【2026年度】中学受験の面接対策|頻出質問の回答・NG例と親のマナー解説
「まさか中学受験に面接があるなんて」「うちの子、ちゃんと話せるかな…」 そう不安に思われる保護者は少なくありません。学力試験とは評価の軸が異なる面接は、子どもにも保護者にも大きなプレッシャーとなることでしょう。
しかし、面接は適切な準備をすれば、合否に不利な影響を与えることはありません。そこで本記事では、中学受験における面接の目的や形式といった基礎知識、よくある質問と回答例、服装やマナーについてなど、中学受験のプロである西村先生に解説してもらいました。
よくある質問や回答例、NG例なども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
西村 創先生
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。現在は、セミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録13万人超)などを中心に活動。著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。 http://www.youtube.com/@nishimurasensei
目次
なぜ中学受験に面接があるのか?その目的と重要性

中学受験で面接が課されるのには、主に3つの目的があります。
第一に、筆記試験では測れない受験生の「人間性」や「個性」を知るためです。言葉遣いや受け答えから、知的好奇心、主体性、協調性といった、学校生活で重要となる資質を評価します。
第二に、学校の教育理念や校風との「ミスマッチ」を防ぐためです。志望動機などを通して、子どもがその学校で6年間を意欲的に過ごせるか、学校との相性を見極めます。
第三に、家庭の教育方針や学校への協力姿勢を確認する目的もあります。特に保護者面接では、家庭と学校が連携して子どもを育てていけるかが問われます。
面接の比重は学校によりさまざまですが、学力が拮抗している場合、面接の評価が合否を左右することもあるため、決して軽視できません。
中学受験の面接の種類と形式

中学受験の面接は、学校によって形式が異なります。志望校の形式を事前に把握し、それぞれに応じた対策を立てることが合格への鍵となります。
生徒面接
受験生本人が面接官と対話する、一般的な形式です。生徒一人で受ける形式と、複数の受験生で受ける形式があります。
◆ 個人面接
生徒一人に対し、面接官が一人または複数で対応します。緊張しやすい状況ですが、自分の考えを自分の言葉でしっかり伝える力が試されます。発言内容だけでなく、表情や声のトーン、姿勢といった全体の印象も評価対象です。
◆ グループ面接
複数の受験生(3〜5名程度)が一緒に面接を受け、一人ずつ順番に答えていくスタイルです。自分の意見を述べるだけでなく、ほかの受験生の話をきちんと聞く姿勢も評価されます。ほかの生徒と回答が似てしまった場合でも、自分だけの具体的なエピソードなどを加えて独創性を示せるかがポイントになります。
親子面接
子どもと保護者が一緒に面接を受ける形式です。子どもの個性や志望理由に加え、家庭の教育方針と学校の理念との合致度や、家庭での普段の様子などが重点的に見られます。
保護者は、子どもの主体性を尊重しつつ、家庭での具体的なエピソードを交えて魅力を補足するなど、適切なサポートが求められます。日頃からの親子の信頼関係やコミュニケーションの質が表れる場ともいえるでしょう。
グループディスカッション
一部の学校で採用されており、複数の受験生が一つのテーマについて議論し、結論を導き出す過程が評価されます。
面接官は、議論の内容そのものだけでなく、論理的思考力、傾聴力、協調性、表現力といった総合的な能力を見ています。自分の意見を的確に伝えつつ、他者の意見を尊重し、グループ全体の合意形成に貢献できるかが重要です。日頃からニュースに関心を持ち、さまざまなテーマについて対話する習慣が対策につながります
中学受験で面接のある学校(2025年度)

ここでは、首都圏で面接がある中学校を一部紹介します。2025年度の情報を参考にしておりますので、最新の情報は各学校の公式サイトや受験要項をご確認ください。
※2026年度より廃止が発表されている学校については掲載しておりません。
東京都
| 学校名 | 面接形式 | 入試区分 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 桜蔭中学校 | 個人面接 | 一般 |
|
| 女子学院中学校 | グループ面接 | 一般 | |
