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いじめ認知率6割の現実ー中学生を襲う“見えにくい暴力”から守る親の予防策【保護者調査】

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「昨日まで仲が良かったのに、急に無視されるようになった」。中学生の世界では、こうした表からは見えにくい人間関係のほころびが、いじめの入り口になることがあります。

塾選ジャーナルが保護者100名に行った調査では、約6割が「いじめを見聞きした」と回答。その多くは、暴力のような目立つ行為ではなく、周囲が気づきにくい精神的な攻撃であることが浮き彫りになりました。

家庭の日常の会話では拾いきれないSOSをどうキャッチし、子どもを守る行動につなげるのか-本記事では、アンケートから見えたいじめの実態をもとに、家庭でできる早期発見・予防策を解説します。

塾選ジャーナル編集部

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目次

いじめを見聞きした親が約6割!我が子が被害者のケースも一定数

いじめには暴力を伴うものだけでなく、無視や仲間外れ、悪口など、周囲に気づかれにくいケースが少なくありません。中学生のまわりでは、こうした多様ないじめが起きていることが調査から見えてきました。

いじめを見聞きした親が6割_調査結果

子どもからいじめに関する話を聞いたことがあるかと質問したところ、59%が「聞いたことがある」と回答しました。学校生活が落ち着いているように見えても、子どもの周囲では予想以上に頻繁にトラブルが起きている可能性があります。

子どもが気づきやすいのは“クラス内”、我が子が被害に遭ったケースも一定数存在

いじめの対象になっていた子どもは誰か_調査結果

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

中学生が日常の多くを過ごす「クラス内」は、子どもが最もいじめに気づきやすく、家庭へ伝わりやすい場です。調査でも、クラスメイトを対象としたいじめの報告が最多で、いじめの認識がクラス内に集中しやすい傾向が見られました。

しかし、いじめが起きる場はクラスに限らず、同学年、別クラス、部活動、先輩後輩など、様々なコミュニティで発生している可能性があります。

さらに注目すべき点は、いじめの対象が“我が子本人”だったと回答した家庭が13.6%存在したことです。これは、いじめが特別な家庭だけの話ではない、どの家庭にも起こりうる身近な課題であることを示唆しています。

我が子がいじめ被害に遭った保護者の声

“自分の子どもがいじめの対象になった”と回答した保護者の声からは、突然の無視、暴力、仲間外れなど、多様な被害が起きていることがわかります。

「うちの子がクラスメイトから無視されたり、仲間外れにされたと言っていました。期間は大体1週間くらいで、原因はうちの子が「女子からチヤホヤされているから」だそうです。」(BOOSTさん 東京都 中学3年男子 保護者)
「今まで仲良かった友人に話しかけたりメールを送っても無視されるようになったとのことでした。」(ゆういさん 東京都 中学3年女子 保護者)
「子どもがクラスの男子5人くらいから、わざと机にぶつかってきて物を落とされたり、教室を歩いていたら足を出されて転びそうになった。美術で作ったものを壊された。」(はらはらさん 千葉県 中学3年女子 保護者)

中学生に最も多い「いじめの種類」-精神的いじめやSNS上のトラブルも

いじめという言葉から暴力などの分かりやすい行為を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、今回の調査で保護者が子どもから聞いた内容の多くは、“無視される”“急に仲間から外される” といった、離れたところからは把握しにくい人間関係によるものでした。

ここからは、中学生のいじめの内容を具体的に見ていきます。

最多は「悪口・仲間外れ・無視」など“精神的いじめ”が中心

中学生に最も多いいじめの種類_調査結果

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

保護者が子どもから聞いた「いじめ」がどのようなものだったかを聞くと、言葉によるいじめ(59.3%)と、無視・仲間外れ(59.3%)が同率で最多となり、中学生のいじめの中心が言葉や態度による“精神的いじめ”であることが明確になりました。

特に、理由が曖昧なまま突然始まる仲間外れが目立ち、少人数から多数へ広がるようないじめも見られました。身体的攻撃が少なくても、心理的ダメージを本人が周りに相談しにくく、深刻になりやすい点が特徴です。

言葉は鋭利な“凶器”になる。悪口・からかいの実態

言葉によるいじめは、決して「些細なこと」ではありません。仲間からの否定的な言葉は、自尊心を深く傷つけ、時には逃げ場のない絶望感を与える「暴力」そのもの。 「キモい」「ウザい」といった短い言葉であっても、それは立派な攻撃であり、いじめです。

