連続不合格から巣鴨中学校に合格!偏差値以上に対策が大事と痛感した父子の中学受験|親たちの中学受験体験記 Vol.22
もし本番で不合格が続いた時、逆境にどう向き合えばいいのか——。中学受験を控える親子にとって、避けて通れない不安の一つではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、巣鴨中学校に合格した息子さんを持つお父様です。受験では序盤の日程でなかなか思ったような結果が出ず、親子ともに精神的に追い詰められたといいます。
その厳しい状況から、最後の最後につかんだ巣鴨中学校の合格。逆転の背景から父親としての試行錯誤、「第一志望に偏りすぎた」という反省まで、率直に語っていただきました。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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目次
【保護者プロフィール】
| お名前 | 宮田 誠治(仮名) |
|---|---|
| お住まい | 東京都 |
| 年齢 | 39歳 |
| 職業 | 会社員 |
| 性格 | 真面目 |
| 家族構成 | 4人家族(父・母・長男・次男) |
【中学受験を行った子どものプロフィール】
| 子どもの名前 | 宮田 佑馬(仮名) |
|---|---|
| 性別 | 男子 |
| 現在通っている学校名 | 巣鴨中学校 |
| 受験当時に通っていた塾 | 日能研 |
| 受験時にしていた習い事 | サッカー |
| 得意科目 | 社会 |
| 苦手科目 | 算数 |
| 性格 | 社交的、優しい、自分から動くというよりは人についていく方、真面目、一生懸命、緊張しやすい |
| 偏差値 | 受験開始期:60 受験直前期:60 |
| 受験結果 | 某難関私立中学:不合格(第一志望) 巣鴨中学校:合格 ※ほか複数校不合格 |
文化祭を中心に見学、「おとなしい息子に合う校風」を見極めた
―まずは、中学受験をしようと決めたきっかけから教えてください。
きっかけは、息子の友達が塾に入り始めたことでした。
正直、最初は私も息子も受験を考えていなかったんです。そのうえで、受験するかどうかはさておき、まずはうちも塾に入ってみようかと。
金銭面も考慮し、最初は都立を目指してその専門塾を第一候補にしていました。でも、いくつか体験授業に参加した息子が「日能研が一番楽しかった」と話してくれて。それを受けて、小3の2月ごろに日能研に入ろうと決めたんです。結果的に、この入塾が受験の出発点になりました。
―そこから受験校選びが始まったわけですね。15校ほど見学されたとのことですが、どのように候補を絞り込んでいきましたか?
一番の基準は「息子の性格に合いそうかどうか」でした。
どちらかというとおとなしい性格なので、雰囲気によっては合わない学校があるかもしれない。そう思い、息子のタイプと校風の相性をしっかり見極めて選ぼうと考えました。
そのために、4年生から5年生にかけてひたすら学校見学に行きました。各校のパンフレットに書いてある内容は、どうしても似通ってきてしまいます。だからこそ、実際に行って雰囲気を肌で感じてみる。そのうえで、息子自身が「ここに行きたい」と実感できる学校を見つけたいと思ったんです。
―特に文化祭を中心に見られたそうですね。
はい。実際の雰囲気が最もわかる行事の一つだと考えたためです。一校ずつ足を運んだことで、親子ともに納得して候補を決められたと感じます。
―最終的に第一志望(※某難関私立中学)を決め、見事に合格した巣鴨中学を第二志望に決めた理由は何でしたか?
見学しての印象が特に良かったのが、大きな理由の一つです。
校風だけでなく、教育方針も息子に合っていると感じました。息子の性格を踏まえると、自由度が高いというよりは、生活や学習面をほどよく管理してくれる学校の方がフィットするはず。その考えにも合致すると思えたのが、この2校だったんです。
\志望校・受験校選びのポイント/

