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倍率4.17の難関・横浜市立南高等学校附属中に合格!伴走に徹したシングルマザーの挑戦|親たちの中学受験体験記 Vol.16

更新日:
中学受験
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息子には、自分の進みたい道を自由に選べるようになってほしい。その願いを胸に、わが子に難関中学を受験させようと決意した母。勉強への意欲に波がある息子を前に、焦りながらも寄り添い続けました。

無理に勉強を強いるのではなく、生活リズムを整え、気持ちを支える日々。その試行錯誤の積み重ねが、やがて息子に“最後までやり切る力”を育てていきます。倍率4.17倍の難関を繰り上げ合格という結果で乗り越えた、親子の歩みをご紹介します。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

目的や性格について回答するだけ!簡単10秒!ぴったりの塾を診断

目次

【保護者プロフィール】

お名前 原田 真穂(仮名)
お住まい 神奈川県三浦市
年齢 34歳
職業 会社員
性格 決めたことはやり遂げる、意思の強いタフな性格。
家族構成 祖母、長男(中学2年生)、長女(中学1年生)

【中学受験を行った子どものプロフィール】

子どもの名前 原田 友(仮名)
性別 男子
現在通っている学校名 横浜市立南高等学校附属中学校
現在の学年 中学2年生
受験期に通っていた塾 啓館明
得意科目 算数
苦手科目 理科
性格 人見知りで内向的だが、慣れると明るく話せる。
偏差値 通塾開始時の偏差値:50程度
受験本番直前の偏差値:60程度
受験結果 横浜市立南高等学校附属中学校 合格(第一志望)
鎌倉学園中学校 合格
関東学院中学校 合格
佐久長聖中学校 合格

自分の道を思うように選んでほしい。そう思い、中学受験を決意

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―最初に、お子さんの中学受験を決めた理由やきっかけについて聞かせてください。

私は息子が幼稚園のとき、シングルマザーになりました。1人で子どもを育てることになったとき、「ちゃんと学校に通って、選択肢を広げておけば良かったな…」と痛感したんです。だからこそ、息子には早くから勉強を頑張ってもらって、自分の進みたい道を自由に選べるようにしてあげたいと思ったんです。

そうした経緯もあって、地元の公立中学校ではできない経験を、私立中学校でなら得られることに魅力を感じました。充実した環境の中で、息子には可能性を広げてもらいたいと思って中学受験を決めました。

―シングルマザーとして子育てをしながら、中学受験への挑戦は大きな決断だったと思います。受験校・志望校はどう選びましたか?

将来の選択肢や環境の質を考えて、できるだけ学力レベルの高い学校を目指そうと思いました。最初に塾のテストに申し込んで、息子の実力を把握するところから始めました。

同時に私立・公立を問わず家から通える学校を調べ、横浜市立南高等学校附属中学校の存在を知りました。中高一貫校として手厚い学習プログラムがありながらも、公立なので学費が抑えられる点も魅力でした。

最後、決め手になったのは校風。横浜市立南高等学校附属中学校の学校説明会に参加した際、校内がきれいで、先生や生徒の印象もよかったんです。在校生が元気に挨拶をしてくれて、雰囲気は穏やかで、息子も感じるところがあったようでした。

―中高一貫校であることも重視しましたか?

重視しました。中学生になると反抗期が始まり、親の話を聞かなくなってしまう子も多いと聞きます。多感な時期に授業と部活があって、高校受験のための塾にも通うとなると、親も子もしんどいだろうなと。だから親の言うことに耳を傾けてくれる小学生のうちに、一緒に受験を頑張る道を選びました

―志望校を決めるとき、ほかの学校説明会や学校見学にも参加されましたか?

はい、学校説明会は全部で4校に行きました。学校の雰囲気や校舎の様子を肌で感じることができるので、足を運ぶことはやっぱり大事だと思いました。

ただ息子が5~6年のときは塾が忙しくて、なかなか連れて行く機会をつくれなかったのが心残りです。もっと足を運んで、中学校生活をよりリアルにイメージできていたら、モチベーションも上がって、もっと自発的に頑張れたんじゃないかと。

息子にやる気を出させるためにも、文化祭などにもっと連れて行けばよかったと、そういう気持ちはありますね。

\志望校・受験校選びで意識したポイント/

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本腰が入らない息子と向き合う日々は、試行錯誤の連続

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―ここからは、受験勉強の話を聞かせてください。通塾開始は小3の冬からですね。家庭学習の習慣化も同時期に始まったのでしょうか。

通塾を始めるまで、家での勉強は学校の宿題だけでした。通い始めてからは塾でも宿題が出るので、自然と家庭学習も習慣化していきました。

―通塾して学力面ではどのような変化がありましたか?

