筑波大学の学校推薦型選抜が重視するのは「研究への熱意」。生命環境学群で生きた合格の準備とは?
学習成績だけでなく、探究心や主体性、学問への意欲が問われる「筑波大学 生命環境学群 生物資源学類」の学校推薦型選抜(公募推薦)。今回取材に応じてくれたのは、文系から理系への進路変更を経て、同入試で現役合格を果たした総合型選抜専門塾・洋々のメンター、安田理花子さんです。
高校時代のアイルランド留学で芽生えた「生物資源への関心」をきっかけに、志望理由書づくりや小論文・面接対策にどのように取り組んだのか。そして、大学選びの軸をどのように見出したのか。安田さんの体験から、筑波大学の学校推薦型選抜に合格するための準備や工夫、向き合い方を詳しく伺いました。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
清水信朗
「総合型選抜の個別指導塾 洋々」代表・GM。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。共著書に『採点者の心をつかむ 合格する総合型選抜・学校推薦型選抜』(2023年、洋々 著/かんき出版)。
目次
<お話を伺った人>
総合型選抜の個別指導塾 洋々メンター
安田 理花子さん
大学:筑波大学 生命環境学群 生物資源学類
入学年月日:2022年4月 現役合格
合格した受験方式:学校推薦型選抜(公募推薦)
その他合格校:早稲田大学社会科学部全国自己推薦入試(総合型選抜)
出身高校:私立大妻中野中学校・高等学校
高校1年生のとき、アイルランド留学で現地の農学教育に触れたことをきっかけに、文系から理系へ、志望進路の変更を決意。筑波大学 生命環境学群 生物資源学類の学校推薦型選抜で現役合格を果たす。現在は、総合型選抜専門塾・洋々でメンターとしても活躍中。大学・学部を問わず、幅広い進路を目指す受験生の伴走支援を行っている。
筑波大学の学校推薦型選抜とは?
ー最初に、筑波大学の学校推薦型選抜とはどのような入試なのか、概要を教えてください。
安田理花子さん(以下、安田):「学校推薦型選抜」という名前の通り、在学校からの推薦を得て受験できる入試スタイル(公募推薦)です。高校で一定の成績を修めていることと、課外活動の実績のほか、大学での学習意欲や論理的表現力などが評価されます。私が受験した生命環境学群では、小論文と面接が実施されました。
ー学校が準備する推薦書とは別に、ご自身で準備する提出書類はどのようなものになりますか?
安田:自分で準備をする書類は主に次の3つです。
①志望理由書:600文字
受験にあたっての志望理由を記載するもの
②活動報告書:A4サイズ(片面)で5ページ以内
留学・国際交流等の活動経歴の概要をレポート形式でまとめたもの
※推薦要件の(3)で志願する受験生が提出対象
③英語資格・検定試験の合格証明書類
保持している語学関連の資格・試験の合格(成績)を証明するもの
※安田さんは「英検準1級」と「IELTS 6.5」を提出
いちばんカロリーがかかるのは、やはり自分の「顔」ともいえる志望理由書です。私も高3の春から書類を提出する秋まで、志望理由の中身を深めることにたくさんの時間を割きました。
参考:筑波大学 学校推薦型選抜 生命環境学群生物資源学類 募集要項概要
【募集人員】
| 生物資源学類 | 27名 ※各校からの学校推薦枠は1~2名 |
|---|
【入試内容】
| 入学者選抜方針 (一部抜粋) |
高等学校において優秀な成績を修め、あるいは課外活動などで優れた実績を有し、生物資源に関する学習意欲や適性、論理的表現力ならびに基礎学力と語学力を総合的に評価する |
|---|---|
| 推薦要件 (一部抜粋) |
(1)調査書の学習成績概評A段階に属する者、又は筑波大学の個別学力検査等に合格できる程度以上の学力を有する者 (2)理科・数学・英語のうち1教科に特に優れた能力を持ち、本学類に関連する部活動、地域活動、社会活動等において実績を有する者 (3)高等学校等において、国際的な課題をテーマとする探究的な学習や国際交流に関する活動に取り組み、コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的な素養を身に付けた者 |
