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理学部では何を学ぶ?就職事情や向いている人も徹底解説

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 「理学部って、何を学ぶの?」

そんな疑問を持つ方も多いでしょう。

理学部とは、自然界の仕組みや法則を科学的に解き明かす学部。数学・物理・化学・生物・地学など、基礎科学を幅広く学び、「自然界のなぜ?」を研究します。そのため、理学部で学ぶ内容は理論研究から実験・データ解析まで多種多様。

論理的思考力や問題解決力が磨かれることで、研究職だけでなくIT、教育、製造、金融、行政など幅広い分野で活躍できるのが特徴です。

この記事では、理学部とは何か、何を学ぶのか、卒業後の進路や就職事情、そして理学部に向いている人や「やめとけ」と言われる理由まで、わかりやすく解説します。

塾選ジャーナル編集部

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目次

理学部とは?

理学部とは、自然界の法則や現象を基礎から研究する学部です。

数学、物理、化学、生物、地学を柱に、理論と実験を組み合わせて学習。応用技術よりも「なぜそうなるのか」を探る姿勢を重視するのが特徴です。論理的思考力や分析力を養い、幅広い分野で応用できる知識を身につけられるのが大きな魅力。

一方で、実験や実習には別途費用がかかることも。学費以外の出費が発生する点は心づもりしておく必要があります。

理学部にはどんな学科がある?

理学部には、大学ごとに複数の学科や専攻コースが設けられており、その特色はさまざま。代表的なものは以下の学科です。

数学科

数や関数の性質、統計や解析などを扱い、理学部の基盤となる学科。目に見えない数や法則を深く追究し、データ解析や情報科学などに応用します。

物理学科

力学や電磁気、量子力学から宇宙物理まで、自然界の法則を幅広く探究。実験やシミュレーションを通じて、現象を数式で理解・説明する力を養います。

化学科

物質の構造や反応を研究する学科。無機化学・有機化学・分析化学などを学び、医薬品や新素材の開発に役立つ知識を身につけます。

生物学科

分子や細胞から生態系まで、生命の仕組みを解き明かします。遺伝子や進化、生態学など多様な分野をカバー。医学や環境問題に関心のある人にも適した分野です。

その他の学科の例

理学部には、独自の学科構成で特色を打ち出している大学もあります。

東京大学 理学部は「天文学科」や「地球惑星環境学科」など、自然科学を細かく分けた10学科を設置。幅広い分野で最先端の研究に触れられるのが特徴です。

千葉大学 理学部は「数学・情報数理学科」を設けています。数学と情報科学を一体的に学べるのがユニーク。

鹿児島大学理学部では、従来の「学科ごとに分かれた学び」をなくし、1つの“理学科”の中で5つの専門分野を選んで学べる仕組み「理学科(5プログラム)」を採用。生物学や地球科学などを通して、自然環境や生命現象を科学的に探究できます。

このように、理学部は大学ごとに学科構成やカリキュラムが異なります。進路を考える際には、自分がどの領域に重点を置きたいのかを見極めることが大切です。

理学部と似た学部との違い

「理工学部」や「生命科学系学部」は理学部と名前や学ぶ分野が一部重なりますが、重視する視点や将来のキャリアの方向性には違いがあります。

理工学部

理工学部は、理学で培った知識を社会に役立つ技術へ応用することを重視。機械、電気、情報など工学系の分野を含み、製品開発やシステム設計など「設計やものづくり」に注力します。理学部が「なぜそうなるのか」という原理を探るのに対し、理工学部は「どう活かすか」に焦点を当てている大学が多いのが特徴。

生命科学系学部

生命科学系学部は、生物学を中心に据えつつ、医療や農業、環境など生活に直結するテーマを扱います。病気の治療や新しい作物の開発、環境保全など「社会に役立つ研究」を重視。
理学部が「生命の仕組みを知る」学びなのに対し、生命科学系学部はその知識を使って「病気を治す」「食を支える」「環境を守る」といった実践的な学びが中心です。