苦手科目の理科は、力が入らなかったようであまり伸びませんでしたが、算数は伸びて、受験本番の頃には得意科目になっていました。必ず答えが出るところが面白かったようで、積極的に取り組めたのがよかったようです。

国語と社会は平均点ぐらい。社会は歴史が得意で地理が苦手。単元で意欲に差がありました。息子の場合、好き・嫌いが勉強時間に比例するので、成績の伸びも費やした勉強時間に比例していました。

―好きな科目・単元だと勉強が苦にならず、苦手な科目は避けがちということですね。

苦手な科目は勉強したフリをしていたり、宿題や自習に取り組むまで時間がかかることが多かったです。理科は特に本腰が入らなくて、「ただテキストを読むだけでもいいからやってみたら」と声をかけたり。目を通すだけでも理解できる単元は増えたので、声がけしてよかったなと思います

―科目や単元によって学習意欲に波がある点が、一番苦労したところだったんですね。

5年生頃まで「言えばやる、言わなきゃやらない」という感じはありました。塾も気が乗らないと「今日は行きたくない」とギリギリまで渋ったり、泣いて車から降りない日もありました。

今思えば、お互いに初めての受験でピリピリしていました。勉強を「やりたくない子ども」と「やってほしい母」。このかみ合わない気持ちをどうしたらいいんだろう?と悩むことは何度もありました。何もかもが試行錯誤の日々だったと思います。

―お子さんが「塾に行きたくない」と言ったときは、どう対処されていましたか?

具合が悪いときは、もちろん休ませていました。でも気持ちの問題だと感じたときは「1日行かなかったことで、わからなくなっちゃうよ」「とりあえず行って、具合悪かったら帰ってきな」と送り出しました。いざ塾に行けば、案外大丈夫だったりするんですよね。

授業内容が濃くなる5~6年生の頃は1日1日が勝負で、進度が遅れるとますます行くのが億劫になります。何より、休むクセがつくのを避けたかったんです

―スランプというか、やる気が落ちたりする時期はありましたか?

塾の授業数が増えて、塾と学校の宿題で多忙を極めた6年生の1学期頃にありました。睡眠不足が続いて、授業中に眠くなり、明らかに勉強に集中できていないようでした。

バイオリズムでいうと、3~4年生の頃は「勉強しなきゃ」という自覚が薄く、5年生ぐらいでやる気が芽生えてきて、6年生の1学期にガクッと落ちた。6年生の夏期講習で持ち直して、そこで本気モードに入った感じでした。

―中学受験は本当に長期戦ですね。モチベーションを保つのがいかに大変かと改めて感じました。

本当にそうです。息子はゲームが好きなんですが、今はオンラインで友だちとゲームができる時代です。「ほかの子たちはゲームして一緒に遊んでいるのに、自分だけできない」とフラストレーションを感じているときもありました。

もともとゲームをしていい時間はあって、「宿題が多いときはゲームの時間を減らす」「課題が終わったらゲームをやっていい」など、ルールを調整しながら対応していました。最後は息子のほうが悟りの境地にたどり着いて、「受験が終わったらゲームをたくさんする」ことを目標に、勉強を頑張っていましたね。

―ゲームに関して約束をつくるのはよい方法ですね。睡眠時間を削るほど忙しかった時期は、ゲームも含め、どう生活をサポートしていましたか?

睡眠と食事は、特に気を配りました。塾がある日は夕飯にお弁当を持たせて、

塾でご飯→帰宅→お風呂→勉強→ゲーム→寝る

というのが基本サイクル。ゲームは、勉強が終わってから決められた就寝時間までならしていいとルールを決めて、睡眠時間を確保していました。食事については、栄養面はもちろん、息子が好きな献立を入れることを意識していました。

「特別なことを」と言うよりは、「基本の生活スタイルを崩さない」ことを心がけていましたね。

\やる気にムラがある子どもと向き合うポイント/

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資料読解に作文演習。公立中高一貫校ならではの受験準備

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―息子さんは内向的な性格とのこと。塾=新しいコミュニティに入ることに抵抗は示しませんでしたか?

