教育学部では何を学ぶ?就職事情や向いている人も徹底解説

「教育学部って先生になる人だけが行く学部じゃないの?」
そう思う方も多いでしょう。確かに、教育学部は学校の先生を目指す学生が多く集まる学部ですが、それだけではありません。
教育学部で何を学ぶのかというと、人の成長や学びを支える方法を幅広く学びます。教育の理論や実践はもちろん、心理学、福祉、コミュニケーション論などを通じ、「人はどう学び、成長していくのか」を探究します。教育学部の授業では、子どもの発達や学習の仕組みを学び、教材づくりや授業運営を考え、教育実習で実際に試すこともあります。
そのため、卒業後の進路も教員だけに限りません。教育関連企業、行政、NPO、福祉・医療、企業の研修担当など、人や組織の成長を支える仕事に就く人が多くいます。
この記事では、教育学部で学ぶ内容、卒業後の就職先や職業、そして教育学部に向いている人の特徴まで、わかりやすく解説します。

編集部
塾選ジャーナル編集部
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教育学部とは?
教育学部は、「人はどうやって学び、成長していくのか」を解き明かし、それを実際の場面で生かすことを目指す学部です。
授業の進め方や学びやすい環境づくりを研究しながら、子どもから大人まで、さまざまな年代の学びを支える方法を学びます。
多くの大学では教員免許や教育関連資格を取得できるカリキュラムが整っており、理論と実践の両面から学べるのが大きな特徴です。授業設計や教材づくりを学び、教育実習で実際に試す。こうした経験を通して、「教える力」と「支える力」をバランスよく伸ばします。
教育学部にはどんな学科がある?
教育学部には、大学ごとに複数の学科や専攻コースが設けられており、その特色はさまざまです。代表的なものは以下の4つの学科です。
教育学科
学校教育の基礎理論や授業づくりを網羅的に学びます。初等教育から教育まで幅広い教員養成に対応できるカリキュラムの大学もあります。
教育心理学科
発達心理や学習心理を中心に、人の心の働きや成長を理解することを重視。スクールカウンセラーや教育相談の分野で役立ちます。
特別支援教育学科
障害のある子どもへの教育や支援方法を学ぶ学科。特別支援学校やインクルーシブ教育に関心がある学生に人気です。
教育社会学科
教育と社会の関わりを研究し、教育制度や教育格差、家庭・地域との関係などを探る学科です。
その他の学科の例
教育学部には、独自の学科構成で特色を打ち出している大学もあります。
たとえば、東京学芸大学 教育学部には、教員を養成する「学校教員養成課程」に加えて「教育支援課程」があります。ここでは生涯学習や教育相談、ソーシャルワーク、多文化共生教育、情報教育などを学び、学校と連携して教育を支える教育支援職を目指すことができます。教員だけでなく、教育を広く支える人材を育成する体制が整っているのが特徴です。
一方、早稲田大学 教育学部は教育学や教育心理学、初等教育に加え、国語・英語・社会・数学・理科という学科があります。これらの学科では、教員養成にとどまらず、自分の専門分野を深めていくことができます。
このように、「教育学部」とひとことで言っても大学ごとに設置される学科や学べる内容は異なります。自分がどんな教育分野に関心があるかによって、志望校の選び方も大きく変わってきます。
教育学部で学ぶ内容
教育学部では、人の学びや成長を支えるために必要な知識と理論を、幅広い分野から学びます。
学ぶ対象は学校の授業だけでなく、社会教育や生涯学習、特別支援、企業での人材育成など多岐にわたります。ここでは教育学部で何を学ぶのかを分野ごとに紹介します。
主な学問分野
教育学(教育原理・教育史・教育制度)
教育の目的や役割、歴史的な背景、制度の仕組みを体系的に学びます。
たとえば「なぜ小学校は6年間なのか」「なぜ義務教育があるのか」といった疑問を歴史や制度から考えます。
教育心理学
人がどう発達し、学んでいくのかを心理学の観点から学びます。