| 玉川聖学院中等部 | グループ面接 | 一般、多文化共生 |
|
| 東洋英和女学院中学部 | 個人面接、親子面接 | 一般、帰国生 |
|
| 雙葉中学校 | 個人面接 | 一般 |
|
| 慶應義塾中等部 | 親子面接 | 一般(一次合格者のみ) | |
| 早稲田大学高等学院中学部 | グループ面接、個人面接 | 一般、自己推薦 |
|
神奈川県
| 学校名 | 面接形式 | 入試区分 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 鎌倉女学院中学校 | 親子面接 | 帰国生 |
|
| 清泉女学院中学校 | 個人面接、別々面接 | グローバル、帰国生 |
|
| 聖ヨゼフ学園中学校 | 個人面接 | 推薦、オープン |
|
| 洗足学園中学校 | 個人面接 | 帰国生 |
|
| 東海大学付属相模高等学校中等部 | グループ面接 | 一般 | |
| 横浜国立大学教育学部附属鎌倉中学校 | 個人面接、保護者面接 | 一般、帰国生 |
|
| 横浜雙葉中学校 | 親子面接、個人面接 | 帰国生、一般 |
|
埼玉県
| 学校名 | 面接形式 | 入試区分 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 浦和ルーテル学院中学校 | グループ面接 | 4科型、英検利用型 | |
| 秀明中学校 | 個人面接、保護者面接 | 専願、一般 |
|
| 聖望学園中学校 | 個人面接 | 一般(入試回による) |
|
| 自由の森学園中学校 | 個人面接、保護者面接 | 一般 | |
| 埼玉県立伊奈学園中学校 | 個人面接 | 公立中高一貫(2次選考) |
|
| さいたま市立浦和中学校 | 個人面接、グループディスカッション | 公立中高一貫(2次選抜) |
|
| さいたま市立大宮国際中等教育学校 | 集団活動 | 公立中高一貫(2次選抜) |
|
千葉県
| 学校名 | 面接形式 | 入試区分 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 千葉県立千葉中学校 千葉県立東葛飾中学校 千葉市立稲毛国際中等教育学校 |
グループ面接 | 公立中高一貫(2次検査) |
|
| 昭和学院中学校 | 個人面接 | 帰国生(特待生選考) | |
| 秀明八千代中学校 | 個人面接 | 専願、一般 |
|
| 翔凜中学校 | 個人面接 | 一般 |
|
| 千葉明徳中学校 | 個人面接、グループディスカッション、グループ面接 | 第一志望、プレゼンテーション、適性検査型、一般入試 |
|
| 日出学園中学校 | 個人面接 | 推薦、一般(2科・4科) | |
| 和洋国府台女子中学校 | 個人面接、グループ面接 | 推薦 |
|
| 光英VERITAS中学校 | 個人面接 | 第一志望、帰国生 |
|
| 西武台千葉中学校 | 個人面接 | 第一志望 | |
| 暁星国際中学校 | 個人面接 | 推薦、一般、特色 |
|
| 三育学院中学校 | 個人面接、保護者面接 | 推薦、一般 |
|
| 八千代松陰中学校 | 個人面接 | 推薦 |
中学受験の面接でよく聞かれる質問と回答例

面接対策では、質問の意図を理解し、ポジティブかつ具体的に自分の言葉で回答することが重要です。ここでは、親子それぞれのよくある質問と回答のポイントを解説します。
生徒向けの質問
回答の丸暗記ではなく、自分の言葉で話せるように準備しましょう。
◆ 志望理由
〇 質問の意図
学校への理解度、入学への熱意、学校との相性を見極める
〇 回答のポイント
- 「なぜこの学校でなければならないのか」を明確に伝える
- オープンスクールや学校説明会での印象、パンフレットで魅力を感じた点など、具体的な体験を交える
- 学校の教育理念、カリキュラム、部活動、施設など、特に魅力を感じた点を挙げ、それが自分の学びたいことや将来にどうつながるかを説明する
〇 回答例
わたしは、〇〇中学校が大切にしている「自ら考え、行動する」という言葉がとてもいいなと思い、この学校で学びたいと思いました。特に、オープンスクールで見た△△部の活動がとてもすばらしくて、心に残っています。わたしもこの学校に入学できたら、〇〇の勉強をがんばって、将来は△△部の先輩たちのような人になりたいです。先輩たちが楽しそうに学校生活を送っている姿を見て、わたしもここで一緒にがんばりたいと思いました。
◆ 小学校生活について
〇 質問の意図
子どもの性格、得意なこと・苦手なこと、人間関係、学校生活への適応能力などを把握する
〇 回答のポイント
