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【2026年度版】共通テスト英語の時間配分はどうする?80分を無駄なく使うコツ

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大学受験
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「共通テストの英語、どうしても時間が足りない……」と悩んでいませんか?英語の勉強を続けていても、時間配分がうまくいかず、不安を感じている受験生は少なくありません。

特に2025年度は新課程で初めての共通テストだったこともあり、出題形式や難易度に戸惑った受験生も多くいました。そして来年(2026年度)は新課程2年目に入り、「形式は安定し、内容はやや難化する」可能性が高いとも予想されています。そのため、今年の受験生はより戦略的な対策が求められます。

この記事では、独自のメソッド「お金も時間も節約する自習術」を編み出して東大へ合格し、現在はカルぺ・ディエムで全国各地でさまざまな教育や勉強法に関する講演活動を精力的に行っている教育ライター・布施川天馬さんに監修のもとで、共通テスト「英語」の対策法をやさしく紹介します。

塾選ジャーナル編集部

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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

布施川天馬

監修者

布施川天馬

1997年生まれ。東京大学文学部卒。世帯年収300万円台の家庭に生まれ、幼少期から貧しい生活を送る。金銭的、地理的な事情から、無理のない進学先が東京大学のみに絞られ、東大進学を志す。 塾に通う金銭的余裕がなく、勉強の傍ら週3日フルタイムのアルバイトで学費を稼ぐ。受験生活を通してオリジナルの「お金も時間も節約する自習術」を編み出し、一浪の末、東大に合格。 在学中から、自身の勉強法や学習法を、執筆活動や、全国の学校での講演を通して広める。著書に『東大式節約勉強法』『東大式時間術』(扶桑社)『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社)など。

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目次

共通テスト「英語」とは?試験概要を徹底解説

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共通テスト「英語」は、大学入学共通テストにおいて 理系・文系を問わずほとんどの受験生が受験する必須科目 です。試験は 「リーディング」 と 「リスニング」 の2つに分かれており、合計200点満点で評価されます。

2025年度は、新課程に対応した初めての共通テストであり、出題方式が大きく変化した年度 です。特にリーディングでは、従来の6問構成から8問構成へと拡大され、新傾向として 文章を推敲させるタイプの設問も登場するなど、より「思考力・判断力」を求める形式へと移行しました。

英語は 配点が高く、全体の得点を大きく左右する科目 であるため、基礎情報を正しく理解して戦略的に対策することが重要です。

ここではまず、共通テスト英語の全体像を掴むために、試験時間・配点・問題数・当日の流れ といった基礎情報から整理していきましょう。

試験時間・配点・問題数

共通テスト「英語」は、共通テスト1日目の中でも最も配点が高く、得点差がつきやすい山場となる科目です。ここではリーディングとリスニング、それぞれの基本情報を確認しておきましょう。

共通テスト「英語リーディング」

日程 1日目15:20~16:40
試験時間 80分
配点 100点満点
問題数 8つの大問で構成(2025年度に変化)

新課程初年度となる2025年度では、リーディングの大問数が8問に増え、広範な媒体(ブログ・レポート草案・プレゼン資料など)が出題されました。 文章量が多く、時間内で読み切れるかどうかが勝負の分かれ目になります。

共通テスト「英語リスニング」

日程 1日目17:20~18:20
試験時間 60分。ただし、解答時間は30分
配点 100点満点
問題数 6つの大問で構成

リスニングは例年どおりの6問構成ですが、 図表の読み取り 会話者の意図把握 など、視覚情報と音声情報の統合が必要な難度の高い形式が続いています。

  • 合計200点の大科目で、全体の得点バランスを左右する
  • 時間配分の戦略が得点に直結しやすい
  • リーディング→リスニングの連戦で集中力が切れやすい

このため、共通テスト1日目の中でも英語は最も疲労度が高く、合否に直結しやすい科目だといえます。

2026年度入試は難化する可能性がある

2026年度は、新課程に対応した共通テストの 2年目 にあたります。初年度である2025年度は、受験生の負担を考慮して 「形式を安定させる」ことが重視された安全設計 の問題が多く見られました。

そのため2026年度は、以下のような変化が起こる可能性があります。

2026年度の「英語」で起こるかもしれないこと

  • 出題形式は2025年度を踏襲しつつ、内容がやや難しくなる
  • 文章量が増えたり、複数資料の照合が複雑になったりする
  • 推敲・要約・統合など、思考力を問う設問が強化される
  • リスニングで意図把握・複数話者整理型の問題が増える可能性