理学部で学ぶ内容

理学部で学ぶ内容

理学部では、高校までで学んだ理科をさらに発展させ、「自然のなぜ」に迫ります。ここでは代表的な分野をご紹介。

主な学問分野

数学

数の性質や図形の構造、確率や統計などを扱います。数学はすべての自然科学の基盤であり、物理や情報科学の理解にも欠かせません。データ解析やインターネットの安全に使われる暗号理論など社会で役立つ分野にも応用できます。

物理学

力やエネルギー、光や電磁気といった自然の基本法則を研究。原子より小さな粒(素粒子)から宇宙までスケールは幅広く、数式と実験を通じて現象を説明します。物理学で培う「数式で現象をモデル化する力」は、工学や情報分野にも活用可能。

化学

物質の性質や反応を理解する学問。分子や原子の結合、反応速度やエネルギー変化を探求します。実験を中心に学びながら、新しい物質や材料をつくる基礎研究にもつながります。医薬品や環境問題など社会に密接したテーマも。

生物学

生命現象を分子や細胞のレベルから解明します。遺伝子やタンパク質の働き、進化の仕組み、生態系の成り立ちなどが研究対象。医学やバイオテクノロジー(遺伝子操作や細胞を使った技術)の基礎としても重要であり、健康や環境問題の解決にも貢献します。

地学

地球の成り立ちや自然現象を研究。地震や火山、気象、地層や鉱物などを調べ、地球全体の仕組みを解き明かします。防災や資源開発にもつながる学問で、フィールドワークを伴う学びが特徴。

情報科学(理学系)
一部の大学では、理学部に情報系の学科を設置しています。アルゴリズムやデータ解析、人工知能の基礎を学び、論理的に問題を解決する力を育成。数学や物理との結びつきが強く、現代社会の幅広い分野で活かせます。

理学部での学びは、「観察 → 仮説 → 実験 → 検証」という科学的な思考プロセスを徹底して身につけられるのが大きな特徴。これにより、研究職を目指す人はもちろん、幅広い分野で役立つ力を得ることができます。

理学部での勉強のおもしろさは?

理学部の学びは、自然の仕組みを「なぜそうなるのか」という問いから深く掘り下げていきます。ここでは、理学部で何を学ぶのか、学びのおもしろさを具体的にご紹介。

数式や理論で世界を説明する面白さ

理学部では、身の回りの現象を数式や理論で表現します。例えば、ボールの軌道や虹の色、地震の波などを式で説明できるようになると、自然を新しい視点で理解できるように。抽象的に見える数式が現実を説明する瞬間は、理学部ならではの知的な感動があります。

実験や観察で確かめる楽しさ

理論を学ぶだけでなく、実験や観察を通して実際に確かめるのも理学部の魅力。化学反応を自分の目で確認したり、顕微鏡で細胞の動きを観察したりすることで、教科書の知識が「生きた理解」に変わります。地球科学分野では野外実習に出かけ、自然を相手に学ぶ体験も経験。

身近な疑問が研究テーマに変わる面白さ

理学部の研究テーマは、日常の小さな疑問から始まることも多いです。「なぜ空は青いのか」「どうして磁石は引き合うのか」といった素朴な疑問が、本格的な研究の入り口になることも。

研究を通じて世界の最前線に触れる体験

理学部では、ゼミや卒業研究を通じて最新の研究に関わることができます。未解明の現象や新しい理論に挑戦することで、学びが「自分だけの発見」に。基礎科学は成果が出るまで時間がかかる分野ですが、その一歩一歩が世界の知識を広げる貢献につながります。

多様な分野を横断できる自由さ

理学部は、数学・物理・化学・生物・地学などを総合的に扱うのが特徴。学ぶ中で、自分の関心に応じて専門分野を変えたり、複数の領域を横断して学んだりすることも可能です。幅広い視点から世界を理解できるのは、理学部でしか味わえない醍醐味。

理学部で学ぶメリットや役に立つ場面

理学部での学びは、社会や仕事のさまざまな場面に応用できます。論理的な思考やデータを扱う力は、就職活動でもアピールしやすいポイントです。ここでは理学部で得られるメリットと、実際に役立つ場面を紹介していきます。