「やる気が出る声かけ」や「集中力が続く工夫」などを理解し、効果的な指導や支援に生かします。
発達支援・特別支援教育
障害や特別なサポートが必要な子どもへの支援方法を学びます。
たとえば、特別支援学校での授業の組み立て方、文字を読み上げるソフトなど、学習を助けるICT機器の使い方も学びます。個別教育計画(IEP)の作成方法など、現場で役立つ実践的なスキルも身につきます。
教科教育法
国語・算数(数学)・理科・社会・英語など、教科ごとの指導法を学びます。
授業の設計、教材の選び方・作り方、テストや評価の仕方など、教員免許取得に必要なスキルを実践的に習得します。
社会教育・生涯学習論
学校以外での教育活動について学びます。
たとえば博物館でのワークショップ、公民館での講座など、世代や場所を問わず「学びの場」をつくる方法を探ります。
教育社会学
教育と社会の関係を研究します。
教育格差、多文化共生、ジェンダーと教育など、ニュースでも耳にする社会問題をテーマに、「教育で何ができるのか」を考えます。
ICT・教育工学(情報教育/生成AI・EdTech活用)
授業設計×デジタル活用を学びます。
タブレット・学習支援アプリ、読み書き支援ICTなど、幅広く扱います。「ICTで授業をどう良くするか」を考えます。
こうした学びを通して、教育課題を整理・分析する力、子どもや学習者の変化を見極める観察力が身につきます。さらに、多様な人々と協力するコミュニケーション力、授業や学習プログラムを企画・運営する力も養われます。
教育学部での勉強のおもしろさは?
教育学部の学びには、「人の成長や学びを科学的かつ実践的に探究できる」という独自の魅力があります。ここでは、その特徴的なおもしろさを具体的に紹介します。
子どもの成長を間近で観察・実践できるおもしろさ
教育学部では、講義で学んだ理論を実習やフィールドワークで実際の教育現場に応用できます。 たとえば、小学校での教育実習では、授業中の子どもたちの反応や学びの変化を日々観察し、授業を工夫する経験ができます。「もっと集中してもらうには?」「説明の順番を変えたらどうなるか?」と試行錯誤もできます。座学と実践が直結しているため、「学んだことをすぐに試せる」実感があります。
身近な教育現象を理論的に分析する楽しさ
授業の受け方、部活動の指導法、家庭での学び──日常にある教育的な出来事を、教育心理学や発達理論の視点で分析できます。 「なぜこの教え方はうまくいくのか」を科学的に探究でき、知的好奇心が刺激されます。
正解のない教育課題に挑むおもしろさ
教育には、いつも一つの正解があるわけではありません。
たとえば、ICT教育をどこまで取り入れるべきか、学力格差をどう縮めるか、特別支援が必要な子どもへの配慮をどう進めるか。こうした問いに対して、教育学部では多様な価値観や理論を学び、自分なりの答えを模索します。
この経験は、社会に出てからの問題解決力にも直結します。
多様な現場や人と関われる魅力
教育実習、地域ボランティア、海外の教育制度を学ぶ留学プログラムなど、多様な現場と関わる機会があるのも教育学部の特長です。
子ども、保護者、地域住民、行政関係者など、さまざまな立場の人と対話しながら活動することで、広い視野と柔軟なコミュニケーション力が身につきます。
教育学部で学ぶメリットや役に立つ場面
教育学部は、教員養成だけでなく、幅広い職業や日常生活に活かせる学びが詰まった学部です。ここでは、教育学部で学ぶメリットや活かせる場面を紹介します。
人の成長や学びを理解する力が身につく
教育学部で学ぶ発達心理学や教育方法論を学ぶことで、人の成長を理解する力が得られます。学校現場はもちろん、企業の人材育成や研修、福祉・医療分野など、人を育てるすべての場面で役立ちます。人の成長過程を理解していることで、相手の状況に合わせた適切な関わり方や指導が可能になります。
コミュニケーション力と対人理解が高まる
教育学部では、子どもや保護者、同僚、地域住民など、さまざまな立場の人と関わる機会が多くあります。相手に寄り添う姿勢や信頼関係を築くスキルは、教育以外の職業でも大きな強みとなります。
