文学部では何を学ぶ?就職事情や向いている人も徹底解説

「文学部って、小説を読む学部?」
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。でも実は、文学部では文学だけでなく、歴史・哲学・言語・文化など幅広い分野を体系的に学びます。こうした学びを通して、「考える力」や「伝える力」が自然と身につき、将来の就職先や職業の選択肢が広がります。
卒業後は、教育、出版、広告、公務員など様々な職業で文学部での学びを活かし、活躍している先輩方が多数います。
この記事では、文学部とは何か、何を学ぶのか、主な就職先と何になれるか、向いている人の特徴まで、わかりやすく解説します。

編集部
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文学部とは?何を学ぶ?
文学部とは、「人間とは何か」「社会はどうつくられてきたのか」といった根本的な問いを、本や言葉、過去の記録や文化を通じて深く考える学部です。
たとえば、小説から登場人物の心や、その背景にある社会の価値観を読み取ったり、歴史資料から今の社会制度や文化の成り立ちを探ります。さらに、哲学の本を通して「幸せとは?」「正しさとは?」といった根本的な問いにも向き合います。
加えて、シェイクスピアや孔子など、外国の文学や思想に触れ、多様な言葉や考え方を学ぶこともあります。
このように文学部は、ただ知識を覚えるのでなく「なぜそうなったか」「自分はどう考えるか」と問い続けることで、考える力や伝える力を養う学部です。
文学部で学ぶ内容
では、実際に文学部では何を学ぶのでしょうか?代表的な学問分野を紹介します。
主な学問分野
- 文学(日本文学・外国文学)
小説や詩、物語などの文学作品を通じて、その背景にある時代・社会・人間の心を読み解きます。
作者の意図やテーマ、表現の技法を考えることで、人の感じ方や考え方の多様さに触れることができます。 - 言語学
日本語や外国語の「音」「文法」「意味」の仕組みを科学的に探ります。
言葉がどのように生まれ、変化し、人間のコミュニケーションにどう関わっているのかを考える分野です。 - 歴史学・考古学
文献や遺跡を手がかりに、過去の出来事や人々の暮らし、社会の仕組みを調べる学問です。
「過去を知ることで、今の社会を深く理解できる」という視点が育ちます。 - 哲学・倫理学
「正しさとは?」「人はどう生きるべきか?」といった、根本的で難しい問いを扱います。
答えが一つでないからこそ、自分でじっくり考える力が養われます。 - 宗教学・文化人類学
宗教や文化を通して、世界中の多様な価値観や生き方を学ぶ学問です。
「自分とは違う人の考え方」を知ることで、他者への理解や共感力が深まります。 - 心理学・社会学・メディア文化
近年は、文学部で心理学・社会学・メディア表現などを学べるコースも増えています。現代社会の課題や、人間の心・集団行動などをテーマに、「今」に通じる学びができます。
これらの学びを通じて、複雑な文献や資料を読み解く高い読解力、筋道立てて考える論理的思考力が身につきます。さらに、自分の意見をまとめる文章表現力、ゼミや発表で培うプレゼンテーション力や説得力も養われます。
文学部での学びは知識の習得にとどまらず、社会でも生きる「考える力」「伝える力」「多様な視点を持つ力」を、広く養うことができます。
文学部を構成する学科の種類
文学部には、大学によって複数の学科や専修が設けられています。代表的なものとして「日本文学科」「英米文学科」「史学科」「哲学科」「言語学科」などがあります。これらは人間の文化や思考、歴史といった人文科学を多面的に学べる、文学部の代表的な学科です。
さらに、専門性の高いユニークな学科やコースを展開している大学もあります。
たとえば、立教大学 文学部のキリスト教学科では、キリスト教の思想・文化・歴史を中心に、宗教と現代社会の関係を幅広く学びます。宗教学に特化した学科を文学部内に設けている大学は少なく、独自性の高いカリキュラムです。
また、早稲田大学 文学部の演劇映像コースでは、演劇や映画、映像文化をテーマに、作品の理論的分析や身体表現、芸術批評などを総合的に学びます。文学や言語の枠を超え、表現芸術やメディア文化に興味を持つ学生にとって魅力的な学びの場です。
さらに、国際基督教大学(ICU)のアーツ・リベラルアーツ系の中には「メディア・コミュニケーション・文化専攻」があります。文学・哲学・文化研究に加えて、メディアやテクノロジーとの関係にも切り込んだ学際的な学びが可能です。
また、京都大学 文学部には思想文化学専修・現代文化学専修など、思想や現代社会に関する多様なテーマを横断的に扱う専修もあります。
このように、文学部で何を学べるかは学科や専修によって大きく異なります。自分の関心あるテーマが、どの学科・コースで学べるか、あらかじめ調べておくことで、より納得感のある進路選びにつながります。
文学部での勉強のおもしろさは?