特にリーディングは、2025年度で「大問8つ」という枠組みが完成したため、2026年度はこの形式を土台に内容の難易度を上げやすい環境が整ったと考えられます。

つまり2026年度受験生は、「形式は知っているけれど、中身が難しくなった」という状況に向き合う可能性が高いということです。

そのため、2026年度入試を見据えた対策としては、

  • 時間内に読み切る処理スピード
  • 複数資料を関連づける力
  • 設問根拠を特定する速さ

といった共通テスト型の本質的な読解力を早い段階で身につけておく必要があります。

東大卒教育ライター・布施川さん「英語リーディングは速読力と情報処理能力が問われる」

旧課程と比較して、英語リーディングは大問の数こそ変わりましたが、求められる力はほとんど変わっていません。英文から素早くかつ正しく情報を読み取る速読力、その情報を分析し、つなぎ合わせて問題を解く情報処理能力。これらを高めていけば、確実に高得点を狙うことができます。英語リスニングも系統が変わった問題がありますが、これも注意深く聴き、情報を整理する力を身につければ、恐れることはありません。

共通テスト「英語」の出題傾向と難易度を知ろう

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出題傾向と配点イメージ

2025年度の共通テスト「英語リーディング」の大問の内訳は以下のようになっていました。

大問 内容 配点
第1問 パンフレットの読み取り 6
第2問 ブログ記事の読み取り 12
第3問 記事の読み取り 9
第4問 エッセイの読み取りとレポート推敲 12
第5問 メールの読み取り 16
第6問 物語文の読み取り 12
第7問 論説文の読み取り 16
第8問 レポート作成 17

2025年度のリーディングでは、全大問が読解形式で出題されました。新傾向として、文章の一部を推敲・修正させるタイプの設問が追加され、より実用的な読解力が問われています。

扱われた媒体も幅広く、

  • パンフレット
  • ブログ記事
  • レポートの草案
  • プレゼン資料

など、現実の英語情報に近い形式が多く採用されました。

2025年度の共通テスト「英語リスニング」の大問の内訳は以下のようになっていました。

大問 内容 配点
第1問 A発話の内容と一致している選択肢を選ぶ問題 28
Bイラストを選択する問題
第2問 対話を聞いてイラストを選択する問題 12
第3問 対話を聞いて質問文を選択する問題 18
第4問 Aモノローグの図表を埋める問題 12
Bモノローグの質問を選択肢から選ぶ問題
第5問 長文のワークシートを完成させる問題 16
第6問 A対話を聞いて質問文を選択する問題 14
B会話文の意見や図表を選ぶ問題

リスニングは 大問数・設問形式ともに大きな変更はなし で、例年どおり

  • 会話の聞き取り
  • 図表・ワークシートの読み取り

など、音声情報と視覚情報の統合が必要な問題が中心です。 ただし、第6問Bでは昨年度までの「話者4人」から2025年度は3人に減少。話者が1人減ったことで、声の区別や登場人物の立場整理がしやすくなり、難易度はやや軽減された印象です。

2025年度の難易度は「標準」レベル

2025年度の共通テスト「英語(リーディング)」および「英語(リスニング)」は、新課程に合わせて内容や大問構成は大きく見直されたものの、全体の難易度はおおむね例年並みの標準レベルと評価されています。

実際に、大学入試センターが公表した平均点は次のとおりです。

  • 英語(リーディング):57.69点
  • 英語(リスニング):61.31点

出典:大学入試センター プレス発表資料(令和7年2月6日付)

リーディング・リスニングともに平均点は過去数年と大きく乖離しておらず、「形式は変わっても難易度は安定していた」という見方が一般的です。

東大卒教育ライター・布施川さん「傾向が変わった2年目は難化しがち」

初めての新課程試験は、試作問題の通りの問題が出題されたと言えるでしょう。文量は旧課程試験より若干減り、比較的解きやすかったと考えられます。これを「標準」程度として覚えておくとよいでしょう。傾向が変わった2年目は難化しがちです。もちろん、あくまでそういう傾向があるというだけですが、昨年度より難化しても太刀打ちできるように準備しておいてください。

共通テスト「英語」の時間配分は?

