【2026年度対応】共テ併用方式とは?仕組み・メリット・実施している私立大学を紹介
「私立大学を受験したいけれど、共通テスト併用型の入試方式を採用している大学はあるのだろうか?」そのような疑問を持つ受験生も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、共通テスト併用型(以下、共テ併用方式)を導入している私立大学は全国にあります。
この記事では、共テ併用方式を実施している有名私立大学の一覧に加え、入試方式の仕組みやメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。共通テストの得点を生かして私立大学に合格したい方は、ぜひ参考にしてください。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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共テ併用方式を導入している有名私立大学【2026年度対応】

ここでは、関東・関西の主要私立大学を中心に、共テ併用方式を導入している大学を例示します。
なお、大学・学部・学科や入試方式は年度によって変更されることがあるため、必ず最新の入学試験要項を自身で確認してください。
共テ併用方式を導入している有名私立大学【関東】
ここでは共テ併用方式を導入している関東の有名私立大学を紹介します。
| 大学名 | 実施している学部 | 偏差値目安 | 共通テスト目安 |
|---|---|---|---|
| 早稲田大学 ※ただし2025年度 |
政治経済学部、法学部、教育学部(C方式・D方式)、社会科学部、文化構想学部、文学部、人間科学部、スポーツ科学部、国際教養学部 | 60.0~70.0 | 80%~96% |
| 上智大学 ※ただし2025年度 |
全学部 | 57.5~70.0 | 74%~90% |
| 明治大学 ※ただし2025年度 |
経営・国際日本 | 60.0~62.5 | 85%~87% |
| 青山学院大学 | 文学部、教育人間科学部、総合文化政策学部、地球社会共生学部、国際政治経済学部、法学部、経済学部、経営学部、コミュニティ人間科学部、社会情報学部(共通テストを利用した個別学部日程) | 52.5~65.0 | 73%~85% |
| 中央大学 ※ただし2025年度 |
法学部・経済学部・国際経営学部・商学部・基幹理工学部・社会理工学部・先進理工学部・国際情報学部・総合政策学部 | 55.0~62.5 | 78%~85% |
| 日本大学 | 工学部(CA共通テスト併用方式) | 35.0~40.0 | 46%~50% |
| 成蹊大学 | 経済・経営・法・文・国際共創学部(P方式) | - | - |
| 獨協大学 | 全学部(全学科統一後期) | - | 62%~71% |
※ボーダーラインはあくまでも入試の難易度を表したものであり、各大学の教育内容や社会的位置づけを示したものではありません。
参考:2025年度入学試験要項|早稲田大学、2025年度入学試験要項|上智大学、2025年度入学試験要項|明治大学、2026年度入学者選抜概要|青山学院大学、2025年度入学試験要項|中央大学、2026年度 一般選抜 期日・科目|日本大学、共通テスト・独自併用 5科目型国公立併願アシスト入試(P方式)|成蹊大学、一般入試[全学科統一後期]|獨協大学
偏差値目安・共通テスト目安の引用:河合塾の大学入試情報サイト Kei-Net
共テ併用方式を導入している有名私立大学【関西】
ここでは共テ併用方式を導入している関西の有名私立大学を紹介します。
| 大学名 | 実施している学部 | 偏差値目安 | 共通テスト目安 |
|---|---|---|---|
| 関西大学 | 全学部 | 52.5~60.0 | 67%~86% |
| 関西学院大学 ※ただし2025年度 |
全学部 | 50.0~65.0 | 69%~95% |
| 立命館大学 ※ただし2025年度 |
全学部 | 50.0~67.5 | 71%~92% |
| 近畿大学 | 法学部、経済学部、経営学部、理工学部、建築学部、薬学部、文芸学部、総合社会学部、国際学部、情報学部、農学部、生物理工学部、工学部、産業理工学部 | 40.0~57.5 | 56%~80% |