文学部とは、知識を覚えるだけではなく「考える力」や「言葉で表現する力」を養える学部です。では、実際に文学部で何を学ぶか・何をするのかの視点から、そのおもしろさを紹介します。
物語を読み解き、自分なりの解釈を紡ぐおもしろさ
文学部では、小説や詩といった文学作品を通して時代背景や作者の意図、登場人物の心理などを深く読み取ります。
一つの作品からさまざまな意味や解釈を引き出せるのが文学部で学ぶ内容のおもしろさです。自分なりの視点で読み解く作業は、作者との静かな対話のようです。「正解」がひとつに定まらないからこそ、知的なおもしろさを感じられます。
「なぜ?」を突きつめる探究の喜び
文学部の学びは、身近な言葉や文化、歴史に「なぜ?」と問いかけることから始まります。
「なぜこの言葉が選ばれたのか」「なぜこの時代にこの思想が生まれたのか」―。
簡単に答えが出ないからこそ、資料を調べ、視点を比較し、仮説を立てて検証する―その過程そのものが知的好奇心を刺激します。
知れば知るほど、世界が広がる感覚
一つのテーマを追いかけるうちに、思わぬ分野へつながることもあります。
たとえば、短い詩の一節から宗教的背景に関心を持ち、そこから思想史や文化論、さらには現代社会の課題へと視野が広がる。学びを通じて、ニュースや広告、日常の言葉選びにも新しい意味を見出せるようになり、世界をより深く理解できるようになります。
言葉を使って、自分の世界を表現する
文学部では、作品の読解だけでなく、レポートや論文、発表などを通じて、自分の考えを「言葉で表現する力」を育てます。
繰り返し書く・話す経験の中で、言葉の選び方や構成力が身につき、それが将来の就職や社会生活でも大きな武器になります。
文学部で学ぶメリットや役に立つ場面
文学部というと、「就職に不利なのでは?」というイメージを持たれることもあります。
これは商学部や経済学部のように、直接職業につながる専門資格や実用的なスキルと直結しているわけではないからです。しかし文学部で培われた読解力・思考力・表現力・語学力は、社会に出た後もあらゆる場面で活かせる力となります。
ここでは、文学部での学びが社会や就職先でどのように役立つのか、具体的なメリットを紹介します。
論理的に考え、伝える力が自然と身につく
文学部ではレポートや論文を繰り返し書く中で、「なぜそう考えるのか」「どう説明すれば伝わるか」を筋道立てて整理する力を養います。頭の中で考えるだけでなく、他人に伝わるように言葉にして伝える訓練を重ねることで、自然と論理的な思考力や表現力が身につきます。
この力は、社会に出てからも役立ちます。プレゼン資料の作成、会議での発言、説得力のあるメールや報告書の作成など、あらゆる仕事に直結します。
就職活動においても、自分の考えを言葉で伝える力が大きな強みになります。
書く力が仕事の質とスピードを変える
「文章を書くことに抵抗がない」「言いたいことをコンパクトにまとめられる」といった力は、文学部で鍛えられる大きなスキルのひとつです。学生時代に磨いた文章表現力は、ビジネスメールや報告書、資料作成など、社会に出てからの実務にも直結します。
特に、誤解なくわかりやすく伝えるための言葉の選び方や、構成力は、仕事の正確さやスピード、相手からの信頼を大きく左右する重要な力です。
感受性や共感力が、人間関係の土台になる
文学部での学びは、作品や思想を通じて多様な価値観や人間の感情に触れる時間でもあります。言葉の背景にある感情や文化的背景を深く読み取ろうとする姿勢は、他者の気持ちに寄り添う共感力や想像力にもつながります。
