じますか?
勉強でも何でも自分ごととして取り組んでいる姿を見ていると、やはり成長を実感しますね。自分のために勉強するという自覚のもと、課題に対して何をすべきかを棚卸しして考える習慣がついたのは、受験勉強に取り組む中で得た力だと思います。そして、伴走し導いてくださった先生方には本当に感謝しています。
中学受験は、みんながするものではないですよね。人によっては、「子どもに無理をさせるのではないか?」とネガティブなイメージを持たれることもあるかもしれません。
でも、実際にたくましく成長した息子の姿を見ていると、本人にやる気があるのならよい経験となるものだと私自身は感じています。
取材後記
帰国子女という事情をくんだ塾選びや苦手科目である国語への取り組みなど、息子さんと歩調を合わせながら親子で歩んだ中学受験。第一志望への挑戦には迷いがありながらも、最終的には息子さんの意志を信じて背中を押した母の姿が印象的でした。受験はゴールではなく、その後につながる学びの一歩。親としてどう関わるか、改めて考えさせられる体験談でした。
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