論理的思考力と問題解決力が身につく

理学部では、数式や理論を使って自然現象を説明します。この過程で「前提を整理し、筋道を立てて結論を導く力」が鍛えられるでしょう。論理的に考える力は、研究職だけでなくビジネスの現場でも重宝されます。

データ分析や実験スキルが実務で活かせる

理学部では、実験や観察で得られたデータを整理し、数値として表す力を養成。統計やグラフ化のスキルは、研究だけでなく社会人の資料作成や報告にも役立ちます。

自ら学ぶ姿勢が身につく

理学部では、未知の問題に対して自分で調べ、答えを探す姿勢が自然と身につきます。「新しい知識が必要になったときに抵抗なく学べるのは、理学部での経験のおかげ」という意見も寄せられました。

理学部で学んだことが実際に役立った体験談

ここでは卒業生の声をもとに、どのように学びが役立ったのかを具体的にご紹介。

レポート作成に数値リテラシーが役立った

「取引先や上司にレポートを提出する際、数値や係数を意識して使うことで、納得感のある資料を作成できました。理学部で培った数値処理の感覚が役立っています。」(琉球大学 理学部数学科卒・男性)

論理的思考がプログラミングに応用できた

「問題を分解して答えを導く思考法が、プログラムを組むときにも役立ちました。初めてのコードでも組み立ての流れを考えることでスムーズに進められました。」(東京理科大学 理学部卒・女性)

専門知識が教育現場で信頼につながった

「教員として生徒に接する際、学生時代に学んだ科学的な知識を話すと信頼につながりました。理学部で得た知識をそのまま授業や進路指導に活かせています。」(富山大学 理学部物理学科卒・男性)

理学部で取得できる資格

理学部で取得できる資格一覧

理学部では、将来のキャリアに役立つ資格取得を目指すことも可能。大学によっては、資格取得に必要な課程や科目を用意している場合もあります。

学芸員

博物館・美術館などで資料の収集・保存・展示を担う専門職。理学部では自然史系(生物・地学など)の知識を活かし、学芸員課程を履修することで資格を得られます。

教職(中学・高校:数学・理科)

理学部で数学・物理・化学・生物・地学などを専攻し、教職課程を履修することで中学校や高校の教員免許を取得できます。

臨床検査技師

臨床検査技師は、血液や尿などを調べて病気の原因を見つける専門職。大学で文部科学大臣が指定した「臨床検査技師養成課程」を修了すると、国家試験の受験資格が得られます。生物や化学の知識をいかして、病院や研究機関で検査やデータ分析を行うことができる資格です。

技術士補(理学系)

技術士補(理学系)は、文部科学省が定める国家資格「技術士」への第一歩となる資格。技術士一次試験に合格すると登録でき、技術士の補助的な業務に携わることができます。

工学系のイメージが強いですが、理学系でも化学・生物工学・応用理学などの分野で受験が可能。科学や技術の知識をいかして、社会の課題解決に貢献する技術者をめざす人に適しています。

環境関連資格(環境計量士・公害防止管理者など)

環境計量士・公害防止管理者は、水質や大気、騒音などを正確に測定・管理するための国家資格です。

環境計量士は経済産業省所管で、「濃度関係」「騒音・振動関係」の2区分があります。公害防止管理者も国家資格で、試験や所定講習で取得可能。

理学部で学ぶ化学・生物・地学の知識を活かして、環境保全や公害防止の現場で活躍できます。

このほかにも、情報処理技術者試験や気象予報士など、専攻や個人の関心に応じて挑戦できる資格があります。資格取得の可否や支援制度は大学ごとに異なるため、必ず志望校のカリキュラムや公式情報を確認しておきましょう。

理学部の卒業生の就職事情!何になれる?