実際に、「文学部で育んだ感受性が、職場での人間関係や家庭でのコミュニケーションに役立っている」と語る卒業生の声も多くあります。
このように、文学部で学ぶメリットは、単なる知識の習得にとどまりません。「読み、考え、書き、伝える」という往復の中で育つ本質的な力は、日々の仕事や生活にじわじわと効いてきます。目に見える資格や肩書ではなく、社会で確実に役立つ力―それこそが文学部の価値だと言えるでしょう。
文学部で学んだことが実際に役に立った場面の体験談
文学部出身者を対象に行ったアンケート調査の結果をもとに、「文学部での学びが実際の生活や仕事にどのように役立っているのか」をご紹介します。知識やスキルが活きた具体的なシーンから、文学部で学ぶことのメリットを実感していただけるはずです。
英語力が仕事で役に立った
「英語に力を入れている文学部だったので、4年間学ぶ中で自然と英語で会話ができるレベルになっていました。今の仕事で海外のお客様と話すときにも、落ち着いて対応できています。」 (南山大学人文学部出身・教育業界勤務)
文章力がビジネスメールや資料作成で役に立った
「学生時代にレポートや評論文を書く機会が多かったため、文章を構成することに慣れており、ビジネスメールや社内資料の作成でもスムーズに対応できています。書くことが苦手でなくなったおかげで、他の業務にも余裕をもって取り組めるようになりました。」(甲南大学 文学部出身・専業主婦)
読解力が仕事のスピードと正確さに貢献
「文学部日本文学科に所属していたことで、難解な文章をスムーズに読み解く力が身につきました。この力は、公務員試験の文章理解だけでなく、実際の仕事でも資料や契約書を正確に理解するうえで大いに役立っています。」 (青山学院大学 文学部日本文学科出身・医療・福祉・教育業勤務)
感受性の高さが人間関係に活きた
「文学部での学びを通じて感受性を育てたことが、家庭や人間関係にも良い影響を与えていると感じます。」(京都精華大学 文学部出身・小売・流通業勤務)
文学部の卒業生の就職事情!何になれる?
文学部を卒業した人の進路は、出版や教育といった「いかにも文学部らしい」分野だけでなく、小売・流通、メーカー、医療・福祉、観光業、公務員など、実に多彩です。
文学部で培われる、言葉を読み・考え・伝える力や、多様な価値観への理解は、業界・職種を問わず評価され、企業からのニーズも高いスキルです。
一方で、「文学部は就職に不利では?」「専門スキルがないのでは?」と心配する声も少なくありません。確かに商学部や理工学部のように、資格や職業に直結するイメージが見えにくいため、不安を感じやすいのは事実です。
しかし実際には、文学部卒業生の多くが一般企業や公務員として幅広く活躍しており、「就職に不利」というイメージは誤解に近いものです。
文学部で身につくのは、読解力や論理的思考力に加えて、自分の考えをわかりやすく言語化する力です。これにより、就職活動のエントリーシートや面接で、自分の強みを的確にPRできる学生が多いのも特徴です。
さらに、英米文学・フランス文学・ドイツ文学などの専修では高度な語学力や文化理解を深められ、国際的な仕事や観光・外資系企業でも評価されます。
また、文学部では将来の職業に直結する様々な資格を取得できます。図書館で働くための司書資格、博物館・美術館で働くための学芸員資格、日本語教師資格、中学・高校の国語や英語の教員免許などです。資格を組み合わせて自分のキャリアを広げる学生も少なくありません。
ここでは、実際のアンケートデータをもとに、文学部卒業生に人気の就職先をランキング形式で紹介します。
文学部のおすすめ就職先ランキング!