多様な問題解決力が養われる
教育の現場では、学習意欲の低下やクラス運営の課題、保護者対応など、答えが一つではない問題が日々発生します。
教育学部での学びを通じて、多角的に物事を捉え、協力しながら解決策を見つける力が鍛えられます。
社会的課題への関心と行動力が育つ
教育格差、いじめ、特別支援教育、国際教育など、現代社会が抱える課題に直面し、それらを解決するための知識と方法を学びます。
こうした経験は、教育関連職だけでなく、NPOや国際機関、自治体職員など社会課題に取り組む職業にも直結します。
教育学部で学んだことが実際に役立った場面の体験談
困りごとを抱えた子どもへの対応に学びが活きた
「困りごとを抱えた子どもと向き合うとき、大学で学んだ知識や視点、対応の手立てが大きな助けになっています。現場で判断に迷ったときも、大学で学んだ理論や事例が支えになっています。」(大分大学教育福祉科学部卒・女性)
日本語を「分かりやすく伝える力」が活きた
日本語を母語としない人に対して、曖昧な言葉や難しい日本語をやさしい表現に置き換えて説明する経験を重ねました。この力は、子どもや後輩、仕事で出会う外国人に対しても役立っています。大学で学んだ日本語教育の知識を、日常や職場でのコミュニケーション改善に応用できています。(広島大学教育学部卒・女性)
わかりやすく説明する力が活きた
子どもに説明する時に培った「端的でわかりやすい言葉選び」は、医療現場での患者説明や同僚への業務連絡にも生きています。相手の立場に立った説明は、教育学部での経験が支えとなっています。(武庫川女子大学文学部教育学科卒・女性)
生徒が楽しめる授業づくりが活きた
授業を生徒が楽しめるよう、教材や活動内容を何度も試行錯誤しました。ゲーム性を取り入れたり、グループでの話し合いを促したりする工夫で、勉強が得意な子も苦手な子も参加しやすくなりました。教育学部では児童や生徒への接し方を学びましたが、これは大人にも応用できます。特に「傾聴」と「受容」の姿勢は世代を問わず必要で、その意味と効果を知ったことで相手との関わり方が変わりました。現在は異業種の研修やイベント企画でも、この経験が役立っています。(東京学芸大学教育学部卒・女性)
教育学部で取得を目指せる主な資格
教育学部には、多くの大学で教員免許(教職資格)を取得できるカリキュラムが整っています。教員免許にはいくつか種類があり、志望する校種や教科によって取得する免許が変わります。
ここでは、代表的なものを紹介します。
小学校教諭免許状
小学校の全教科を担当できる資格です。子どもの基礎学力や生活習慣を支える役割を担い、幅広い指導力が求められます。教育学部では、授業づくりや発達段階に応じた指導法を学びながら取得を目指します。
中学校教諭免許状
英語・国語・数学・社会・理科など、特定の教科を専門的に教える資格です。学問的な知識を深めつつ、思春期の生徒への指導方法や学級経営の力も必要とされます。大学での専攻科目と教職課程の履修を通じて取得します。
高等学校教諭免許状
中学校と同様に専門教科を担当できる資格で、より専門性の高い学びを伝える立場になります。大学での専門研究と連動しており、進学指導やキャリア教育など、生徒の将来を見据えた支援も求められます。
特別支援学校教諭免許状
障害のある子どもの発達や特性に合わせて教育を行う資格です。知的障害・肢体不自由・発達障害など幅広いケースに対応するため、専門的な教育法や心理学、福祉の知識も身につけます。教育学部の中でも特別支援教育学科などで取得が可能です。
これらの免許は「教職課程」と呼ばれる科目群を履修することで取得できます。教育学部の場合、必修として免許取得が前提になる大学もあれば、希望者が履修する「開放制」を採用している大学もあります。
また、免許を取得するには教育実習や介護等体験などの実地研修が課されます。理論と実践の両方を学びながら資格を得るのが教育学部の大きな特徴です。
教育学部 卒業生の就職事情!何になれる?