- 頑張ったこと、楽しかったこと、苦労したことなどを具体例を挙げて話す
- 経験から何を学び、どのように成長したかを伝える
- 苦手なことや失敗談も、それをどう乗り越えようとしたか、どう改善したかを前向きに話す
〇 回答例
小学校で一番がんばったことは、〇〇委員会の活動です。わたしは委員長として、△△という課題を解決するために、クラスのみんなと協力して取り組みました。最初は意見がまとまらず大変でしたが、話し合いを重ね、最終的にはみんなで協力して目標を達成できたことが、大きな自信につながりました。
◆ 中学校でやりたいこと、学びたいこと
〇 質問の意図
入学への意欲、学習への関心、学校生活への具体的なイメージを持っているかを確認する
〇 回答のポイント
- 志望校の特色やカリキュラムに触れながら、具体的に何をしたいかを話す
- 勉強面だけでなく、部活動や委員会活動、行事など、学校生活全般でやりたいことを伝える
- 中学校での学びが、将来の夢や目標にどうつながるかを意識して話す
〇 回答例
〇〇中学校の特色である「探求学習」にとても興味があります。中でも、〇〇(具体的なテーマや分野)について自分で調べ、考え、発表する学びを通して、将来の夢である△△に必要な力を身につけたいと考えています。与えられた答えだけでなく、自分の疑問を出発点に学びを深められる点に魅力を感じました。勉強だけでなく行事にも積極的に取り組み、充実した中学校生活を送りたいです。
◆ 将来の夢
〇 質問の意図
子どもの視野の広さ、目標意識、学習へのモチベーションを確認する
〇 回答のポイント
- なぜその夢を持ったのか、そのために何をしたいのかを具体的に話す
- 志望校での学びが、その夢の実現にどう役立つかを結びつける
- 「まだ漠然としているが、〇〇に興味がある」といった正直な気持ちを伝えるのもよい
〇 回答例
わたしの将来の夢は、〇〇(職業名)になることです。小学5年生のときに△△(具体的な出来事・経験)を経験し、その仕事の大切さや面白さに感動しました。〇〇中学校の理科の授業では〇〇(関連する学びや活動)について実験や観察を通して深く学べると知り、将来の夢に近づく第一歩として、ぜひ〇〇中学校で基礎をしっかり身につけたいと思っています。
◆ 最近気になったニュース、本、趣味
〇 質問の意図
子どもの知的好奇心、社会への関心、視野の広さ、人間性などを測る
〇 回答のポイント
- ニュースや本の概要だけでなく、それについて自分がどう感じたか、何を考えたかを話す
- 趣味についても、単に「好き」だけでなく、その活動を通して何を学んだか、どんな工夫をしているかなどを伝える
- 暗いニュースばかりでなく、社会貢献や新しい発見など、前向きな内容を選ぶとよい
〇 回答例
AIが注目されているニュースが気になりました。わたしの家でも試してみたところ、自由研究のアイデアを出してくれたり、知らない言葉をわかりやすく説明してくれたりしました。ですが、使い方を誤ると自分で考える力が弱くなる心配もあると知りました。これからの時代、AIとどう共存していくかを学校でも深く学んでいきたいです。
◆ 長所・短所
〇 質問の意図
自己分析力、客観性、成長意欲を確認する
〇 回答のポイント
- 長所・短所を裏付ける具体的なエピソードを添える
- 短所を認識しているだけでなく、それを克服しようと努力している点や、今後どう改善していきたいかを具体的に話す
- 短所も、見方を変えれば長所になるような表現を心がける(例:優柔不断→慎重に物事を考える)
〇 回答例(長所)
わたしの長所は、一度決めたことは最後までやり遂げる粘り強さです。例えば、苦手だった算数の計算問題を克服するために、毎日欠かさず練習を続け、テストでいい点数を取ることができました。
〇 回答例(短所)
わたしの短所は、少し心配性なところです。でも、その分、準備をしっかりすることで、不安を解消するように心がけています。例えば、発表の前には何度も練習したり、必要な資料を何度も確認したりするようにしています。
◆ 自己PR
〇 質問の意図
子どもの最も伝えたい魅力を自由にアピールさせる
〇 回答のポイント
- 短時間で自分の強みを効果的に伝える
- 抽象的な表現ではなく、具体的なエピソードや成果を交える
- 自分の強みが、志望校でどのように活かせるかを意識して話す
〇 回答例
わたしの強みは、周りの人と協力して物事を成し遂げる力です。小学6年生の運動会では、応援団のリーダーとして、チームをまとめる役割を担いました。意見がぶつかることもありましたが、みんなで話し合い、工夫を凝らした結果、最高の応援をすることができ、チームの優勝に貢献できました。この経験で培った協調性とリーダーシップを生かし、〇〇中学校でもさまざまな活動に積極的に参加し、貢献したいと考えています。