文学部出身者が実際に就職している人気業界トップ5は、次の通りです。
1位:小売・流通業界
文学部で人気の就職先第1位は、「小売・流通業界」です。
販売・接客・商品企画・店舗運営など幅広い職種で文学部卒が活躍しています。
商品やサービスの背景にある「想い」や「価値」を言葉で伝える力は、消費者との信頼関係を築くうえで重要な武器になります。対話力や表現力を評価されて、現場でも管理職候補として採用されるケースも少なくありません。
2位:メーカー(製造業)
文学部で人気の就職先第2位は、「メーカー(製造業)」です。
製品やサービスの魅力をわかりやすく伝える場面が多く、文章構成力や正確な表現力が活かせます。
製品マニュアルやカタログ作成、プレゼン資料の作成などで、読み手を意識した文章が高く評価される業界です。論理的思考力と表現力を兼ね備えた文学部卒は、広報や企画職などへのキャリア展開も期待できます。
3位:医療・福祉・教育業界
文学部で人気の就職先第3位は、「医療・福祉・教育業界」です。
利用者や生徒、その家族など、立場や背景が異なる相手にわかりやすく説明する「言葉で伝える力」が特に求められる業界です。
契約内容や制度の説明、相談対応、記録作成など、正確さと同時に相手に寄り添う表現力が不可欠です。文学部で磨いた読解力と表現力は、こうした場面で大きな強みとなります。人と関わる中で信頼関係を築きやすく、将来的には管理職や指導的立場へのキャリアアップにもつながります。
4位:飲食・宿泊・旅行・娯楽業界
文学部で人気の就職先第4位は、「飲食・宿泊・旅行・娯楽業界」です。
観光や接客の仕事では、文化的な背景を理解し、それをお客様にわかりやすく伝えるホスピタリティ精神が求められます。文学部で培った語学力や文化理解は、外国人対応やストーリー性のある企画立案などでも活かされます。現場での接客だけでなく、イベント運営や広報、マネジメントなど活躍の幅を広げる卒業生も多くいます。
5位:官公庁・公社・団体(公務員)
文学部で人気の就職先第5位は、「官公庁・公社・団体(公務員)」です。
行政職や文化財保護、図書館運営など、市民や文化に関わる幅広い業務で文学部出身者が活躍しています。市民への説明や案内、資料作成では、相手に伝わる言葉選びが重要です。また、国語や社会科の教員採用試験に直結する知識を活かし、教育現場に進むケースもあります。
文学部卒業の女子の就職先として人気なのは?
アンケート調査をもとに、文学部卒業の女子がどんな職業・就職先に進んでいるのか、就職先トップ3をご紹介します。
1位: 小売・流通
2位: 医療・福祉・教育
3位: 飲食・宿泊・旅行・娯楽等
文学部出身の女性に特に人気が高い就職先は、小売・流通業界です。
アパレルや化粧品、生活雑貨、食品など、日常生活と密接につながる商材を扱います。商品やブランドの背景にある「ストーリー性」や「伝え方」を重視するため、文学部で磨いた表現力や感受性が活かせます。
また、接客や販売の職業では、「相手の立場を考えながら伝える力」「丁寧に言葉を選ぶ力」など、文学部で培ったスキルが高く評価されます。
さらに小売・流通業界は、販売職にとどまらず、バイヤー・広報・店舗マネジメント・マーケティングなど幅広い職種へのキャリアパスがあります。「現場を経験した後、内勤で長く働きたい」と考える女性にとっても人気の就職先です。
実際の文学部の就職体験談
アンケートに寄せられた声から、文学部での学びが実際の就職活動や仕事の現場でどのように活かされているのかをご紹介します。
【小売・流通業界に就職した京都精華大学文学部卒・女性の体験談】
就職活動でのメリット
文章力と表現力を評価されることが多く、履歴書や面接では自分の考えを明確に伝えられたことが好印象に繋がりました。特に、言葉の選び方や敬語の使い方が自然に身についていたため、接客業や事務職の面接で高く評価されました。
実際の業務での活用
資料作成や報告書、メール対応などの場面で「伝わる言葉の使い方」が重宝されています。他部署とのやり取りや社外への説明文を作成する際にも、読み手の立場を意識した丁寧な文章が求められるため、文学部で鍛えた言語感覚が活かされています。
キャリアへの影響
社内の文章作成業務では周囲から信頼を得られており、将来的には教育担当やリーダー的なポジションを目指すうえでも「伝える力」が強みになっていると感じています。
【メーカーに就職した京都大学文学部卒・男性の体験談】
就職活動でのメリット
エントリーシートや履歴書の作成において、簡潔に物事を伝える力を評価されました。面接ではコミュニケーション力や言葉の正確さにより、論理的かつ丁寧に受け答えできたことが印象に残ったと言われました。
実際の業務での活用
メール文や報告書、プレゼン資料などを作成する際、文章の構成や文法について指摘を受けることはほとんどありません。むしろ、読みやすく整理された文書として上司から評価されることが多く、業務の効率化にも貢献しています。
キャリアへの影響
製品マニュアルやカタログ作成のような業務にも携わる機会があり、文学部で身につけた「言葉のセンス」が商品の魅力を伝えるうえで役立っています。今後は広報部門などへのキャリア展開も視野に入れています。
【医療・福祉・教育業界に就職した青山学院大学文学部日本文学科卒・女性の体験談】
就職活動でのメリット
文章を読むことに抵抗がなかったおかげで、募集要項や企業情報などの複雑な文書も難なく読みこなすことができ、エントリー内容や志望動機の精度を高めることができました。
実際の業務での活用
長文の契約書や法律文書を扱う場面でも、要旨を素早く把握して整理する力が活かされています。実際、経理職として不動産契約まわりの業務を任された際も、理解力と正確性を評価されました。
キャリアへの影響
文章の読解と構造化に強いことから、経理・契約管理だけでなく、今後は人事・労務関連の業務にもステップアップしていけると感じています。文学部での学びが、間接部門でのキャリアに広がりを持たせてくれています。
このように、文学部で培った力は「専門職」に直結するものでなくても、仕事の質や対人スキル、将来のキャリア展開において“確かなベース”となります。読解・表現・共感といった力が求められる現場では、文学部出身者ならではの強みが光ります。
文学部に向いているのはどんな人?
