2022/09/05

中学受験に失敗する原因は？うまくいかない親・子どもの特徴や失敗しないためのポイント

せっかく中学受験をするのであれば、志望校に合格したいと思うのは当たり前のことです。しかし、どれだけ頑張って勉強をしても、失敗することも考えられるでしょう。失敗する原因にはいくつかの共通した特徴があるので、事前に理解しておくことが大切です。

今回は中学受験に失敗する原因について、うまくいかない親や子どもの特徴と、失敗しないためのポイントと一緒に解説します。

中学受験で失敗する原因

中学受験で失敗する主な原因は、次の7つに分けられます。

原因①：受験校と現状の学力に大きな差があった

受験する学校と子どもが持つ学力との間に、大きな差があると失敗につながります。

中学受験では親の意見も取り入れながら志望校を選ぶのが一般的ですが、親の気持ちが強ければ強いほど、子どもの実力を過度に見積もってしまいがちです。また、「せっかく中学受験するのだから、難関校に合格させたい」と思い、実力よりも高い学校ばかりを志望校に設定するケースも少なくありません。

志望校のレベルに見合っていない学力のまま受験をしても、当然のことながら合格する可能性は低くなります。

原因②：すべり止めを受験しなかった

中学受験をする家庭の中には、あえてすべり止めを受験させない親がいます。「第一志望校以外の学校に対して、入学させる魅力を感じない」「子どもに受験のプレッシャーを感じてもらうため」など、さまざまな理由が考えられます。

しかし、すべり止めを受験しない状態で本命の学校1つのみに挑戦すると、子どもによっては過度な緊張を強いられるでしょう。入試本番で持っている実力を発揮できず、失敗することも珍しくありません。

反対に、すべり止めに合格していると、リラックスした状態で受験に臨め、本当の実力を発揮できる可能性が高まります。

原因③：偏差値のみで志望校を選んでしまった

志望校選びの判断材料となるのが、学校の偏差値です。しかし、偏差値のみで志望校を選んでしまうと、失敗する原因となりかねません。

たとえば、同じぐらいの偏差値を持つ中学校でも、入学試験の内容や傾向は学校によって異なります。一つの問題に対してじっくりと時間をかけて取り組むところもあれば、たくさんの問題を短時間でどんどん解き進めていくところもあるでしょう。同じ偏差値でも違った難しさがあることから、具体的な勉強方法も変わってきます。

原因④：志望校選びが適切ではなかった

すべり止めを含めて複数の学校を受験する場合、志望校選びが不適切で失敗するケースもあります。

たとえば、受験する学校のレベルがすべて同じとなる場合、どの学校にも合格しない状況におちいるかもしれません。チャレンジ校・実力相応校・安全校と、レベル分けをして受験することが大切です。

原因⑤：入試本番に緊張して力を出しきれなかった

多くの受験生にとって中学受験は、大きなプレッシャーを感じるものです。特に小学6年生は思春期が始まるころで、情緒が安定しない年齢でもあります。入試本番で過度に緊張したり、気持ちが安定しないまま受験したりすると、力を出しきれずに不合格となるケースもあるでしょう。

普段から学習面だけでなく、精神的なケアをしておくことも必要です。

原因⑥：学習時間にとらわれて、勉強の質が疎かになっていた

原因の6つめは学習時間にとらわれて、勉強の質が疎かになっていたことです。一定の学習効果を上げるためには、学習時間をある程度確保することが欠かせません。しかし、学習時間だけに着目してしまうと、「何をやったか」「何が理解できるようになったか」といった勉強の質に目が届かなくなってしまいます。

たとえば、子どもが2時間机に向かっていても、実はほとんど勉強が進んでいなかったことも考えられるでしょう。

原因⑦：家庭での方針が一致していなかった

家庭での方針が一致していないことも、中学受験に失敗する原因の一つです。たとえば、母親は中学受験に一生懸命で、「絶対に私立中学に入学させたい」と思っていても、父親は「無理に中学受験をすることはない」と思っているかもしれません。