理学部卒業生の就職事情

理学部の卒業生の進路は医療・福祉・教育、ソフトウェア、IT業界など幅広く、多彩です。

ここでは実際のアンケートをもとに、理学部卒業生が何になれるのか、代表的な就職先とその特徴をご紹介。

理学部の主な就職先

理学部の主な就職先

医療・福祉・教育業界

教育の現場では、理学部で培った専門知識が授業や生徒指導に活かせます。実際に「授業で大学で学んだ知識を生徒に伝えると信頼につながった」という声も。また、研究室で鍛えた粘り強さや分析力は、医療や教育の分野でも高く評価されています。

ソフトウェア・通信(IT業界)

データ分析やプログラミングの経験を活かして、システム開発やITコンサルティングに進む人も。理学部で学ぶ数理的思考や論理的な問題解決力は、ITと相性が良いです。

製造業

化学や物理の知識を背景に、材料開発や品質管理などに従事するケースもあります。理学部の実験で培った観察力やデータ処理のスキルは、製造現場での改善や新製品開発でも強みに。論理的な検証の積み重ねができる人材として信頼されるでしょう。

金融業界

金融業界では、統計や数理的な分析スキルが重宝されます。理学部出身者は数値に強い点や、論理的に仮説を立てて検証する姿勢が高評価。

官公庁・公社・団体

国家公務員や地方公務員として、研究機関や行政に携わる人も。理学的な知識をもとに防災や環境保全に関わるケースや、教育行政で活躍するケースも見られます。公共性の高い仕事で、社会に貢献したい人に選ばれる進路。

理学部卒業の女子の就職先は?

理学部出身の女子学生は、理系ならではの専門性を活かしつつ、人と関わる仕事や分析力を求められる職種で活躍しています。ここでは理学部の女子の就職先として代表的な進路をご紹介。

医療・福祉・教育業界

教育や福祉の現場は、専門知識をそのまま活かせる就職先として人気。人と関わる仕事が多く、共感力や丁寧な対応が評価される点も、女性にとって働きやすいポイント。また、産休・育休制度が整った職場も多く、ライフステージが変わっても安心して働き続けられる環境が整っています。

ソフトウェア・通信(IT業界)

IT業界では、論理的に考える力やプログラミング経験が高く評価されます。最近はリモートワークや柔軟な勤務制度を取り入れる企業も増えており、子育てや家庭と両立しやすいのが大きな魅力。長期的にキャリアを築ける制度や研修制度が整っている企業も多く、成長意欲のある女性に適した職場環境といえます。

製造業

製造業では研究や品質管理に進む女子卒業生が目立ちます。理学部で身につけた観察力や実験スキルがそのまま活きるため、専門職として長期的にキャリアを築きやすいのがメリット。福利厚生の充実度や女性研究者のサポート体制が進んでいる企業も多く、安心して働ける職場が増えています。

実際の理学部の就職体験談

ここでは理学部を卒業した先輩たちが、就職活動や実際の仕事でどのように学びを活かしてきたのかを紹介します。学びがどのようにつながるのかをイメージしてみましょう。

【ソフトウェア・通信(IT業界)に就職した 東京理科大学 理学部卒・女性の体験談】

就職活動でのメリット
「理学部ではプログラミングの授業もあり、IT企業では即戦力になると評価されました。その経験を話したことで、スムーズに採用につながりました。」

実際の業務での活用
「問題を分解して組み立てる論理的な思考法が、初めてのプログラム開発でも役立ちました。理学部で培った考え方が業務を進める上での強みになっています。」

【医療・福祉・教育に就職した 富山大学 理学部物理学科卒・男性の体験談】

就職活動でのメリット
「教員免許を取得できたことが大きな強みになり、採用試験でも自信を持ってアピールできました。」

実際の業務での活用
「授業で学んだ知識を生徒に伝えると興味や関心が高まり、教育現場での指導に活かせています。」

【製造業に就職した 熊本大学 理学部卒・男性の体験談】

実際の業務での活用
「データ処理やパソコン操作に強かったため、アナログな職場環境の効率化に貢献できました。理学部での経験が役立ったと感じています。」

理学部に向いているのはどんな人?