| 甲南大学 | 文学部、法学部、経済学部、経営学部、マネジメント創造学部、フロンティアサイエンス学部、知能情報学部、理工学部 | 45.0~50.0 | 57%~78% |
| 龍谷大学 | 全学部 | 40.0~50.0 | 46%~77% |
※ボーダーラインはあくまでも入試の難易度を表したものであり、各大学の教育内容や社会的位置づけを示したものではありません。
出典:入試ガイド2026|関西大学、2025年度入学試験要項|関西学院大学、2025年度入学試験要項|立命館大学、2026年度入学試験要項|近畿大学、2026年度入学試験要項|甲南大学、2026年度入学試験要項|龍谷大学
偏差値目安・共通テスト目安の引用:河合塾の大学入試情報サイト Kei-Net
共テ併用方式が穴場になっている大学・学部
ここまで共テ併用方式を導入している私立大学を紹介してきましたが、実は共テ併用方式が穴場になっている大学・学部も存在します。倍率が比較的低く、共通テストで安定して得点できれば、合格の可能性が高まる大学もあります。
以下は、近年特に注目されている「共テ併用方式が狙い目」の有名大学・学部です。。掲載情報は2025年度入試結果に基づくものであり、必ず最新の入学試験要項を確認してください。
共テ併用方式が穴場の有名大学・学部
| 大学名 | 学部 | 受験形式 | 倍率 | 共通テスト目安 |
|---|---|---|---|---|
| 明治大学 | 国際日本学部国際日本学科 | 大学入学共通テスト併用型英語4技能試験活用方式 | 3.0 | 87% |
| 青山学院大学 | 文学部英米文学科・フランス文学科 | 一般選抜(個別学部日程A方式) | 2.6 | 79%~83% |
| 青山学院大学 | 経営学部マーケティング学科 | 一般選抜(個別学部日程B方式) | 1.9 | 73%~79% |
参考:2025年度学部別入学試験結果|明治大学、2026年度入学者選抜概要|青山学院大学
偏差値目安の引用:河合塾の大学入試情報サイト Kei-Net
そもそも「共テ併用方式」とは?

ここでは、共テ併用方式について解説します。共テ併用方式とは、大学入学共通テストの成績と、大学が独自に実施する試験(個別学力試験・小論文・面接など)の両方を利用して合否判定を行う入試方式のことです。
多くの私立大学で導入されており、大学や学部によっては
- 共通テストで利用できる科目が指定されている
- 共通テストと個別試験の配点比率が異なる
- 英語外部検定試験のスコアを加点できる
といったバリエーションがあります。
大学独自試験の形式もさまざまで、
- 個別科目試験(英語・国語・数学など)
- 総合問題
- 小論文
- 面接
など、大学ごとの特色が表れます。
共通テスト利用方式と共テ併用方式の違い
共通テスト利用方式と共テ併用方式の違いは、共通テストの成績をどのように扱うかにあります。
共通テスト利用方式(単独型)は、共通テストの成績のみで合否を判定する方式です。私立大学独自の試験は課されません。
これに対し、共テ併用方式は、共通テストの成績に加え、大学独自の試験(個別学力試験や小論文など)の結果も用いて合否を判定します。共通テストの得点が一定でも、個別試験の結果次第で合否が変わるのが特徴です。
このように、「共テ利用方式」が共通テストの点数一本勝負であるのに対し、「共テ併用方式」は共通テスト+大学独自試験の掛け合わせで評価される点が大きな違いです。
私立大学の共テ併用方式は「共通テスト+個別試験」で判定する
私立大学の共テ併用方式では、大学入学共通テストの得点と、大学独自の試験(個別学力試験など)の両方を合算または併用して合否を判定します。
判定方法は大学によって異なり、大きく次のようなパターンがあります。
| 判定方式 | 内容 | 特徴・メリット | 例 |
|---|---|---|---|
| ① 合計点方式 | 共通テストと大学独自試験の点数を合計して評価 | バランス型。どちらかが多少低くても、もう一方でカバーできる | 共通テスト400点+個別試験200点=計600点で判定 |
