都立中高一貫校とは?全11校の偏差値から学校の魅力まで解説!

「都立中高一貫校受検に興味があるので、概要を知りたい」「都立中高一貫校に入学するメリットを知りたい」
そのような思いがある方に向けて、本記事では都立中高一貫校に通うメリットを中心に、都立中高一貫校受検の概要についてお伝えします。
本記事を読むと都立中高一貫校全10校の特色と進学実績、受検をする際に気をつけるべきこと、おすすめの塾などを知ることが可能です。
最後までご覧頂くと都立中高一貫校受検で知っておきたい、基本的な情報を網羅できます。

編集部
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都立中高一貫校とは?基本的な知識
都立中高一貫校とは、東京都が設置する公立校、かつ中学と高校が一体となっている教育機関です。中学・高校の垣根がなく原則として、高校受験はありません。6年間一貫の教育カリキュラムのもとで大学受験を見据えた学習が行われます。
中等教育学校と併設型の2種類
都立中高一貫校には、併設型と中等教育学校の2種類があります。どのような違いがあるのか、具体的な学校名と一緒に確認しましょう。
中等教育学校型の特徴
都立中高一貫校の中等教育学校型では、同じ学校で6年間の一貫教育を実施します。最初の3年間が「前期課程」で、後の3年間が「後期課程」です。後期課程(高校)からの入学者の募集はありません。
中等教育学校型を実施する都立中高一貫校は以下の通りです。
- 小石川中等教育学校
- 桜修館中等教育学校
- 立川国際中等教育学校
- 南多摩中等教育学校
- 三鷹中等教育学校
- 九段中等教育学校(区立)
併設型の特徴
都立中高一貫校の併設型は、既存の都立高校に都立中学が併設されたです。併設型の都立中学に通う生徒は、併設の都立高校に入試を受けずに進学できます。
もともと併設型の都立中高一貫校は、高校入学の生徒募集も実施していました。しかし現在、すべての併設型の都立中高一貫校で生徒募集を停止しています。
以前は併設型は高校募集あり、中等教育学校は高校募集なし、という明確な違いがありました。しかし今はそれがなくなり、併設型と中等教育学校で大きな違いはありません。
併設型を実施する都立中高一貫校は以下の通りです。
- 白鷗高校・附属中学校
- 両国高校・附属中学校
- 武蔵高校・附属中学校
- 富士高校・附属中学校
- 大泉高校・附属中学校
都立中高一貫校11校の一覧
都立中高一貫校11校(区立を含む)の一覧は以下の通りです。
学校名 | 住所 | 最寄り駅 | タイプ |
---|---|---|---|
千代田区立 九段中等教育学校 |
東京都千代田区九段北2-2-1 | 東京メトロ東西線(半蔵門線、都営新宿線)・九段下駅 | 中等教育学校型 |
東京都立 桜修館中等教育学校 |
東京都目黒区八雲1-1-2 | 東急東横線・都立大学駅 | 中等教育学校型 |
東京都立 大泉高等学校附属中学校 |
東京都練馬区東大泉5-3-1 | 西武池袋線・大泉学園駅 | 併設型 |
東京都立 小石川中等教育学校 |
東京都文京区本駒込2-29-29 | 都営三田線・千石駅 | 中等教育学校型 |
東京都立 立川国際中等教育学校 |
東京都立川市曙町3-29-37 | JR中央線(総武線、南武線)・立川駅 | 中等教育学校型 |
東京都立 白鷗高等学校附属中学校 |
東京都台東区元浅草3-12-12 | 都営大江戸線(つくばEX)・新御徒町駅 | 併設型 |
東京都立 富士高等学校附属中学校 |
東京都中野区弥生町5‒21‒1 | 東京メトロ丸ノ内線・中野富士見町駅 | 併設型 |
東京都立 三鷹中等教育学校 |
東京都三鷹市新川6-21-21 | JR中央線(総武線)・三鷹駅 | 中等教育学校型 |
東京都立 南多摩中等教育学校 |
東京都八王子市明神町4-20-1 | 京王線・京王八王子駅 | 中等教育学校型 |
東京都立 武蔵高等学校附属中学校 |
東京都武蔵野市境4-13-28 | JR中央線・武蔵境駅 | 併設型 |
東京都立 両国高等学校附属中学校 |
東京都墨田区江東橋1-7-14 | JR総武線(東京メトロ半蔵門線)・錦糸町駅 | 併設型 |
都立中高一貫校の中学受検の偏差値はどれぐらいか
中学受験専門塾の日能研が令和6年5月16日に発行した「2025年入試に向けて予想したR4(※1)偏差値一覧(※2)」によると、都立中高一貫校の中学受検偏差値は下表のとおりです。
学校名 | 偏差値 |
---|---|
九段中等教育学校 | 56 |
桜修館中等教育学校 | 61 |
大泉高等学校附属中学校 | 57 |
小石川中等教育学校 | 61 |
立川国際中等教育学校 | 54 |
白鷗高等学校附属中学校 | 53 |
富士高等学校附属中学校 | 52 |
三鷹中等教育学校 | 58 |
南多摩中等教育学校 | 59 |