文学部の学びは、単に本を読んだり歴史を暗記したりするだけではありません。言葉の奥にある意味を読み解いたり、人間や社会の本質に向き合いながら、自分の考えを育てていく学問です。
ここでは、文学部に向いている人の特徴をわかりやすくご紹介します。「もしかして、自分も当てはまるかも」と感じたら、ぜひ進路選びの参考にしてみてください。
文学部に向いている?を簡単診断
以下のチェックリストで、あなたが文学部に向いているかどうかを診断してみましょう。
当てはまる項目が多いほど、文学部での学びと相性が良いかもしれません。
判定結果
- 15~20個該当
文学部に非常に向いています。自分の世界を深める中で、知的な刺激と喜びに満ちた大学生活が送れるでしょう。 - 10~14個該当
文学部に向いています。自分の興味を探究するなかで、思考力や表現力がどんどん伸びていきそうです。 - 5~9個該当
興味や適性はありそうです。他の分野と比較しながらじっくり進路を考えると良いでしょう。 - 0~4個該当
まずは自分の「好き」や「得意」を再確認してみましょう。文学部以外の選択肢にも目を向けてみると、自分にぴったりの道が見えてくるかもしれません。
診断のポイント
文学部で特に大切なのは、「言葉を深く読み解く力」「考える力」「表現する力」の3つです。さらに、「この言葉にはどんな背景があるんだろう?」「この物語は何を問いかけているのか?」といった問いを持てるかどうかが、大きな鍵になります。
こうしたポイントに多く当てはまる人は、文学部での学びを通じて確かな成長とキャリアの広がりを実感できるでしょう。
もし少しでも興味があるなら、オープンキャンパスや模擬授業などで、文学部ならではの学びの雰囲気を体験してみるのがおすすめです。
文学部によくある志望理由
アンケート調査をもとに、実際に文学部に進学した先輩たちが語った志望理由をご紹介します。どんなきっかけや考えから文学部を選んだのか、リアルな声から進路選びのヒントを探ってみてください。
本や言葉が好きだったから
「小さい頃から本を読むことが好きで、物語や詩を通じて人の感情や考え方を知ることに魅力を感じてきました。大学では、もっと深く言葉や人間について学びたいと思い、文学部を選びました。」(藤女子大学文学部卒・女性)
「子供の頃から本を読むのが好きで、国語の授業が一番楽しかったです。もっと文学を深く学びたいという純粋な気持ちから文学部を志望しました。」(立命館大学文学部卒・女性)
「読書が趣味で、中学生の頃から『将来は物書きになりたい』という夢がありました。文学部で文章力や表現力を伸ばせたらいいなと思って進学を決めました。」(京都大学文学部卒・男性)
英語・外国文学に関心があったから
「元々読書が好きで、英語も得意だったので、英語文学や英語力の両方を伸ばせる学部を探していました。英語の文学作品を深く学びたいという思いが強く、文学部の英米文学科を選びました。」(神戸女子大学 文学部卒・女性)
「英語教育に力を入れている大学だったことが志望理由です。自分も英語が好きだったので、文学だけでなく実用的な語学力も身につくと考えて選びました。」(聖心女子大学文学部卒・女性)
教員や文化職など将来に活かしたかったから
「学芸員や司書といった文化系の専門職に興味があったので、資格が取れる文学部を探しました。文化に関わる仕事がしたいという気持ちから選びました。」(東北学院大学文学部卒・女性)
このように、「本が好き」「言葉が好き」「教職を目指したい」「文化に関わる仕事がしたい」「将来は国語の先生になりたいという夢がありました。文学や文法をしっかり学べる環境で、教職課程も整っている大学の文学部を選びました。」(佛教大学文学部卒・女性)
これらが文学部進学の動機として多く見られました。自分自身の関心や将来の方向性と向き合いながら進学を決めた先輩たちの声は、進路選びの大きな参考になるはずです。
「やめとけ」の声もある理由!文学部をおすすめしない人は?
