高校地学の効果的な勉強法|受験できる大学や共通テスト対策、おすすめ塾など解説


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塾選ジャーナル編集部
地学の勉強法で悩んでいる高校生はいませんか?子どもの中には大学受験で、地学を使う予定の受験生もいることでしょう。地学は一定の方法に沿って勉強することで、比較的短期間でも十分な得点アップが期待できるはずです。
今回は高校地学の効果的な勉強法について、受験できる大学や大学入学共通テスト対策、地学対策におすすめの学習塾情報と一緒に解説します。
高校地学とは|どんな内容を学ぶ?
まずは高校で学ぶ地学の特徴について、地学基礎や地理との違い、受験できる大学などと一緒に見ていきましょう。
高校地学とは?
地学は物理・化学・生物と一緒に、理科の教科を構成する科目のひとつです。一言で述べると、「地球を取り巻く環境を支配している、さまざまなメカニズム」を学びます。
主な学習分野は、次の5つです。
- ・固体地球
- ・気象
- ・地質
- ・海洋
- ・天文
理科の他の科目と比べた際の特徴は、生物ほど暗記する知識量は多くないものの、物理のような複雑な計算問題が出題されないこと。そのため、あまり時間と労力をかけずに、得点アップが見込めるお得な科目といえるでしょう。
地学・地学基礎・地理の違い
高校地学には「地学」と「地学基礎」の2つがあります。大学入学共通テストも同じです。両者の主な違いは学習量と難易度です。
地学基礎はその名称の通り、基礎的な知識が問われる科目。入試で出題される問題の多くは、名称や説明を答えるものばかりです。地震や大気の単元で計算問題が出題されることもありますが、その割合は少なく、基本的には知識の暗記で対応できるでしょう。
地学は地学基礎の学習内容をベースに、さらに発展的な内容が含まれます。入試問題の3割ほどが計算問題を占め、グラフや図表の読み取りなど、思考力が問われる問題も出題されるのが特徴です。
また、中には「地理」との違いがわからない子どもがいるかもしれません。最も大きな違いは、教科です。地学は理科の1科目ですが、地理は地理歴史の1科目です。さらに、地学は地球内部を含む地球全体を対象としますが、地理では人間の活動を含めた地表上の現象を対象とします。
地学で受験できる大学
先で述べたように、地学は暗記するべき量が多くないことに加えて、複雑な計算問題もあまり出題されません。比較的短期間で得点アップを目指せるのは、大きなメリットといえるでしょう。しかし、地学で受験できる大学は限られているため、選択する場合は注意してください。
特に理系の学生で国公立大学の2次試験を受ける場合、私立大学の一般入試を受ける場合は、地学を選択できないところが少なくありません。難関私立大学で地学を選択できるのは、早稲田大学の教育学部ぐらいです。
たとえば、文系の学生で、大学入学共通テストで利用するだけなら問題はありません。しかし、理系の学生は「志望大学が決まっており、地学で受験できる」とわかっている場合に限って、地学を選択するとよいでしょう。
3ステップでOK!高校地学の勉強法
大学受験に向けた高校地学は、一定の勉強法に沿って対策することで高得点マークが実現できます。基本的には以下で紹介する、3つのステップに沿って勉強を進めていきましょう。
①全範囲の基礎固めをする
まずは全範囲の基礎固めをしてください。おすすめの教材は、学校の授業で使っている教科書です。地学は物理や化学と異なり、各分野同士のつながりが薄いため、どこから勉強を始めても問題はありません。地学に苦手意識を持っている高校生は、興味のある分野やすでにある程度の知識がある分野から勉強をスタートさせるのもよいでしょう。
教科書をしっかり読み込んで、記載されている内容の理解に努めてください。地球内部や宇宙の進化など、イメージしにくいものもたくさん出てくるでしょう。イラストなどでより詳しく解説されている、図表や資料集などを活用するのもおすすめです。また、地球や宇宙の構造、地史や岩石の分類などは個別にノート・カードにまとめておくと、後から復習しやすくなります。
余裕があれば一問一答式の問題集などに取り組むと、より教科書で学んだ基礎知識が定着するはずです。
②基礎~標準レベルの問題集に取り組む