「クラスのおとなしい男子が、いつもうるさい男子に馬鹿にされたり、バイ菌呼ばわりされていたと聞きました。」(まみさん 埼玉県 中学1年女子 保護者)
「ちょっとキツいものの言い方をする女子が、引っ込み思案な男子一人の子に対して、ウザイだのなんだの、一つ一つの行動に対して罵声を浴びせているようです。」(ゆきえりさん 長野県 中学2年女子 保護者)
「クラスメイトで親しい友人が、同じクラスメイトの女子から、『お前ナヨナヨしててキモイ』と言葉による暴力を受けていた。」(たけっちさん 埼玉県 中学2年男子 保護者)

無視・仲間外れは静かに進む。態度変容によるいじめ

無視や仲間外れは“何もしていないように見える”ため大人が気づきにくい行為です。その反面、本人には強い孤立感を与えます。特に「昨日まで普通だったのに」という態度の急変は、心の傷が深くなりやすい傾向があります。

「クラスメイトから、話の輪に入れてもらえず、一人だけスルーされたり、聞こえるようにわざと悪口を言う。」(めろさん 神奈川県 中学2年男子 保護者)
「娘の隣のクラスの女の子が、同じクラスの女子グループから空気のように扱われ、存在を認めず無視されています。」(アキラさん 大阪府 中学2年女子 保護者)
「クラスメイトの女子が今まで同じグループで仲良くしていた子達から、グループから外されて無視され、仲間外れになっていると聞きました。」(ミナさん 北海道 中学2年女子 保護者)

SNSトラブルも3割弱発生-悪口・排除・“裏グループ”など

今回の調査では、SNS上のトラブルが28.8%と約3割弱を占めました。裏グループでの悪口拡散や写真の晒し投稿へと発展するケースが見られ、教室では見えない“陰のいじめ”として進行しやすい点が特徴です。

「同じ学年の男子が、同じく同じ学年の男子のことをSNSで悪口を書いていた。」 (あいさん 兵庫県 中学2年男子 保護者)
「クラスの子のなかで裏LINEグループがあり、そのLINE内でいじめ対象の子の悪口が流されているらしい。」(しんさん 富山県 中学1年女子 保護者)
「クラスの数名の男子が同級生A君に対し、休み時間やLINEで悪口を言い続け、授業中も仲間外れにしていた。さらにSNSにA君の写真を勝手に載せて誹謗中傷する投稿があったと聞きました。」(Micky-hさん 東京都 中学2年男子 保護者)

身体的いじめも一定数存在する

精神的いじめが中心とはいえ、“身体的いじめ”も20%ほど挙がっていました。暴力を伴ういじめは、身体に傷が残る、痛みを訴える、登校を嫌がるなど、比較的把握しやすいサインが出る傾向にあります。こうした行為は子どもの身体・精神ともに影響を与えます。

「同じクラスの男子が他のクラスの男子数名から体育の授業が始まる前にバレーボールを連続でぶつけられたりしていたという内容でした。」(ジャスミンさん 東京都 中学1年女子 保護者)
「息子の先輩が彼の同級生から殴るなどの暴力を受けた。」(トマトぼうやさん 三重県 中学1年男子 保護者)
「同学年の男子生徒がクラスメイトの男子におなかを殴られたり顔をビンタされるなどのいじめがあると聞きました。」(サウナハットさん 東京都 中学1年男子 保護者)

中学生のいじめに親はどう対応している?9割が「まず話を聞く」、6割が学校へ相談

子どもからいじめや人間関係のトラブルを打ち明けられたとき、保護者はどのように対応しているのでしょうか。

中学生のいじめに親はどう対応しているか_調査結果

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

最も多かったのは「子どもの話をじっくり聞いた」(92%)で、続いて「学校に相談した」(60%)が挙がりました。まずは子どもの気持ちを丁寧に受け止め、その上で学校と連携しながら改善に向けた行動を取っていることがわかります。

対応① 話をじっくり聞き、気持ちを受け止める(92%)

