オルタナティブ教育とは?学校教育との違い・種類・進学や学費・メリットとデメリットを解説
「うちの子、このまま今の学校で大丈夫なのかな?」
「学校で居場所を見つけられていないようで心配…」
そんな不安を抱える保護者は少なくありません。画一的な授業や受験中心の学校教育に違和感を覚え、子どもが学校になじめず悩むケースも増えています。そこで注目されているのがオルタナティブ教育です。
オルタナティブ教育は、従来の学校教育にとらわれず、子どもの自主性や特性を尊重する学びのスタイルで、モンテッソーリやシュタイナー、フリースクールなど多様な実践があります。
一方で「本当にうちの子に合うの?」「進学に不利はないの?」と不安に思う方も少なくありません。本記事では、オルタナティブ教育の基本や学校教育との違い、日本での事例や種類、メリット・デメリット、文部科学省の見解までをわかりやすく解説します。
編集部
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オルタナティブ教育とは?

オルタナティブ教育とは、学校教育ならではの一斉授業や、学習指導要領に沿ったカリキュラムにとらわれず、子ども一人ひとりの興味や個性に合わせて学びを進める教育、その総称です。
理念や学習スタイルの違いでいくつか種類があり(種類については後述)、従来の学校教育に代わる「もう一つの学びの選択肢」といえます。
オルタナティブ教育が注目される背景
オルタナティブ教育が注目される背景には、不登校の増加と多様性を尊重する社会の広がりがあります。
文部科学省の調査によると、2023年度の不登校児童生徒は小中学校で約34万人と過去最多を記録しました。
引用:文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
こうした状況を背景に、「学校に合わない=学べない」ではなく、「学び方を選べる」社会への転換が進んでいます。
またAI技術やグローバル化が広がる中で、暗記よりも自分で考え、協働して課題を解決する力が重視されるようになりました。その中で、子どもの個性を大切にできる学びの場として、オルタナティブ教育に関心が集まっています。
文部科学省による制度上の位置づけ
文部科学省は、オルタナティブ教育を「学校教育法上の学校」として位置づけていません。しかし近年は、多様な学びの場としての社会的意義を認める方向に進んでいます。
2023年に公表された「不登校児童生徒への支援について」では、フリースクールやオルタナティブスクールを「学校外の学びの場」として明記。一定の条件を満たす場合、在籍校での出席扱いにできる制度づくりを各自治体に促しています。
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援について」
オルタナティブ教育の種類と学校教育との違い
オルタナティブ教育には、例えば、以下のようなタイプ・種類があります。

