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2026年中学受験を受験指導専門家が総括|受験者数は横ばいも「学校選び」と「受験層」が変わった

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中学受験
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2026年の中学受験は、ひとことで言えば「特殊な年」でした。

ミッション系を中心に複数の学校の入試日程が例年からずれた「サンデーショック」の影響で、志願者数が大きく増減した学校が相次いだ今年。この年の入試結果をそのまま来年以降の参考にするのは、少し危険です。

ただし、特殊要因を差し引いても、受験する層の中身は静かに変わっています。東京都の私立高校授業料実質無償化が追い風となり、これまで中学受験を考えていなかった家庭までが受験を選ぶように。御三家・最難関校への一点集中より、「子どものカラーに合う学校を丁寧に選ぶ」動きが広がっているのも、そうした背景があってのことでしょう。

合否を分けたのは難問への対応力より、全単元にわたる基本問題の精度でした。入試問題そのものは「大きく変わった」とは言えないからこそ、そこが問われます。

中学受験指導の専門家である西村創先生に、2026年入試を総括していただきました。

塾選ジャーナル編集部

編集部

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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

西村 創先生

監修者

西村 創先生

早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。現在は、セミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録13万人超)などを中心に活動。著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。 http://www.youtube.com/@nishimurasensei

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目次

2026年中学受験の全体像 受験者数は横ばいも「中身」に変化

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受験者数・受験率は横ばいで推移

2026年の首都圏私立・国立中学校の受験者総数(首都圏模試センター推定)は5万2,050名。前年より250名減ながら、過去40年間で4番目に多い受験者数となり、受験率は18.06%と過去3番目の高さとなりました。

参考:2026年の首都圏私立・国立中学受験者数は52,050名と微減。受験率は18.06%に!【速報】|Onetes

集計する機関によって数字の出方に多少の違いはありますが、大局的に見れば「横ばい」という表現が実態に近いでしょう。少子化で子どもの数が減るぶん、受験率の上昇がそれを補う構図が続いており、この傾向はあと3〜4年は維持されるとみられています。来年・再来年の入試も、厳しさが緩むとは考えにくい状況です。

中学受験は「高止まり」 広がる受験層の変化

受験者数が横ばいでも、受験する層の中身は静かに変わっています。御三家などトップ校の受験者が落ち着いてきた一方で、中堅校の受験者数が増えているのが、ここ数年の傾向です。

東京都の私立高校授業料実質無償化が追い風となり、これまで中学受験を視野に入れていなかった家庭も受験を考え始めています。

「難関校を目指したいわけではないけれど、子どもに合う学校があれば」という、いわば緩やかな動機での参入が増えているのです。公立中への漠然とした不安や、内申点の評価を気にする声も背景にあり、中学受験の裾野は確実に広がっています。

2026年は「サンデーショック」の特殊年

2026年入試を読み解くうえで見落とせないのが「サンデーショック」です。キリスト教の安息日に当たる日曜日と2月1日が重なったため、プロテスタント系のミッションスクールを中心に複数の学校が入試日を翌2日に移しました。

【サンデーショック 日程変更校と受験者数】

学校名 変更前 変更後 受験者数
(2025年度)
受験者数
(2026年度)
増減
女子学院 2/1 2/2 非公開
東洋英和女学院(A) 2/1 2/2 242名 343名 +101名
立教女学院 2/1 2/2 349名 487名 +138名
横浜共立学園(A) 2/1 2/2 314名 データ無

※フェリス女学院・横浜雙葉は例年通り2/1に実施 

参考:女子学院公式 / 東洋英和女学院公式 / 立教女学院公式 / 横浜共立学園公式

入試日程がずれた影響は玉突き的に広がり、2日の実施校が増えた分、例年2日に試験を行っていた学校では受験者が分散するかたちになっています。こうした特殊な年のデータは翌年以降の受験計画にそのまま当てはめるには向いていません。2〜3年前のデータと照らし合わせながら見るのが賢明で、次に2月1日が日曜日となるのは2032年のことです。