文学部は、言語や人間理解に深く触れられる魅力的な学びの場ですが、一方で「やめておけばよかった」と感じた卒業生の声も見られました。
ここでは、アンケートに寄せられた実際の体験をもとに、文学部をおすすめしない理由を3つに分けてご紹介します。
1. 就職でのアピールが難しいと感じる
「就職という面では、他の学部と比べて特別有利に働いた実感はありませんでした。業界にもよりますが、一般的にはおすすめしないです。」(京都大学文学部卒・男性)
「実学でないぶん、就職を意識して進学する人には不利だと思います。企業の評価軸に合うように、自分の学びを言語化する力が求められる学部です。」(甲南大学文学部卒・女性)
「正直に言って、文学部は就職には不利。活かせる職種がほとんどないと感じました。実践的なスキルを身につけたいなら、経済学部や法学部をおすすめします。」(青山学院大学 文学部卒・女性)
2. 実用性・スキル面での物足りなさ
「社会に出てすぐ役立つ即戦力を身に付けるのは難しいと思います。将来の希望が定まっていないなら、経済やパソコンなど実用的な知識が得られる学部の方が無難かもしれません。」(立命館大学 文学部卒・女性)
「ビジネススキルに直接関わる学問ではないのは確かです。文学を通じて得た知的刺激や分析力はありましたが、就活では具体的にどう役立ったか説明しづらかったです。」(早稲田大学 第一文学部卒・女性)
「一般的な会社員を目指すのであれば、文学部で学ぶことは実学寄りではないので、向いていないと思います。」(早稲田大学 第一文学部卒・男性)
3. 学ぶ意欲がなければ続けるのが苦痛
「この学部で学びたいことが明確にある人、または学業に真剣に向き合う意欲がある人でなければ、継続して学ぶのが難しいと思います。」(学習院大学 文学部卒・女性)
「もしもう一度大学受験できるなら、文学部以外を選びたいです。進学時には“なんとなく”で決めましたが、それではモチベーションが続かないです。」(学習院大学 文学部卒・女性)
「古典や文学への関心がないまま進学すると、学びが苦痛になります。好きな人には向いていますが、そうでないと続けるのは難しいと思います。」(京都精華大学 文学部卒・女性)
文学部をおすすめしない人の特徴
アンケート結果をもとにすると、以下のような人は文学部以外の選択肢も検討したほうがよいかもしれません。
将来の進路が明確でない人
文学部の学びは、自分の興味やテーマを深めるスタイルが中心です。そのため、「なんとなく大学に行く」「とりあえず文学部」という選び方をすると、目標が見つからずモチベーションが下がることがあります。
就職活動で明確な武器を求める人
「文学部は就職に不利」と言われるのは、経済学部や工学部のように資格や専門スキルが見えにくいからです。就活で即戦力となるスキルや実績を早く得たい人には不安に感じられるかもしれません。
実用的・実践的な学びを重視する人
文学部は“考える力”を養うことに重きを置いています。そのため、経済・経営・理系などのような実務的スキルを求める人は物足りなさを感じるかもしれません。
明確な関心がなく、読書や言葉に苦手意識がある人
文学部では、読書・文章作成・論理的な考察が中心です。そもそもそれらが苦手だと学びに興味を持ちにくくなります。
自分の興味を大切に
一方で、文学部そのものが就職に不利というわけではありません。「やめとけ」という声があっても、文学部での学びを活かして就職先で活躍している卒業生もたくさんいます。
なぜなら、読解力・言語化能力・論理的思考力などは社会に出てから幅広く活かせるスキルだからです。就職活動でもエントリーシートや面接で「自分の考えを伝える力」は大きな武器になります。
大切なのは、「なんとなく文学部」ではなく、自分が何を深めたいのか、目的を持って学びに取り組むことです。
文学部は“好き”や“関心”を探究できる学問領域であり、それを社会や就職先で活かす卒業生もたくさんいます。進路選びに迷ったときこそ、自分の気持ちと丁寧に向き合ってみてください。
おすすめの文学部がある大学ランキングTOP3