| ② 高得点科目方式 | 共通テスト・個別試験を含む複数科目の中から高得点科目を採用 | 得意科目を生かしやすい。苦手科目の影響を減らせる | 共通テスト5科目のうち高得点3科目+個別試験で評価 |
| ③ 共通テスト重視方式 | 共通テストの配点を高く設定し、個別試験を補足的に扱う | 国公立併願生向け。共通テスト得点が高い人が有利 | 共通テスト700点+個別試験100点など高比率設定 |
また、大学によっては以下のような独自の評価パターンを導入している場合もあります。
- 共通テスト+面接や小論文で評価する方式
- 共通テスト+英語外部検定スコアを加点対象にする方式
- 共通テストの特定科目のみ(例:英語・国語)を利用する方式
このように「共テ併用方式」といっても、大学ごとに配点・評価方法・科目指定が異なるのが特徴です。出願前には、必ず各大学の入試要項で配点や利用科目を確認しましょう。
私立大学の共テ併用方式を使うメリット

ここでは、共テ併用方式を利用することで得られるメリットを解説します。
得意科目の点数を効果的に使える
共テ併用方式の大きなメリットの一つは、共通テストで取った得点を私立大学の入試でも生かせる点です。
共通テストで安定した得点を取れていれば、大学独自試験が少し不安でも合格のチャンスを残せるのが特徴です。
例えば、共通テストで英語や国語の得点が高ければ、それらを共テ併用方式で活用することで、苦手科目をカバーできる可能性があります。つまり、自分の得意科目の得点が、そのまま合否に直結しやすくなるのです。
受験チャンスを増やせる
共テ併用方式を利用することで、単純に受験チャンスを増やせるという大きなメリットがあります。
共通テストの結果を利用できるため、同じスコアを使って複数の私立大学へ出願できるのが特徴です。
一般入試では大学ごとに個別試験を受ける必要がありますが、共テ併用方式を活用すれば、共通テスト+大学独自試験の組み合わせで効率的に併願できます。
これにより、出願できる大学・方式の選択肢が大きく広がります。
共通テスト受験後に出願できるところもあり、国公立併願と相性が良い
もし国公立大学を第一志望としている場合でも、共テ併用方式は非常に相性が良い入試方式です。
理由はシンプルで、共通テストの得点をそのまま私立大学の入試にも活用できるからです。
国公立大学を目指す受験生は共通テスト対策に多くの時間をかけるため、その努力を無駄にせず私立の併願校で生かせるのが大きなメリットといえます。
また、共通テスト受験後に出願できる私立大学も多いのが特徴です。そのため、自己採点結果を見てから出願校を決められるケースもあり、柔軟な出願戦略を立てることが可能です。
共テの方が高い配点比率の場合、有利に受験を進められる
共テ併用方式の中には、共通テストの配点が大学独自試験よりも高く設定されている私立大学もあります。このようなケースでは、共通テストで高得点を取っている受験生が、より有利に合否判定を進められる仕組みになっています。
例えば、
- 共通テスト:700点
- 大学独自試験:300点
というように、共通テストが7割を占める配点になっている大学では、共通テストで得点を稼いだ受験生が優位になります。
そのため、次のような戦略が立てられます。
- 共通テスト重視型の大学を狙う→ 共通テストで得点できた科目を強みに変える。
- 苦手科目を避ける受験設計をする→ 個別試験が1科目のみの場合、負担を減らしつつ出願可能。
- 共通テスト後の出願で上位校チャレンジをする→ 共テの点数を武器に、少し難易度の高い大学を追加出願できる。
つまり、共通テスト重視配点の私立大学を見極めることで、得点を最大限に生かす戦略的な出願が可能です。共通テストで好成績を取れた受験生ほど、この方式を上手に利用すれば合格可能性を広げられます。
私立大学の共テ併用方式のデメリット・注意点

共テ併用方式には多くのメリットがありますが、注意しておきたいデメリットや落とし穴も存在します。
ここでは、共テ併用方式を利用する際に知っておきたい注意点を解説します。
大学によって配点・評価方法が異なる
共テ併用方式では、大学や学部によって共通テストと大学独自試験の配点・評価方法が大きく異なります。同じ「併用方式」と呼ばれていても、どの科目をどの比率で使うか、どのように得点を合算するかは大学ごとにバラバラです。