2026年中学受験の本質 「難関志向」から「適合志向」へ

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「子どもに合う学校」を選ぶ層が増加

受験者数が横ばいで推移するなか、受験する層の中身は確実に変わっています。御三家などトップ校の受験者が落ち着いてきた一方で、中堅校の受験者数が増えているのがここ数年の傾向です。

「難関校を目指したいわけではないけれど、子どものカラーに合う学校であればいい」という、緩やかな動機での参入が増えた結果といえます。

「偏差値」より「教育内容」で選ぶ時代に

学校選びの軸も変わってきています。偏差値の高さを主目的にするのではなく、理数教育・国際教育・探究学習といった「特色」を比較しながら志望校を絞り込む動きが広がっています。学校側の情報発信が充実してきたことも後押しし、「その学校で6年間過ごすことで子どもがどう育つか」という視点で選ぶ保護者が確実に増えています。

共学化・大学連携……「改革校」に志願者が集中

改革を打ち出す学校への関心も高まっています。2026年入試では、日本学園が明治大学の系列校として「明治大学付属世田谷」に共学化、蒲田女子が「羽田国際」へ、東京女子学院が「英明フロンティア」へと生まれ変わるなど、新たな顔ぶれが受験生の注目を集めました。

また、大学との連携強化や理数・国際教育を軸に据えた学校も支持を集めており、進学実績だけでなく在学中の学びの質で選ばれる傾向が強まっています。

入試日程と受験戦略 “午後入試が前提”の時代へ

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午後入試は「当たり前」の戦略に

午後入試はすでに「定着」という段階を超え、受験戦略の前提として組み込まれるようになっています。実施する学校がこれ以上大きく増えるとは考えにくい水準まで普及しており、受験者数も緩やかに増加を続けています。

カギは2月1日午後 受験戦略の主戦場に

なかでも注目すべきは、2月1日午後入試の存在感の高まりです。2026年入試では、2月2日午前の受験者数を2月1日午後の受験者数が上回りました。午前の本命校を受け終えた後、同日午後にすぐ次の一手を打てる2月1日午後入試は、受験生にとって心理的にも戦略的にも重要な位置を占めています。

今後さらに注目度が増す可能性があり、城北のように従来は午後入試を実施していなかった人気校が1科目午後入試の導入を決めるなど、学校側の動きも出始めています。

サンデーショックで併願パターンが変化

サンデーショックは受験者数だけでなく、併願の組み方にも大きな影響を与えました。女子学院が2月2日に移動したことで、例年は日程が重なり併願できなかった桜蔭・雙葉との同時受験が可能になり、最上位層の女子受験生を中心に例年とは異なる組み合わせが生まれています。

一方で2日の実施校が増えた分、例年2日に試験を行っていた学校では受験生が分散し、難易度や倍率に例年とは異なる動きが出ました。

ただし、来年以降の受験を考えるご家庭にとって、2026年の併願データはそのまま参考にしにくい年です。繰り返しになりますが強調しておきたいポイントです。

学校選びの変化 「進学実績」から「学びの中身」へ

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大学付属・連携校人気は依然高水準

大学付属校・系列校への人気は引き続き高い水準にあります。大学入試を経ずに進学できる安心感に加え、中高6年間で大学の学びに直結したカリキュラムを受けられる点が、保護者・受験生双方から評価されています。

MARCHをはじめとする大学系列校は全体的に堅調で、なかでも2026年入試から明治大学の系列校として共学化した明治大学付属世田谷(旧・日本学園)は、新たな選択肢として大きな注目を集めました。

一方で、特定の大学への内部進学にこだわらず、大学との連携プログラムや医療・理数系の教育を強みにする「連携型」の学校への関心も高まっています。進学実績だけでなく、在学中にどんな学びができるかという視点で付属・連携校を選ぶ傾向が強まっているといえます。

新設校・共学化校が新たな選択肢に

2026年入試では、新設・改革校への注目が例年以上に集まりました。

蒲田女子から校名変更・共学化した羽田国際、東京女子学院から英明フロンティアへの転換など、大胆な改革を打ち出した学校が受験生の選択肢に加わっています。また、浦和学院・羽田国際など新たに開校した学校も一定の人気を集めました。