教育学部卒の先輩たちは、教育分野をはじめ、医療・福祉、官公庁、メーカー、専門士業など、幅広い業界で活躍しています。教育学部で培った「人を育てる力」「コミュニケーション力」「課題解決力」は、多様な職業で求められる汎用的スキルです。
ここでは、実際のアンケートデータをもとに、教育学部の主な就職先や職業、大学での学びがどう活かされているのかを見ていきます。
教育学部の主な就職先
官公庁・公社・団体(公務員)
教育行政、社会福祉、地域づくりの知識は、行政職や公的機関での業務に直結します。学校教育課や福祉課など教育・福祉分野の部署配属が多い一方で、地域振興や広報など幅広い部門でも活躍できます。大学で学んだ課題解決力や調整力は、住民対応や政策立案など多様な業務で強みとなります。
安定性が高く、ワークライフバランスの取りやすい環境が整っている点も魅力です。
医療・福祉・教育業界
学校教員や特別支援学校職員、福祉施設スタッフ、医療機関の教育担当など、「人を育てる」「支える」職業に多くの卒業生が進んでいます。大学で学ぶ教育心理学や特別支援教育の知識、授業設計スキルがそのまま活かせるため、即戦力として評価されやすいのが特徴です。
教員を目指す場合、多くの大学では小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の教員免許や幼稚園教諭免許が取得できます。大学によっては、保育士資格との同時取得が可能な学科もあります。
免許取得には、教職課程の単位修得と育実習が必須で、実習では大学で学んだ理論を実践に移す貴重な経験が得られます。
メーカー
一見すると教育とは関係が薄いように見えますが、営業、広報、人材育成など「人に伝える」「人を育てる」場面で教育学部の学びが活きます。大学で培ったプレゼンテーション力、コミュニケーション力、相手に合わせた説明の工夫は、商品提案や研修の場面で大きな武器になります。
特に教育機器、教材、福祉関連製品を扱う企業では、学部で学んだ知識が製品理解や提案内容に直結します。たとえば、特別支援教育の知見を活かして支援学校向けのICT教材を提案するなど、専門性が評価される場面も多くあります。
専門士業系(弁護士、司法書士、行政書士、税理士、公認会計士等)
割合は多くないものの、教育学部から法科大学院や会計専門職大学院などに進学し、専門士業を目指すケースがあります。教育学で養った論理的思考力や説明力は、法律相談や税務説明など専門士業の現場でも強みとなります。特に依頼者へのヒアリングでは、教育で培った傾聴力が信頼関係構築に直結します。
不動産・建設業界
住宅販売や賃貸仲介、建築設計事務所、不動産管理会社などでも教育学部出身者は活躍しています。顧客への提案や契約説明、研修担当など「人にわかりやすく伝える」スキルが重視される職場では特に評価されます。まちづくりや地域活性化に関心を持つ学生が、都市計画や再開発プロジェクトに関わるケースもあります。大学で培った計画力と協働力が、大規模プロジェクトの推進にも役立ちます。
教育学部卒業の女子の就職先は?
アンケート調査をもとに、教育学部出身の女子の就職先例をご紹介します。
医療・福祉・教育業界
教育学部で学ぶ発達心理学や特別支援教育の知識はそのまま現場で活かしやすく、採用側からの評価も高い分野です。女性の割合が高く、育児休暇や短時間勤務制度が整っている職場も多いため、長く安心して働ける環境を選びやすいのも特徴です。
メーカー
意外に思われるかもしれませんが、メーカーでも教育学部出身の女子が活躍しています。営業・商品企画・広報・人材育成など、「人に伝える・育てる力」を生かせる場面が多いのが魅力です。
特に教材や教育機器、福祉関連製品を扱う企業では、大学で学んだ教育の知見やわかりやすく説明する力が強みになります。また、女性社員向けのキャリア支援や福利厚生が整った会社も多く、安心してキャリアを積めます。
官公庁・公社・団体(公務員)
安定した働き方を望む女子学生に人気があるのが公務員です。教育委員会や子ども家庭課などで、教育や福祉に関わる部署に配属されるケースが多く見られます。
教育学部で学んだ教育制度や社会教育の知識を活かし、地域の学習支援や住民との調整役を担うこともあります。安定性に加え、産休・育休や復職制度がしっかりしている自治体が多く、ライフイベントと両立しながら働ける点も安心材料です。
教育学部の就職体験談
【官公庁・公社・団体に就職した東京学芸大学教育学部卒・男性の体験談】
就職活動でのメリット
「教育政策や地域教育の研究経験を、面接で行政職での政策立案や地域連携の視点としてアピールできました。」
実際の業務での活用
「学校と行政の橋渡しをする業務で、教育現場の実情を理解していることが職員や住民との信頼関係構築に役立っています。」
【医療・福祉・教育業界に就職した北海道教育大学教育学部卒・女性の体験談】
就職活動でのメリット
「教育学部で学んだ発達段階や学習心理の知識を面接で具体的に伝え、子どもの成長支援や学習指導への理解をアピールできました。」
実際の業務での活用
「特別支援教育の授業で学んだ内容が、発達障害のある子どもへの接し方や教材の工夫にそのまま役立っています。現場で困ったときも、大学で学んだ理論をベースに対応できています。」
【メーカーに就職した広島大学教育学部卒・女性の体験談】
就職活動でのメリット
「教育学部で学んだプレゼンテーションや資料作成のスキルを、商品企画職の自己PRに活かせました。」
実際の業務での活用
「ユーザー向けのマニュアルや研修資料を作るとき、教育心理や学習効果を意識した構成を心がけることで、分かりやすい資料作成ができています。」
【専門士業系に就職した玉川大学教育学部卒・女性の体験談】
就職活動でのメリット
「教育実習や授業準備で培った計画性や時間管理能力を、面接でアピールできました。」
実際の業務での活用
「研修講師として、教育学部で学んだ授業設計や指導法を活用し、効果的な研修運営につなげています。」
教育学部に向いているのはどんな人?
