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偏差値急落からの逆転で女子学院合格!導いた家族の”合言葉“とは|親たちの中学受験体験記Vol.14

更新日:
中学受験
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第一志望の女子学院に合格した七海さん。しかし、偏差値66に至っても安心できなかったのが、6年生の夏前に訪れたスランプでした。成績が急落するなかで、彼女を救ったのは「娘を信じる」という親の姿勢。プリント整理や声かけといった日々の工夫、そして「自律と冒険と対話」を合言葉に歩んだ3年間は、合格以上に家族の絆を深める体験となりました。

塾選ジャーナル編集部

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塾選ジャーナル編集部

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目的や性格について回答するだけ!簡単10秒!ぴったりの塾を診断

目次

【保護者プロフィール】

お名前 高木 洋平(仮名)
お住まい 神奈川県横浜市
年齢 40歳
職業 会社員
性格 チーム志向で論理的な性格。
家族構成 妻、長女(中学1年生)

【中学受験を行った子どものプロフィール】

子どもの名前 高木 七海(仮名)
性別 女子
現在通っている学校名 女子学院中学校
現在の学年 中学1年生
受験時にしていた習い事 SAPIX
得意科目 国語
苦手科目 社会(相対的に他より点が低め)
性格 好奇心旺盛で活動的。読書が好き。
通塾開始時の偏差値 61~63程度(サピックス マンスリーテスト等)
受験本番直前の偏差値 66~67程度(学校別サピックスオープン等)
受験結果 女子学院中学校 合格(第一志望)
広尾学園中学校(医進・サイエンスコース)合格
慶應義塾湘南藤沢中等部 合格
広尾学園中学校(本科コース) 合格
浦和明の星女子中学校 合格

第一志望は女子学院。子の主体性と興味を軸にした学校選び

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―最初に、なぜ中学受験を志すことにしたのか理由・きっかけをお聞かせください。

私も妻も中学受験経験者で、高校受験という縛りがなく中高一貫校で過ごした日々が充実していたことが大きいですね。

中高一貫校の大きな魅力は、同じ学校内に多様な生徒がいることです。特に私が通っていた学校はかなり自由な校風だったこともあって、たくさんの経験をすることができました。部活動などで高校生の先輩が身近にいるので、中学に入学したばかりの頃はとても大人びてカッコよく見えましたね。

例えば、入部したワンダーフォーゲル部では1年目の夏合宿の行き先が屋久島だったんです。生徒だけで屋久島に行くということにとてもワクワクしたのを覚えています。さまざまな人と出会い、お互い良い刺激となり学びあえたことは、今でも大きな財産になっています。

―娘さんには、積極的に中学受験を勧めましたか?

強く勧めたということはありません。「公立以外にこういう学校もあるけど、どっちに行きたい?」と聞いて、最終的には娘の意向を聞いて決めました。

―娘さんのお気持ちも大切に考えていらっしゃったのですね。

わが家の方針として、基本的にはどんなことであっても「あなたはどうしたいの?」と聞いて、最終的な判断は本人にさせています。そのためにも、きちんと選択肢を見せるのが親の役割かなと考えています。

学校選びも本人の意思が一番大事なので、雰囲気や環境を見るために文化祭などの機会を見つけて見学に連れて行きました。学校によっては「見学に行けるのは5年生から」と決まっていたり、特に女子校は予約制が多かったりと制約があったので、本格的に現地に行き始めたのは小学4年生くらいからです。

―受験校は何を意識して絞り込みましたか?

娘は生き物が好きだったので、生物部の活動が盛んな学校やユニークな理科の実験をしている学校を幅広く見ていきましたね。共学か別学かという観点では、東京農業大学第一高等学校中等部の文化祭に行って共学の雰囲気を見たうえで、娘は女子校のほうがより自分に合いそうだと話していました。

大学への進学実績も意識しましたが、偏差値の高い学校は理系の授業が充実しているので、必然的に目指す学校の学力レベルが高くなった感じです。あとは、毎日通うことになるのでアクセスの良さは重視していたポイントの一つです。

―そうした点も踏まえて、娘さんが女子学院を第一志望に選んだんですね?