最初の対応として最も多かったのは、「子どもの話をじっくり聞く」でした。

子どもは自分の気持ちをうまく言葉にできないことも多いため、安心して話せる場を確保することが、その後の適切な対応の基盤となっているといえそうです。

「息子が心配している様子だったため、まず落ち着いて話を聞き、どう感じているのかを丁寧に確かめました。そのうえで、一人で抱え込まないように、困った時は先生に相談してよいことを伝えました。実際に担任の先生にも状況を共有し、さりげなく見守っていただくようお願いしました。こうした方が早期に改善につながると思ったためです。」(KKさん 東京都 中学2年男子 保護者)
「子供がいじめを見て一人で思い悩んでいるようだったので、話を聞いて少しでも気持ちが楽になってほしい思いました。なので、子供がどのように感じて何をしたいのかを聞き、辛い気持ちに共感しました。」(ミナさん 北海道 中学2年女子 保護者)
「まず子どもの話を落ち着いて最後まで聞き、感情を受け止めて安心させました。そのうえで、SNSの誹謗中傷やLINEのやりとりなど証拠になるものをスマホでスクリーンショットして保存するよう指示しました。」(Micky-hさん 東京都 中学2年男子 保護者)

対応② 学校へ相談し連携をとる(60%)

子どもの話を受け止めた後、次のステップとして多くの保護者が選んでいたのが「学校への相談」(60%)です。

学校側に早めに情報を共有するとともに、具体的にお願いしたいことを伝えるなどで、解決に向けて行動する姿も見られました。

「担任の先生に連絡帳と面談で相談して、休み時間の見守りやグループ編成の見直しをお願いしました。学校と共有する事で、家庭だけで抱え込まずに、教室内の環境調整と指導に繋げられると判断したからです。」(こべみさん 兵庫県 中学2年男子 保護者)
「子供から聞いた話を整理し、学校へ電話して伝えました。子供から言わせると子供がいじめの対象になる可能性もあったので、私が直接電話しました。」(フクスケさん 福岡県 中学1年男子 保護者)
「いじめを受けていることを担任の教師に連絡して話し合いました。」(kuraさん 兵庫県 中学1年女子 保護者)

いじめを防ぐために、親ができる予防策

いじめの予防は、学校だけでなく「家庭での関わり」が大きな役割を果たします。では、いじめを防ぐために家庭ではどんなことができるのでしょうか?

いじめを防ぐために親ができる予防策_調査結果

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

今回の調査で「いじめの当事者にならないように、日ごろから心がけていること」を聞きました。

結果、最も多かったのは「思いやりを持つことや相手の気持ちを考えるように伝えている」で75.0%でした。次いで「子どもの様子をよく観察する」が64%、「学校での出来事についてよく話を聞く」が57%、「人の悪口や陰口を言わないように教えている」が53%でした。

また、SNS利用のルールづけや、加害者・被害者・傍観者にならないための考え方を共有するなど、家庭で担える予防策は多岐にわたっていることがわかります。次からは、保護者が実際に取り組んでいる具体策として上位にあがった内容を紹介します。

予防策① 思いやりを持つことや相手の気持ちを考えるように伝える

いじめの加害行動を防ぐためには、「自分がされたら嫌なことをしない」という価値観を家庭で丁寧に伝えることが欠かせません。思いやりの心を育む言葉がけや、相手の気持ちを考えることを家庭で教育していると答える声も多く見られました。

「相手の立場に立って考えられるように育てること。思いやりの心を育てること。」(中二ママさん 岐阜県 中学2年女子 保護者)
「どういうことがいじめで、それによって相手がどいう気持ちになるか考えた上での言動をするように日頃から話をする。」(マックさん 宮城県 中学1年男子 保護者)
「自分の子供に他人の気持ちがわかる人間になるよう日頃から教え、その都度指摘して言い聞かせている。」(あささん 東京都 中学3年男子 保護者)

予防策② 子どもの様子(元気・食欲・態度の変化)をよく観察する

表情・態度・元気さなど、子どものわずかな変化に注意を払う家庭も多く見られました。日頃から様子を観察しておくことで、子どもが困っているサインに早く気づくことができます。

「子供達の日頃の様子をよく観察すること、会話をすること、表情を読み取ることが大切だと思う。小さい異変に早く気付くことが大切だと思う。(にゃんこlv45さん 群馬県 中学3年男子 保護者)
「子どもの様子を注意深く観察する。いつもと違う様子など、注意してみることや日頃からたくさん本人と話をすることだと思う。」(おふねさん 熊本県 中学2年男子 保護者)
「帰宅後の子供の様子を日常的に観察し、小さな変化や兆候を見逃さないよう注意深く接することが最も重要だと思います。」(ミカさん 東京都 中学2年男子 保護者)

予防策③ 学校での出来事についてよく話を聞く

子どもが普段から学校での出来事を話しやすい環境は、トラブルの早期発見に直結します。保護者のコメントからは、保護者が“まず家庭で安心できる場をつくること”を重視している様子が多く見られました。