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共通テスト「英語(リーディング)」は、80分で8つの大問を解き切るスピード が求められます。2025年度の出題構成を参考にした場合、以下の時間配分を練習しておきましょう。 ここでは5分の見直し時間を確保したうえでの目安として示します。

大問 内容 時間配分
第1問 パンフレットの読み取り 5分程度
第2問 ブログ記事の読み取り 5分程度
第3問 記事の読み取り 5分程度
第4問 エッセイの読み取りとレポート推敲 5分程度
第5問 メールの読み取り 10分
第6問 物語文の読み取り 15分
第7問 論説文の読み取り 15分
第8問 レポート作成 15分

第1問から第4問までの前半は20分を目標に

80分という限られた時間の中で確実に得点するためには、前半の第1~第4問を「いかに効率よく乗り切るか」が鍵になります。これらの大問は比較的読みやすい素材が多いため、スピード感を持って処理することが重要です。

以下の表に、各大問の特徴と対策ポイントを整理しました。

第1問〜第4問の特徴と攻略ポイント(まとめ表)

大問 主な内容 特徴 時間内に解くためのポイント
第1問 パンフレット・告知・案内文 情報検索型で難度は低め 迷ったら後回しにし、設問を先に読んで必要箇所だけ確認する
第2問 ブログ記事・レポート Fact / Opinion の区別が問われる 筆者の主張か客観データかを意識しながら読むと選択肢判断が速くなる
第3問 出来事の時系列整理 順番の正確な把握が勝負 本文の登場順ではなく「前後関係」を示す表現に注目して流れをつかむ
第4問 文挿入・推敲問題 文脈理解・論理展開の把握が必要 代名詞の指示内容や段落の流れを見ると自然に入る文が分かりやすい

この4問は、読み方の型を身につけてしまえば短時間で解き進めやすいため、合計20分程度で抜けられるかどうかが後半戦の成否を分けるポイントになります。

特に第6〜第8問は文章量が大幅に増えるため、前半で時間を確保できれば、焦りなく読解でき、得点の安定につながります。

東大卒教育ライター・布施川さん「第1問〜第4問を解くときのポイント」

前半は単語数も多くない文章やポスターに、情報を探し出しやすい問題が続きます。そして、たとえば小問1つ目の答えが1段落目に書いてあり、2つ目の答えが2段落目に……と、段落と問題が一致していることが多いです。設問から読んで段落番号と照らし合わせながら答えの根拠となる情報を探すと早く解けるでしょう。

第5問は10分を目標に

第5問は、複数の英文を照らし合わせて解答するマルチパッセージ問題が中心です。以下に特徴と攻略ポイントを表でまとめました。

大問 主な内容 特徴 時間内に解くためのポイント
第5問 メール・掲示・説明文など複数資料の読み取り(マルチパッセージ) 複数の英文を照合し、必要な情報を探し出す問題。根拠が明確で慣れると得点源にしやすい すべてを読まず、設問を先に確認して必要箇所だけ読む。 情報検索型で割り切ると10分以内に収まりやすい

第5問は一見すると情報量が多く見えますが、実際には 解答に無関係な文章も多いため、読まなくていい箇所を切り捨てる意識が大切です。設問を先にチェックし、「この答えはどの資料から取るのか」を決めて読み進めるだけで、時間を大幅に節約できます。

しっかりパターンに慣れておけば、第5問は後半の大問の中でも 確実に点を伸ばせるパート になるでしょう。

東大卒教育ライター・布施川さん「第5問を解くときのポイント」

人数や年号などの数字には必ず印をつけておきましょう。出題者の立場に立って考えればわかりやすいと思いますが、数字という情報からは問題を作りやすい。つまり、問われやすいポイントなのです。複数資料を照らし合わせる上で、数字を中心とした情報に注目して読み進めていくことが大切です。

第6問~第8問は45分を目標に

後半の第6問〜第8問は、文章量も配点も大きく、まさにリーディングの勝負所になります。ここを丁寧かつ効率よく読み進められるかどうかで、最終的な得点が大きく変わります。難度は上がりますが、設問の特徴を理解して読み方を最適化すれば、安定して点を稼げるパートです。