武蔵高等学校附属中学校 | 67 |
両国高等学校附属中学校 | 60 |
(※1)R4とは…合格可能性を示す数値で、偏差値による合格率の各段階(RANGE=レンジ)を示し、『R4=80%、R3=50%、R2=20%』を意味します。
引用:入試の合格可能性80%の偏差値を予想した一覧表”.日能研.更新日付、(※2)出典:2025年 中学入試 予想R4一覧 (2024年7月16日参照)
現在すべての都立中高一貫校で、高校受験の募集がありません。そのため、入学できる機会は中学受験のみとなります。
つまり、合格可能性を80%以上にするためには、中学受験における偏差値が上表の数値を上回ることが1つの基準になります。
千代田区立九段中等教育学校の特徴
千代田区立九段中等教育学校の特色と進学実績
【特色】
教育目標は「豊かな心」「知の創造」「未来貢献」の3つ。中等教育学校のため、中学に該当する前期課程と、高校に該当する後期課程に分かれています。
1年生~2年生を「基礎学力養成期」、3年生~4年生を「充実期」、5年生~6年生を「発展期」とし、6年間を通した継続性のある教育が特徴です。
国際社会への視野を広げるキャリア教育に力を入れており、英語合宿やオーストラリア海外研修、UCLA海外大学派遣研修、シンガポール海外修学旅行など、グローバルマインドを身につけられる活動が豊富です。
【進学実績】
千代田区立九段中等教育学校の昨年度の合格実績 ※浪人生も含む |
|
---|---|
東京大学 | 8 |
京都大学 | 3 |
早稲田大学 | 56 |
慶應大学 | 33 |
出典:令和7(2025)年3月 大学等合格状況|千代田区立九段中等教育学校
千代田区立九段中等教育学校に実際に合格した人の体験記
2021年度中学受験で千代田区立九段中等教育学校に合格した人の合格体験記には、以下のような記述があります。
◎学校見学・オープンキャンパス
制服から決めました。可愛い制服、プールがないところを選んであとは家から近いところや実際に学校に行っていいなと思えばそこにしていましたし、あまり良くないと思っていたらすぐにやめました。でもいやだとおもうところは一つもありませんでした。
学校見学を通じて、志望校のミスマッチを取り除いたことが、受検を乗り切る力となった事例です。
東京都立桜修館中等教育学校の特徴
東京都立桜修館中等教育学校の特色と進学実績
【特色】
国語や数学で論理的な力を育成する授業を行っているのが、特色の1つです。
国語の論理では、相手の話や文章を道筋を立て、理解し、自身の考えを筋道を立て、表現することを通し、考え方やものの見方をひろげる力を育みます。
数学の論理で養うのは、身近なものを題材とし、具体的な事象を調べることで、数量関係について理解し、論理的に考察する力です。
またスクールミッションが、「6年間の一貫した教育活動の中で、世界の中の日本人としてのアイデンティティをもって国際社会を担う人材を育成する学校」であり、国際教育や語学学習に力を入れています。
具体的には海外への修学旅行や海外研修、第二外国語の授業を行っています。
【進学実績】
東京都立桜修館中等教育学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2025年 | 2024年 | |
東京大学 | 3 | 5 |
京都大学 | 2 | 3 |
早稲田大学 | 44 | 75 |
慶應大学 | 27 | 46 |
東京都立桜修館中等教育学校に実際に合格した人の体験記
2021年度中学受験で都立桜修館中等教育学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
通塾することで最も大きく変化したこと
◎入塾時から偏差値が大幅に向上した(+10以上)
小学校四年生の模試ではほぼ平均を超えることができずそのレベルからしか世界を見ていませんでしたが志望校を目指してがんばるという大切さ、努力の継続の大切さを教えてもらったことで成績がアップし受検時には文系理系ともに偏差値60ほどに安定した。
志望校が明確になったことで、モチベーションがアップし、偏差値が大幅に向上した事例です。
東京都立大泉高等学校附属中学校の特徴
東京都立大泉高等学校附属中学校の特色と進学実績
【特色】
「探究の大泉」をキャッチフレーズに、6年間計画で探究活動を実施。具体的には、中1では学校がある「練馬地域探究」、中2・中3では 社会課題に挑む「マイプロジェクト」、高1・高2では自分の興味・関心に基づく「課題研究」を行います。
3学期には中1から高2の生徒線全員が1年間取り組んだ探究について発表する「OIZUMI AWARD・コンテスト」を開催。「SDGs 探究 AWARDS2023 審査員特別賞 」など様々な外部のコンテストにも参加します。
また英語と数学の授業で少人数制授業の実施や、長期休業中に生徒の進路選択に役立つ100 近い講座を開催するなども行っています。