◆ 逆質問の準備
〇 質問の意図
学校への関心度、積極性、思考力を確認する
〇 回答のポイント
- 2~3個、具体的な質問を用意しておく
- パンフレットやウェブサイトに載っているような質問は避ける
- 入学後の学校生活や学習内容、学校の取り組みなど、より深く知りたいという意欲が伝わる質問をする
- 質問がないと、学校への関心が低いと捉えられかねない
〇 回答例
- 〇〇中学校の〇〇(特定の行事やプログラム)について、もう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。先日ウェブサイトで拝見し、とても興味を持ちました。
- 〇〇中学校の卒業生の方々は、どのような分野に進まれることが多いのでしょうか。もしよろしければ、具体的なお話をお聞かせいただきたいです。
保護者向け質問
保護者面接では、ご家庭の教育方針、子どもへの理解度、学校との連携に対する姿勢などが問われます。
◆ 志望理由
〇 質問の意図
保護者の視点から見た学校の魅力、教育方針への共感度、入学への熱意を確認
〇 回答のポイント
子どもの志望理由と矛盾しないようにしつつ、保護者として学校のどのような点に魅力を感じたかを具体的に述べる。教育理念や校風への理解を示す
〇 回答例
貴校の「〇〇を育む」という教育理念に深く共感し、娘(息子)の個性を伸ばすうえで最適な環境だと感じております。特に、△△(具体的なカリキュラムや取り組み)を通じて、自ら考え行動する力を養っていただきたいと強く願っております。
◆ 家庭の教育方針
〇 質問の意図
学校の教育方針と家庭の教育方針が一致しているか、子どもの成長をどのようにサポートしているかを確認
〇 回答のポイント
家庭で大切にしていること、子どもとの関わり方、学習面や生活面でのサポート体制などを具体的に話す
〇 回答例
わが家では、子どもが自分で考え、自分で決めることを大切にしています。失敗しても、なぜ失敗したのかを一緒に考え、次にどう生かすかを話し合うようにしています。また、家族で話し合う時間を設け、お互いの意見を尊重し、協力し合うことを心がけております。
◆ 子どもの性格、長所・短所
〇 質問の意図
保護者から見た子どもの客観的な評価、子どもへの理解度を確認
〇 回答のポイント
子どもの回答と食い違いがないように、普段の様子がわかる具体的なエピソードを交えて話す。短所も、改善に向けて努力している点や、保護者としてどのようにサポートしているかを伝える
〇 回答例
娘(息子)は、一度興味を持ったことにはとことん集中して取り組む粘り強さがあります。一方で少し人見知りな面もありますが、新しい環境にも少しずつ慣れて、自分から積極的に関わろうと努力しているところです。私たちは、娘(息子)が安心して挑戦できる環境を整え、温かく見守るようにしています。
◆ 中学校生活への期待、不安
〇 質問の意図
入学後のイメージ、学校への要望、保護者の関わり方を確認
〇 回答のポイント
具体的な期待を述べつつ、もし不安な点があれば、それをどのように乗り越えたいか、学校にどのように協力していきたいかを前向きに話す
〇 回答例
貴校に入学できましたら、多様なバックグラウンドを持つ友人と出会い、さまざまな価値観に触れることで、娘(息子)の視野が広がることを期待しております。もし、学習面でつまずくことがあれば、学校の先生方にご相談させていただきながら、家庭でもサポートしていきたいと考えております。
◆ 学校への要望や協力体制
〇 質問の意図
学校と保護者の連携意識、学校行事などへの参加意欲を確認
〇 回答のポイント
具体的な要望を伝える際は、学校の負担にならないよう配慮し、協力的な姿勢を示す
〇 回答例
子どもが自ら学び、考える力を育めるよう、家庭でも日々の学習や探求活動を見守り、必要に応じて支援してまいります。学校との連携を大切にし、行事や面談、保護者会などにも積極的に参加しながら、学校の教育方針に協力してまいります。ご指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします
中学受験の面接でのNG回答例とその理由、改善策
続いて、避けるべきNG回答例とその理由、そして改善策を提示します。
志望理由
◆ NG回答例
「家から近いからです」「制服がかわいいからです」
◆ NGの理由
学校の教育理念や特色への理解がなく、安易な理由と捉えられる。
◆ 改善策
具体的な教育内容や校風に触れ、なぜその学校がよいのかを具体的に説明する。
小学校生活について
◆ NG回答例
「特にありません」「友達と遊んでいました」
