私立中学の宗教校とは?キリスト教系・仏教系の特徴やメリット・デメリットなど解説


編集部
塾選ジャーナル編集部
私立中学の中にはキリスト教や仏教など、特定の宗教をベースにした教育方針を持っているところが少なくありません。宗教に依拠しない学校と比べて、どのような特徴があるのでしょうか?
今回は私立中学の宗教校が持つ特徴について、進学するメリットやデメリットなどと一緒に解説します。
私立中学の宗教校とは?
私立中学の宗教校とは冒頭でも述べたように、特定の宗教をベースにした教育方針やカリキュラムを打ち出している学校のことです。国立や公立中学校には存在しません。
たくさんの宗教校の中で最も多いのがキリスト教系の学校、次が仏教系の学校です。キリスト教系の学校は、ミッションスクールと呼ばれることもあるでしょう。
宗教校の概要は次の通りです。
宗教校の特徴
宗教校の多くでは、宗教を教育に取り入れているのが特徴です。校則や学校生活を送る上でのルールなどに、それぞれの宗教の教義が盛り込まれています。
また、朝礼で礼拝をしたり、道徳の時間に宗教に関する勉強をしたりと、宗教教育の時間が設けられていることも少なくありません。
入信していないと受験できない?
宗教校の受験を考える際に気になることの一つが、「入信していないと受験できないのか?」です。結論を述べると、入信する必要はありません。入学後も同じです。実際に宗教系の学校へ通っている子どもの中には、入信していない生徒もたくさんいます。
そもそも宗教校の目的は信者を増やすためではなく、情操教育のために宗教を取り入れています。多感な時期の人格形成に、それぞれの宗教が持つ教義を役立てようとしているのです。入信を強要されるようなこともないので、安心してください。
なぜ公立校には宗教校がない?
私立校には宗教校がある一方で、公立校には宗教校がないことに気づきます。いったいなぜなのでしょうか?
理由は教育基本法の第9条にあります。第9条では「宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教活動をしてはならない。」と述べられており、つまり、公立校では特定の宗教教育をしてはいけないということです。
そのため、歴史や公民などの授業を通して宗教について学ぶ機会はあるものの、私立校のように特定の宗教に依拠した教育はおこなわれません。
私立中学のキリスト教系(ミッションスクール)とは?
キリスト教系の私立中学(ミッションスクール)と一口にいっても、その宗派によって大きく3種類に分けられます。カトリック系とプロテスタント系、そして聖公会系です。
細かい教育方針やカリキュラムは学校ごとで異なるものの、それぞれの宗派で大まかな特徴があります。
カトリック系の中学校
カトリック系の中学校が持つ大きな特徴が厳格な校則を持ち、生徒の礼儀作法を重視している点です。自らを律して自主的に勉強やその他の活動へ取り組み、その場にふさわしい言葉づかいや行動が期待されるでしょう。大学受験指導が熱心におこなわれているので、難関大学へ合格者を輩出している学校も少なくありません。
また、男子校と女子校に分かれている学校が多いのも、カトリック系が持つ特徴の一つです。カトリック教会の神父や修道士には、結婚が認められないことが要因と考えられます。
女子御三家と呼ばれている雙葉中学校が、カトリック系の学校です。宗教の授業や学校行事などを通して、カトリック精神や祈りの心を大切にすることを学びます。また、希望する保護者に対しては、司祭やシスターから話を聞く機会も設けています。
プロテスタント系の中学校
個人の倫理観を大切にし、個性と自主性を育む教育方針を特徴とするのがプロテスタント系です。もともと、カトリック教会に反発する形で誕生した経緯から、カトリック系のような厳格さがありません。自由でのびのびとした環境の中で、何でも子どもたちでおこなう雰囲気の学校が多いでしょう。
ただし、礼拝を大切にしている学校は少なくありません。カトリック系の方が礼拝に厳格なイメージがありますが、プロテスタント系の学校では日常的に礼拝の時間が設けられています。また、聖書を学ぶ時間を設定しているところもあるでしょう。
男子校や女子校のほか、共学校もあります。雙葉中学校と同じく女子御三家といわれている女子学院中学校は、プロテスタント系の学校です。制服やこまかい校則がなく、生徒一人ひとりの自主性を尊重する教育がおこなわれています。
聖公会系の中学校
聖公会系とはカトリック系から分派した宗派の一つ。カトリックの教えを引き継ぎつつ、プロテスタントのような新しい教えも取り入れているのが特徴です。イメージ的には、カトリック系とプロテスタント系の中間といえるでしょう。
校風はプロテスタント系のように子どもの自主性を尊重し、のびのびとした教育をしているところが少なくありません。大学付属の学校の場合は、6年間目いっぱい使って学習カリキュラムを終えるなど、ゆとりを持って勉強できます。男子別学としている学校が多いです。
立教池袋中学校や立教女学院中学校、立教新座中学校など、立教系の中学校は聖公会系として知られています。たとえば、立教池袋中学校ではキリスト教や聖書を学ぶ科目があるほか、学校生活のあらゆる場面で自由を尊重しながらも、節度や秩序、マナーを大切にしているのが特徴です。
私立中学の仏教系とは?
