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中学受験|やめるか続けるかだけじゃない!後悔しないための新しい選択肢

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中学受験
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成績が思うように伸びない、塾から帰るとぐったりしている、家庭の雰囲気もどこかピリピリしている──中学受験を目指すご家庭では、そんな瞬間に「このまま続けていいのだろうか」と迷いがよぎることがあります。

けれども選択肢は、「やめる」か「続ける」だけではありません。子どもの特性や家庭の状況に合わせた、より柔軟で後悔のない道を見つける方法もあるのです。

本記事では、プロ家庭教師・安浪京子先生が、中学受験のメリットとリスク、そして子どもに合った取り組み方を見極める判断基準をアドバイスします。読めば、揺れる気持ちに整理をつけ、自信を持って次の一歩を選べるヒントが得られるはずです。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

安浪京子先生

監修者

安浪京子先生

神戸大学発達科学部にて教育について学ぶ。関西、関東の大手進学塾で中学受験生に算数を指導、プロ家庭教師としては25年以上。中学受験に関する講演、セミナーなど多数。中学受験の悩みを解消するコミュニティーサイト「中学受験カフェ」を運営。「きょうこ先生」として朝日小学生新聞、AERA with Kidsなどでさまざまな悩みに答えている。 受験算数動画の再生回数は400万回以上、音声配信サービスVoicy「きょうこ先生の『教育何でも相談室』」は教育カテゴリで常時上位ランクイン。著書に『中学受験最短合格ノート』(朝日新聞出版)、『中学受験大逆転の志望校選びと』過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)など多数。

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目次

中学受験と高校受験どちらがよいか迷う…。親としてどう判断するべき?

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【CASE 033】小学4年生・女子

性格:
細かい作業に集中するタイプ。

【今回のお悩み】
ペンネーム:areitoさん(小学4年生 保護者)

娘が小学4年生になり、中学受験に向けた日々がスタートしました。しかし、「地元の公立中学に進学して高校受験をする道もあるのではないか」と迷うときもあります。私自身が経験していないのに、小学生の子どもに受験を押しつけているような気もして…。本当に中学受験をするべきか、親としてどのように判断すればよいのでしょうか。


大事なのは「するべきか」より、「どう取り組むか」。

中学受験でしか得られない「選択の自由」とは?

中学受験をすることでしか得られない大きなメリットの一つが、「学校を選ぶ自由」です。受験をしない場合は、基本的に居住地によって通う公立中学校が自動的に決まります。これに対し、中学受験をすれば、教育方針や校風、カリキュラム、進路実績などを見極めて、「わが子に合う学校」「自分が通いたい学校」を主体的に選べます

最近では、偏差値や進学実績だけでなく、「体験型の学び」「思考力重視」など教育内容の魅力から受験を選ぶご家庭も増えてきました。中には「受験勉強をほとんどせずに受かる学校を選びたい」というケースもあります。

ただし、この自由はすべての子に同じようにプラスに働くわけではありません。中学受験は「合う・合わない」がはっきり出やすい世界です。合否結果は別として、受験体験が吉と出るか凶と出るかはケースバイケース。受験勉強を通して成長する子もいれば、逆に負担が大きく潰れてしまう子もいます。つまり、中学受験のメリット・デメリットは、勉強のやり方や取り組み方によって大きく意味が変わるのです。

中学受験は「学びの機会」として活用できる?

中学受験によって得られる「選択の自由」は、進学先そのものだけでなく、その先で得られる“学びの質”にも及びます。つまり、中学受験を通して、子どもにより豊かな学びの機会を与えることもできるのです。

最近では、受験合格そのものを目的とせず、「学びのために受験を活用する」という考え方も広がってきました。

現在、公立小学校でもタブレットを使った学習の導入が進んでいますが、鉛筆で文字を書く、じっくり考えるといった学習機会が減少し、教育の質が下がっているともいわれています。また昔から学校の勉強が簡単すぎて退屈してしまう子も一定数います。

学校で刺激が得られない子にとって、高度な中学受験の学習内容は、「おもしろい!」と感じられる発見があり、魅力的な学びになります。家で中学受験用の問題集を解く、塾に通う…勉強手段はさまざまですが、学校以外の場で学ぶ楽しさに目覚める子もいます。勉強が好きな子にとっては学びを深めるために、中学受験がよい方向に働くでしょう。