◆ NGの理由
具体的なエピソードがなく、自己分析ができていない印象を与える。
◆ 改善策
頑張ったことや楽しかったこと、そこから何を学んだかを具体的なエピソードを交えて話す。
中学校でやりたいこと
◆ NG回答例
「友達をたくさんつくりたいです」「部活を頑張りたいです」
◆ NGの理由
漠然としており、学習への意欲や学校への具体的な関心が伝わらない。
◆ 改善策
志望校のカリキュラムや部活動に触れ、具体的に何を学び、どう成長したいかを話す。
将来の夢
◆ NG回答例
「まだ決まっていません」「お金持ちになりたいです」
◆ NGの理由
目標意識が低いと捉えられ、学習へのモチベーションが低いと判断される可能性。
◆ 改善策
現時点での興味や関心を伝え、それが将来にどうつながるか、学校で何を学びたいかを話す。
長所・短所
◆ NG回答例
「長所はありません」「短所ばかりです」
◆ NGの理由
自己肯定感が低い、あるいは自己分析ができていない印象を与える。
◆ 改善策
ポジティブな側面を見つけ、具体的なエピソードを添えて話す。短所も改善努力を伝える。
自己PR
◆ NG回答例
「特にありません」
◆ NGの理由
自分の魅力をアピールする機会を逃している。
◆ 改善策
自分の得意なことや頑張ったことを具体的に準備し、簡潔にまとめる。
逆質問
◆ NG回答例
「質問はありません」「合否はいつわかりますか?」
◆ NGの理由
学校への関心が低いと捉えられる。合否に関する質問は不適切。
◆ 改善策
学校の教育内容や行事など、より深く知りたいという意欲が伝わる質問を事前に用意する。
家庭の教育方針
◆ NG回答例
「子どもに任せています」「特にありません」
◆ NGの理由
教育への関心が低い、あるいは無責任な印象を与える。
◆ 改善策
家庭で大切にしていることや、子どもへの関わり方を具体的に話す。
子どもの短所
◆ NG回答例
「うちの子はわがままで…」「勉強がまったくできなくて困っています」
◆ NGの理由
子どもを一方的に批判するような発言は避ける。
◆ 改善策
短所を認識しつつ、それをどう改善しようとしているか、保護者としてどうサポートしているかを前向きに話す。
本番で差がつく!面接時のマナーや印象アップの秘訣

面接では、立ち振る舞いや第一印象も重要です。回答内容だけでなく、マナーも好印象につながります。ここでは、面接官によい印象を与える秘訣を解説します。
身だしなみは清潔感が第一
◆ 子どもの服装
面接の服装で最も大切なのは、子どもらしい清潔感と品格です。学校から服装の指定がある場合は、必ずそれに従いましょう。特に指定がない場合、通っている小学校の制服があればそれで問題ありません。
私服で臨む際は、男子は白いシャツに紺やグレーのブレザーとズボン、女子はブラウスにブレザーとスカートやキュロットといった、シンプルで落ち着いたスタイルを心がけます。靴はきれいに磨いた革靴やローファーが望ましいでしょう。
髪型は寝癖を直し、表情がよく見えるように整えます。爪を短く切っておくなど、細部への配慮が好印象につながります。
◆ 保護者の服装
保護者の服装は、主役であるお子様を引き立てる、控えめで上品なものが基本です。父親は濃紺やチャコールグレーといったダークスーツに白いシャツ、落ち着いた色柄のネクタイが適切です。母親は同じく濃紺やグレーのスーツ、アンサンブル、ワンピースなどが望ましいでしょう。
アクセサリーは結婚指輪や小ぶりなパールなどにとどめ、華美な印象にならないよう注意します。
男女ともに清潔感のある髪型を心がけ、特に母親はナチュラルメイクにし、香りの強い香水は避ける配慮も大切です。上品で誠実な印象を与えることを意識しましょう。
入室から退室までの立ち振る舞い
面接は、ドアを開ける前のノックから始まっています。一つひとつの動作が印象を形作るため、事前に練習して自信を持って臨みましょう。
◆ 入室から着席までの一連の流れ
- ドアを3回ノックし「どうぞ」の声で「失礼いたします」と一礼して入室
- ドアを静かに閉め、面接官に向き直り、椅子の横に進む
- 着席を促されたら「ありがとうございます」と一礼して座る
- 背筋を伸ばして座り、手は膝の上にそろえる
- 面接官の目を見て、明るくハキハキと話す
- 質問を最後までよく聞き、落ち着いてから答える
- 終了したら席の横で「本日はありがとうございました」と深々とお辞儀
◆ ノックの回数は「3回」が基本です
中学受験の面接に限らず、日本のビジネスマナーにおいて、フォーマルな場面でのノックは3回が基本とされています。落ち着いて、「コン、コン、コン」と適度な強さでノックしましょう。
〇 ノック2回と3回の違いとは?