ええ。塾の学習内容が志望校対策に切り替わる6年生の夏に間に合うように自分で決めていましたね。女子学院に引かれた理由は、文化祭に行ったときに出会った生物班や天文班の先輩の存在があったようです。決められているからやるのではなく、好きだからとことんやるという思いがあふれているのを感じたと言っていました。

SAPIXでの「OB・OG訪問」も大きなポイントになったと思います。現役生がどのような受験勉強をしていたか、今の学校生活はどうか、と話をしてくれるんです。6年生のゴールデンウィークに、ついこの間女子学院に合格したOGにいろいろ教えてもらって「先輩がすごくかっこよかった」とうれしそうに話していました。そんな経験も、志望校を決めるきっかけになったのかなと思います。

\志望校・受験校選びで意識したポイント!/

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名門・女子学院を目指して。スランプにも寄り添ってくれた塾のサポート

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―ここからは受験勉強のお話を聞かせてください。塾は3年生の2月、新4年生のコースから通い始めたそうですね。塾はどのように選びましたか?

特殊なケースかもしれませんが、私が中学受験のときに通っていたSAPIXが家の近くにあって。妻が通っていた日能研と比較検討をして、最終的には進学実績を理由にSAPIXに決めました。当時お世話になった先生がまだいらっしゃって、心強かったです。

SAPIXは授業の質の高さに加え、プリント量の多さやテストの頻度の高さが特徴です。マンスリーテストでクラスが変動するため、上位クラスを維持するために適度な緊張感が生まれて、自学の習慣が身についたと思います

―“親の目線”で見ると塾のどんなサポートが良いと感じましたか?

6年生のときに行われた保護者面談です。単元単位で苦手・得意を見てくださったり、成績の話だけでなく娘の性格・タイプまで気を配ったり、細やかなフォローがありがたかったですね。

6年生の夏前にいわゆるスランプというか、テストの点が先生にも「この落ち方は珍しい」と言われるくらい、連続して悪化したことがあったんです。そのときも「彼女は自分で現実を受け止めて改善できるタイプなので、大丈夫だと思いますよ」と言ってくださって。数字だけを見るのではなく、人として娘と向き合ってくださっているんだと感じました。

―スランプになったときは、何か原因があったのでしょうか?

恐らく、何か明確な原因があったわけではないのかなと。1回目は「テスト中、やけに試験官の足音が気になってしまった」と言っていました。2回目は「また同じ状況になるかも」と考えてしまって集中できなかったようです。私自身も6年生の夏に夏期講習に行くのが急に嫌になってしまって、しばらく塾に行かなかった時期があったので、時期的に集中力が切れやすいときなのかもしれませんね。

こういうときは周りが気にしたり、プレッシャーをかけたりしない方が良いと思い、見守るスタンスで何もしないと決めました。結果、在籍クラスが大幅に落ちるという経験をしたことで「絶対もとのクラスに戻るんだ」という強い意志をもって頑張ってくれてスランプを脱することができました。

気持ちの面では、夏期講習がない日は習い事のレッスンに行って、受験勉強から離れる時間をつくったのも気分転換になったと思います。「実力を発揮できれば結果につながる」という先生の言葉と指導を信じて、変に不安になりすぎず受験と向き合えたことが、大切なことだったと思います。

―上位クラスを維持することが自学の習慣づけだけでなくモチベーションにつながったので

すね。

上位クラスの友人たちと切磋琢磨しあえる環境が好きだったようです。下位クラスでは授業の盛り上がりや雰囲気が違うと言っていました。上位クラスには難しい問題を楽しむムードがあって、授業に活気があるんだそうです。

クラスの維持以外に娘のモチベーションを高めてくれたのは、先ほど話した「OB・OG訪問」です。大人にあれこれ言われるよりも、自分と同じ環境に身を置く友人や年が近い先輩の存在が大きかったのかもしれないですね。

―OG訪問では受験勉強について、先輩からのアドバイスはありましたか?