そして具体的には、以下のような学校があります。
<オルタナティブ教育の主な学校(一部抜粋)>
| 理念のタイプ | 学校名 | 所在地(主な拠点) | 主な対象学年 | 大まかな特徴 |
|---|---|---|---|---|
| シュタイナー教育 | 学校法人 シュタイナー学園 | 神奈川県相模原市(藤野) | 幼・小・中・高一貫 | 全科目に芸術的な手法が織り込まれ、子どもの成長に合わせた学習 |
| デモクラティック | 東京サドベリースクール | 東京都世田谷区 | 5歳~20歳 | 生徒とスタッフで共に作成した価値観を重視。市民教育と人格形成が柱 |
| 探究学習 | 軽井沢風越学園 | 長野県軽井沢町 | 幼・小・中一貫 | 遊びと探究を軸とした、新しい幼小中一貫教育 |
| デモクラティック | きのくに子どもの村学園 | 和歌山県橋本市 他 | 小・中・高一貫 | プロジェクト学習と共同生活を重視する全寮制の学び |
| シュタイナー教育 | 京田辺シュタイナー学校 | 京都府京田辺市 | 幼・小・中・高一貫 | 関西地方における芸術的なシュタイナー教育の実践 |
| モンテッソーリ | 東京モンテッソーリスクール | 東京都港区 | 幼児~中学部 | 年齢と学習の発達段階に 合った範囲から自由に選んで学習。子どもの自立を促す |
| 探究学習 | ワオ高等学校 | オンライン/ 全国 | 高校 | 探究学習を核とし、哲学・科学・経済などをオンラインで深く学ぶ |
| デモクラティック | デモクラティックスクール まっくろくろすけ | 兵庫県市川町 | 4歳~18歳 | 自分の力で学び、育つことを重視。一人ひとりが自分のペースで興味を探究する |
| 地域連携型 | 南アルプス子どもの村小学校 | 山梨県南アルプス市 | 小・中一貫 | 自己決定、個性尊重、体験学習と、子どもたちの自己決定権を何より重んじる |
| フリースクール | 東京コミュニティスクール (TCS) | 東京都中野区 | 小学校 | 探究学習をベースに、好奇心を起点とした、少人数・異年齢による学びを実践 |
参照:各校のHPを参照し作成
学校教育が「何を・どの順に教えるか」を国家基準で定めているのに対し、オルタナティブ教育では、「子どもがどのような環境で、どう学ぶか」が重視されます。
授業は座学よりも、体験学習・対話・プロジェクト型の活動が顕著で、学年の枠を超えた交流や共同学習も多く見られます。
オルタナティブ教育と学校教育の違い
日本の学校教育では、文部科学省が定める学習指導要領に基づいて全国共通の内容を教えています。目的は「知識と技能の習得」で、同じ年齢の子どもが同じ教科を同じペースで学ぶのが基本です。
一方でオルタナティブ教育の目的は「どう学ぶか?」を重視します。教師や大人は、知識を教える存在ではなく、子どもの主体的な興味や発見を支える“伴走者”です。
<学校教育とオルタナティブ教育の違い>
| 教育の種類 | 教育の目的 | 学びの中心 | 評価方法 | 教師・大人の役割 | 向いている子ども像 |
|---|---|---|---|---|---|
| 学校教育 | 知識・技能の習得 | 教科書に基づく一斉授業 | テスト・成績中心 | 教える立場 | 集団学習が得意な子 |
| モンテッソーリ教育 | 自立心・集中力の育成 | 生活の中の体験・観察・教具を使った活動 | プロセス重視(自己評価) | 子どもの成長を見守る伴走者 | 自分のペースでコツコツ取り組むのが好きな子 |
| シュタイナー教育 | 感性と創造性の調和 | 芸術・リズム・感情表現を重視 | 内面的成長・過程の重視 | 芸術的体験を支える導き手 | 想像力が豊かで感受性の高い子 |
| フリースクール/ホームスクーリング | 自主性・安心感の育成 | 子どもの興味・対話・体験 | 学習成果よりも過程や意欲を尊重 | 子どもに寄り添う支援者 | 集団学習・集団生活が苦手で、のびのび学びたい子 |
| デモクラティック・スクール | 自己決定・自治・社会性の育成 | 子どもの意思・ミーティング・共同体験 | 自己評価・仲間との対話による内省 | 対等な関係でのファシリテーター | 自由な環境で主体的に学びたい子、話し合いが好きな子 |
オルタナティブ教育はいずれも、「子どもを一人の人格として尊重する」という理念が共通しています。
オルタナティブ教育のメリットとデメリット

オルタナティブ教育には、子どもの個性を伸ばせるという大きな魅力がある一方で、制度的な課題や費用面のハードルも存在します。
メリット:個性尊重/居場所の確保/選択肢の拡大
オルタナティブ教育の最大の魅力は、子どもの個性や興味を尊重した学びができる点にあります。
一斉授業や評価基準にとらわれず、子どもが自分のペースで学ぶため、「得意なことを伸ばす」「苦手を克服する」など、学びの自己調整力が自然と育ちます。また学校になじめない・集団が苦手といった子どもにとっては、心理的に安心できる“居場所”として機能することも大きなメリットです。少人数制で、教師が“伴走者”として寄り添うため、自己肯定感が高まりやすい傾向があります。
さらに、モンテッソーリ教育や探究型の教育理念を通じて、 自ら課題を見つけ、考え、表現する力(=探究力・主体性)が育まれます。こうした力は、AI時代の社会で求められる非認知能力(協働性・創造性・柔軟性)として注目されています。
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デメリット:学費/手続き/社会的理解の不足
オルタナティブ教育には多くの魅力がある一方で、現実的な課題も存在します。
最も大きいのは学費の負担です。小中学校段階では公立校と異なり、数十万、学校によっては数百万の費用がかかることもあります。高校段階でも、通信制高校とサポート校を併用する場合、年間60万〜150万円程度かかるケースもあり、家庭によっては経済的な負担が課題です。
次に問題となるのが卒業資格の扱いです。小中学校のオルタナティブスクールは「学校教育法上の学校」ではないため、在籍校に籍を置いたままの学習になります。
さらに、社会的な理解や制度整備の遅れも課題です。「普通の学校と違う」「進学に不利なのでは」といった誤解が依然として残っています。
ただし近年は、文部科学省も「多様な学びの支援」を推進しており、出席扱い制度や支援金制度など、改善の動きが少しずつ広がっています。
オルタナティブ教育の進学・将来への影響

