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受験生の睡眠時間は何時間?理想と最低ライン、睡眠の質を高める生活習慣も徹底解説

更新日:
大学受験
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「受験生にとって最適な睡眠時間は何時間?」

大学受験を目指す受験生なら、理想の睡眠時間は7〜8時間です。年齢や体質によって個人差がありますが、6時間以下では記憶力や集中力が低下し、合格から遠ざかるリスクがあります。

「4時間半でも大丈夫?」「勉強時間とどう両立すればいい?」

この記事では、受験生や保護者が抱えるこうした不安や疑問にすべて答えます。年代別の目安や両立の工夫まで、合格に近づくための正しい睡眠戦略をやさしく解説します。

塾選ジャーナル編集部

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目次

受験生にとって理想的な睡眠時間は何時間?

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受験勉強では「もっと勉強しなきゃ」と睡眠を削る人も多いですが、実際には成績を伸ばすために必要な睡眠時間があります。まず初めに、受験生にとっての理想と最低ラインを科学的根拠に基づき解説します。

理想の睡眠時間は7~8時間

受験生が目指すべき睡眠時間は7〜8時間前後です。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」によると、中高生には8〜10時間が望ましいとされています。これは脳の発達や成長に必要な生理学的な理想値です。

参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023

とはいえ忙しい受験生にとって、現実的に毎日8〜10時間の確保は難しい場合もあります。まずは7〜8時間を目標に、できる工夫をしてみましょう。7時間以上眠ることで集中力や記憶力が何とか安定し、受験期のパフォーマンスを長期的に維持できます。

受験生の睡眠時間、最低ラインは5〜6時間

目指したい睡眠時間は7〜8時間ですが、東京大学の調査によれば、高校生の平日の平均睡眠時間は約6~7時間未満と報告されています。

<高校生の平均睡眠時間>

学年 性別 平日夜間の平均睡眠時間
高校3年生 男子 6.8時間
高校3年生 女子 6.6時間

参照:東京大学「思春期の子どもは夜何時間眠ったらよいのか?

この結果から、多くの高校生(受験生も含む)は最低ライン(5~6時間)こそ維持しているものの、理想と比較すると慢性的な睡眠不足にあるといえます。

定期テストや模試の直前などで一時的に睡眠を削ったとしても、短期間であれば大きな支障は避けられます。しかしこれはあくまで「一時的に耐えられる下限」にすぎません。この状態が常態化すると、集中力や記憶力の低下が慢性化し、学習内容が定着しにくくなります。

体調と成績を維持し続けるには、できるだけ早く7時間以上の睡眠に戻すことが大切です

睡眠を削って勉強するリスク

「勉強時間を確保するために睡眠を削る」という選択は、短期的に効果が得られても、長期的な効率は損なわれます。睡眠は日中に学んだ内容を長期記憶として定着させる「記憶の固定化」という学習プロセスです。

特に暗記科目は、就寝前に学習すると睡眠中に効率よく定着することが証明されています。

睡眠と勉強効率の関係

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睡眠は単なる休養ではなく、学習内容を脳に定着させる重要なプロセスです。「睡眠中の記憶定着」と「睡眠不足が効率を下げる理由」を解説しながら、受験勉強における睡眠の科学的な役割について解説します。

睡眠の記憶定着効果

睡眠には、勉強した内容を「記憶として定着させる」重要な役割があります。

特に暗記科目(英単語や社会科目など)は、就寝前に学習することで睡眠中に脳が情報を整理し、翌朝には定着度が高まることが知られています。

筑波大学の研究によると、睡眠中は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が約90分周期で交互に現れ、それぞれ異なる働きを持ちます。ノンレム睡眠(深い眠り)では脳が日中に得た知識を整理し、長期記憶として保存します。一方、レム睡眠(浅い眠り)では、情報同士を関連づけたり、応用力や創造的思考を促す脳の再構成が起こります。