ええ、ありましたよ。女子学院は入試傾向として、短い時間でたくさんの問題を解かないといけないんです。5分以内を目標にして10問の計算問題を解く練習をすると良いと聞いて、毎朝実践していました。

―塾の仕組みや開催イベントをうまく活用されていたのですね。

あとはイベントではないですが、塾で実施している面接模試も役立ちましたね。SAPIXでは学校ごとの特色を踏まえた対策をレクチャーしてから模擬面接をしてくれるんです。面接の情報はなかなか得るのが難しいので、志望校対策として頼りになりました。

\塾の活用ポイント!/

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家庭学習では弱点の見極めと間違えた問題の解き直しを徹底

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―家庭学習についてお話を聞かせてください。受験サポートでは、お父様とお母様で役割分担は決めていたのでしょうか?

塾をSAPIXにしたことで、おのずと受験のメインサポートは私が担当することになりました。わが家は共働きなので、体調管理や食事に関しては妻がメインでしたが、妻が仕事で遅くなる日は私が夕飯をつくるなど、完全分業というよりはお互いカバーしながら夫婦二人三脚で乗り切った感じです

学習面でもプリントの整理や塾のテストなどの全体管理は私がやりつつ、社会は妻の方が得意なのでお任せしていました。私も妻も、過去に家庭教師や塾講師をしていた時期があったので、その経験を生かせましたね。

―娘さんも心強かったことと思います。特に苦労した科目や単元はありますか?

苦手科目ということはないですが、相対的に社会で苦労しましたね。地理・歴史・公民と非常に広範囲を網羅しないといけないので、覚えていない範囲の問題が出ると点を落としてしまうんです。

対策として、たとえば家のお手洗いに年表を貼って隙間時間に目に入れることで記憶に焼きつけたり、抜き打ちの口頭100問テストを出したりしていました。徐々に覚える範囲を増やす方法なので時間はかかりましたが、受験本番には間に合わせることができたかなと思います。

―他に学力アップにつながった、合格に結びついたと思う勉強法があれば教えてください。

プリントやテストをたくさんこなすことで娘の学力データを貯めたこと。そうすると採点で得意・不得意が見えてくるので、「間違えやすいのはどこか?」を見極めて重点的に苦手をつぶせました。

毎週塾から配布されるプリント問題をもとに、「問題を解いたか」「〇か×か」「×の問題を解き直したか」というチェックシートを作って、理解できるまでやりきることは徹底していましたね。

受験対策としては、6月の秋以降に過去問に取り組み、理解できなかった部分を先生に質問にいくことを繰り返しました。

―入試本番に近い環境に慣れるよう、複合機をレンタルしてA3/B4サイズの問題用紙と解答用紙を用意したそうですね。

過去問を繰り返し解くにあたって、問題と解答用紙を本番と同じ大きさでコピーするのに使っていました。設置する前はコンビニでコピーしていたのですが、これが地味に大変で(笑)。受験するご家庭が多い地域に住んでいるので、過去問対策の時期になるとコンビニの複合機が渋滞するんです。効率重視でレンタルに踏み切りました。

―中学受験は時間との闘いと聞きます。勉強の時間管理はどのようにしていましたか?

1人だと読書など好きなことに没頭して、時間管理がおろそかになりがちです。娘の自室には机を置かず、リビングのテーブルで勉強させていました。うちの場合、共働きといっても夫婦ともにフルリモートなんです。リビングの隣の和室が妻の仕事部屋なので、べったり横にいるわけではないですが、人の目があるところの方がちゃんと勉強するのではないかと。

―娘さんの学習意欲をキープするために工夫されていたことはありますか?

ごほうびに好きな本を買ってあげることです。通塾開始前の3年生から、テストや成績が数値で評価されることに慣れるため、大手塾が開催する全国統一テストを定期的に受験させていました。テストが終わったら「おつかれさま!」という気持ちを込めて、好きな本を買うルールをつくりました。受験を終えた今も、変わらず続けています。

塾で扱った国語の問題の続きを読みたくて、出典元の作品を調べて買うということもありました。

―娘さんは本当に本が好きなのですね。幼少期から意識して本を読ませていたのですか?