教科書に掲載されている知識が一通り頭の中へ入ったら、問題集を使って問題演習をしてください。学力に自信がない子どもは基礎レベルの問題集に、定期テストなどである程度の得点を取得できている子どもは標準レベルの問題集を選びましょう。
間違えた問題やわからなかった問題にはチェックをつけた上で、解説をよく読みます。解説を読んでもまだ理解が足りない場合は、教科書に戻って復習してください。
「地学基礎」ではなく、「地学」で大学入学共通テストや私立大学の一般入試を受験する場合、計算問題にも積極的に取り組みましょう。「計算問題の出来不出来が、合否を左右する」ともいわれているので、演習を通して慣れておくことが大切です。
③過去問を通して、入試問題の傾向に慣れる
問題集に載っている問題がすんなりと解けるようになったら、志望校別の過去問にチャレンジしましょう。
同じ地学といっても、志望校によって出題内容や難易度が大きく異なります。大学入学共通テストや私立大学の一般入試など、受験先の過去問をくり返し解いてください。数年分解いてみることで、大まかな傾向がわかってくるはずです。
また、本番と同じように、時間を設定して解いてみるのもよいでしょう。どのくらいの問題量を、どのくらいの時間で解かなければいけないのか、肌で感じられるようになります。時間配分をして問題を解く練習をしておくと、入試本番でも焦りません。
理系の受験生は、他大学の過去問にも取り組む
理系の受験生で地学を選択する場合、国公立大学の2次試験や私立大学の一般入試で地学を使う予定があるかもしれません。基礎~標準的な問題集、共通テスト向けの問題集などはあっても、2次試験や特に難関私立大学の一般入試レベルをカバーする参考書・問題集は少ないのが実情です。
そのため、理系の受験生は志望大学以外の過去問に取り組むのがよいでしょう。たとえば、国公立大学2次試験の地学の問題は、出題レベルや内容に大きな違いは見られません。志望校と同じレベルの他大学まで広げて、過去問演習に取り組んでください。また、学習塾や予備校へ通って、より専門的な学習指導を受ける方法もあります。
地学の共通テスト対策!高得点を目指す3つのポイント
大学入学共通テストの地学は、決して難しくはありません。文系の生徒でもきちんと対策すれば、高得点を取得できます。
以下で紹介する、3つのポイントを押さえておくとよいでしょう。
ポイント①:教科書に載っている例題を完璧に覚える
共通テストの地学では、さまざまな単元に渡って応用問題が出題されます。基本的な公式や法則を覚えていないと、スムーズに解けないものも出てくるでしょう。
教科書に載っている例題には、重要な公式や法則が含まれています。丸ごと覚えておくと、共通テスト対策に役立つはずです。
ポイント②:図やイラストを用いて、地質や形成過程を確認する
日本各地の地質や形成過程を、教科書に載っている文章だけから理解するのは大変です。イラストで確認すると理解しやすいため、必要に応じて図表や資料集を活用してください。
地学を勉強するときは、いつも図表や資料集を手元に置いておくとよいでしょう。
ポイント③:問題文やグラフ中の単位・桁数をチェックする
地学の計算問題では、距離や密度が問われるものが多く、単位や桁数を間違えると失点につながります。そのため、問題を解く際は問題文やグラフの中に書かれている、単位・桁数をチェックするクセをつけましょう。
大学受験に向けたおすすめの塾・予備校5選
一人では地学の勉強が難しい子どもや、2次試験・一般入試対策で地学の勉強をしたい子どもにおすすめなのが、学習塾や予備校での学習です。以下でジュクセンがおすすめする場所を、全部で5カ所紹介します。
おすすめ塾①:河合塾
まずは河合塾です。全国的に知られた学習塾で、毎年多数の受験生を志望大学合格へ導いています。
塾の特徴
授業は複数の生徒が一緒に受ける、集団指導型です。また、映像授業もあります。やる気と学力を引き上げてくれるプロ講師の授業を通して、地学の成績がグンと上がっていくはずです。
「高校グリーンコース」ではチューターが生徒一人ひとりに付いて、それぞれに合った合格戦略を作成。充実した学習マネジメントで、安心して受験勉強を進められます。
「共通テスト対策地学(映像)」や「共通テスト対策地学基礎(映像)」などの講座が開催されています。
河合塾についてはこちらの記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