大学によって評価の仕組みが異なるため、出願前には必ず各大学の入試要項・配点表・評価基準を確認しましょう。
特に「共通テストの比率が高いか・低いか」を見極めることが、戦略を立てるうえで非常に重要です。
出願条件・科目指定に注意
共テ併用方式を利用する際は、大学ごとに異なる出願条件や科目指定に注意が必要です。
「共通テストを受けていれば、どの大学にも出願できる」と思いがちですが、実際にはそうとは限りません。
大学ごとに細かな条件が設けられているため、せっかく共通テストを受けても、科目選択が合わずに出願できないケースもあります。
「どの科目が利用できるのか」「どのような基準を満たす必要があるのか」をきちんと入学試験要項で確認しておきましょう。
試験日・出願期間に注意
共テ併用方式を利用する際に注意したいのが、試験日程や出願期間の重複です。
共通テストの結果をもとに出願できる大学が多いため、出願期間が集中しやすく、スケジュールがタイトになりがちです。
特に、1月中旬の共通テスト実施後から2月上旬にかけては、複数の私立大学が同時期に出願・試験を行うケースが多く、「出願書類の準備が間に合わない」「受験日が重なって受けられない」といったトラブルも起こりやすくなります。
共テ併用方式で複数校に出願する場合は、各大学の出願開始・締切日や試験日・合格発表日
をあらかじめ一覧表などで整理し、スケジュールを見える化することが大切です。
配点比率次第では「共テ頼み」が裏目になることも
共テ併用方式では、大学ごとに共通テストと大学独自試験の配点比率が異なります。そのため、共通テストの得点だけに頼りすぎると不利になるケースもある点に注意が必要です。
そのため、出願前には必ず次の点をチェックしておきましょう。
- 共通テストと大学独自試験の配点比率
- どちらの得点がより重視されるか
- 過去の合格者平均得点率やボーダー
実際に共テ併用方式で合格した受験生の体験談

ここでは、共テ併用方式で私立大学合格を目指した受験生の実例を紹介します。
実際にどのように勉強し、どのような工夫で得点を伸ばしたのかを知ることで、自分の戦略づくりの参考になるはずです。
塾に通って英語力を強化
青山学院大学に合格した受験生の中には、塾に通うことで英語の成績を伸ばした人もいます。
高1から学習開始時の偏差値62の、青山学院大学に合格した受験生の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
ニックネーム:父親(50代)
特に英語は、共通テスト・大学独自試験のどちらでも配点が高く設定されることが多いため、早い段階からの学習習慣づくりと基礎反復が合格への近道になります。
判定にとらわれず地道に努力を重ねた
上智大学文学部に合格した受験生の中には、模試の偏差値や判定に一喜一憂せず、自分を信じて勉強を続けた人もいます。
高1から学習開始時の偏差値60の、上智大学文学部に合格した受験生の合格体験記には、以下のような記述があります。
ニックネーム:んまさん(生徒)
この体験談からは、判定結果よりも学びたい学問への情熱を優先した姿勢が伝わってきます。特に、国語(現代文・古文・漢文)を毎日継続して学び、基礎力を磨き続けたことが、共テ併用方式での合格につながったといえます。
まとめ 共テ併用方式を利用して、私立大学の出願チャンスを広げよう

共テ併用方式は、共通テストの得点と大学独自試験を組み合わせて合否を判定する入試方式です。
共通テストの結果を生かしながら、私立大学の受験チャンスを増やせる点が大きな魅力といえます。
特に、
- 共通テストで得意科目の得点を伸ばせた人
- 国公立大学を第一志望にしている人
- 出願の選択肢を広げたい人
にとって、共テ併用方式は合格の可能性を広げる有効な戦略になります。
一方で、大学によって配点や評価方法、出願条件が異なるため、事前に入試要項を確認し、自分に有利な方式を見極めることが大切です。
共テ併用方式を上手に活用すれば、「共通テストでの努力を最大限に生かしながら、私立大学の合格チャンスを広げる」ことができます。自分の得点と志望校の特徴を照らし合わせて、戦略的な出願計画を立てていきましょう。
執筆者プロフィール
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