家庭の中で中学受験に対する方針が異なると、家族の間で不協和音が生まれます。子どもが動揺し、受験勉強に集中できない可能性も出てくるでしょう。

中学受験で失敗する親の特徴

中学受験は「親子の受験」といわれているほど、親の関わりが重要です。適切にサポートをすれば受験勉強がうまく進む反面、間違った関わりを続けると、失敗の原因になりかねません。中学受験で失敗する親の特徴は、次の5つです。

特徴①：干渉のしすぎ

1つ目の特徴は、干渉のしすぎです。塾選びや日々の学習管理、進捗状況の確認、模擬試験の申し込みなど、たくさんの親がすべきことがあります。しかし、あまりにも子どもの勉強に干渉しすぎるのは逆効果です。

大人に限らず、小学生の子どもにとっても、ほとんどのことが決められたことへ取り組むのは退屈なもの。勉強へのモチベーションが失われるだけでなく、自分で考えて行動する力も身につきません。

親が管理すべきところと子どもに任せるところを分けて、過度な干渉にならないように気をつけましょう。

特徴②：必要以上に学習環境を変える

いま通っている学習塾に対して不満があったり、他に魅力を感じられる塾を見つけたりすると、学習環境をその都度変えようとする親がいます。学習環境を変えること自体は悪いことではありませんが、必要以上に何度も変更するのは止めましょう。

新しい環境になじむためには時間がかかり、子どもにとって負担となります。また、慣れ親しんだ講師やクラスメイトの存在が、中学受験を乗りきれる大きな力となるケースもあるためです。

特徴③：子どもに試行錯誤させず、答えをすぐに伝える

親が子どもに勉強を教える場合、つい問題の解き方や答えをすぐに伝えてしまうことがあります。その場では子どもも「わかった」と口にしても、実際には理解できていないことも珍しくありません。また、その場では本当にわかったつもりでも、他人から教えられた知識や答えはすぐに忘れてしまうものです。

知識として定着させ、入試本番でも使えるようにするためには、子ども自身が試行錯誤しながら解答に至るプロセスが欠かせません。子どもの学力や反応を見ながらヒントを与えるのがベストな方法で、学習指導に慣れていない素人には難しいのが実際です。

特徴④：成績に対して、過度な反応や指摘をする

4つ目の特徴は成績に対して、過度な反応や指摘をすることです。合格できるかどうかの指標となる塾の成績や模擬試験の結果などは、ほとんどの親が気になるものの一つ。しかし、たとえ成績や結果が悪かったとしても、気にする素振りを子どもに見せないようにしましょう。

一番気にしているのは子ども自身で、親が過度な反応や細かい指摘をすると、モチベーションが大きく下がってしまいます。「次はがんばろうね」「苦手な分野がわかって、よかったね」など、前向きな言葉がけが効果的です。

特徴⑤：家庭での会話がネガティブ・否定的

家庭での会話がネガティブ・否定的なことも、中学受験で失敗する要因となります。特に入試本番が近づくと、子どもよりも親が神経質になりがちです。子どもに対して「この調子のままだと、合格できないよ」「本当に合格する気があるの？」など、ネガティブ・否定的な言葉がけは止めましょう。

子どもの自信を喪失させるだけでなく、受験が終わった後にも残る傷になりかねません。

中学受験で失敗する子どもの特徴

続いては中学受験で失敗する、子どもの特徴を紹介します。

特徴①：勉強量が少ない

子ども自身に中学受験で失敗する原因がある場合で、最も多いのが勉強量の少なさです。志望校のレベルにもよりますが、中学受験に合格するためには相当の勉強量の確保が求められます。

机に向かっていたり、塾に通っていたりしても、真面目に勉強に取り組んでいないケースもあるでしょう。

特徴②：すぐに答えを聞いてくる

2つ目はすぐに答えを聞いていることです。先で述べたように、学んだ知識をしっかり定着させるためには、自分自身で考えることが求められます。いろいろと試行錯誤しながら答えにたどり着くことで、本物の学力が身につくのです。

わからないところがあるとすぐに答えを聞いてきたり、ほとんど考えずに解答を見たりする子どもは、その場ではわかったつもりでいても理解できていません。

特徴③：学校や塾の授業を聞いていない

学校や塾の授業を受けているつもりでも、実は内容をしっかり聞いていない子どもがいます。学校や塾の授業では子どもの理解力を深めるために、「聞く時間」と「書く時間」を分けて設定しています。成績が上がらない子どもは書く時間に、書くことにばかり気を取られている可能性があるでしょう。