「オルタナティブ教育を選んでも、進学や将来に影響はないの?」
これは多くの保護者が抱く最大の関心事です。進路・評価・資格の3つの観点から、わかりやすく整理します。
高校・大学進学の選択肢
中学校の過程でオルタナティブ教育を選んでも、高校・大学への進学は可能です。
高校進学の選択肢
中学校の段階でオルタナティブ教育を受けた場合、進路は通信制高校や私立高校が中心になります。
通信制高校は全国に約300校あり、登校日数や学習内容を吟味した選択が可能です。フリースクールやオルタナティブスクールと連携し、在籍しながら高校卒業資格を取得できる制度を持つ学校も増えています。
また少人数制や探究型学習を重視する私立高校では、個性を前向きに評価する推薦入試を実施しているケースもあります。
一般的な公立高校への進学については、入試は学力試験と内申点を中心に判定されるため、出席日数や成績の記録がない場合は不利になることがあります。ただし東京都の「チャレンジスクール」のように、多様な学びや活動経験を評価する入試制度を導入する自治体も増えています。
参照:東京都教育委員会「チャレンジスクール・エンカレッジスクール」
大学進学の選択肢
知識偏重の一般入試だけでなく、AO入試や総合型選抜で、「主体的な学び」「社会課題への探究」などを評価する大学が増えています。オルタナティブ教育で培った自己表現力・プレゼン能力・探究心を生かすことも可能です。
卒業資格・キャリア形成へのつながり
オルタナティブ教育の多くは、卒業しても学歴として正式な資格にはなりません。しかし一定の条件を満たすことで、在籍する中学校や高校の出席扱いにできるケースや、通信制高校との連携により正式な卒業資格を取得できる制度が整いつつあります。
参照:文部科学省「不登校児童生徒への支援について」
神奈川県や東京都では、オルタナティブスクールと通信制高校が協定を結び、学習成果を単位として認定する仕組みを導入している学校もあります。こうした制度を活用すれば、オルタナティブ教育で学びながらも、高校卒業資格(高卒認定)を取得し、大学進学や就職へと進むことが可能です。
キャリア形成の面では、大学・企業ともに「多様な学び」や「探究経験」を重視する傾向が強まっています。大学の「総合型選抜(旧AO入試)」や、企業の「ダイバーシティ採用」では、学力以上に主体性・創造性・課題解決力を評価する傾向があり、オルタナティブな学びが生かせます。
オルタナティブ教育に通う場合の制度・手続き