教育学部の学びでは、人の成長や学びを支える仕組みを理解し、個々の能力を引き出すための方法を探る力が求められます。将来、学校現場だけでなく、企業研修、福祉、地域づくりなど幅広い分野で活躍できる基盤を築けるのが特徴です。
ここでは、教育学部に向いている人の特徴や考え方の傾向を、わかりやすくご紹介します。「自分に合っているかも?」と思ったら、進路選びの参考にしてみてください。
教育学部に向いている?を簡単診断
以下のチェックリストで、あなたが教育学部に向いているかどうかを診断してみましょう。
当てはまる項目が多いほど、教育学部での学びと相性が良いかもしれません。
判定結果
- 15〜20個該当
教育学部に非常に向いています。学部での学びを通じて教育や人材育成の専門性を高め、将来幅広い分野で活躍できる可能性が高いでしょう。 - 10〜14個該当
教育学部に向いています。興味のある分野をさらに深めることで、充実した大学生活とキャリア形成が期待できます。 - 5〜9個該当
適性はありますが、他学部との比較検討もおすすめします。自身の将来像に合った進路をじっくり考えてみましょう。 - 0〜4個該当
他の学部も含めて幅広く検討するのが良いかもしれません。自分がより強く関心を持てる分野を探すことをおすすめします。
診断のポイント
教育学部に向いてる人の特徴として大切なのは、相手の立場に立って考える「共感力」です。さらに、分かりやすく伝える「説明力」、多様な背景を持つ人と「協働する力」も必要です。
また、「人はなぜ学ぶのか」「どうすれば力を伸ばせるのか」という問いに関心を持ち、粘り強く学び続ける姿勢も強みになります。
これらのポイントに多く当てはまるなら、教育学部での学びを通じて大きく成長できる可能性が高いでしょう。
ただし、これはあくまで目安です。少しでも興味がある人は、オープンキャンパスや模擬授業などを通して、実際の学びの雰囲気を体験してみるのがおすすめです。
教育学部によくある志望理由
教育学部に進学した理由は人それぞれですが、アンケート結果からは「教育への情熱」「将来のキャリア像」といった、前向きな動機が多く見られました。ここでは特に多かった上位3つをご紹介します。
子どもとかかわれる仕事に就きたい
「親が教員で自然と教員を目指すようになっていました。子どもと関わるのも好きだったので、小学校の教員を志し、教育学部を選びました」(常葉大学教育学部卒・女性)
「子どもが好きで、将来、子どもと接する仕事に就きたいと思ったからです。」(姫路大学教育学部卒・女性)
福祉・特別支援教育に関わりたい
「色々な子どもたちがいることを知り、子どもの発達のこと、心理のことを知り、どのような支援や進路があるのか学びたかった。」(大分大学教育福祉科学部卒・女性)
「養護教諭になるのが小さい頃からの夢だったので」(金沢大学教育学部卒・女性)
安定した職業に就きたい
「自分が怠惰なことがわかっていたので卒業と共に生きていくのに困らない資格が教育学部では手に入れることができるので教育学部を選んだ。」(東京学芸大学教育学部卒・女性)
「高校生だった当時、自分が将来何になりたいかが特に定まっておらず、文系でも手に職(具体的には何かしらの資格)が得られそうな学部に進学したいと考えて教育学部に進学しました。」(北海道教育大学教育学部卒・女性)
このように、教育学部を志望する理由は、明確な職業目標を持っているケースが多いようです。共通しているのは、「人の成長や学びに関わりたい」という思いであり、この気持ちが大学生活の充実やその後のキャリア形成につながっています。
「やめとけ」の声もある理由!教育学部をおすすめしない人は?