| 提出書類概要 | ◆学校が用意する推薦書類 推薦書 調査書 ◆志願者本人が用意する書類 入学志願票 写真票 志望の動機(600文字) 活動報告書(表紙を含め、片面A4サイズ5ページ以内) 英語資格・検定試験の合格証明書または成績証明書 |
| 第1次選考 | 小論文・面接等 |
| 第2次選考 | 大学入学共通テスト |
【出願・選考日程】
| インターネット出願登録期間 | 2025年10月24日(金)~11月10日(月)9:00 |
|---|---|
| 出願書類提出期間 | 2025年11月4日(火)~10日(月)必着※持参不可 |
| 第1次選考(小論文・面接等) | 2025年11月27日(木)~28日(金) |
| 第1次選考合格者発表 | 2025年12月10日(水)10:00 |
| 第2次選考(大学入学共通テスト)※ | 2026年1月17日(土)~18日(日) |
| 最終合格者発表 | 2026年2月11日(水)9:00 |
| 入学手続 | 2026年2月11日(水)~18日(水) |
参照:筑波大学「令和8年度(2026 年度) 推薦入試学生募集要項(学校推薦型選抜)」
詳細および最新情報は、必ず募集要項を確認してください。
※若干名しかとらない推薦入試(専門高校・総合学科特別入試)の場合は共通テストが必要。基本的に学校推薦型入試の生物資源学類の場合、2026年度入試では共通テストは不要(心理学類のみ必要)
文系から理系の道へ。筑波大学の学校推薦型選抜受験を決めるまで
ーここからは、安田さんの受験体験についても伺っていきます。まず、一般入試ではなく学校推薦型選抜を選んだ理由・きっかけがあれば教えてください。
安田:検討を始めた理由は、合格の可能性を広げるためです。ただ一般入試と並行して準備を進めるうちに、推薦入試はそんなに甘いものではないと感じて、高3の夏に推薦入試に絞って挑戦することを決めました。
決め手になったのは、高校1年生のときに行ったアイルランドへの長期留学での経験。そこで学んだことが、筑波大学での学びにもつながっています。あとは中高で合唱部の幹部を務めた経験や国際交流、課外活動の実績もあったので、推薦入試でも十分戦えると、洋々の方から背中を押してもらったこと。
そこで覚悟を決めて、筑波大学の学校推薦型選抜へと舵を切りました。
ー留学先ですが、どのような理由でアイルランドを選んだのですか?
安田:私が通っていた大妻中野中学校・高等学校は、海外プログラムが豊富な高校でした。留学先をアイルランドに決めた理由は2つ。
1つ目は、日本人留学生が少ないこと。自分の性格を考えると、日本人同士でいると日本語を話したくなってしまいます。英語を使わざるを得ない環境に身を置くことで、英語力を高めたいという狙いがありました。
2つ目は、トランジションイヤーという特別なプログラムがあったこと。主要5教科の座学だけでなく、経営学や映像学など、さまざまな学び・活動に取り組めることでした。
海外留学の経験を経て、優等生気質だった自分の殻を破って、失敗を恐れなくなったことは私の人生において大きな財産になっています。
ー大学・学部選びにつながったのは、留学先でのどのような体験でしたか?
安田:もともと文系コースを選択していましたが、留学先で農学の授業に強く胸を打たれたんです。
農学というのは、農業技術を学ぶのではなく、人々の生活に必要となる食料や医薬品などの生産や持続的発展、地球環境の保全に関して自然科学のアプローチで研究をしていく学問です。自分で菜園をつくりマーケットに出店し、実際に経営をしてみる。そんな体験からどんどん農学への興味が湧いてきて、筑波大学で生物資源について本格的に学びたいと考えるようになりました。
ー文系から理系への方向転換は、勇気のいることだったのでは?