第6問~第8問の特徴

大問 主な内容 特徴 時間内に解くためのポイント
第6問 長めの物語文・出来事の整理 出来事の前後関係を問う「時系列把握」問題が多い。本文の登場順と出来事の順番が一致しないことがある 時間に関する表現(before / after / then など)を丁寧に拾い、物語の流れを“線で”つかむ意識で読む
第7問 論説文・やや長めの説明文 抽象度の高い内容が増え、筆者の主張理解が鍵。最後に推測問題が出ることもある 全体の主張を押さえつつ、推測問題は消去法で判断すると時間短縮につながる
第8問 レポート作成・統合型の読解 要約・共通点の把握・資料の読み取りなど、複数のスキルを組み合わせる総合問題 主張・根拠・資料の関係を整理し、「何を要約するべきか」を明確にして読むとブレにくい

この3つを合わせて45分を目安に進めることができれば、リーディング全体が安定し、最終的な得点力が大きく向上します。

東大卒教育ライター・布施川さん「第6問~第8問を解くときのポイント」

いわゆるディスコースマーカー(Howeverなどの接続詞)や重要そうな情報など、文章につける印をあらかじめ決めておくとよいです。順接は四角、逆接は三角、数字は丸、それ以外の重要な情報は下線……というように、マイルールを作っておくだけで、本番も焦らずいつも通り正確に情報処理ができます。

英語のリーディングで時間切れを防ぐ方法

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時間配分の目安を理解したら、実際に どうすれば時間切れを防げるのか を押さえておくことが重要です。共通テストのリーディングは、正確さを維持しつつ、「必要な情報だけを最短で取りにいく読み方」 が求められる試験です。

ここからは、80分を使い切らずに完走するための具体的なテクニックを紹介します。

設問を先に確認してから本文を読む

共通テストの英語は、設問を先に確認してから本文を読むことをおすすめします。

設問を先に見ておくと、

  • どの情報を探せばよいか
  • どの段落に注目すべきか
  • 読むべき部分と読まなくてよい部分の切り分け

が明確になり、本文を“情報を取りに行く”感覚で読めるようになります。

共通テストのリーディングは、本文 → 設問 の順で読むと、読み終わったあとに「結局どこの情報が必要だったの?」となってしまいがちで、時間をロスしやすい試験です。

逆に、設問 → 本文(必要箇所だけ)という順で読むだけで、読解スピードが大幅に上がり、後半の長文に余裕が生まれます。

東大卒教育ライター・布施川さん「選択肢には目を通さないでおく」

一点気をつけるべきは、設問だけを読んで、選択肢には目を通さないでおくということ。選択肢も先に読んでしまうと、その情報に引っ張られて本文を読み間違えてしまうことがあるからです。全文を丁寧に読み込むわけではない分、勘違いも起こりやすい。フラットな目線で読めるように、選択肢には目を通さず、設問文だけを読むようにしましょう。

インプットした時間配分に沿っているか

共通テストの英語は、夢中になって本文を読み進めているうちに、気づけば何分も経過しているという状態になりやすい試験です。特に文章量の多い後半は、読みやすい段落に出会うとついスピードが落ちてしまいがちです。そこで意識したいのが、「現在地の確認」 です。

もし予定よりも遅れていると気づいたら、次の大問では「完璧を目指さない」「飛ばす勇気を持つ」といった判断がしやすくなりますし、逆に余裕があれば慎重に読み進めることもできます。

つまり、時間配分は立てるものではなく、守るために随時確認するものです。模試や過去問演習の段階から、この“現在地の確認”を習慣化しておくことで、本番でも落ち着いて80分を使いこなせるようになります。

東大卒教育ライター・布施川さん「どれが得意でどれが苦手かを分析しておく」

時間配分は一度決めたらずっと従わなければならないわけではありません。自分の得意苦手を考えて、オリジナルの時間配分を作ってもいいのです。そのためにも、共通テスト型の問題をできるだけたくさん解いてみて、どれが得意でどれが苦手かを分析しておきましょう。

時間をかけすぎる問題は飛ばす

共通テスト英語で時間切れになる最大の原因は、1問にこだわりすぎて時間を浪費してしまうことです。特に後半の第6〜第8問は、文章量が多いぶん難しい選択肢や判断の分かれ目になる設問が含まれており、ひっかかると一気に数分が消えてしまいます。