最初のうちは「友だちはできないけど、勉強のために行っているから別にいい」みたいなことを言っていました。打ち解けるのに時間がかかる子なので、遊びではなく、勉強をしに行くという目的がはっきりしていて、気が楽だったのかもしれません。


塾の先生も息子の性格を「自分から質問はしづらいだろうな」と見越して、積極的に声をかけてくれたのがありがたかったです。先生は科目ごとに分かれますが、それとは別にケアしてくれる先生もいて、受験が終わるまでお世話になりました。

息子のやる気が落ちたとき、自信をなくしかけていたときにも、先生がキャッチアップして寄り添ってくれました。息子への対応について、私の相談に乗っていただいたこともあって、手厚いサポートには本当に感謝しています。

―学習面ではどんなサポートがありましたか? また効果的だった取り組みがあれば教えてください。

生徒一人ひとりに目を配り、それぞれに合った勉強法を実践してくれる塾だったので、学習面は安心してお任せしていました。「とにかく問題を解く」「わからないことはそのままにしない」というわかりやすいアドバイスが、学力アップにつながったと思います

わからない問題があれば、授業の前後に理解するまで教えてくれて、覚えやすい暗記方法なども教えてもらっていました。

―公立受験ならではの対策の難しさはありましたか?

公立受験は、普通の国算理社の科目テストではなく、「適性検査」という名のもと資料を読み取りながら要約・作文、回答する点が独特です。

知識の暗記だけで答えられる問題ではなく、与えられた資料を読み解く読解力と、論理的に考える考察力、そして文章で表現する力が問われる点が難しいと感じました

塾ではひたすら資料を読み取り、作文演習に取り組む「公立中高一貫コース」があって、そこで対策していました。

―学校の成績表も評価対象でしたか?

学校の成績表も、調査書として評価対象になります。息子の場合、学校の成績で心配な点はありませんでした。運動会の応援団長などもしていたので、そういうところも評価になったかもしれません。

―公立受験に取り組むうえで「やっておけば良かった」と思うことはありますか?

「小さい頃からもっと本を読む習慣をつけておけば良かった」とは思いましたね。

適性検査に限らず、「いかに早く、正しく問題の文章を早く読み取るか」が大事ということに、あとから気がつきました。読書の習慣があれば、読解力や語彙力がどんどん養われます。

中学受験を考えている保護者には、早い時期から本を読ませることはぜひおすすめしたいです

―小さい頃から本を読んでこなかったことへのリカバリーのために、工夫したことはありますか?

「今からでも本を読みなよ」と、軽く読めて面白そうな本を渡したりはしたんですけど、本人が興味を示さなくて、うまくいきませんでした。その代わり、塾のテストや過去問をたくさん受けることでリカバリーした感じです。

―塾を上手にご活用された印象です。夏期講習の後に本気モードに切り替わったというお話がありましたが、モチベーションによい作用はありましたか?

いい効果があったと思います。夏期講習の前などの節目には「みんなで頑張ろう!」という決起集会のような集まりがあるんです。そこで気持ちが鼓舞されたり、受験対策用の赤本を見ながら「志望校の判定がどれくらいか」を生徒同士で話したり。仲間の盛り上がりに触発されて「自分も頑張らなきゃ!」と思うことが多かったようでした。

学校の同じクラスで、通っている塾は違いますが、同じ横浜市立南高等学校附属中学校を目指している子がいて、「お互いに頑張ろう」と声をかけ合えたのも励みになっていましたね。

子ども同士で情報を交換したり、切磋琢磨できる環境が、本気になるきっかけになるんだなと思います

\ 受験対策のポイント/

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最後まで諦めない力を育てた合格までの道のり。受験を終えて思うこと

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―小3冬からスタートし、まさに親子で取り組んだ中学受験生活でしたね。お母様が勉強を見てあげることもあったのでしょうか。

塾に行き始めた小3の頃は主体的に勉強することに慣れていないので、一緒に塾の宿題を解くようにしていました。塾の先生からアドバイスをもらって、「こういう風にやればいいんだって」と自宅で解き方を教える感じです。

「何時までやる」と時間で決めるのではなく、「ここまでやろう」という区切りを意識しながら、同時に最低限のことは必ずやると決めていました

自主的に取り組んでほしかったので、慣れてきてからは本人のペースで進めてもらいました。「ちゃんと勉強してる?」と声をかけたいけど、我慢することも多々あって。

勉強しているそばで私や妹が遊んでいるのは嫌だろうと、別の部屋で過ごすなど、邪魔をしないよう気を付けていましたね。

―ご家庭では自室ではなくリビングなどで勉強していましたか?