【進学実績】
東京都立大泉高等学校附属中学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2025年 | 2024年 | |
東京大学 | 8 | 5 |
一橋大学 | 4 | 6 |
早稲田大学 | 52 | 43 |
慶應大学 | 24 | 17 |
出典:東京都立大泉高等学校・附属中学校 77期生(中学10期生)大学進学・合格者状況(2025.4.4時点) 都立大泉高等学校 1
東京都立大泉高等学校附属中学校に実際に合格した人の体験記
2023年度中学受験で都立大泉高等学校附属中学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
志望校を決める際にもっとも役立ったもの
◎学校見学・オープンキャンパス
家から近く、公立の中間一貫校を志望していました。 本人も通うには近い事は必須だったようです。 なおかつ、制服も好みだったこともポイントが高かったようです。 本好きなので、第一志望校の図書室に本が豊富だった事はかなり魅力的だったようです。
学校見学を通じて、志望校への思いを高めたことが、受検を乗り切る力となった事例です。
東京都立小石川中等教育学校の特徴
東京都立小石川中等教育学校の特色と進学実績
【特色】
「小石川フィロソフィー(質の高い探究活動)」に、6年間を通じて取り組みます。具体的には1・2年で課題研究の基礎的スキルを学び、 3・4年でプレ課題の研究や発信力向上、5年で課題研究を深め、6年で課題研究のまとめを行います。
文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校(※)であり、理数教育にも力を入れています。理科実験や数学探究を豊富に実施するだけでなく、大学・研究機関との連携プログラムを展開。技術科や情報科の授業では、プログラミング言語の学習もおこないます。
(※)科学技術や理数教育を重点的に行う「スーパーサイエンスハイスクール」のこと。
また東京都からGE‑NET20(※)に指定されているので、国際交流プログラムも充実しています。
生徒全員参加の海外研修が在校中に2回あり、3年生はオーストラリア、5年生ではシンガポールへ行きます。
(※)東京都教育委員会が指定する、グローバル人材育成に関する先進的な取組を推進する学校
【進学実績】
東京都立小石川中等教育学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2025年 | 2024年 | |
東京大学 | 16 | 16 |
一橋大学 | 6 | 6 |
早稲田大学 | 63 | 62 |
慶應大学 | 29 | 33 |
出典:2025年度大学入試合格者数(現浪合計/現役) 東京都立小石川中等教育学校(R7.4.9現在)
東京都立小石川中等教育学校に実際に合格した人の体験記
2019年度中学受験で都立小石川中等教育学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
受験活動全体を通して、特に実践してよかったこと
◎過去問に重点的に取り組んだこと
塾の授業に加えて、過去問の繰り返し学習を繰り返して実施。また、都立の専門の模擬試験を繰り返し受験し立ち位置や苦手分野の確認を実施した。 都立小石川は、特徴のある独特な試験問題なので、それに合わせた勉強、塾に変更して勉強をしました。
過去問を中心に特徴的な都立入試の問題を何度も解いたことが、合格へと繋がった事例です。
東京都立立川国際中等教育学校の特徴
東京都立立川国際中等教育学校の特色と進学実績
【特色】
「国際社会で貢献できるリーダーとなるために必要な学業を修め、人格を陶冶する」が教育目標です。
1学年のうち約2割の生徒が海外帰国・在京外国人生徒です。異なる文化で育った生徒たちが日常的に触れ合えるため、国際感覚を養える環境にあります。
東京都教育委員会の「GE-NET20」指定校でもあり、英語教育や国際教育が盛んなことが特色です。外国人教師とのチームティーチングは一般的な公立校の倍以上実施しており、卒業までに英検®準1級取得を目指した指導をしています。
また外国人教師による作文やリスニングの授業、オンライン英会話を行っているので、英語での実践的なコミュニケーションを学べる機会が豊富です。
【進学実績】
東京都立立川国際中等教育学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2025年 | 2024年 | |
東京大学 | 7 | 5 |
一橋大学 | 5 | 4 |
早稲田大学 | 30 | 31 |
慶應大学 | 19 | 16 |
東京都立立川国際中等教育学校に実際に合格した人の体験記
2019年度中学受験で東京都立立川国際中等教育学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