文学部への進学を検討している方に向けて、学習レベル・研究実績・進路実績・出願方法の豊富さなどを総合的に評価し、おすすめの大学を国公立・私立に分けてご紹介します。
文学部が強い!おすすめの私立大学TOP3
1位:早稲田大学 文学部
早稲田大学文学部は、私立文学部の最高峰として揺るぎない評価を得ています。国内最大規模を誇り、日本文学・外国文学・哲学・心理学・演劇など18の専攻を設置。加えて同キャンパス内にある文化構想学部の授業も一部履修できるため、幅広い分野を柔軟に学ぶことができます。
また、村上春樹や井伏鱒二といった文豪をはじめ、多くの研究者や文化人を輩出してきた実績があります。現在も第一線で活躍する教授陣が揃い、学問的な水準の高さを支えています。
さらに、4年間を通して学ぶ場である新宿・戸山キャンパスは、通称「文キャン」という名の通り、文学部・文化構想学部専用のキャンパス。49万冊を収蔵する図書館もあり、研究・学習を後押しする環境が充実しています。まさに、文学にどっぷり浸かれる恵まれた環境は大変魅力的です。
2位:慶應義塾大学 文学部
慶應義塾大学文学部は、「文」に関わるあらゆる分野を学べる学部として高い評価を得ています。17の専攻は文学にとどまらず、哲学・史学・心理学・図書館・情報学・人間関係学、さらには自然科学まで多岐にわたります。従来の「文学部」の枠を超えて、多彩な領域から自分に合った専門を選び、深く探究できるのが大きな魅力といえるでしょう。
就職の面では、「慶應ブランド」の強みが際立ちます。出版・マスコミ・教育分野だけでなく、金融・広告・コンサルティングといった幅広い業界で卒業生が活躍しています。
学びの多様性とブランド力を併せ持つ慶應文学部は、進路選択において注目すべき学部といえるでしょう。
3位:青山学院大学 文学部
青山学院大学文学部は、語学教育と国際性に強みを持つ文学部として高い人気を誇ります。
英米文学科やフランス文学科を中心に、語学力を体系的に伸ばせるカリキュラムを整備。英語教育の水準は特に高いとされています。さらに、留学制度や海外との交流プログラムも充実しており、語学力を実際に活かしながら国際的な視野を広げられる環境が大きな魅力です。
また、渋谷キャンパスという立地は利便性に優れ、文化的刺激にあふれた環境で学べる点も魅力。学びやすさと実践的な強みを持つ青山学院大学文学部は、受験生にとって魅力ある選択肢のひとつといえるでしょう。
文学部が強い!おすすめの国立大学TOP3
1位:東京大学 文学部
東京大学文学部は、日本の人文学研究をリードする最高峰の学部です。専修課程は27におよび、哲学・歴史・文学・言語・美学芸術・社会文化など多彩な分野を幅広く学べます。入学後に自分の関心を見極め、専門を深めていける点が大きな魅力です。
教育と研究の質は国内でもトップクラスで、世界ランキングでも日本を代表する存在です。最先端の教育に触れ、自ら問いを立て、批判的に考える力を養えるのは東大文学部ならではの体験です。
また、入試の難易度も全国屈指であり、優秀な仲間と切磋琢磨しながら知的好奇心を共有できることも、大きな魅力といえるでしょう。全国から集まった難関入試を突破した仲間と切磋琢磨することで、知識だけでなく議論力や表現力も磨けるでしょう。
2位:京都大学 文学部
京都大学文学部は、創立以来の自由な学風と卓越した研究水準を兼ね備えた学部として広く知られています。
研究面では、京都学派に象徴される哲学の伝統が今も脈々と息づき、特に哲学や倫理学の分野で世界的に評価されています。議論を通じて思考を徹底的に鍛え、世界へとつながる視野を育むことができるのが京大文学部ならではの魅力です。
自由な学びと研究の場で、自分だけの視点を育みたい人にとって、京都大学文学部は大きな可能性を広げる学部といえるでしょう。
3位:東北大学 文学部
東北大学文学部は、旧帝大の一角として全国的に高い評価を得ている文学部です。地方にありながら研究水準は国内トップクラス。特に心理学や行動科学といった実証的な分野に強みを持っています。最先端の実験やデータ分析を通じて、人間の心や行動を科学的に探究できる環境が整っており、論理的思考力や分析力を磨けるのが大きな魅力です。