勉強する場所は決めてなくて、リビングか、集中したいときは誰もいない私の寝室で勉強することも。家で集中できないときは、塾の自習室も活用しました。6年生の後半は自習室に行くことが多かったです。

「塾の自習室を使ってくれれば、様子を見ておきますよ」と先生が言ってくれたので、自習室は積極的に活用しました。褒められて伸びる子なので、「先生が褒めてくれるから頑張る」と励みになっていたと思います。

―塾の先生からのアドバイスで、他にお母様の心に残っていることはありますか?

「早く寝る」「勉強の時間が足りないときは、少しでいいから学校に行く前に勉強する」など、隙間時間を生かすことですね。短い時間でも効果があるんだと、発見でした。

―入試本番の日程の組み方や受験校も、塾の先生と相談して決めましたか?

本命以外の受験校を選ぶ時は相談に乗ってもらいましたが、日程を戦略的に組んだということはありません。しいて言えば、2月3日が横浜市立南高等学校附属中学校の試験日と決まっていたので、試験慣れするために受ける学校(佐久長聖中学校)を1月に受験したことくらい。

あとは、公立中高一貫校は倍率(※)が高く、厳しい戦いになると言われていたので、その前に第二志望の鎌倉学園に合格できれば気持ちに余裕が持てるかな、とは思っていました。

※令和6年度の同校の入試競争率は4.17倍
参照:横浜市立南高等学校附属中学校「入学者の募集に係る集計結果

―高倍率を勝ち抜き、見事第一志望の横浜市立南高等学校附属中学校に合格したわけですが、本番当日の息子さんのご様子はいかがでしたか。

落ち着いていました。それまでに模試を毎日のように受けていたのでテスト慣れしていたのがよかったのだと思います。私の方はものすごく緊張していたので、その気持ちが息子に影響しないよう、いつも通りを心がけました。

―合格したときは、お母様も息子さんもほっとしたでしょうね。

実は最初は不合格だったんです。その後、繰り上げ合格になりました。一時は鎌倉学園に行く気になっていたのですが、数時間後に電話が鳴って「繰り上げ合格です」と。私も息子もかなりびっくりしましたが、本当にうれしかったです。

この難関を突破できたのは、息子も私も、できる限りのことを最後までやり続けたおかげだと思います。

―入学後は、イベントや部活動も盛んで息子さんも充実した中学生活を送られているそうですね。

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横浜市立南高等学校附属中学校は真面目で穏やかな子が多くて、親としても安心できる環境です。おとなしい子が埋もれることがなく、生徒一人ひとりが活躍できるよう、学校がサポートしてくれています。

中高合同で行う文化祭や体育祭もすごい盛り上がりますし、イングリッシュキャンプのようなユニークな行事も開催されます。地元の公立中学ではかなわない経験をしている息子を見ると、中学受験をして本当に良かったなと思います。

―中学受験をとおして、息子さんが成長したなと感じることはありますか?

6年生のとき、授業の一環で手紙を書いてくれたんです。その中に「この数年、諦めないで頑張って良かった」という一文がありました。途中で投げ出さず、最後までやり遂げることの大切さを感じてくれていて、うれしかったです。

今も部活動が大変そうですが、困難を乗り越える楽しさを感じているみたいです。つらくても最後まで頑張る力を持てるようになったのは、中学受験を乗り越えたおかげだと思います。

\中学受験を振り返って感じたこと/

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取材後記

中学受験は、子どもだけでなく保護者にとってもチャレンジングなイベントです。今回の取材では、学習面の工夫に加え、生活リズムの調整や精神面でのサポートなど、親子のリアルな取り組みや感情について伺うことができました。

幼い頃から会話を大切に、フランクな親子関係を築いてきたという原田さん。その関係性があったからこそ、息子さんもお母様の言葉を信じて頑張れたのではないでしょうか。

何とか勉強するようにと、毅然とした姿勢でサポートすることに、本心では葛藤もあったといいます。中学受験を最後までやり遂げるには、子どもだけでなく、保護者にも強い気持ちが必要なのだと改めて感じる取材でした。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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