「カラーペンの本数を、最大3色までに減らす」「先生や講師の説明が始まったら、書くことを止めて話をよく聞く」といった工夫をすることで、しっかり授業を聞けるようになるはずです。

特徴④：解説を確認しない

4つ目の特徴は、解説を確認しないことです。勉強しているのに学力が上がらない子どもは、問題を解き終わった後に答え合わせしかしません。解説を確認しないので、同じ間違いを何度もくり返してしまいます。

特に間違えたところは解説までしっかり読み、どのように問題を解くのかを確認することが大切です。

特徴⑤：やらされている意識が強い

親に受験勉強をやらされている意識が強いと、いつまでたっても合格力は身につきません。いやいや勉強をしても内容が頭に入らず、成績も一向にアップしないでしょう。

「〇〇中学校へ入学したい」「次の模擬試験でトップの成績を取りたい」など、子どもが自分のために勉強する意識を持つことで、結果をともなう勉強に取り組めるようになります。

中学受験を失敗させないためのポイント

最後に中学受験を失敗させないためのポイントを、全部で5つ見ていきましょう。

親子共に、体調管理を徹底する

受験を乗りきるためには、体調を万全に整えておくことが欠かせません。子どもだけでなく、サポートをする親も体調管理を徹底させましょう。

栄養バランスが整った食事を取り入れ、睡眠時間もしっかり確保します。また、長く受験勉強を続けていると精神的なストレスもたまっていくため、時々リラックスできる活動を取り入れることも大切です。

すべり止めを受験する

すべり止めの学校を受験することで子どもは「本命に落ちても大丈夫」と思い、中学受験に対するプレッシャーが軽減します。

また、試験本番が持つ緊張感あふれる雰囲気に慣れて、本命校の入学試験で実力を発揮できるようになるメリットもあるでしょう。

完璧を求めすぎない

志望校に合格するためには、入学試験で100点を取る必要はありません。合格ラインといわれているのは、1科目あたり60点。そのため、学習塾などで開催される模擬試験でも、完璧さや高得点を目指さなくても大丈夫です。

完璧さを求めないことで親だけでなく、子ども自身も余裕を持って過ごせるようになるでしょう。

子どもの意見を聞いたり、子どもに考えさせたりする

中学受験自体を決めたり、志望校を選んだりするのは、親が先導することが多いかもしれません。しかし、あらゆることを親だけで決めてしまうと、子どものやる気は一向に上がっていかないでしょう。子ども自身が「行きたい」「勉強したい」と思える状況を作ることで、勉強のモチベーションがアップします。

勉強計画を立てたり、志望校を選んだりする際は、子どもの意見を積極的に聞いたり、子ども自身に考えさせたりしてください。

子どもに合う塾を選び、塾に協力してもらう

最後は子どもに合った塾を選び、塾に協力してもらうことです。子どもに合った塾を選ぶポイントは、主に次のようなものが考えられます

・中学受験に特化した塾、またはコースを持っている
・志望校への合格実績が高い
・カリキュラムや授業レベルが子どもに合っている
・講師の指導力が高い
・自宅から通いやすい
・サポート体制が整っている

サポート体制は「学習計画を立ててくれるか」「学習相談や進路相談を受けてくれるか」「授業後の質問や補習など、理解不足に対するフォローがあるか」などが挙げられます。親子両方に協力してくれるようなサポート体制があれば、苦しい中学受験も乗り越えられるはずです。

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まとめ

中学受験で失敗する原因には、いくつかの共通点があります。絶対ではないものの、「受験校と現状の学力に大きな差があった」「すべり止めを受験しなかった」「偏差値のみで志望校を選んでしまった」といった要素は、受験で失敗を招くかもしれません。

中学受験を専門とする学習塾や、専用のコースを持つ学習塾では、受験を上手に乗り越えるためのノウハウを持っています。自宅のみでできることは限られてくるため、うまく活用していくとよいでしょう。

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