また、歴史学や文学研究では、東北地方の文化や社会を対象とした調査・研究が充実。地域に根ざしながらも全国的な視野を持つ学びを展開している点が特徴です。
文学部のその他の注目大学
TOP3以外にも、「この大学ならでは」のカリキュラムや教育スタイルで存在感を放つ文学部があります。
武蔵野大学 文学部
武蔵野大学 文学部の日本文学文化学科は、創作・表現・伝統文化を横断する実践的文学教育が特色です。キャンパス内に能・狂言の研究・資料センターや「むさし野文学館」を設置。学生は能楽・書道・演劇・詩歌・絵本制作など、第一線の作家や伝統文化の実演家から直接指導を受ける機会もあります。
さらに、全国規模の武蔵野文学賞や卒業論文優秀賞など実績表彰制度が整備されています。早期から創作活動に力を入れたい人、教員・司書などを目指す人に向いた環境です。
國學院大學 文学部
國學院大學 文学部は、皇典講究所に端を発する伝統的な日本文化研究を現代に継承する学びの場です。日本文学・中国文学・外国語文化・史学・哲学の5学科を擁し、語学・文学・歴史・思索を少人数演習でじっくり探究できます。
また、卒業論文が全員必修の制度と、教職・司書・学芸員などの資格取得制度と連携した実践教育に注力。日本文化の理解と現代社会での発信力を兼ね備える人材の育成を目指しています。
同志社大学 文学部
同志社大学 文学部(国際教育・リベラルアーツ系)は、異分野・異文化を交えたリベラルアーツ型教育が強みです。教室横断・学部横断での自由履修や、米国型ディスカッション授業を含む「グローバル・リベラルアーツ副専攻」を導入。英語での発信や国際的議論に日常的に触れながら学ぶ構造が整っています 。
さらに、教員・大学院生を交えた少人数プロジェクト型授業や学内外での公開討論も充実。実践を通して、問題発見・解決力が養われるよう工夫された環境です。
まとめ
文学部は、「言葉を深く読み解く力」「考える力」「伝える力」を育てる学部です。文学や言語、思想、歴史など、人間の営みを多面的に探究することで、単なる知識ではなく、「自分の頭で考える力」が磨かれます。
一方で「文学部は就職に不利」と心配する声もあります。確かに目に見える資格や実務スキルは少ないかもしれません。でも実際は「読む力」「書く力」「言語化能力」「相手に伝える力」に加え、英語・フランス語・ドイツ語などの語学力を伸ばせる点も大きな特徴です。こうした汎用スキルは就職活動でのエントリーシートや面接で強みになります。そのため文学部の就職先は出版や教育だけでなく、メーカー・流通・観光・公務員など幅広く広がっています。
大切なのは「なんとなく文学部に行く」のではなく、自分が本当に興味を持てるテーマを深めることです。目的を持って学びに取り組めば、文学部での学びは、就職や社会で必ず活かせる力になります。文学部で過ごす4年間は、自分と向き合い、広い視野と確かな表現力を育てる時間になるでしょう。
もし少しでも文学部に興味があるなら、オープンキャンパスで模擬授業を体験したり、図書館などの雰囲気を見学してみるのがおすすめです。実際の学びの場に触れることで、リアルな魅力を感じられるはずです。
アンケート調査概要
調査対象:文学部出身の20代~40代(有効回答数50名)
調査時期:2025年7月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「文学部卒業生の大学時代の学びの活用状況」についての調査
※掲載しているグラフや内容を引用する場合は「塾選ジャーナル調べ:「文学部卒業生の大学時代の学びの活用状況」についての調査と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/31387/)へのリンク設置をお願いします。
執筆者プロフィール

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