この2つのサイクルを繰り返すことで、学習内容が効率よく定着します。

つまり「しっかり眠ること」は、勉強時間の一部であり、記憶を完成させるための“仕上げの時間”なのです

出典:一般社団法人 日本睡眠学会「睡眠構築/レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠不足が学習効率を下げる

睡眠不足は受験勉強の効率を大きく下げる要因です。脳は眠っている間に情報を整理し、記憶として定着させますが、睡眠が足りないとこのプロセスが不十分になります。

広島大学が中心になって実施した調査では、平均睡眠時間を下回る状態が続くと集中力や学習定着率の低下が起きやすくなると報告されています。

出典:広島大学ほか「高校生・大学生の睡眠生活習慣

アメリカの大学の調査によると、睡眠を1時間増やすごとに学生の成績(GPA)が平均でおよそ1段階上がる可能性があることがわかっています。

出典:米国国立衛生研究所「思春期(ティーンエイジャー)の睡眠時間と学業成績(GPA)および欠席率との関連性

GPAとは、米国や多くの海外の大学・高校で採用されている成績を数値化する評価方法です。日本でも使用されることがある指標ですが、わかりやすくいうと「評定平均値」のようなものです。

例えば普段6時間しか寝ていない場合、睡眠時間を毎日7時間に増やすだけで、テストや評定の点数が約1段階近く上がることが期待できるでしょう。

仮に大学の推薦型選抜などで出願条件に評定平均の項目がある場合、この差は出願資格が得られるかどうかをわける要因になります。

つまり受験生にとって、睡眠を1時間増やすことは単なる休養ではなく、学力アップや合格につながる大切な投資です。

睡眠時間別の影響

受験生にとって、睡眠時間の長さは学習効率や健康に直結します。ここでは「4時間未満」「5〜7時間」「8時間以上」の影響を比較表で整理しました。

<睡眠時間で変わる学習効率と健康への影響>

睡眠時間 学習効率への影響 健康への影響 ポイント
4時間未満 判断力や集中力が大きく低下。記憶の定着プロセスが崩れ、勉強しても成果につながりにくい 免疫力が急激に下がり、風邪や体調不良のリスクが高まる 学習効率が悪化していて、早急な改善が必要
5〜7時間 一時的には学習を続けられるが、睡眠不足が積み重なると、学力の伸びを妨げる結果に イライラしやすくなる、気分の落ち込みなど精神面への影響も出る 徐々に学習効率が下がっていくため、受験に向けた長期戦には不向き
8時間以上 集中力と記憶力が安定し、勉強の効率が最も高まる 体調が安定しストレスに強くなる。心のバランスも保ちやすい パフォーマンスを最大化する理想的な睡眠時間

出典:広島大学「睡眠と精神的不健康の関連」 / 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」 

睡眠が4時間未満に減ると、免疫力が下がり風邪や体調不良にかかりやすくなります。また、学習効率も著しく低下します。

高校生の平均睡眠時間である5~7(約6時間)は推奨される睡眠時間より短く、慢性的な睡眠不足になりやすいです。短期的には支障がなくても、睡眠不足が続くと少しずつ疲労感が蓄積し、イライラや抑うつとの関連が強まります 。長期的にこの状態が続くと、成績の伸びを妨げる可能性があります。

理想とされる8時間以上の睡眠は確保が難しい場合もありますが、生活習慣を整えて睡眠の質を高めれば、7時間半程度の睡眠でも集中力や学習効率、免疫力維持の面で十分に近い効果が期待できるでしょう。

勉強時間も睡眠時間も諦めない!両立のための工夫

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目の前の勉強をこなすのに必死になり、睡眠がおろそかになってしまうのは受験生によくあることです。しかし、勉強時間を確保しながらも、しっかり質の高い睡眠をとることは十分に可能です。

ここでは、受験生が「効率よく学び、効率よく眠る」ために、生活リズムや習慣を整える具体的な工夫をご紹介します。

朝型派?夜型派?特性を上手に使おう

受験勉強は「朝型が良い」「夜型が効率的」と意見がわかれます。実際にはどちらにもメリットがあり、自分に合った時間帯を見つけることが大切です。

朝型は頭がすっきりして暗記に向き、夜型はまとまった勉強時間を取りやすいのが利点です

ただし、入試は朝から始まることが多いため、本番が近づいたら朝型に切り替えておくのがおすすめです

睡眠の質を高める習慣を身につけよう!