とりあえず塾通い…はNG?子どもに合う方法を探そう

中学受験をするべきか、迷う気持ちがあるのは保護者の視点にも明確な目的がないからかもしれません。一度立ち止まって「受験してかなえたいこと」を整理して考えるのが初めの一歩です。その目的によって、受験のためにとるべき対策はまったく違ってくるはずです。

よく検討したうえで「中学受験にチャレンジしよう」と決めたら、そこからが本番。「周りの子が行っているから、とりあえず塾に行かせる」と一辺倒に決めるのではなく、その子の特性をよく見て、受験への取り組み方を考えることが重要なポイントになります。

大手進学塾のターゲット層は、小学校のカラーテストでラクに8割程度はとれる子たち、いわゆる勉強に困っていない子たちです。「うちの子は学校のテストでいつも半分程度の点数で苦戦しているけれど、名の知れた進学塾に通わせればなんとかなるだろう」という考えは、あまり適切とはいえません。塾のシステムや学習のペースが合わない子にとっては、それが大きなストレスになってしまいます。

受験勉強といえば大手進学塾一択という時代もありましたが、今は通信教育で学ぶ、個別指導塾を選ぶ、家庭教師をつける、など勉強への取り組み方の選択肢も多彩です。やってみないとわからないこともあるので、いろいろと試しながら「何がわが子に合ったやり方なのか」を模索していきましょう。

中学受験を途中でやめるのは“失敗”じゃない。

そもそも中学受験は、親も子も負担が大きいチャレンジです。挑戦が子どもの成長につながることもありますが、すべての子に当てはまるわけではありません。親が子どもの将来を思ってよかれと始めたとしても、やり方を間違うと本人の自信や意欲を損なって勉強嫌いになってしまうこともあります。

だからこそ、中学受験を「するべきかどうか」を考えるより、「この子にとってプラスになるか」と、主語を“わが子”にして見極めていくことがとても大事です。どうしても懐疑的な思いが残るのであれば、中学受験をしない道を選べばよいのです。あるいは受験勉強をスタートしてみたけれど何か違うと思えば、途中でやめてもよいのです。途中でやめたとしても、勉強嫌いにさえなっていなければ、これまで学んだこと、頑張った経験は何かしら生きてきます

もう一つ心に留めておきたいのは、親の経験を子に反映しすぎないこと。時代の変化によって、親世代の受験と子世代の受験の在り方は大きく様変わりしました。また偏差値の数値も発信元や地域によって異なります。

今の中学受験がどんなものかを知るには、切り取りのネット記事ではなく、書店に足を運んで体系的に中学受験について書かれている本をきちんと読みましょう。また問題のレベルを知りたければ最新の入試問題を手に取ってみるのが近道です。大人でも解くのが難しいような難問を、12歳の子どもたちが解いている現実を目にするだけでも、中学受験を客観的に捉えるよい機会になります

そして、そうした現実を知ったうえで「うちの子には合わない」と判断したり、途中で受験をやめる選択をとったりすることは、親にしかできないことです。わが子のことを真剣に考えて下した選択に、正解も誤りもありません。家庭での判断に自信を持ってくださいね。

成功へ導く賢者からの金言!

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何のために・どのようにして受験に取り組むのか。
よく考えて、子どものための選択を!

対象:中学受験をする予定の子どもをもつ保護者50名にアンケートを実施
期間:2025年5月21日~26日実施

Onayami Bnr

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

安浪京子先生
株式会社アートオブエデュケーション代表取締役、中学受験カウンセラー、算数教育家。
安浪京子先生

神戸大学発達科学部にて教育について学ぶ。関西、関東の大手進学塾で中学受験生に算数を指導、プロ家庭教師としては25年以上。中学受験に関する講演、セミナーなど多数。中学受験の悩みを解消するコミュニティーサイト「中学受験カフェ」を運営。「きょうこ先生」として朝日小学生新聞、AERA with Kidsなどでさまざまな悩みに答えている。 受験算数動画の再生回数は400万回以上、音声配信サービスVoicy「きょうこ先生の『教育何でも相談室』」は教育カテゴリで常時上位ランクイン。著書に『中学受験最短合格ノート』(朝日新聞出版)、『中学受験大逆転の志望校選びと』過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)など多数。

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