通塾することで最も大きく変化したこと
◎入塾時から偏差値が大幅に向上した(+10以上)
都立中学に志望校を絞ったさいに、早稲田アカデミーの授業では試験問題の性質が違い成績の向上が見られなくなった。 都立中学受験の専門の塾に変更し、学習内容を変えたことで成績向上に繋がった。 成績が上がることで、受験へのモチベーションが更に上がり学習意欲が更に上がった。
都立中学受験専門の塾に通ったことで成績が向上し、合格に繋がった事例です。
東京都立白鷗高等学校附属中学校の特徴
東京都立白鷗高等学校附属中学校の特色と進学実績
【特色】
白鷗高等学校附属中学校の教育活動の柱は「課題探究型学習」、「伝統文化理解教育」、「ダイバーシティー教育」の3つです。
特に「伝統文化理解教育」では、授業・行事・部活動で日本の伝統文化を積極的に取り入れる、珍しい試みをしています。具体的には「日本文化概論」の授業や、和太鼓や長唄三味線などの部活動があるようです。
また中高一貫校であることを活かし、6年間で体系的な進路指導を行っています。例えば、中学1・2年次には職業講話や職業体験を、中学3年時には東京大学訪問などを実施。高校では、具体的な進路を考えるうえで参考となる機会が、入学直後から用意されています。
【進学実績】
東京都立白鷗高等学校附属中学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2025年 | 2024年 | |
東京大学 | 2 | 3 |
一橋大学 | 1 | 2 |
早稲田大学 | 42 | 37 |
慶應大学 | 17 | 22 |
出典:都立白鷗高等学校 令和4年度 合格実績(数値は延べ人数)
東京都立白鷗高等学校附属中学校に実際に合格した人の体験記
2023年度中学受験で白鷗高等学校附属中学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
通塾することで最も大きく変化したこと
◎苦手科目の成績が向上した
塾に行くまでは、国語の長文は諦めて始めから投げ出していたのですご、文章の読み方や考え方を教えて頂き、少しずつ問題が解けるようになりました。 また、志望校対策で過去問もたくさん準備して下さってとても助かりました。
苦手科目のテクニックを塾で対応してもらえたことで、合格に繋がった事例です。
東京都立富士高等学校附属中学校の特徴
東京都立富士高等学校附属中学校の特色と進学実績
【特色】
教育理念は「自主自律」と「文武両道」です。探究活動を中心とした、6年間一貫のカリキュラムを組んでいます。
文部科学省のSSH指定校とされており、理数教育に力を入れています。数学では統計学や実験を取り入れ理科では高校と大学が連携して実施する授業や、課題解決型の授業を展開しています。
文系理系問わず、全員が高校3年まで数学や理科の基礎科目を履修するのも特徴です。
【進学実績】
東京都立富士高等学校附属中学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2025年 | 2024年 | |
東京大学 | 3 | 4 |
一橋大学 | 3 | 1 |
早稲田大学 | 23 | 46 |
慶應大学 | 14 | 18 |
出典:東京都立富士高等学校附属中学校 令和6年度(77期生114名・既卒生) 大学入試合格状況【4月1日版】
東京都立富士高等学校附属中学校に実際に合格した人の体験記
2021年度中学受験で東京都立富士高等学校附属中学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
通塾することで最も大きく変化したこと
◎受験ならではのテクニックが身についた(時間配分など)
偏差値自体は通塾しないで勉強してもあがったかもしれないが、受験テクニックはやはり通塾しないと身に付かない。毎日出される課題の計算問題も、ケアレスミスをなくし回答時間の短縮に結果的に非常に役にたっていた。
受験テクニックを塾で学び、身につけられたことで、合格に繋がった事例です。
東京都立三鷹中等教育学校の特徴
東京都立三鷹中等教育学校の特色と進学実績
【特色】
教育理念は、「思いやり・人間愛をもった社会的リーダーの育成」です。
理数教育や英語教育など特定の教育に特化せず、様々なプログラムを経験できます。入学後に文理問わず多くの体験をする中で、自分の道を見つけ、深く学ぶ分野を見つけて欲しいという学校方針です。
英語や数学では習熟度別の少人数制授業や月曜の放課後に補習を行うなど、きめ細かな指導を行っています。
全教科でICT機器を活用した授業を行っており、タブレット端末を学校より貸与されます。またすべての授業がオンラインに対応。コロナ禍で休校になった際にも、他校に先駆けて双方向のオンライン授業を実施しました。
【進学実績】