オルタナティブ教育に関心を持ったとき、多くの保護者が悩むのが「制度面の不安」です。
「学籍はどうなるの?」「出席扱いになる?」「どこに相談すればいいの?」など、いざ子どもを通わせるとなれば、手続きや制度の理解が欠かせません。
学籍と出席扱い制度
オルタナティブ教育を実践する学校に通う場合、学籍は在籍している小学校・中学校・高校に残るのが原則です。特に義務教育期間中は「学校教育法」に基づく学校に、すべての児童・生徒の学籍があります。
一方で、文部科学省は2023年にフリースクールやオルタナティブスクールでの学習を“出席扱い”とできる条件を明確化しました。条件は次の3つです。
- 在籍校の校長が教育的効果を認めていること
- フリースクールなどでの学習内容・成果が報告されていること
- 保護者と学校との間で連携が取れていること
この制度を活用すれば、オルタナティブスクールでの学びが、出席扱いとして認められるケースがあります。全国でフリースクールなどを通じて出席扱いを受けている児童生徒は年々増えており、教育委員会も柔軟な運用を進めています。
参照:文部科学省「不登校児童生徒への支援について」「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果の成績評価に係る法令改正について」
届出と相談する場所
オルタナティブ教育を検討する際は、まず在籍している学校(担任や校長)への相談が第一歩です。出席扱いや学籍維持の可否は、校長の判断によって決まるためです。
次に、地域の教育委員会や教育支援センター(適応指導教室)も相談先となります。これらの機関では、制度や補助金、出席扱いの申請手順などを案内してもらえます。
またオルタナティブスクールやフリースクールに直接問い合わせ、見学や面談を経て学習計画を共有することも重要です。

学校・家庭・学びの場の三者が協力し、継続的な連携を取ることがスムーズな運営につながります。
地域による違いと注意点
地方自治体では出席扱いの判断や相談窓口が限定的な場合もあり、支援の有無や手続き方法が統一されていません。入学前に必ず地域の教育委員会や在籍校に確認し、支援制度や連携実績を把握しておくと安心です。
オルタナティブ教育にかかる費用はどれくらい?

オルタナティブ教育を検討するうえで、最も現実的な関心事の一つが「費用」です。実際に通う際に必要となるお金の目安を整理します。
学校のタイプ・学年別の学費相場
オルタナティブ教育の学費は、学校のタイプや学年によって大きく異なります。
小学生の場合
小学生がオルタナティブスクールに通う場合、学費は施設のタイプや提供される教育プログラムで大きな差があります。
<小学生向けオルタナティブスクールの学費目安(年間)>
| タイプ | 主な特徴 | 年間学費の目安 | 費用の内訳・ ポイント |
|---|---|---|---|
| ・居場所提供型 ・フリースクール系 |
不登校の子どもの居場所づくりや自主学習の支援が中心。 自由度が高く、少人数で家庭的 |
・4万〜60万円 | ・入会金:数万円 ・教材費:実費程度 通学日数や学習内容で変動し、低コストに抑えることも可能 文科省調査による平均月額:約33,000円(義務教育段階の民間施設) |
| ・モンテッソーリ ・シュタイナー |
独自の教育理念に基づき、専門教具や芸術・創造的活動を重視。 教育の質や設備にコストがかかる |
・80万〜250万円 | ・授業料と入学金:数十万円 ・ほか整備維持費 学校によっては200万円を超えることも |
一部参照:文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」を一部参照し作成。
中学生の場合
中学生がオルタナティブスクールに通う場合も、学費は施設のタイプや提供されるサービス内容で大きく変わります。年間の目安は40万〜150万円です。
<中学生向けオルタナティブスクールの学費目安(年間)>
| タイプ | 主な特徴 | 年間学費の目安 | 内訳・ポイント |
|---|---|---|---|
| ・居場所提供型 ・フリースクール系 |
不登校の中学生の居場所づくりや、個々のペースに合わせた学習支援が中心。 家庭的な雰囲気で、通学日数を柔軟に選べる |
・約40万〜70万円 |
・入学金:1〜10万円 文科省調査による平均月額:約33,000円 |
| ・デモクラティック ・シュタイナー |
独自の教育理念やカリキュラムを採用し、自由な学びや専門分野に特化。 教育の質や指導者の専門性に応じて費用が高め |
・約60万〜150万円 |
・基本授業料/入学金/教材費 ・デモクラティック系:約50〜70万円 |
一部参照:文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」を一部参照し作成。
高校生の場合
高校生がオルタナティブな学びの場を利用する場合、その形態によって学費の目安は大きく異なり、年間で約40万~200万円以上と幅があります。
<高校生のオルタナティブな学びにかかる費用目安(年間)>
| 施設タイプ | 年間学費の目安 | 該当する学校例 | 費用の内訳・ポイント |
|---|---|---|---|
| 公立通信制高校 | 約3万〜6万円 | ・東京都立一橋高等学 ・大阪府立桃谷高等学校 ・広島市立広島みらい創生高等学校 |
授業料は1単位あたり数百円で、非常に安価。 サポートは最低限で、自宅での自学自習が基本 |
| 私立通信制高校 | 約20万〜80万円 | ・ルネサンス高等学校 ・代々木高等学校 ・クラーク記念国際高等学校 |
ネット学習中心のコースだと低額傾向。 就学支援金の適用で実質負担を大きく軽減できる。 サポートや専門コースの有無で費用差が出る |
| オルタナティブ教育のサポート校 | 約50万〜100万円 | ・学研WILL学園 ・トライ式高等学院 ・青楓館高等学院 |
サポート校の費用のみの目安。 別途、提携する通信制高校の学費(年間数万円〜数十万円)が加算される |
| オルタナティブ教育を主とする私立高校 | 約80万〜150万円 | ・N高等学校 ・S高等学校 ・ワオ高等学校 ・横浜シュタイナー学園 |
授業料、施設費、専門的な教材費などが含まれる。 私立通信制高校の枠組みで、高等学校等就学支援金が適用可能 |
参照:各校のHPを参照し作成
「高校卒業資格の取得」が必要なため、「通信制高校の学費」と「オルタナティブ教育を提供する施設の費用(サポート校など)」で、学費が二重構造になることもあります。
補助金や支援制度
オルタナティブ教育は基本的に「学校教育法上の学校」ではないため、公立学校のような授業料無償制度は原則対象外です。ただし各自治体や国の制度によって、一定の経済的支援を受けられる場合があります。
まず高校段階では、「高等学校等就学支援金制度」を利用できます。通信制高校でも文部科学省の認可校であれば、補助が受けられます。
小中学校の段階では、一部自治体がフリースクールなどへの通学費や利用料の一部補助を行う制度を導入しています。例えば神奈川県や千葉県松戸市などでは、月額上限1万〜2万円の補助が支給されるケースがあります。
参照:松戸市教育委員会「松戸市フリースクール等利用児童生徒支援補助金について」/神奈川県「フリースクール等に通う子どもへの支援」
制度の利用を検討する際は、自治体・教育委員会・在籍校の3者に確認・相談をしましょう。
オルタナティブ教育についてよくある質問