意識もしていましたが、妻も私も本が好きで家にたくさん本がある環境なんです。自然と影響を受けていたのかもしれません。

―他に受験勉強以外の広い意味での学びとして行っていたことはありますか?

4~5年生の頃は、家族旅行の行き先を決める際にテーマを決めていました。例えば「世界遺産」を巡る旅にも行きましたね。知識だけでなく体験・経験としても勉強科目と触れる機会がほしくて。娘が4年生のときには屋久島へ行き、屋久杉まで日帰りで14時間くらいかけて往復したこともあります。本人は「あれに比べると長時間の勉強は苦にならない」と話していました(笑)。

\家庭学習で工夫したポイント!/

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「自律と冒険と対話」わが家のテーマが導いた合格と成長

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―お話を伺っていると非常に計画的に順調に歩まれてきた印象です。受験を振り返って心残りはありますか?

第一志望校を受ける前に、試験の本番に慣れるための前受け校として、浦和明の星女子中学を受験したんです。受験直前の11月か12月かそれぐらいにホテルを予約しようとしたら、最寄りの浦和周辺の宿がすべて埋まっていて……。結局は電車で20分ほどの距離にある南越谷のホテルを利用したのですが、もっと早く予約すればよかったなと。

後で聞いたのですが、入試の日は半年以上前にホテルが埋まるケースもあるようです。

―遠方受験の際は要注意ですね。受験の結果は、第一志望・女子学院を含めすべて合格。日々の努力が実を結びましたね。

習い事で成功体験を得ていることもあり、本番に強いタイプなんですよね。女子学院の受験当日も、思いのほか落ち着いている様子でした。

―受験勉強に限らず、幼い頃からの体験も生きてくるのですね。合格発表のときのご様子はいかがでしたか?

女子学院に合格したときは涙を流して喜んでいました。その姿を見て、長い時間と努力で勝ち得た成功体験は、彼女にとって実に大きな意義を持つ出来事だと実感しましたね。そして本人だけでなく、家族にとっても宝物と言える貴重な経験になりました。

―ご家族のチームワークの良さがお話から伝わってきました。

“チームワーク”で思い出したのですが、慶應義塾湘南藤沢中等部の面接は両親も同席のため、準備にあたり「私と妻は面接でどう答えるか?」を家族3人で考えたことがあって。そのときに「わが家のコンセプトを決めよう!」という話になりました。出来上がったのは「自律と冒険と対話」というキャッチコピー。

屋久島に行った話をするときも「コンセプトに“冒険”が入ってるので……」と言えれば、ストーリーを説明しやすくなるよね、と。そんな家族を表現する言葉をつくることができたのは、良い思い出になりました。今もそのコンセプトは生きています。

―それはすてきなキャッチコピーですね!最後に、中学受験を終えて娘さんに見られる変化・成長があれば教えてください。

娘は今、「毎日楽しい」と中学校生活を満喫しています。

中学受験という経験を通して、やはり自分を律する力が強くなりました。ただ「勉強を頑張る」とか「平常心を保つ」ということだけではなく、人間関係においてとても成長したと感じますね。

入塾してからの3年間、塾のクラスの変動があるなかで、同じ学校の友達、違う学校の友達、さまざまな人が集まる空間でいろいろな問題に対峙してきました。そうした環境でみんなが嫌な気持ちにならない、でも自分も無理をしない「人とのかかわり方」を学ぶことができたのだと思います。自分が明るく振る舞うことで、みんながうまくいくように先回りできるようになったというか。だから友達もたくさんできましたね。

つらいことを「苦しい」で終わらせるのではなく、楽しみながら成長できたことが彼女の真の勝因だった気がしています。

\中学受験で得られたものとは?/

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取材後記

6年夏前に起きた“急に結果が出なくなった”という危機を「信じて見守る」ことで乗り越えた高木さんご一家。合格の喜び以上に大きかったのは、親子で挑んだ時間が家族の絆を深め、子どもの自律心を育んだことでした。中学受験は決して順調な道ばかりではありませんが、親ができるのは「信じる」「寄り添う」「工夫する」の3つ。高木さんご家族の体験には、多くの保護者が明日から実践できるヒントが詰まっています。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
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