日能研をベースに、6年夏から早稲アカ「NN特訓」を併用
―塾選びについても教えてください。日能研を選んだ決め手は何でしたか?
一つは先ほども触れたとおり、息子自身が「一番楽しかった」と言ったことです。もう一つは、正直にいうと金銭的な面でした。中学受験するかわからない状態でのスタートだったので、比較的安価なところから始めたかったんです。
あとは宿題の量をはじめ、勉強の負荷が息子に合っているかも検討の軸にしました。なかには日能研よりも宿題が多い塾もありましたが、“続ける”ことを目指すためにも、大変すぎない塾を選ぼうと。入塾した当初は習い事でサッカーも続けていたので、それとの両立も考慮していました。
―実際に日能研へ通ってみて、どのような点に良さを感じましたか?
講師との距離が近いことですね。生徒の名前もよく覚えてくれていて、息子も普段からすごく楽しそうに授業を受けていました。
何より一番助かったのは、入試本番が始まってからのサポートです。不合格がいくつか続いてしまったのですが、そんな時も「一度塾に来て、最後の対策をしませんか?」と声をかけてくださって。翌日の巣鴨中学の対策をギリギリまで、丁寧にサポートしてくださったことは、本当にありがたかったです。
ほかの塾に通っていた方の話をあとから聞くと、受験本番の時期は一人ひとり細かく見れないケースもあったようで。その意味でも、日能研はすごく恵まれた環境だったと感じます。
―一方で、6年生になってから焦りを感じた部分もあったそうですね。
はい。6年生になってすぐに受けたサピックスオープンで、かなり厳しい結果が出たことがきっかけです。未習の分野が出題されたり、習熟済みの分野でも高度な問題になると太刀打ちできなかったり…息子も私も、それまでにない焦りを感じた出来事でした。
そこで、6年生の夏から早稲田アカデミー「NN志望校別コース」の土曜特訓と夏期講習、正月特訓を受けました。日能研での勉強だけでなく、より第一志望に特化した対策も不可欠だと感じたんです。
―改めて振り返ると、塾に通ったからこそ得られたものは何だと思いますか?
やはり勉強の習慣がついたことでしょうか。ペースに合わせて宿題も出してくれますし、自然と机に向かうリズムができました。塾がなければ、自分で勉強を進めるのにも限界があったと思います。
あとは成績に応じて塾内で順位がはっきり出るのも、息子には好影響がありました。席順も毎回のテスト結果によって決まりますが、息子は負けず嫌いなところがあって。成績が良くなかった時は「次は頑張りたい」と、悔しさをエネルギーに変えていた印象です。塾に通っていたからこそ、引き出されたやる気も少なくなかったと思います。
\塾選びのポイント/

父がYouTubeで算数の解法を独学、息子に教え続けた日々
―学校や塾のほかに、家庭学習での工夫についても伺いたいです。特に力を入れてサポートしたことはありますか?
息子の苦手科目である算数は、かなり試行錯誤しながら伴走しました。
わからない問題は塾の講師に聞くのが理想ですが、息子は引っ込み思案なところがあり、なかなか聞きにいけなくて。そこで、YouTubeで解き方を紹介している動画を私が見つけて、私自身が解いてみて、その方法を息子に教える形を選びました。
―お父様ご自身が、YouTubeも使いながら勉強されたんですね。
そうですね。まずは自分で勉強してみて、それをもとに教える方が、お互いに効率的だとも思ったんです。とはいえ、難しい問題は何回解説を見ても、私自身が理解できないこともあり……とにかく必死で、一番わかりやすい解説動画を探す日々でした(笑)。
あとは、間違えた問題をコピーしてノートに貼って、「この問題はこういう解き方がいいよ」というメモを一つひとつ書く工夫もしました。常に解法を見直して、身につけるための取り組みです。結果的に、本番直前まで役立ったと感じます。
―お父様ご自身が教える場合も、「なぜこう解くのか」までをわかりやすく説明できる必要がありそうです。
そこが一番大変でしたね。解いたうえでその理由まで理解して、言葉で伝わるように説明する必要があったので。
私も息子も、中学受験ならではの典型的な問題がわかり出したのが、6年生の半ばになったころでした。問題に触れる機会を積み重ねて、「これ見たことある問題だね」と、ようやくお互いに言えるようになってきたんです。息子の成績が特に伸び始めた時期も、その辺りだったと思います。
―ここまでのお話で、お父様も献身的にサポートされたことが伝わってきました。ご両親での役割分担については、どのようにされていましたか?
明確に決めていたわけではなく、自然と役割分担が決まっていきました。勉強を教えるのはどちらかというと私の担当。ノートを作ったり単語カードを作ったりといったサポートは、妻が担当していました。
妻と私とで考え方が合う部分もあれば、そうでない部分もありました。たとえば、第一志望の対策にどれだけ力を入れて取り組むか。妻は「そこまでこだわらなくてもいいんじゃない?」という考えでしたが、私は目一杯取り組むべきだというスタンスで。
結果的に、私も息子も妻の言うことをあまり聞かず、第一志望に向けて突っ走りすぎました。いま振り返っても、大きな反省の一つです。
―お父様がここまで伴走されるケースは多くないと思いますが、ご自身ではどう感じていましたか?
正直、孤独に感じた時はありました。父親がここまで伴走するケースは、私の周りでも片手で数えられる程度しかなくて。ブログもママさんが書いているものが多く、求めている情報に出会えないことも少なくありませんでした。
同じ立場で話せるお父さんともっとつながれていたら、私も息子もより取り組みやすかっただろうなと感じます。
\家庭学習・父親による伴走のポイント/