こうした学校に共通するのは、「新しくなった学校に、子どもを最初から通わせたい」という保護者の期待感です。実績がまだ積み上がっていない分、偏差値だけでは測れない魅力の打ち出し方が、学校選びの判断軸になっています。

最終判断は「校風」と「相性」

結局のところ、学校選びの最後の決め手は校風と進学実績、というのが現場の実感です。

理数・国際・探究といった特色は入口として機能しますが、実際に足を運んで学校の雰囲気を確かめ、「うちの子に合うかどうか」で最終判断する家庭が大半です。

学校説明会やオープンスクールの重要性が増しているのも、こうした傾向の表れといえます。偏差値の輪切りではなく、子どもと学校のマッチングとして中学受験を捉える視点が、着実に広がっています。

共学志向は続くのか 中学受験の学校タイプの変化

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共学人気は継続 改革校が志願者を集める

共学校への人気は引き続き高い傾向にあります。

コロナ禍では一時的に男女別学校への回帰が見られましたが、その後は再び共学志向が強まり、2026年入試でも東京都内の受験者増加分のほとんどは共学校への志願増によるものでした。

こうした流れを受けて、女子校から共学化に踏み切る学校も相次いでいます。すでに触れた明治大学付属世田谷や羽田国際のほか、鎌倉女子中等部が国際文理へと転換するなど、改革を打ち出した共学化校が新たな受験生を引き寄せています。

男女別より「中堅校人気」が拡大

ただし、男子校・女子校が不人気になったわけではありません。

注目すべきは、男女別学・共学という枠組みよりも、レベル帯で見たときに中堅校全体の志願者数が増えているという点です。難関の男子校・女子校の受験者が落ち着いた一方で、中堅の男子校・女子校にも新たな受験生が流入しており、別学校の人気が下がったというより、受験層そのものが厚みを増した結果といえます。

攻玉社や暁星といった伝統男子校が独自の教育やグローバル化を打ち出して志願者を増やしているのも、こうした流れのなかで起きていることです。

志望理由は変わらず「実績」と「校風」

学校タイプを問わず、最終的な志望理由として挙がるのは大学合格実績と校風です。

共学だから、別学だから、という理由で選ぶより、「この学校の雰囲気が子どもに合う」「進学実績が信頼できる」という判断が先にあり、結果として共学校を選ぶケースが多い。共学志向の高まりは、共学という形態への支持というより、改革や特色を打ち出している学校がたまたま共学化しているという側面が大きいでしょう。

入試問題は変わったのか 実態は「変わっていない」

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思考力問題は「増加」ではなく「定着」

毎年この時期になると「思考力型問題が増加」という報道が出ます。ただし、現場の実感としては「増えた」というより「定着した」という表現のほうが正確です。

暗記偏重ではなく考える力を問う出題は、30年近く前から言われ続けてきたことで、2026年入試に限った話ではありません。大学入学共通テストの影響を受けて対話形式や資料読み取り型の問題が増えているのは事実ですが、それ自体は数年前から続いている流れです。

出題傾向は例年通り 大きな変化なし

時事問題・社会問題の出題も、例年通りといえます。

出題される内容よりも、問われ方が少しずつ変化しています。カラー印刷を使ったグラフや実物資料を読み解く問題、国語で戦争をテーマにした作品を選ぶ学校がやや増えるなど、細かい変化は見られます。ただ全体としては、典型問題をアレンジした出題が中心であることに変わりはなく、外部から「大きく変わった」と騒がれるほどの変化は起きていません。

中堅校の問題は難化傾向に

ただ一点、見逃せない変化があります。中堅校の問題が、難関校レベルに近い難度になってきているという点です。

難問も基本問題も配点は変わりません。合格ラインの6〜7割を確実に取るためには、難しい問題に手を出すより、全単元・全教科にわたって基本問題をミスなく取り切る力のほうが重要です。応用問題も突き詰めれば基本の組み合わせであり、「なぜそうなるか」を理解した学習を積み重ねることが、中堅校であれ難関校であれ、合否を左右する本質的な力につながっています。