もともとノックの回数は世界標準公式マナーに由来します。
- 2回:トイレの空室確認で使われることが多く、ビジネスやフォーマルな場では控えるべきとされている
- 3回:相手への敬意を示す入室確認のノック。家族や友人など、親しい間柄でない相手の部屋に入る際に使われ、面接ではこの3回が最も適切
- 4回:世界標準公式マナーでは最も丁寧なノックとされている。日本の一般的な面接では3回で十分
〇 もし回数を間違えたり、忘れたりしても慌てないこと
ノックの回数を間違えても、不採用になることはまずありません。面接官は、ノックの回数よりもあなたの受け答えや人柄、態度を総合的に見ています。万が一間違えても、その後の挨拶やお辞儀を丁寧に行うことで十分に挽回できます。大切なのは、失敗を引きずらず、落ち着いて行動することです。
またノックをせずにドアを開けてしまっても、慌てる必要はありません。気づいた時点で立ち止まり、面接官のほうをしっかりと見て「失礼いたします」と普段より丁寧に伝えましょう。ミスをリカバリーする冷静な対応力も評価の対象になり得ます。
話し方は自分の言葉で誠実に
完璧な敬語を使うことよりも、丁寧な言葉遣いでハキハキと話すことが大切です。用意した答えを丸暗記するのではなく、要点を押さえたうえで「自分の言葉」として誠実に伝えましょう。抽象的な言葉だけでなく、具体的な経験を交えて話すと説得力が増し、あなたらしさが伝わります。
面接対策の具体的なステップと準備

やみくもな練習ではなく、戦略的な準備が合格を引き寄せます。
徹底した情報収集と自己分析
対策の第一歩は、志望校を深く知ることです。公式サイトや説明会で教育理念や「求める生徒像」を理解しましょう。そのうえで、小学校生活で「頑張ったこと」「学んだこと」などを具体的なエピソードと共に整理し、自己分析を進めます。学校の魅力と自分の長所や目標を結びつけることで、志望動機に深みが生まれます。
「なぜ?」で考えを深掘りする
面接では、答えの背景にある「理由」が問われます。「校舎がきれいだから」で終わらせず、「なぜきれいな環境がいいのか」「その環境で何をしたいのか」と「なぜ?」を繰り返して思考を深める練習をしましょう。これにより、論理性が養われます。
実践練習で自信をつける
模擬面接は本番の雰囲気に慣れるために不可欠です。家庭で入退室を含めた一連の流れを練習し、その様子を録画して見返せば、姿勢や表情、声のトーンなどの改善点が明確になります。
学習塾の対策講座では、専門的な指導やグループ面接の実践練習も可能です。家庭と塾をうまく組み合わせて準備を進めましょう。
面接でよくある失敗談と回避策

よくある失敗例を知り、冷静に対処できるようにしましょう。
緊張で固まってしまう
繰り返し模擬面接を行い、本番の形式に慣れることが最大の対策です。家族や先生など第三者が面接官となり、本人が気づいていない話し方の癖や内容のわかりにくさを指摘してもらいましょう。また本番同様の服装で入退室までを通し、その様子を動画で撮影して見返すことで、表情や声のトーンを客観的に分析できます。こうした実践的な準備が当日の余裕を生みます。
もし本番で言葉に詰まっても「考えをまとめたいので、少しだけお時間をいただけますか」と前向きな言葉で伝えれば、むしろ真剣に答えようとする誠実な姿勢として評価されます。
質問の意図を理解できない
「一番頑張ったことは?」という質問に、結果だけでなく「どのように工夫したか」「何を学んだか」まで答えられるよう、日頃から物事を深掘りする習慣をつけましょう。
有名なのが、STARメソッドです。面接で質問された時、Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Results(結果)を意識して回答するというもので、過去の経験答える際、強みや実績を効果的に伝えられます。
「小学校生活で一番頑張ったことは?」と聞かれ、STARメソッドを意識して回答してみましょう。
以前は文章問題が苦手で、テストでもよく間違えていました。(状況)
そこで、次のテストでは文章問題を全部正解することを目標にしました。(課題)