理学部に向いている人

理学部に向いている人は、数学・物理・化学・生物・地学といった幅広い分野に興味を持ち、理論と実験を繰り返すことを楽しめるタイプ。学びの中では、論理的に考える力や根気強さも求められます。
ここでは、理学部に向いている人の特徴をチェックリスト形式で紹介します。進路を考える際の参考にしてみてください。

理学部に向いているか?を簡単診断

以下のチェックリストで、自分が理学部に向いているかどうかを診断してみましょう。当てはまる項目が多いほど、理学部との相性がよいかもしれません。

理学部に向いているか簡単診断

判定結果

  • 15〜20個該当
    理学部に非常に向いています。科学的探究心を活かし、多様な分野で活躍できるでしょう。
  • 10〜14個該当
    理学部に向いています。関心のある分野を深めることで大学生活がより充実します。
  • 5〜9個該当
    一定の適性があります。他学部と比較しながら、自分の関心に合う進路を考えるのがよいでしょう。
  • 0〜4個該当
    理学部以外の学部も含めて幅広く検討してみましょう。

診断のポイント

理学部に向いている人は、「自然現象の仕組みを観察・分析し、論理的に説明したい」と思える人。例えば「なぜ空は青いのか」「どうして地震が起きるのか」といった疑問を納得いくまで考えたい人は、理学部で大きく成長できます。興味を持ったらオープンキャンパスや模擬授業で実際の雰囲気を体験してみるのもおすすめ。

理学部によくある志望理由

アンケート調査から、理学部を選んだ理由として多かったものをご紹介。

数学や理科が得意で、さらに学びを深めたかった

「高校時代から数学や物理が好きで、もっと理解を深めたいと思いました。」(東京理科大学 理学部卒・女性)

「微分積分に魅力を感じ、さらに学びたいと思ったのが進学の決め手でした。」(大阪大学 理学部卒・男性)

理学部には、得意科目を専門的に伸ばせる環境があるため、自分の強みを活かしたい人に選ばれる傾向があります。

自然現象や科学への興味を追究したかった

「小さい頃から空や虹など自然現象に興味があり、理学部ならその仕組みを学べると思いました。」(富山大学 理学部物理学科卒・男性)

「身近な現象を科学的に解き明かしたいと思い、理学部を選びました。」(熊本大学 理学部卒・男性)

日常の疑問や科学への好奇心を学問につなげたいという声は多く、理学部の原点ともいえる動機です。

将来のキャリアや資格取得を見据えて

「教員免許が取得できることに魅力を感じました。」(富山大学 理学部卒・男性)

「研究やIT分野で活かせると思い、理学部を選びました。」(琉球大学 理学部数学科卒・男性)

理学部は研究職や教育職だけでなく、ITやデータ分野にも直結する学びが多いため、将来のキャリアを考えて選ぶケースも見られます。

「やめとけ」の声もある理由!理学部に向いていない人は?

理学部は幅広い学びの分野がある一方で、「向いていなかった」と感じた卒業生の声もあります。実際のアンケート回答をもとに、その理由をいくつか紹介します。

就職に直結しにくい専門領域も

「専門性の高い仕事は選択肢が少なく、逆に一般的な職種では文系出身者のほうが強いこともあると感じました。」(大阪大学 理学部卒・男性)

「研究職に進まない場合、学んだ内容が仕事に直結しにくいです。」(熊本大学 理学部卒・男性)

学ぶ内容が広く、説明が難しい

「理学部は幅広く学ぶ分、面接で『何を学んできたのか』を一言で伝えるのが難しかったです。」(琉球大学 理学部数学科卒・男性)

「理学部の学びは抽象的で、外部の人には理解されにくい印象がありました。」(東京理科大学 理学部卒・女性)

教職や資格取得が目的

「教員を目指すなら教育学部の方が効率的です。理学部で教職を取るのは遠回りだと思います。」(富山大学 理学部物理学科卒・男性)

向いていない人の特徴

就職に直結するスキルや資格を重視する人
理学部は基礎研究が中心で、資格や専門職につながる学びはほかの学部よりも少ないです。短期間で「手に職」を得たい人には薬学部や工学部がおすすめ。

学ぶ目的が曖昧で、自分から掘り下げて学ぶのが苦手な人
理学部では「なぜそうなるのか」を自分で考え、調べる姿勢が重要。受け身で学ぶだけでは理解が深まらず、授業や研究が苦痛になる可能性があります。

専門性を短期間で得たい人
理学部の学びは地道な積み重ねが基本で、成果が出るまでに時間がかかることも。数年かけて探究するプロセスを楽しめないと、途中で「理学部はやめとけ」と感じてしまうかもしれません。