教育学部は教員志望者を中心に人気のある学部ですが、一方で「やめとけ」「向いていなかった」と感じた卒業生の声もあります。実際のアンケート回答をもとに、その理由を大きく3つに分けてご紹介します。
教員志望でないと学びを活かしにくい
「教育学部なのになぜ教員免許を取らないのか、という質問をよく受けました。卒業に必須ではなかったので取らなかったのですが、就活では理由を説明する必要がありました」(北海道教育大学教育学部函館校卒・女性)
「教員免許を取得せずに卒業したのですが、『なぜ取らずに一般企業に行くのか』とほとんどの面接で聞かれました」(関西学院大学教育学部卒・女性)
専門性が狭く、他業界への応用が難しい
「専門的な内容ばかり学んできたため、一般企業を受ける発想が持てず、今となっては少し後悔しています」(鹿児島大学教育学部卒・女性)
「教育以外の職種を受けようとしても、なぜ教育学部に進んで教育職以外を選ぶのか、うまく説明できませんでした」(宮城教育大学教育学部卒・女性)
キャリアの幅が狭まる可能性がある
「就職活動というより転職時に、選べる職種が狭まったと感じました。教員からの転職は、教師経験以外のスキルを証明するのが難しいです」(和歌山大学教育学部卒・男性)
「教員免許取得と教員就職が前提になっているため、他業種を知る機会が少なく、学生生活の自由度も限られていました」(香川大学教育学部卒・男性)
おすすめしない人の特徴
アンケート結果を踏まえると、「教育学部はやめとけ」と言われがちな人の特徴も見えてきます。
ここでは教育学部に向いていない人の傾向をまとめます。
教員になる意思がない、または教育関連以外のキャリアを強く志向している人
教育学部のカリキュラムは、教員免許取得や教育職を目指すことを前提に、授業や実習が組まれているのが一般的です。教員を目指さない場合、教育学部で何を学ぶのかを就活で説明しにくいといった声があります。
幅広い専門性や即戦力スキルを大学で身につけたい人
教育分野の知識は深まりますが、他業界で求められる専門技術や資格とは直結しません。アンケートでも、「教育以外の職種では即戦力と見られにくかった」という意見が見られました。
自由な学生生活や長期休暇の活用を重視したい人
実習や授業準備、教育現場での活動が多く、時期やスケジュールが固定されることが一般的です。そのため、長期休暇を使って留学や旅行、インターンを計画しにくい場合があります。カリキュラムの性質上、時間の自由度は他学部に比べてやや低めになる傾向があります。
自分の興味を大切に
これまで紹介した声は、あくまで個人の体験や考えに基づくものです。教育学部で充実した学生生活を送り、学校現場はもちろん、企業や官公庁、福祉など幅広い職種で活躍している卒業生もたくさんいます。
大切なのは、自分が本当に興味を持てることや、やってみたいことに素直に向き合うことです。
教育学部の学びは専門的でありながら幅広く、教育心理学や発達支援、社会教育など多彩な分野から、自分に合った学びを選べます。
その興味をもとに積極的に学び、実習やプロジェクトで経験を積めば、学生生活はきっと充実するでしょう。その経験は教育学部での就職活動や将来のキャリア形成にも直結します。
「やめとけ」という意見も、教育学部の特徴を踏まえた一つのアドバイスに過ぎません。最終的には自分の気持ちを大切に、納得のいく進路を選ぶことが何より大事です。
おすすめの教育学部がある大学ランキングTOP3
教育学部への進学を検討している方に、学習レベル・研究実績・進路実績・出願方法の豊富さなどを総合的に評価し、おすすめの大学を国公立・私立に分けてご紹介します。
教育学部が強い!おすすめの私立大学TOP3
1位:早稲田大学 教育学部
早稲田大学教育学部の強みは、何といっても7学科を備えた圧倒的な学びの幅広さです。教育学や教育心理学、初等教育など教員養成の中心領域に加え、国語・英語・社会・数学・理科・複合文化と多彩な学科が存在。小学校から高校までの教員免許の取得に対応するだけでなく、教育を軸に多様な専門領域について学べる環境です。入学時に希望した学科から転科できる制度もあり、進路変更にも対応しやすいのも特徴です。