オルタナティブ教育を検討する際、保護者からよく寄せられる疑問をまとめました。「フリースクールとの違い」「卒業資格」「不登校との関係」「公的支援」など、実際に通う前に押さえておきたいポイントを整理します。
オルタナティブ教育の学校は日本にどれくらいありますか?
オルタナティブ教育を行う施設の正確な総数は不明ですが、学校以外の学びの場所は全国に500か所以上あるといわれています。近年は不登校者数の増加に伴い、学校教育以外の選択肢として、オルタナティブ教育の学校は増加傾向にあります。
参照:文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」をもとに考察。
フリースクールとの違いは?
オルタナティブ教育は「子どもの主体性を尊重する教育の総称」であり、フリースクールはその一形態です。フリースクールは、不登校の子どもが安心して学べる“居場所”の役割を持ち、教科学習よりも自分のペースを重視します。
不登校の子でも通える?
通えます。オルタナティブスクールやフリースクールの多くは、不登校の子どもを受け入れることを目的の一つにしています。一斉授業がないため、登校日数や学習ペースを柔軟に設定でき、社会的なつながりを取り戻すサポートも行われます。
まとめ オルタナティブ教育を選んでも子どもの未来は開かれている

オルタナティブ教育は、「学校に通えない子どものための特別な場」ではなく、一人ひとりの個性に合った学び方を選べる新しい教育の形です。
進学や将来に向けた制度も少しずつ整い、通信制高校や総合型選抜などを通じて次のステップへ進む選択肢も増えてきています。
オルタナティブ教育という選択を検討する保護者にとって、大切なのは「どの学校に通うか」よりも、子どもが自分らしく学び、成長できる環境を見つけること。「学校教育」以外の選択肢を知ることは、子どもの未来をよりよくするための、価値ある検討材料になるはずです。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。