しかし、共通テストは「部分点がない」試験です。1問に5分かけるくらいなら、その時間で他の2〜3問を確実に取ったほうが総得点は確実に上がります

そこで重要になるのが、「一定時間を超えたら一度飛ばす」という判断基準を持つことです。飛ばした問題は、最後の5分の見直し時間で戻れば大丈夫です。

迷った問題に固執しないことが、80分を戦い切るうえで最大の戦略となります。

東大卒教育ライター・布施川さん「消去法で消した選択肢には印をつけておく」

あとで戻ってきたときに、何を考えていたかがわかるように、消去法で消した選択肢には「×」などの印をつけておきましょう。残っている選択肢から選ぶだけで、少しは時間短縮になります。

過去問や模試で時間配分の練習を重ねる

時間配分は、ただ頭で理解するだけでは本番で機能しません。実際の問題形式の中で“身体で覚えるレベル”まで落とし込むことが重要です。そのために最も有効なのが、過去問や模試を使った時間配分の練習です。

まずは、80分の本番と同じ条件で過去問を1年分解いてみましょう。解き終わったら、各大問に何分かかったかをざっくり記録してみてください。どの大問で時間を使いすぎているのかがはっきりし、次の演習の改善ポイントが明確になります。

また、模試の活用も非常に効果的です。本番と同じ緊張感の中で時間配分を試すことで、焦ったときに自分がどの大問で崩れやすいか、本番で時間を失いやすいポイントが見えてきます。模試は点数を見るだけで終わらせず、時間の使い方そのものの反省材料として活用すると、次の模試や本番で大きく改善できます。

東大卒教育ライター・布施川さん「できるだけ本番と同じ環境で、時間を測って解く」

本番と同じ形式で何度も演習しているうちに、「時間の感覚」が身についてきます。ここまで解いたらだいたい何分くらい、とわかるようになるのです。だから、できるだけ本番と同じ環境で、時間を測って問題を解くようにしてください。

余裕があればスキャニングやスキミングをマスターする

時間配分に慣れてきて、ある程度安定して80分以内に解けるようになったら、よりスピーディーに情報を処理するためのテクニックとして スキャニング や スキミング を習得すると、得点力が一段上がります

スキャニングは、本文全体を丁寧に読むのではなく、必要な情報だけを“探し当てる”読み方 です。設問のキーワードや数字、人物名などを手がかりに、本文の該当箇所に一気にアクセスできます。

一方、スキミングは、文章の大まかな流れや主張を“ざっくりつかむ”読み方です。段落の最初と最後を確認しながら流れを追うことで、「この段落は何を言いたいのか」を短時間で把握できます。

まずは過去問や予想問題を使い、「細かく読まないことに慣れる」練習から始めるのがおすすめです。英語を読むのではなく、必要な情報を取るという感覚に切り替えられると、後半の長文でも大きな余裕が生まれます。

東大卒教育ライター・布施川さん「正解を選ぶためには、必ずしも全文を読まなければならないわけではない」

正解を選ぶためには、必ずしも全文を読まなければならないわけではありません。なんとなくでも理解できていれば、選択肢を一つに絞れることもあるのです。スキャニングもスキニングも比較的高度なテクニックですが、早く対策を始めた人は試してみてください。

直前でも遅くない!成果を最大化するためにやっておきたいこと

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共通テスト本番が近づくほど、「今から何をすればいいのか」に迷う人が増えます。しかし、直前期はむしろ伸びしろが一番大きい時期でもあります。

ここでは、直前でも得点につながりやすい取り組みを3つ紹介します。

過去問は「本番と同じ条件」で1〜2年分解く

直前期は、ただ問題を解くだけでは意味がありません。

本番と同じ時間・同じ環境で過去問を解くことで、本番のリズムを身体に覚え込ませることができます。

  • リーディング80分
  • リスニング60分
  • 休憩のタイミング
  • 机に置く文房具や時計

など、本番に近い条件で解くことが重要です。

直前期は焦りや緊張で集中力が落ちやすいので、過去問で“当日のシミュレーション”をしておくと、当日の動きが安定し、無駄なミスが減ります。

弱点大問の「型」を1つだけ完成させる

直前期にすべてを伸ばそうとすると逆効果です。むしろ 伸ばす大問を1つに絞り、型を身につける ほうが得点に直結します。

例えば

  • 第3問:時系列の把握
  • 第4問:文挿入・推敲
  • 第5問:マルチパッセージ
  • 第7問:論説文の主張読み

など、自分が最も時間を取られている大問を1つ選び、「どう読めば正答にたどり着くか」を過去問3年分で練習し、読み方の型として定着させましょう。

直前期でも型が整うと、他の大問にも読み方が波及し、得点が安定します。

当日の失敗を防ぐために時間配分の最終チェックをする

直前期は、細かい知識を詰め込むより 時間配分の最終確認 が効果的です。練習で使ってきた目標タイムを見直し、以下を確認しておきましょう。

  • 前半(第1〜4問)を25分以内に収められるか
  • 第5問を10分以内に通過できるか
  • 第6〜第8問に45分残せるか
  • 迷った問題を後回しにする判断ができるか