自分の興味を大切に

理学部は「やめとけ」と言われることもありますが、それは一部の体験談にすぎません。実際には、基礎を深く学んだことで幅広いキャリアにつなげている卒業生も多くいます。

大切なのは、自分が本当に興味を持てるテーマや「なぜ?」と思う疑問に素直に向き合えるかどうかです。理学部の学びは数学・物理・化学・生物・地学と幅広い分野に広がっています。だからこそ、学ぶ中で自分の関心に合った分野を見つけ、深めていくことが成長につながります。

理学部が自分に向いているかどうかを考え、自分の気持ちを大切に進路を選ぶことが一番重要です。

おすすめの理学部がある大学ランキングTOP3

おすすめの理学部がある大学ランキングTOP3

理学部への進学を検討している方に向けて、学習レベル・研究実績・進路実績・出願方法の豊富さなどを総合的に評価し、おすすめの大学を国公立・私立に分けてご紹介します。

理学部が強い!おすすめの私立大学TOP3

1位:東京理科大学 理学部

東京理科大学のキャンパス風景

東京理科大学は、研究・就職・教育の三つの面で高い評価を受けている大学です。

研究分野の成果は広く認められており、私立大学の中でも長く「研究の強みを持つ大学」として知られています。数学・物理・化学・生物といった基礎分野を中心に、多彩な研究テーマに取り組む研究室を数多く設置。大学院に進んで研究を深める学生が多いのも特徴で、学問を本格的に探究できる環境が整っています。

就職面でも、毎年非常に高い水準の進路決定率を維持。企業との共同研究や産業界とのつながりも強く、研究で培った力を社会に活かす場が豊富に用意されています。

教育環境も充実しており、少人数制の細かな指導体制で面倒見のよい大学として知られています。

研究・就職・教育のすべてにおいて安定した実績を持つ理科大は、基礎科学を深く学びたい学生にとって安心して挑戦できる学びの場です。

2位:慶應義塾大学 理工学部

慶應義塾大学は、分野を横断した研究と発信力で知られています。物理学や化学を基盤に、医学・薬学との連携研究やナノテクノロジーなど最先端の領域にも取り組み、常に新しい知を生み出しています。国際的な舞台での研究発表も多く、成果を外に発信する姿勢が息づいています。

さらに、強力な卒業生ネットワークも慶應の大きな魅力です。研究機関や企業の最前線で活躍するOB・OGとのつながりは厚く、学生にとってインターンや共同研究の機会につながることも少なくありません。研究とキャリアを両立できる環境が整っているのが慶應の強みです。

3位:早稲田大学 理工学部

早稲田大学は、研究分野の広さと国際性で存在感を放っています。物理学や化学、応用数理といった基礎科学の研究に加え、エネルギーや環境、先端技術に関わるテーマまで幅広く取り組み、多様な分野で成果を重ねています。海外の大学や研究機関との共同研究も積極的で、世界とつながる研究環境が整っています。

また、都心の立地の良さも大きな魅力です。西早稲田キャンパスはアクセスが抜群で、研究活動だけでなく企業との交流や就職活動にも恵まれた環境です。さらに、多くの留学生が学ぶキャンパスは国際的な雰囲気にあふれ、幅広い価値観に触れながら学べるのも特長です。

理学部が強い!おすすめの国立大学TOP3

1位:東京大学 理学部

東京大学のキャンパス風景

東京大学理学部は、研究を志す学生にとって最高の環境がそろっています

研究領域の幅は圧倒的で、数学・物理・化学・生物に加え、天文学や宇宙惑星科学、地球生命圏科学まで自然科学のあらゆる分野をカバー。分野横断の研究も盛んで、知識を自在に広げられます。

実績も国内外で高く評価されています。論文の被引用数や国際的なランキングでは国内トップ。物理・化学・生物学で存在感を示しています。

研究環境も充実しており、最新の分析機器や観測施設を整備。理論・実験・観測・野外調査を一体的に学べる仕組みがあります。

2位:京都大学 理学部

京都大学理学部の魅力は「自由さ」と「深さ」にあります。入学後に幅広く学び、自分で研究テーマを見つけて掘り下げる「緩やかな専門化」の仕組みを採用。自由な学風の中で、独創的な発想を育む環境が整っています。