まさかの連続不合格、逆転の理由は「諦めずに塾へ向かったこと」
―先ほど話に上がった受験本番についてお聞きします。不合格が続いてしまった時はもちろん辛かったと思いますが、実際の心境を教えてください。
率直にいえば、めちゃくちゃしんどかったですね。2月1日から不合格が続き、息子も私も精神的にかなり苦しい状態でした。
特に受かると思っていた学校で不合格の結果を見た時は、頭が真っ白になりました。複数の不合格通知を見た時点で、もう何も見たくないという気持ちになりましたね。
―息子さんには、不合格が続いている状況をいつ伝えましたか?
2日目の試験が終わったあとに伝えました。
本当は、試験がすべて終わるまで、何も伝えないでおこうと思っていたんです。ですが、もう背に腹は代えられない状況になっていたので。息子にも、ありのままを伝えることにしました。
―状況を知って、息子さんはどのような反応でしたか?
「なんでこんなに頑張ってきたのに、全然合格が出ないんだろう」と泣き出してしまって。その姿を見て、自分のサポートの仕方が間違っていたんじゃないかと、自責の念に駆られたのを覚えています。実際、その夜は私が一睡もできませんでした。
―どん底の状態にも思えますが、息子さんはどのように気持ちを立て直したのでしょうか?
最後の巣鴨の受験直前、日能研へ行ったことがすごく良かったと思います。
塾の先生に手助けしてもらいながら、改めて巣鴨の受験問題を解かせてもらいました。ある程度その問題が解けたことで、息子も自信を取り戻した様子で。
講師からも「これだったら大丈夫」と、背中を押していただきました。
―翌日の巣鴨の受験に合格した時は、どのような気持ちでしたか?
言葉にならないくらい嬉しかったです。ここまでの努力が報われた気持ちでした。妻と一緒に、久々に涙を流したくらいです(笑)。何より、最後の最後まで粘り強くやり抜いた息子は、本当によく頑張ったと思います。
―不合格が続くと、塾に足を運べなくなる子も多いと聞きます。息子さんが最後まで諦めずに取り組めたのは、なぜだと思いますか?
負けず嫌いで、一度頑張ろうと思えたら頑張れる。その性格が良い影響を与えたのかもしれません。
あとは、妻が最後まで「頑張っておいで!」と力強く背中を押していたことも、すごく大きかったと思います。私自身は不合格が続いて、完全に疲弊してしまったので……。振り返ると、もう少し息子を後押ししてあげたかったという想いが強いです。
\連続不合格から立ち直るためのポイント/

「偏りすぎた」反省から見えた、併願校対策の大切さ

―巣鴨中学での生活や息子さんの様子はいかがですか?
入学してみて、率直に良かったと感じています。
正直、入学前は「厳しい」というイメージへの心配もありました。ですが実際に通い始めてみると、息子にとっては過ごしやすく、行事も豊富な学校という印象です。勉強もしっかり教えてくれますし、部活動も楽しめているようで、充実した日々を送っています。
―受験期を振り返り、「もっとこうしておけばよかった」と感じることはありますか?
強いて言えば、第一志望だけでなく、第二・第三志望の対策にもより注力すべきだったと感じます。これから受験されるご家族に一番伝えたいのも、まさにその点です。
第一志望の対策に偏ってしまった要因の一つに、本番の数か月前に苦手だった算数がグッと伸びて、どんどん解けるようになったことがあります。その時期は第二・第三志望の問題もたくさん解くべきなのに、つい第一志望の算数ばかり夢中になってしまいました。
それに「第二志望以下は大丈夫だろう」と、つい甘く見ていた部分もあったんです。ですが蓋を開けてみると、偏差値よりも「その学校の問題にどれだけアジャストできているか」が重要だった。それこそが合否を分けるポイントだと、身をもって痛感しました。
―受験を通じて、息子さんが得たものは何だと思いますか?
「最後まで諦めずに戦い抜いた」経験が、息子にとって一番の財産になったと思います。
ありきたりかもしれませんが、これだけ頑張ってきた事実は、今後の人生においても大きな意味を持つと思います。特に本番を迎えた2月、逆境を乗り越えて合格までたどり着けたことは、決して無駄にはならないはずです。
結果的に第一志望は不合格でしたが、「第一志望に受かるだけが中学受験じゃないよ」と言っていた人たちの気持ちが、今はすごくわかります。
―最後に、これから受験に挑む親子へのアドバイスをお願いします。
先ほども触れましたが、第一志望で難易度の高い学校に挑戦するなら、なおさら第二・第三志望の対策も早い段階から取り組むべきだと思います。「ここなら大丈夫」という学校を確保しておくことで、安心して第一志望に挑めるようになります。
そして、最終的にどの学校に入学しても、きっと楽しくやれると思うんです。どの学校にも良いところはありますし、入ってみれば子どもはちゃんと馴染んでいける。それが一番伝えたいことですね。
\中学受験を振り返って感じたこと/

取材後記
なかなか結果が出ない厳しい状況から、最後の最後で巣鴨中学校の合格をつかみ取った宮田さん親子。お話を伺いながら特に印象に残ったのは、お父様がYouTubeで算数の解法を学び、それを息子さんに教えていたエピソードでした。
「難しい問題は何回解説を見ても理解できないこともあった。必死で一番わかりやすい動画を探す日々でした」という言葉には、試行錯誤しながら伴走した約3年間の重みが感じられます。
一方で、「同じ立場で話せる父親の仲間がもっといたらよかった」という声も印象的でした。中学受験において、父親がここまで伴走するケースはまだ少数派。だからこそ、今回の体験記が同じように奮闘するお父様方の参考になれば幸いです。
何より、「最後まで戦い抜いた経験が、息子の財産になった」という言葉が、中学受験の本質を物語っているように感じました。
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