安田:高校の専攻は途中変更ができないので、最初は諦めていましたね。文系学部である社会学部に進み、農村社会学的観点から研究する道も検討しました。でも、自分の本当にやりたいことを突き詰めると、どうしても農学そのものを科学的に学びたいという気持ちが強かったんです。
無謀な挑戦なのかもと感じて、なかなか親にも言い出せませんでした。正直に自分の気持ちを伝えたのは高3の7月頃。意外にも「そうだと思った」とあっけらかんと受け入れてもらえました。昔からやりたいことがたくさんあるタイプだったので、驚きはなかったようです。
ー理系への方向転換を経て見事合格されました。ご自身の受験を振り返って、筑波大学の学校推薦型入試ではどのような点が重視されると考えますか。
安田:筑波大学の学校推薦型選抜で重視されるのは、研究に対する貪欲な姿勢。筑波大学に限らず、推薦型入試を実施する理由は、大学での研究・学びを生かして、世界で活躍する学生を増やしたいからです。学校・学部によってアドミッションポリシーはさまざまですが、いずれにしても研究への熱意は強く求められるポイントです。
学校推薦型選抜の鍵は大学選び。「なぜここで学びたいのか?」をブレずに持つことが大切
ーここからは、安田さんがどのようにして入試の準備を進めてきたかを聞かせてください。
安田:学校推薦型選抜の準備を本格的に始めようとしたのは、洋々に入塾した高校2年生の2月頃。志望理由書をつくり始める前に、3か月ほど時間をかけて「自分が将来何をしたくて、そのために大学の学びをどのように位置づけるか」を整理して、自分の軸を決めていきました。
この「自分の軸を決めること」は「大学を選ぶこと」でもあります。自分の将来やりたいことを具体化したうえで、それを実現できる大学を探すという流れにしていたので、志望理由書の作成ではあまり苦労はなかったです。
ー自分の軸をつくるための土台づくりは、どのように進めましたか?
安田:土台になる素材は、「自分自身に関するもの」と「学問に関するもの」の2種類に分けられます。「自分自身に関するもの」については、今の自分がなぜこうなったかを知る作業です。私の場合は、小学生からこれまでの自分を振り返り、自分の軸を形成した出来事を3つに絞り、そこから得たものは何かを書き出しました。
これができたら、次は「学問に関するもの」です。具体的には、自分はどのような未来世界を望むのか、自分自身の手でどのような社会にしたいのかを描き出します。描いた理想の世界を実現するために大学で何を学びたいか、どの大学ならやりたいことが叶うのかを徹底的に調べました。
先に軸を明確にしておけば、どの大学を志望したとしても、志望理由書を書くための材料はもうそろっています。

安田さんが母校・大妻中野で受験体験を紹介した際に作成した資料の内容
ーなるほど。大学を決めて志望理由を考えるのではなく、志望動機にあった大学選びをしていれば、おのずと志望理由は書けるということですね。
安田:自分の将来につながる大切な進路なので、受験生のときは【志望校を決める=自分の軸を決めること】を1番大事にしていました。
志望校を考えるうえで大切なのは、大学合格をゴールにしないこと。大学は人生の通過点にすぎません。選抜型入試で求められるのは、大学の持つ教育ツールをフル活用して学び、社会に出てからその学びを生かす力です。
大学が提供する学びと、自分が将来やりたいことがマッチしているか。ここが合否を分けるポイントであり、有意義な大学生活を送れるかどうかの分岐点だと思います。
こうした自身の経験もあり、洋々のメンターとしても、志望校を決めるという過程を大切にすることを受験生に伝えています。
選抜型入試に向けて、メンターとして受験生に伝えている5つのポイント

ー安田さんは、メンターとして筑波大学に限らず選抜型入試で合格を目指す受験生をたくさんサポートしてきました。受験生に伴走するうえで、特に意識しているポイントを聞かせてください。
安田:私がメンターとして関わっている受験生たちは、志望する大学・学部が多岐にわたります。筑波大学の学校推薦型選抜に限らず、受験生と向き合うなかで意識していることを5つ紹介します。
① やりたいことがないときは、興味が持てそうな分野をいくつかピックアップして議論する