料金
河合塾のホームページによると、「共通テスト対策地学(映像)」を受講する際の授業料は12万9,600 円です(全12講の場合)。
おすすめ塾②:東進ハイスクール
映像型授業で、自分のペースで地学の勉強を進めていきたい子どもにおすすめなのが、東進ハイスクールです。
塾の特徴
授業は映像型です。自分のペースに合わせて受講できるため、部活動や習いごとと受験勉強とを両立させたい子どもにもぴったり。余裕があれば高速学習で、一気に勉強を進められます。
担任や担任助手による面談、学習内容の確認、チームミーティングなど、サポート体制も整っています。
「高等学校対応 地学基礎」「大学入学共通テスト対策 地学基礎」「大学入学共通テスト対策 地学」など、基礎~共通テスト向け講座が中心です。
東進ハイスクールについては、こちらの記事で解説しています。
料金
東進ハイスクールのホームページによると、通期講座の受講料は7万7,000円となっています。
おすすめ塾③:駿台予備校
レベル別の講座で、一人ひとりの学力に合わせて勉強できるのが駿台予備校です。
塾の特徴
「高校生クラス」の授業は複数の生徒が一緒に受ける、集団指導スタイルです。またオンライン型もあるため、自宅にいながら受験勉強をしたい子どもにも適しています。
高校生クラスの講座は「選抜」「難関」「標準」「基礎」と、全部で4つのレベルに分かれているのが特徴です。それぞれの学力や志望校レベルに合わせて勉強できます。
「地学共通テスト対策」の講座が開催されており、共通テスト向けの学習を進めたい受験生におすすめです。
詳細はこちらの記事でも解説しているので、ぜひ目を通してみてください。
料金
駿台予備校のホームページによると、「地学共通テスト対策」の受講料は年間14万4,000円です。
おすすめ塾④:武田塾
おすすめ塾の4カ所目は、武田塾です。
塾の特徴
武田塾の大きな特徴は、生徒の学習管理をおこなうことです。一般的な学習塾のように授業はおこなわず、子どもが一人で自宅学習をおこないます。
最初のカウンセリングによって、受験生一人ひとりに必要な学習ニーズや使用する参考書・問題集、取り組む順番などを徹底的に洗い出し。「参考書の〇ページから、〇ページまで」など、それぞれに合った特訓カリキュラムを作り、生徒はカリキュラムに沿って自主学習を進めていきます。
武田塾についてはこちらの記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
料金
武田塾のホームページによると、授業料は最も安いコースで毎月2万円ほどです。
おすすめ塾⑤:代々木ゼミナール
代々木ゼミナールは授業のわかりやすさだけでなく、整ったサポート体制にも定評がある予備校です。
塾の特徴
「高校生コース」の受講スタイルは、対面授業と映像授業の2種類があります。授業を担当するのは、受験界の最強エキスパートたち。学力を伸ばすだけでなく、子どもの人生観まで変えてしまうでしょう。
毎日利用できる自習室、対面授業を欠席したときの映像授業への振替、スタッフへの学習相談、出入り自由な講師室での質問など、サポート体制が整っているのも魅力です。
「共通テスト地学」「共通地学基礎」「オールラウンド地学」「『速習』共通テスト地学」など、地学に関する幅広い講座がそろっています。
詳細はこちらの記事でも解説しているので、ぜひ目を通してみてください。
料金
代々木ゼミナールのホームページによると、「共通テスト地学」の授業料は2学期・3学期の受講で、4万2,000円です。
まとめ
地学は暗記すべき知識量が少なく、さらに複雑な計算問題が出題されないなど、理科の中ではコストパフォーマンスに優れた科目です。
ただし、国公立大学の2次試験や私立大学の一般入試では、地学を選択できないところがあるので注意してください。理系の学生で地学を選択する場合は、必ず志望校の入試科目をチェックしておきましょう。
地学は理科の他科目と異なり、市販されている参考書や問題集が多くありません。そのため、自分に合った教材が見つからない子どもや、論述試験の対策をしたい子どもは、塾・予備校で勉強する方法があります。今回紹介した塾・予備校情報も参考にしながら、学習ニーズに合ったところを見つけてください。
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