毎日必ず3問ずつ解く練習を始め、問題の大事なところに線を引いたり、図を書いたりする工夫をしました。わからない問題はそのままにせず、必ず先生に質問して、なぜその式になるのかを理解するようにしました。(行動)
その結果、目標だったテストで全問正解でき、算数が得意になりました。この経験から、苦手なことでも、工夫してこつこつ努力を続ければ、必ずできるようになるということを学びました。(結果)
このメソッドはすぐに身につくものではありません。日頃から、学校生活で起こったことを、このSTARメソッドを使って報告する練習をさせるのもおすすめです。
模範解答ばかりを意識しすぎる
丸暗記は避け、キーワードや要点だけを覚えて自分の言葉で話す練習が重要です。また、少しでも質問の角度が変わると応用が利かず、頭が真っ白になってしまいがちです。
話したいエピソードは文章で覚えるのではなく、伝えたい要点をいくつかのキーワードとして抽出する練習をしましょう。そのキーワードをつなぎ合わせながら話す練習を繰り返すことで、話の軸がしっかりと定着します。これにより、想定外の質問にも柔軟に対応できます。
学校への理解が浅い
「偏差値が高いから」といった表面的な理由では熱意は伝わりません。その学校ならではの魅力と、そこで自分が何をしたいのかを具体的に語れるように準備しましょう。なぜほかの学校ではなくこの学校でなければならないのかを語ることが大切です。
親子で意見が食い違う
志望理由や将来の夢について、事前に親子で話し合っておきましょう。ただし、親子が互いに違う考えを持っていたとしても、マイナス評価にはなりません。大切なのは、なぜ互いがそう思うのか、その背景にある価値観や理由を冷静に話し合うプロセスです。尊重し合う姿を見せることで、学校側に安心感を与えます。
保護者ができる面接直前・当日のサポートと心構え

保護者のサポートは、子どもの精神的な安定に大きく影響します。
前日までに持ち物や服装、会場までのルートを確認し、当日は時間に余裕を持って行動しましょう。十分な睡眠と食事で、子どもの体調を万全に整えることも大切です。
当日は「大丈夫、あなたならできるよ」「頑張ってきたことを見てるからね」といったポジティブな声かけで、自信を引き出してあげてください。親子面接では、主役である子どもの発言を尊重し、保護者は補足に徹する姿勢が求められます。
面接後は結果がどうであれ、挑戦した勇気とこれまでの努力を心から褒めてあげましょう。
まとめ|面接で大切なのは「準備のバランス」と「自分の言葉」

中学受験の面接は、個性や熱意を伝える絶好の機会です。しかし限られた時間の中では、まず筆記試験の対策に優先して取り組むことが合格の可能性を高めます。
面接準備で大切なのは、話の「軸」を明確にしておくことです。なぜこの学校で学びたいのか、子どもの長所は何か、といった核となる部分を自己分析を通じて見つけておきましょう。
準備をしすぎて回答を丸暗記してしまうと、想定外の質問をされた際に言葉に詰まり、面接官に準備不足と見られてしまう可能性があります。完璧な台本を作るのではなく、基本的な立ち振る舞いを練習したら、あとは「その場で考えて答える」という姿勢を大切にしてください。一生懸命に自分の言葉で伝えようとする姿勢は、きっと好印象につながります。
保護者は、子どもが安心して自分らしさを発揮できるよう、サポートに徹しましょう。過度な練習でプレッシャーを与えるのではなく「あなたらしく話せば大丈夫」と励まし、リラックスできる環境を整えてあげてください。
面接という経験を通じて、自分を見つめ直し、考えを伝える力は、合否以上に価値ある財産となるはずです。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。現在は、セミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録13万人超)などを中心に活動。著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。 http://www.youtube.com/@nishimurasensei