睡眠は「量」だけでなく「質」が大切です。

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寝る直前のスマートフォンの使用は目を覚ましてしまうので、寝る1時間前には手放しましょう。

午後のカフェイン接種を避け、夜は温かい飲み物や軽いストレッチが効果的です。さらに寝室は暗く静かにし、枕や布団も体に合ったものを選ぶと眠りの深さが変わります。

小さな習慣の積み重ねで、短い時間でもぐっすり眠れるようになります。

睡眠時間をスケジュールに入れておこう!

「勉強が終わってから寝る」と考えていると、ずるずると遅い時間になってしまい、「気づいた時にはこんな時間!」ということもあります。それを防ぐためには、勉強時間と同じように、「この時間から寝る」というスケジュールを予め決めておきましょう。

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授業や移動のスキマ時間を暗記に使う、勉強を「タスクごと」に区切って優先順位を決めると効率が上がります。夜は長時間ダラダラ勉強するのではなく、集中して区切りをつけることが大事です。

睡眠時間を最初に確保し、そのうえで勉強を計画に組み込むことが合格への近道です。

仮眠を上手に取り入れよう

長時間の勉強で眠気を感じたときは、10〜20分の短時間の仮眠を取ることで、集中力を回復させます。短時間であれば夜の睡眠にも影響しませんが、30分以上寝ると頭が重くなるので注意が必要です。

姿勢は机に突っ伏すよりも、椅子に座ったまま目を閉じるほうがスッキリ起きられます。上手に仮眠ができれば、午後からの勉強効率が大きく変わります。

年代別に必要な睡眠時間

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理想の睡眠時間は7〜8時間ですが、成長段階によっても必要な睡眠時間は違います。ここでは小学生・中学生・高校生の目安を比較表で整理したうえで、それぞれの年代に合わせた注意点を紹介します。

<年代別推奨睡眠時間>

年代 推奨睡眠時間(目安) ポイント
小学生
(6〜12歳)
8〜11時間 成長期。
保護者の生活リズムサポートが不可欠
中学生
(13〜15歳)
8〜10時間 部活・塾で忙しくなる時期。
生活習慣の工夫が重要
高校生
(16〜18歳)
7〜8時間 自己管理力が鍵。
朝型リズムにシフトする準備を

小学生に必要な睡眠時間と保護者のサポート

小学生は1日に8〜11時間の睡眠が必要です。特に中学受験を控える高学年は勉強や塾で忙しくなりますが、睡眠不足は学習効率の低下だけでなく、心身の発達や免疫力にも悪影響を及ぼします。

塾で帰るのが遅くなる日もあると思いますが、可能な限り最低8時間は睡眠を取ることを心がけましょう。仮に8時間を下回ることがあっても、慢性化しないように保護者が管理することが大切です。

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中学受験|“睡眠と勉強”どちらを優先?「やること多すぎて眠れない…」ときのスケジュール管理術

まずは夕食・入浴・就寝の時間を一定にし、夜更かしを防ぐ工夫をしましょう。また休日に寝だめをせず、平日と同じ時間に起きることで、体内時計が安定して集中しやすくなります。

中学生に必要な睡眠時間と生活習慣

中学生に必要な睡眠は8〜10時間です

部活や塾で多忙な時期ですが、睡眠不足が続くと集中力の低下や成績不振につながりやすくなります。特に就寝前のスマホ利用は、寝つきを妨げる要因の一つです。寝る1時間前にはスマートフォンやPCから離れる習慣をつけましょう。