安田:大学は専門的な分野を深く学ぶ場です。専門的に学びたいことがまだ見つけられていない場合は、今ある社会問題や自然科学問題をいくつか提示して、興味のあるテーマをいくつか選んでもらい、少し議論をしてみます。
議論のなかで特に目を輝かせながら話していたテーマがあれば、興味関心・好奇心があるということ。議論したのをきっかけに、自分のやりたいことを見つけてもらうのは有効な手段だと思います。
あとは自分の趣味や推しをいくつかピックアップして、どのような学問的アプローチができるかを調べてもらうこともあります。自分の強みを生かして何ができるか、どんな社会的な課題を解決できるかを考えることが、自分の軸を探すのに役立つことも多いです。
② 軸がブレなくなるまで志望理由を問う
安田:「偏差値が高いから」「親に薦められたから」といった浅い理由ではなく、「今の自分に必要なものが備わっているから」という自分の軸と連動した志望理由になっているかは、必ず確認するようにしています。
志望校が決められない、あるいは行きたい大学があるのに志望理由が書けない。そんなときは、やりたいことがまだ明確になっていなかったり、やりたいことは決まっていても次に何をすればいいのかが見えていなかったりする状態です。
一貫性のある志望理由書を書くためにも、そして迷ったときに立ち返るためにも、「自分の軸」を持つことが大切。その軸を見つけられるようになるまで、私は受験生としっかり対話を重ねるようにしています。
③ 志望理由は3つのセクションに分けて書き始める
安田:受験生に多いのが「志望理由書が書けない」という悩みです。そこで志望理由書は、次の3つのセクションに分けて考えてもらうようにしています。
- 将来、実現したいことは何か?
- 実現にあたっての現状課題は何か?
- 大学の学びで現状の課題をどのように解決するか?
筑波大学の志望理由書は、文字数が600文字です。いきなりすべてを書こうとせず、まずは3つのセクションに分けると取りかかりやすくなります。
また思考の可能性を広げるために、最初は少し多めに、1.5倍の900文字ほど書いてみるのもおすすめです。足りない部分を後から足すよりも、書いた内容を削って整理するほうが簡単なこともあります。
見直すときは、「一貫性があるか」「具体性があるか」「情熱が伝わるか」の3つの視点でチェックしましょう。書いた文章を俯瞰して読み返し、違和感のある部分は何度も手を入れて磨いていくことが大切です。
④ その分野に一番詳しい高校生になることを目指す
安田:自分の関心について「好きだから学びたい」と書くのではなく、具体性を持って書くことで学問や研究に対する情熱を表現できます。
例えば、「私はリンゴが好きです」というよりも、「日本のリンゴの産地は〇〇で、統計上は青森産のリンゴが好まれていますが、食べ比べをした結果、私は長野産のリンゴが一番好きでした」と言われる方が、好きな気持ちが伝わりますよね。
意識したいのは、論理的に情熱を示すことです。
そのためには、まず自分が学びたいことに関する本を読むのがおすすめ。本を読んで一般教養を身につけたら、次は論文を読むことにチャレンジします。
私が受験生のときにメンターから言われて印象に残っているのは、「この分野で日本一詳しい高校生になれ」という言葉です。そのマインドに従えば、貪欲に調べていくしかありません。私の場合は「土壌に着生する菌根菌について日本一詳しい高校生になる」ことが目標でした。
⑤ 志望理由書は小学生でもわかる文章で書く
安田:志望理由書を書くうえで最も大切なのは、読み手がわかりやすい文章を書くこと。入試でたくさんの応募書類を読む大学職員は、当然忙しいです。書類作成にあたっては、「ななめ読みでも理解できる文章」「そうじゃないと読んでもらえない」という意識でつくりこむのがおすすめです。受験生には、
・「難しいことを簡単に説明できる人が合格する」
・「小学生でもわかる文章を書いて」
とよく伝えています。あとは志望理由書を音読して録音して、客観的に聞いて気になる部分を解消します。「自分は一体何を言ってるんだろう?」と感じるうちは、相手もわかりにくいということ。書いて、読んで、手直しをする。それを繰り返しながら、志望理由書を作成していきました。
小論文は赤本と時事テーマの論述練習。面接は志望理由書を生かして想定問答
ー第1次選考の小論文・面接についてはどのような対策をしていましたか?