研究面では、数学と物理学で世界的に評価されています。数学分野は日本の数学研究を長年リードしてきた伝統を持ち、これまでにフィールズ賞受賞者を2名輩出。物理学分野もまた強力で、多数のノーベル賞受賞者を輩出してきました。

このように、自由な学風のもとで世界トップレベルの研究に触れられる環境があるのが京大理学部の大きな強みです。独自の問いを立て、深く掘り下げたい学生にとって理想的な学部といえるでしょう。

3位:東北大学 理学部

東北大学理学部は、高度な研究実績と手厚い教育環境が特徴です

研究面では、国際的な評価が極めて高く、学術ランキングでも理学総合分野をはじめ、複数の分野で東京大学・京都大学に次ぐ位置づけ。地方大学でありながら、研究力は世界クラスです。

教育面でも、学科により3年次から研究室に所属し、少人数での丁寧な指導を受けながら最先端の研究に関わることができます。地方にいながら世界に通用する手厚い研究環境に身を置けるのが、東北大学理学部の大きな魅力です。

理学部のその他の注目大学

TOP3以外にも、独自のカリキュラムや研究領域で存在感を放つ理学部があります。ここでは、その一部を紹介します。

大阪大学 理学部

大阪大学理学部は、基礎科学の教育と研究で高い評価を受けています。数学・物理・化学・生物・地球科学を幅広く学べるほか、附属研究施設や大学院との連携により、最先端の研究に触れる機会が豊富。自由な学風のもと、自らテーマを見つけて深めていける環境があります。

東京科学大学(旧東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して設立)

新設された東京科学大学は、理学系の研究を強みとする旧東京工業大学の伝統を受け継ぎ、医学・生命科学分野との連携も可能になりました。物理・化学・地球惑星科学など幅広い分野で研究が進められており、理学と医療・工学を横断する学びができる点が注目ポイント。

上智大学 理工学部

上智大学理工学部は、少人数教育と国際性が魅力。機能創造理工学科・物質生命理工学科・情報理工学科を設置し、基礎から応用まで幅広い研究に取り組んでいます。英語による授業や留学制度も整っており、グローバルに理学を学びたい学生におすすめ。

立教大学 理学部

立教大学理学部は、池袋キャンパスに位置し、都市型大学の利便性を生かした学びが特徴。数学・物理・化学・生命科学の4学科を設置し、実験・実習を重視した教育を展開。留学生との交流も盛んで、国際的な視点を持ちながら基礎科学を学べる環境が整っています。

まとめ

理学部とは、数学・物理・化学・生物などの基礎科学を中心に、自然の仕組みを探究する学部。理論や実験を通じて「なぜそうなるのか」を追い求める姿勢が特徴で、そこで培われる論理的思考力やデータ分析力は、研究職だけでなく幅広い職業で活かせます。

進路面では、教育や福祉、IT、製造業、金融、官公庁など多様な分野へ広がり、理学部の就職は決して研究職に限られません。国立・私立ともに特色ある大学がそろい、それぞれ研究領域や教育体制に強みがあります。

理学部は「基礎から世界を理解したい」という好奇心に応えてくれる学部。理学部に向いている人は、自分の興味を粘り強く探究できる人です。関心を持って取り組めば4年間は実り多く、その後のキャリアの強みになります。

興味を持った方は、オープンキャンパスや模擬授業で雰囲気を体感し、自分に合う学びの場を見つけてください。

アンケート調査概要
調査対象:理学部出身の20代~40代(有効回答数14名)
調査時期:2025年7月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「理学部卒業生の大学時代の学びの活用状況」についての調査

※本調査レポートの内容(グラフ・データ・本文など)の無断転載・改変を禁じます。掲載しているグラフや内容を引用する場合は、出典「塾選ジャーナル調べ:『理学部卒業生の大学時代の学びの活用状況』についての調査」と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/34944/)へのリンク設置をお願いします。

執筆者プロフィール

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