さらに、朝の時間を活用して勉強する「朝勉強」に切り替えると、脳がリフレッシュした状態で効率的に取り組めます。生活習慣を整えることが、この年代の学習効率を大きく左右します。

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高校受験|部活と勉強で寝不足…睡眠時間が足りないときの対処法

高校生に必要な睡眠時間と自己管理

高校生は7〜9時間の睡眠が望ましいとされています。大学受験期は「睡眠を削って勉強する」という発想に陥りがちですが、実際には6時間以下が続くと記憶の定着率が下がり、模試や試験の結果も安定しにくくなります。

高校生では自己管理が鍵となり、勉強時間の確保と同じくらい睡眠時間の確保を優先する意識が大切です。特に入試本番は朝から始まるため、1〜2か月前から朝型の生活にシフトし、当日最高のパフォーマンスを発揮できるよう備えるのが効果的です。

受験生の睡眠時間について、よくある質問(FAQ)

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受験生の最低睡眠時間は?

受験生にとっての最低ラインは「一時的に乗り切れる下限」であり、長期間続けるのは避けるべきです。ただし、学年や発達段階によって必要な睡眠時間には違いがあります。

<受験区分と睡眠時間の最低ライン>

受験区分 最低ライン
※短期的に許容できる範囲
ポイント
中学受験
(小学生)
約7時間 個人差はあるが、睡眠不足が心身の発達や集中力に大きく影響。
できる限り理想に近づけることが大切
高校受験
(中学生)
約6時間 部活や塾で忙しくても、6時間を下回ると集中力が続かない。
7〜8時間を確保できると安定
大学受験
(高校生)
約5〜6時間 短期間なら5時間台でも耐えられるが、継続すると学習効率が低下。
7時間以上を維持するのが理想

受験前日は何時間寝るべき?

受験前日は普段と同じ7〜8時間の睡眠を取るのが理想です。直前に徹夜すると記憶力や集中力が大きく下がり、本来の力を発揮できません。逆に早く寝すぎて深夜に目が覚めてしまうのも避けたいので、普段と同じ就寝・起床リズムを守ることが大切です。前夜は軽い復習や確認にとどめ、心を落ち着けて眠りましょう。

4時間睡眠でも大丈夫?

4時間睡眠は受験生にとって非常にリスクが高い水準です。短期間であっても集中力や免疫力が低下し、体調不良につながる可能性があります。勉強時間を増やしたつもりでも効率が落ちれば逆効果。志望校の合格を目指すなら、4時間睡眠は避けましょう

寝だめは意味ありますか?

結論から言うと、寝だめで完全に睡眠不足を取り戻すことはできません

週末に長く眠っても、平日に不足した睡眠をすべて回復できるわけではなく、体内時計(生活リズム)が乱れて、かえって月曜の朝にぼんやりしやすくなります。毎日できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きることで、体内リズムが整い、睡眠の質は上がり、日中のパフォーマンスも安定します。

参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023

まとめ 受験生の勉強効率を重視するなら、質のいい睡眠時間をしっかり確保しよう

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受験生にとって最適な睡眠時間は理想は7〜8時間です。

この結論は、各種データや年代別の目安でも支持されています。最低でも5〜6時間の睡眠は必要で、4時間台の睡眠が続くと学習効率は下がり、体調面にも悪影響を及ぼします。

さらに7時間以上の睡眠を確保できれば、集中力や記憶力は安定し、勉強時間を効率的に生かせます。そのためにはスマホや夜更かしを避け、仮眠や時間管理をで調整することが重要です。

睡眠は「削るもの」ではなく「合格力を高める投資」です。効率を重視するなら、まず睡眠を確保する工夫から始めましょう。

執筆者プロフィール

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