安田:小論文対策の基本は、赤本で過去問を解くことです。あと、社会学や生物学関連の時事問題に関するニュースの内容をまとめて、自分の見解を論述する訓練もしていました。
書類を大学に提出するまでは週1回のペース、書類提出後は毎日やっていました。
ー面接の準備や練習もされていましたか?
安田:洋々の塾生仲間と、面接で聞かれそうなことを予想して練習していました。
ただやみくもに予想するのではなく、面接で聞かれそうなことは提出書類上で「余白」として残しておくので、そこに対する受け答えに重点を置いていました。
例えば、志望理由書に「〇〇がこの問題を加速させている」とあえて断定的に書くことで、面接官はその根拠を聞いてみたくなります。自分の志望理由書を客観的に読んで、ツッコミを入れたくなる部分を面接での想定質問として書き出し、答えを考える。それを第三者に聞いてもらったり、録音・録画して見直したりしながら練習していました。
ー事前に面接のシミュレーションをしたうえで、練習を重ねていたのですね。
安田:はい。面接の練習で大切なのは、自分を客観的に見ることです。録音・録画で自分の声や話している姿を見て、気になる喋り方やクセの改善に取り組みました。
後悔のない受験のために。受験生が押さえておくべき3つのポイント
ー具体的な取り組みをたくさん教えてくださりありがとうございました!最後に、学校推薦型選抜を控えた受験生が押さえておくべきポイントを改めて教えてください。
安田:筑波大学受験に限ったことではありませんが、最後に受験生のみなさんに伝えたいポイントは3つあります。

1.大学側の目線で考える
一般入試と学校推薦型選抜の大きな違いは、自分の考えを求められるところです。「まだ高校生だから、社会問題の解決方法を考えなくてもいい」ではなく、答えのない問いに挑む姿勢を大学は求めています。
2.常に自分の考えを言語化する
自分の考えを言葉にするには、誰かとその話題について話をしてみることが効果的です。専門外の人と話をすると、新しい気付きを得ることも多いです。「最近、首相が変わったよね」「大気汚染がひどいみたいだよ」など、世間話のレベルからでも構いません。さまざまな人と話すことで、自分の思いをわかりやすく伝えることに慣れていきましょう。
3.大学と自分の相性を見る
自分に合う大学を見つけるには、通っているイメージが湧くことも、すごく大事。そのためにも、大学のホームページをたくさん見て、学校見学に何度も足を運んでみてください。心から行きたいと思える大学を見つけることが、何よりの推薦入試合格への第一歩だと思います。
清水GMが語る、筑波大学の学校推薦型選抜に必要な視点と準備

清水GM:筑波大学の学校推薦型選抜は学群学類ごとに選考が行われます。
小論文の問題も学群学類ごとに作成されており、それぞれの学群学類の意図が色濃く反映されています。学力ももちろん大事で、高校でのよい成績や共通テストにおけるそれなりの点数が求められますが、それらは一定の水準をクリアしていれば大丈夫。合否のうえでは、書類、小論文、面接を通して、その学群学類で学ぶ準備ができている、マッチしているとアピールしていくことが重要になってきます。
そのためには安田さんがいうところの「自分の軸」をしっかりつくり、自分がこれまでやってきたことが学群学類での研究にどのようにつながり、そこで得たものを将来どのように生かそうと考えているのか、を伝えられるよう意識できるといいでしょう。
学群学類ごとにアドミッションポリシーが設定されているので、それも確認しておきましょう。学群学類のことを知るという意味ではホームページやパンフレットも参考になりますが、小論文の過去問がヒントになることも少なくありません。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
「総合型選抜の個別指導塾 洋々」代表・GM。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。共著書に『採点者の心をつかむ 合格する総合型選抜・学校推薦型選抜』(2023年、洋々 著/かんき出版)。