「学校での出来事や定期的に嫌な事や悩んでいることはないかなど、子供にヒアリングして何でも話しやすい家庭環境を作っています。」 (tataさん 愛知県 中学1年男子 保護者)
「学校から帰ってきたらなんでも良いからコミュニケーションをとること。1分でも話を聞ける環境をつくるだけでも、もしなんかあった時やトラブルになっても話しやすい、聞き出しやすい環境になるのかなと。」( むーむさん 茨城県 中学1年男子 保護者)
「学校であったことを家庭内で気軽に話をすることができる環境にしておくことが、中学生の親としてできることだと感じています。」
(ニホバシさん 大阪府 中学1年女子 保護者)

予防策④ 人の悪口や陰口を言わないように教える

「人の気持ちを考えずに言葉を発してしまうことや、容姿に対する悪口を言うことはダメだと言っている」(ちさとさん 東京都 中学2年女子 保護者)
「単純に叩いたりするのもいじめだが、言葉でも相手が嫌だと思えばいじめになるので気をつけろと教えている。」(たけっちさん 埼玉県 中学2年男子 保護者)
「傷つくような言葉を相手にぶつけたり、理由なく暴力を振るうことはいじめに相当するので絶対にやってはいけないと言っています。」(アンコウさん 大阪府 中学1年男子 保護者)

予防策⑤ SNSのルールやマナー、適切な使い方を家庭で話している

SNSの普及により、教室では見えない場所でのトラブルが発生しやすくなっています。使い方のルールやマナー、困ったときの対処方法を具体的に伝えている保護者もいました。

「SNSの使い方や境界線を家庭で具体的にルール化し、親自身が尊重的なコミュニケーションを実践して手本を示す。」(かのうさん 福岡県 中学2年男子 保護者)
「SNSの悪口、無視や仲間外れはいじめに該当するという考え方です。少しでも嫌だと思ったら、先生や親に相談しなさいと言っています。」(BOOSTさん 東京都 中学3年男子 保護者)
「今はほとんどの子がスマホを持っていて、LINEのやり取りでのトラブルもよく聞くので、スマホのルールをしっかり決めました。」(あやみひなさん 石川県 中学2年女子 保護者)

予防策⑥ 早めに相談しやすい雰囲気をつくっている

いじめが深刻化する背景には、「誰にも言えず抱え込んでしまう」状況があります。困ったときに大人へ相談してよいことを繰り返し伝え、子どもがSOSを出しやすいようにしていました。

「一人で悩まない、辛いときは話して欲しいと伝えている。」(JBさん 東京都 中学3年女子 保護者)
「大切なことは、何かあったときに自分だけで判断しないこと、親や先生に先に言うことはダサイことでも何でもないと教えています。基本的には子どもには子どもの世界があるので、親に隠したいこともあるでしょう。ただ一定の線を超えた場合はすぐに言うように、そこの判断だけは間違えないようにと、いじめだけでなく何か出来事があるたびに伝えるように言っています。」(ぴーすけさん 東京都 中学2年男子 保護者)
「保護者以外の相談先(学校のカウンセラーなど)もことあるごとに伝えています。」(うみさん 東京都 中学1年男子 保護者)

まとめ:家庭が、いじめから子どもを守る一番の場所であるために

今回の調査から見えてきたのは、いじめが“特別な出来事”ではなく、中学生の身の回りで日常的に起こりうる問題であるという現実でした。

6割の家庭が「子どものまわりでいじめを見聞きした」と回答し、その多くが悪口・無視・仲間外れといった精神的いじめです。SNSを介したトラブルも増え、教室では見えない場所で傷つくケースが目立ちます。

いじめを未然に防ぐためには、日常のコミュニケーション、SNSを含む生活習慣のルールづけ、そして加害者にも被害者にも傍観者にもならないための価値観を家庭で共有することが欠かせません。

“おかしい”と感じた小さなサインを見逃さず、子どもが安心して本音を話せる環境を整えること。そうした家庭での関わりが、子どもが一人で悩まずに相談できる勇気や、いじめのない人間関係を育むことにつながるのではないでしょうか。

アンケート調査概要
調査対象:中学生の子どもをもつ保護者(有効回答数100名)
調査時期:2025年12月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「中学生のいじめの実態」についての調査
※本調査レポートの内容(グラフ・データ・本文など)の無断転載・改変を禁じます。
掲載しているグラフや内容を引用する場合は、出典「塾選ジャーナル調べ:『中学生のいじめの実態』についての調査」と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/40921/)へのリンク設置をお願いします。

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