入試は私立教育学部の中でも難易度が高く、同じ志を持つ優秀な仲間と切磋琢磨できる点も大きな刺激になります。就職面でも教員のほか、一般企業や官公庁への道も開かれています。
「教育を軸に学びを深めたい」「将来のキャリアを多方面に広げたい」という学生にとって、成長を後押ししてくれる場といえるでしょう。
2位:日本女子大学 人間社会学部 教育学科/家政学部 児童学科
日本女子大学は、女性教育者の養成で長い実績を持つ大学です。大きな特徴は、教育学科と児童学科の二本柱を持つ点にあります。
教育学科では、9割超の学生が教員免許を取得し、教員採用試験を受けた学生のほとんどが新卒で教員に。同じ志を持った同志と切磋琢磨できる環境です。
一方、児童学科では乳幼児から児童期に特化して学び、幼稚園や中高(家庭科)の教員免許、保育士資格が取得できます。保育や幼児教育など「子どもの最初の学び」を支える専門性を身につけられます。
学校教育の幅広いステージを担う教育学科と、幼児期に特化した専門性を磨ける児童学科をそろえており、自分の将来像に合わせて最適な進路を選べるのが日本女子大学の強みです。
3位:学習院大学 文学部 教育学科
学習院大学文学部教育学科は、小学校教員を目指す学生に特におすすめの学科です。
卒業生のうち希望者のほぼ全員が小学校教員として巣立っており、高い就職実績を誇ります。
その背景には、定員50名規模の少人数教育によるきめ細やかな指導があります。さらに、電子黒板や録画設備を備えた模擬授業室、理科や家庭科の実験に対応した実習室など、まるで小学校そのものの環境が整えられており、現場さながらの実践力を磨くことができます。
キャンパスは大都会・文京区目白台に位置し、落ち着いた学習環境と都心のアクセスの良さを両立。
教育現場に直結した環境の中で、小学校教員としての基盤を確実に築けるのが大きな魅力です。
教育学部が強い!おすすめの国立大学TOP3
1位:東京学芸大学 教育学部
東京学芸大学教育学部は、教員養成において国内有数の実績を誇る大学です。小学校・中学校・高校のいずれにおいても教員就職者数はトップクラス。首都圏を中心に多くの卒業生が教育現場で活躍しています。
同大学には幼稚園・小学校・中学校・高校といった附属校が整備されており、学内で教育実習を行えるのも大きな特徴です。実習先の確保に悩むことなく、教育の現場に直結した経験を積める環境が整っています。
さらに、教育支援課程では特別支援教育や情報教育などを専門的に学べ、教職以外で教育に携われる道が用意されています。
附属校での実習環境、幅広いカリキュラム、そして安定した就職実績。東京学芸大学教育学部は教員を志す学生にとって魅力的な大学です。
2位:筑波大学 人間学群 教育学類
筑波大学人間学群教育学類の強みは教育学における研究実績です。教育政策学、教育哲学、教育社会学などを担う研究室が多数存在。多角的に教育を探究したい学生にはもってこいの環境が整っています。
カリキュラムも初等教育や教育臨床、学校カウンセリングなど実践に直結する科目がそろっており、理論を学ぶだけでなく、現場で役立つスキルを身につけられます。
そのため、将来教員を目指す学生はもちろん、教育行政や研究職、教育関連の幅広い仕事を志す学生にとっても、自分の進路に合わせた力を育めるのが大きな魅力です。
3位:横浜国立大学 教育学部
横浜国立大学教育学部は、実践重視の教員育成カリキュラムが大きな特徴です。
小学校から高校、特別支援学校まで幅広い免許状の取得が可能。卒業要件の教員免許取得にが含まれているため、教員免許取得率は非常に高水準を誇ります。
1年次から教育現場に立ち、座学で学んだ理論をすぐに実践できるのも魅力的。さらに、教育委員会と連携した「地域教員養成」や、現代的な教育課題に対応する独自プログラムを展開。最新の教育現場のニーズを反映したカリキュラムの中で、未来の教育を担う力を着実に育むことができます。