キリスト教系に次いで多いのが、仏教系の私立中学校です。仏教系の学校はキリスト教系の学校と比べて、一目見ただけでは宗教校とわかりにくいかもしれません。学校の近くや敷地内に、寺院が建っているケースがあるでしょう。
「共生」や「和」を理念とかかげている学校が多く、法話を聞く機会を持つところもあります。また、臨済宗や曹洞宗などの禅宗の流れをくむ学校の場合、座禅を教育に取り入れているところもあるでしょう。
男子校の世田谷学園中学校は、仏教系の私立中学です。もともとは曹洞宗吉祥寺の学寮として発足しました。登下校時におこなわれる校門での一礼や土曜日の座禅会のほか、ボランティア活動、歳末助け合い募金活動などを通して、相互理解や助け合いの精神を育みます。
私立中学の宗教校に入学するメリット・デメリット
宗教校に入学すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?主なものをそれぞれ見ていきましょう。
宗教校のメリット
最も大きなメリットとなるのが、それぞれの宗教観にもとづいた、人間教育を受けられることです。個人の尊厳を尊重したり、弱者を助けたり、感謝の気持ちを持ったりと、宗教特有の考え方が教育のベースをなることで、多感な時期の成長に大きな恩恵を受けられるでしょう。
また、キリスト教系の学校の中には英語教育に力を注いでいるところがあります。ハイレベルな指導を通して、将来に渡って活用できる英語力が手に入るはずです。
宗教校のデメリット
デメリットは信仰していない宗教の場合、宗教に関する授業や取り組みなどが苦痛となる可能性があることです。たとえば、キリスト教系の学校へ進学すると、無宗教の子どもも礼拝に参加したり、宗教の授業を受けたりしなければいけません。長期休みに教会へ行くことを勧められると、家庭によっては負担と感じることもあるでしょう。
また、他の生徒がキリスト教徒の中で自分だけが無信仰の場合、疎外感を抱くことも考えられます。
宗教系の私立中学受験におすすめの学習塾5選
最後に宗教系の私立中学受験におすすめの学習塾を、全部で5カ所紹介します。
おすすめ塾①:SAPIX
特に難関中学校への合格率が圧倒的に高いことで知られているのが、SAPIXです。
合格実績
2022年度の中学受験では、雙葉中学校へ57名、女子学院中学校へ128名、世田谷学園中学校へ175名の合格実績があります。
塾の特徴
授業スタイルは集団指導型です。学力別にクラスが決定され、1クラス15~20名ほどで勉強を進めていきます。自分の学力に合ったクラスで、他の生徒と切磋琢磨し合いながら勉強を進めていけるでしょう。1~2カ月ごとにクラス編成のためのテストがおこなわれるので、「他の子どもに負けたくない」「もっと上のクラスへ進みたい」といった競争意識がプラスになる子どもに適しています。
授業が終わった後は復習教材が渡され、自宅での自主学習が促されます。また、公開模試や各種テストも充実しており、志望校への適性や合格可能性を随時判定できるのも特徴です。
小学校1年生から通塾できるため、できるだけ早い内から中学受験対策をしたい子どもにもおすすめです。
料金
SAPIXのホームページによると、小学6年生が通った場合の月額授業料は5万9,950円です。
おすすめ塾②:浜学園
難関中学校へ多数の合格実績を持つのが、浜学園です。
合格実績
2022年度の中学受験では、神戸女子学院中学校へ44名、洛南高等学校附属中学校へ39名、世田谷学園中学校へ4名の合格実績があります。
塾の特徴
授業は集団指導スタイルです。基本となる「マスターコース」の他に、週1回の通塾でマスターコースと同じ講義を受けられる「土曜マスターコース」、最難関校への合格を目指す「特訓コース」などがあります。
大きな特徴の一つが、学習計画表の活用です。生徒一人ひとりに学習計画表が準備され、計画表には授業のポイントや講師からのアドバイス、重要問題などが記載されます。さらに該当期間の中で達成すべき目標も記されているため、志望校合格に向けた学習意欲もグンと上がるでしょう。