「時間配分の再確認」は、意外ですが直前期に最も得点を押し上げる要素です。 本番は緊張でペースを崩しがちなため、事前にどんな順で、何分で進むかを明確にしておくことで、落ち着いて解き切ることができます。

東大生がやっていた共通テスト「英語」対策は?

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ここでは、カルぺ・ディエムの布施川さん監修のもと、実際にカルぺ・ディエムに所属する東大生が、どのように共通テスト英語を理解し、得点につなげていたのかを紹介します。彼らの工夫は、今のあなたの学習にも必ず役立つヒントになるはずです。

東大卒教育ライター・布施川さんが実際にやっていた対策

安定して点数を取れるようにするためには、問題演習が欠かせません。そのため、できるだけ本番に近い環境で、似たような問題に多く触れるようにしていました。大まかに割り振った時間配分をもとに何度も繰り返し共通テスト型の問題を解き、少しずつ自分専用の配分に調整していきます。リスニングも同じように、過去問や模試を使って型に慣れるようにしていました。

そして、解き終わって自己採点も終わったら、解説をじっくり読みます。間違えた問題の解説は特に注意して読むようにしていました。なぜ自分が選んだ選択肢は間違いなのか?ということを考えるだけで、正解を選ぶための考え方が見えてくるのです。

また、時間に余裕があるときは、本文の全文訳を読んだあとに音読をします。音読は英語力を伸ばす一番の方法です。テスト中なんとなくで読んでいたところも含めて、意味を意識しながら丁寧に音読することで、どこに注目して読めばいいのかを振り返れる。ついでに単語や英語特有の表現も自然と頭に入ってくるので、一石二鳥です。これらを組み合わせることで、やっと高得点が見えてきます。

まとめ 共通テスト「英語」は時間配分を意識することが重要

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共通テスト「英語」で安定して得点を取るために最も大切なのは、難しい問題に挑むことでも、特別なテクニックを覚えることでもありません。80分をどう使うかという時間配分を意識しながら読み進めることが、結果として最も大きな差につながります。

2025年度の新課程初年度では大問数が8問に増え、資料読み取りや推敲問題など、読解の負荷が高い設問が増えました。こうした形式の変化に対応するうえでも、事前に時間配分を決めておき、実際の演習の中でその配分を守る練習を繰り返すことが不可欠です。

演習の積み重ねが、共通テスト英語を時間内に確実に解き切り、高得点につなげる最短の道です。

時間配分を意識した読み方が身につけば、共通テストだけでなく、その先の大学受験の英語全般にも応用できる力がつきます。今日から少しずつ取り入れ、ぜひ本番で納得のいく点数をつかみ取ってください。

東大卒教育ライター・布施川さん「共通テストの英語は日々の積み重ねが最も確実に得点につながる」

共通テストの英語は時間との戦いですが、日々の積み重ねが最も確実に得点につながります。当日まで、できるだけ多くの英文に触れるようにしましょう。なかなか点数が伸びずに焦ったり不安になったりすることもあると思いますが、毎日欠かさず英語に触れていれば、その努力は本番、必ずあなたの大きな支えになってくれるはずです。

 

執筆者プロフィール

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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

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株式会社カルペ・ディエム所属 東京大学文学部卒ライター
布施川天馬

1997年生まれ。東京大学文学部卒。世帯年収300万円台の家庭に生まれ、幼少期から貧しい生活を送る。金銭的、地理的な事情から、無理のない進学先が東京大学のみに絞られ、東大進学を志す。 塾に通う金銭的余裕がなく、勉強の傍ら週3日フルタイムのアルバイトで学費を稼ぐ。受験生活を通してオリジナルの「お金も時間も節約する自習術」を編み出し、一浪の末、東大に合格。 在学中から、自身の勉強法や学習法を、執筆活動や、全国の学校での講演を通して広める。著書に『東大式節約勉強法』『東大式時間術』(扶桑社)『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社)など。

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