教育学部のその他の注目大学
TOP3以外にも、特色あるカリキュラムや制度を持ち、教育学部志望者におすすめできる大学をご紹介します。
お茶の水女子大学 文教育学部
お茶の水女子大学文教育学部は、女性教育の先駆者として長い歴史を持ち、少人数での丁寧な指導が特長です。教育学の理論に加え、ICT教育やグローバル教育など現代的テーマにも対応。国際的な教育研究プロジェクトに参加できる機会もあり、海外の教育現場での経験を積むことも可能です。
広島大学 教育学部
広島大学教育学部は、教員養成の分野で全国的な実績を誇ります。特に平和教育・国際理解教育に力を入れています。附属学校園や海外の教育機関との交流も盛んで、日常的に教育現場と接続した学修・実習が可能です。地域や国際社会の課題解決をテーマにしたPBL(課題解決型学習)が多く、実践的な授業が充実しています。
玉川大学 教育学部
「教員養成の玉川」を掲げ、多くの教員志望者が学ぶ学部です。附属園から高校までを擁し、学内で幅広い教育実習を行えるのが特徴。ICTや独自のESTEAM教育など先進的な取り組みもあり、次世代の授業づくりに役立つ実践力を養えます。
文教大学 教育学部
私立で初めて教員養成を行い、これまでに1万人以上の教員を輩出してきました。助手体験やボランティア補助教員など、在学中から現場で子どもと関われる制度が整っています。地域の学校や教育機関とも連携し、指導力や対応力を実践的に磨ける点が魅力です。
福井大学 教育学部
従来の教員養成に加え、独自科目「STEAM・総合探究」で科学・技術・芸術を融合した教育を展開。課題解決型プログラムを企画・実践し、現場での応用力を高められるのが特長。地域の教育機関や自治体と連携する授業も充実し、創造性と実践力を兼ね備えた教育者を目指せます。
まとめ
教育学部は、「人を育てる」ための理論と実践を体系的に学べる学部です。教育学・心理・特別支援・教育工学などを横断して学ぶことで、教える力や伝える力を磨きます。また、観察力・企画運営力など、教育以外の職種でも役立つ汎用スキルも身につきます。
進路は学校現場に限らず、行政・福祉・企業研修・人材・出版・メーカーなど幅広く開かれています。学びの核が「人の成長を支える視点」にあるため、教育以外の職種でも活かしやすいのが大きな強みです。
一方で、教職課程や教育実習、資格取得の準備は時期によって負担が大きくなることがあります。だからこそ、めざす校種・教科、将来像を早めに検討し、計画的に履修することが大切です。目的意識を持って現場体験(実習・インターン・ボランティア)を積めば、授業で学んだ知識が「現場で役立つ」と実感できるようになります。教育学部での経験は就職活動でも強い武器になり、教育業界以外のキャリアにもつながります。
この記事で紹介したカリキュラム、就職事情、向いている人の特徴などを参考に、自分が本当にやりたいことと照らし合わせてください。教育学部は「やめとけ」と言われることもありますが、興味を持って学べば確実に成長できる学部です。教育学部での学びは、人の可能性を引き出し、社会に貢献できる力を育む、かけがえのない経験となるでしょう。
少しでも気になった方は、ぜひオープンキャンパスや模擬講義に参加して、リアルな学びの雰囲気を体感してみましょう。
アンケート調査概要
調査対象:教育学部出身の20代~40代(有効回答数44名)
調査時期:2025年7月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「教育学部卒業生の大学時代の学びの活用状況」についての調査
※掲載しているグラフや内容を引用する場合は「塾選ジャーナル調べ:「教育学部卒業生の大学時代の学びの活用状況」についての調査と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/33239/)へのリンク設置をお願いします。
執筆者プロフィール

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