合否を分けたのは何か 鍵は「基本問題の精度」

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難問より「基本問題」を落とさない力

毎年入試問題には話題になる設問が出ます。海城でポケモンの進化過程から理解を問う問題が出たり、高輪でエヴァンゲリオンやガンダムに関する問題が出たりと、受験生の興味を引く出題が話題になります。

ただし、そうした問題に対応できるかどうかより、どの学校でも必ず出る基本的な問題を全教科・全単元にわたってミスなく取り切れるかどうかのほうが、合否への影響はずっと大きいのが現実です。

苦手分野を作らないことが重要

特定の単元を「捨てる」ことは、思った以上にリスクが大きくなります。

苦手分野があっても得意分野で補えばいい、という発想は危険で、どの単元から出題されるかわからない以上、極端に苦手な単元を残したまま本番を迎えることは避けたいところです。難しい問題も簡単な問題も配点は変わらない。であれば、応用問題の精度を上げることより、基本問題の取りこぼしをなくすことに時間を使う方が合格への近道です。

合格ラインは6〜7割 “取り切る力”が勝敗を分ける

合格ラインは多くの学校で6〜7割程度です。つまり3〜4割は正解できなくても合格できます。

この事実は、受験勉強の方針を考えるうえで重要な示唆を持っています。満点を目指す必要はなく、取れる問題を確実に取り切ることが最優先です。パターンを機械的に覚える演習より、「なぜそうなるか」を理解した学習を積み重ねることで、初見の問題にも対応できる本質的な力が身につきます。難問への挑戦は、その土台が固まってからで十分です。

地方でも広がる中学受験 関西で起きている変化

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関西で進む「大阪の東京化」

首都圏の話ばかりになりがちですが、地方の動きとして見逃せないのが関西圏、とりわけ大阪の変化です。

大阪府の私立高校授業料完全無償化が先行して進んだことで、「どうせ私立に行くなら」という意識が関西でも広がりつつあります。大阪の中学受験率は上昇が続いており、灘・神戸女学院といった関西の名門校への受験者数も増加傾向にあります。首都圏で数年前に起きた受験熱の高まりが、今まさに関西で起きているという状況です。

「大阪の東京化」という表現がありますが、今の大阪の状況はまさにその構造に近い。私立高校の無償化が中学受験熱に火をつけるという流れが、東京に続いて大阪でも再現されつつあります。

受験層拡大で「中受バブル」の様相

関西では今、首都圏の数年前と似た現象が起きています。これまで中学受験を考えていなかった層が新たに参入し、小6から急に受験を決める家庭も珍しくなくなっているのです。

「中受バブル」と呼ぶにふさわしい状況で、受験者数・受験率ともに上昇が続いています。ただし首都圏の経験則に照らすと、こうした急激な拡大期には受験準備が十分でないまま本番を迎える層も増えるため、学力分布の広がりが例年以上に大きくなる傾向があります。関西圏で受験を検討しているご家庭にとっては、早めの準備が例年以上に意味を持つ時期といえるでしょう。

2026年中学受験の総括 「変わらない入試」とどう向き合うか

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2026年入試はサンデーショックという特殊要因も重なった年です。志願者数の増減も、倍率の変化も、併願パターンの動きも、例年とは前提条件が異なります。来年以降の受験を考えているご家庭が2026年のデータを参考にする際は注意が必要で、隔年現象も踏まえると2025年入試のデータのほうが2027年入試の見通しには参考になります。

ただし、特殊な年だったからこそ見えてくることもあります。センセーショナルな情報が飛び交うなかでも、中学受験の本質はそれほど大きく変わっていません。基本問題を全教科・全単元にわたって確実に取り切る力が合否を分けるという構造も、子どものカラーに合う学校を自分の目で選ぶという学校選びの軸も、どの年の入試でも変わらない普遍的なことです。

情報が増えるほどかえって判断が難しくなる時代ですが、2〜3年分の入試データをしっかり確認しながら、流行りや話題に引っ張られすぎない学校選びをしていただければと思います。

執筆者プロフィール

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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

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受験指導専門家
西村 創先生

早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。現在は、セミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録13万人超)などを中心に活動。著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。 http://www.youtube.com/@nishimurasensei

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