講師は教科別に分かれており、高い専門性に裏付けられた学習指導を受けられます。2カ月に1度のペースで講師アンケートがおこなわれ、結果が講師の指導や評価に活用されているのも特徴です。
料金
費用に関しては「マスターコース3教科」の月の授業料が3万6,830円となっています。
おすすめ塾③:早稲田アカデミー
おすすめ塾の3カ所目は、早稲田アカデミーです。
合格実績
2022年度の中学受験では、雙葉中学校へ44名、女子学院中学校へ83名、栄光学園中学校へ27名の合格実績があります。
塾の特徴
授業は集団型で、少人数制を採用。講師の目がいき届きやすく、きめ細かい学習指導が期待できます。
クラスは学力や志望校別に分かれており、講師は全員がプロフェッショナル。公的教育機関でも取り入れられている研修をおこなっているため、常に緊張感あふれる質の高い授業を受けられます。
小学4年生以上を対象に「私国立中学校受験の専門コース」があり、学年ごとのニーズに沿ったカリキュラムが準備されているのも特徴です。
また、入試本番を目標に見据えて、逆算的に学習スケジュールを設定しているのも魅力の一つ。得意科目を伸ばすのか、それとも苦手科目の克服に時間を割くのかなど、一人ひとりのニーズに合わせたスケジュールを作成し、効率的な学力アップを目指します。
料金
早稲田アカデミーのホームページによると、「小学6年生対象 Sコース(私国立中受験)」の月額授業料は4万5,210円です。
おすすめ塾④:東京個別指導学院
東京個別指導学院は、個別指導で受験勉強をしたい子どもにおすすめの学習塾です。
合格実績
ホームページ上に合格実績は公表されていません。
塾の特徴
授業形式は講師1人に対して生徒が2人までつく、個別指導スタイルです。常に近くに講師がいるため、わからないところがあればすぐに質問できます。講師側も生徒の表情や手元の動きなどを観察し、その時々に合わせて適切なフォローをしてくれるでしょう。講師による解説と問題演習のバランスが優れており、学んだ知識を解答力に変えられます。
授業は1科目からの受講がOK。たとえば、メインの学習を集団指導塾でおこない、苦手科目の克服やピンポイント学習を東京個別指導学院の授業でおこなう方法も可能です。
塾の詳細はこちらの記事でも解説しています。
料金
ホームページ上に授業料は公表されていません。各自でお問い合わせください。
おすすめ塾⑤:進学個別指導のTOMAS
最後のおすすめ塾は、進学個別指導のTOMASです。
合格実績
2022年度の中学受験では、雙葉中学校へ5名、女子学院中学校へ5名、世田谷学園中学校へ31名の合格実績があります。
塾の特徴
授業スタイルは生徒1人に対して講師が1人つく、完全マンツーマン指導です。講師が付きっきりで指導してくれるため、わからないところはいつでも質問できます。また、一人ひとりの学力や志望校のレベル、ニーズ、課題などに合わせてオーダーメイドで学習計画を立ててくれるので、効率的な受験対策が可能です。
小学1年生以上を対象としており、「受験準備Ⅰ期」や「基礎力定着期」「応用力完成期」など、学年や子どもに合わせてカリキュラムが組まれます。できるだけ早い段階から、中学受験対策を始めたい子どもにもおすすめです。
進学個別指導のTOMASについてはこちらの記事でも紹介しているので、ぜひ目を通してみてください。
料金
小学6年生が月に4回通う場合、月の授業料目安は約3万5,000円です。詳細はこちらの記事でも解説しています。
まとめ
宗教系の私立中学で最も多いのがキリスト教系で、次が仏教系です。国立や公立の中学校では認められておらず、学校ごとに宗教の教えをベースとした特徴ある教育を受けられます。
受験するときや入学後に入信する必要はないため、学力や校風が合っていると思う学校があれば、積極的に志望校候補に入れてみるとよいでしょう。
今回紹介した学習塾は、宗教系の中学校への合格実績を豊富に持っているところばかりです。気になるところをいくつか比較して、子どもに合った場所を見つけてください。
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