東京都立三鷹中等教育学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2025年 | 2024年 | |
東京大学 | 0 | 2 |
一橋大学 | 10 | 1 |
早稲田大学 | 56 | 41 |
慶應大学 | 31 | 23 |
出典:東京都立三鷹中等教育学校 卒業生進路状況一覧(2025.4.07現在)
東京都立三鷹中等教育学校に実際に合格した人の体験記
2022年度中学受験で三鷹中等教育学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
サポート体制
・塾以外の習い事や部活を休止した
・子どもの勉強時間には親も資格勉強や読書等を実施した
・子どもの勉強中は家族もテレビを消すなど、勉強の環境作りを心がけた
・生活リズムが崩れないように心がけた
友達と遊ぶ事も重視した為、友達と遊んだ後に自習で何時からは塾に行くなどのスケジュールを組み、オンオフを作る事で子ども本人のモチベーションを崩さずに続けていけたのではないかと思います。塾の休みの日の勉強場所を見つけたりは必要でした。
親が子どものモチベーションを崩さないようスケジュールを組んだことで、合格に繋がったことが分かります。
東京都立南多摩中等教育学校の特徴
東京都立南多摩中等教育学校の特色と進学実績
【特色】
教育の柱は、フィールドワーク(前期課程)とライフ・ワーク・プロジェクト(後期課程)です。
1年生は地域の学習、2年生は「モノ」を素材とした調査研究、3年生は科学的検証活動、4・5年生では個人で決めたテーマで論文を執筆します。
文部科学省指定のDXハイスクール(※)であり、デジタルを道具として使いこなす力を養えるよう、プログラミングやAIを活用した授業ができる設備があります。
デジタルを活用した探究活動を通じて、人間力を育める環境です。
(※)情報や数学といった教育を重視するカリキュラムを実施し、かつICTを活用した文理横断的・探究的な学びを強化する学校
【進学実績】
東京都立南多摩中等教育学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2025年 | 2024年 | |
東京大学 | 4 | 9 |
一橋大学 | 3 | 5 |
早稲田大学 | 25 | 50 |
慶應大学 | 16 | 20 |
出典:東京都立南多摩中等教育学校 令和6年度 10期生 合格数実績 卒業生142名
東京都立南多摩中等教育学校に実際に合格した人の体験記
2022年度中学受験で東京都立南多摩中等教育学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
受験活動全体を通して、特に実践してよかったこと
◎過去問に重点的に取り組んだこと 受験の直前期は学校を休み、1日に2校程度過去問を解き、先生に添削していただいていました。あとは、理社の暗記も直前期までずっと行いました。試験を前日に控えた日は、苦手だと感じていた算数の図形問題を先生にプリントアウトしてもらい、塾で解きました。
過去問や苦手科目への取り組みを重視したことが、合格へと繋がったことが分かる事例です。
東京都立武蔵高等学校附属中学校の特徴
東京都立武蔵高等学校附属中学校の特色と進学実績
【特色】
武蔵高等学校では、国際社会に貢献できる知性豊かなリーダーの育成を目指しています。
武蔵高等学校の教育の特色は、「地球学」の授業です。「地球学」では、「地球と私」をテーマにした自然・社会・人文科学を、教科横断的に学びます。
具体的には、文献調査・実験・観察などの調査体験活動や、グループワークでの課題研究、論文作成や研究発表などの活動です。
「地球学」の体験学習では、尾瀬サマーキャンプや農業体験などを実施。また模擬国連を行なったり、SDGs新聞を制作したりといった、地球に絡めた様々な学びの取り組みをしています。
その他、英語教育にも力を入れており、国際機関や海外の団体などと連携しオールイングリッシュで行う東京グローバルゲートウェイの体験学習などにも参加可能です。
【進学実績】
東京都立武蔵高等学校附属中学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2024年 | 2023年 | |
東京大学 | 6 | 5 |
一橋大学 | 9 | 6 |
早稲田大学 | 65 | 84 |
慶應大学 | 18 | 27 |
出典:東京都立武蔵高等学校附属中学校 進路実績(令和7年3月末)
東京都立武蔵高等学校附属中学校に実際に合格した人の体験記
2023年度中学受験で武蔵高等学校附属中学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
受験活動全体を通して、特に実践してよかったこと
◎志望校を決める際にもっとも役立ったもの
学校見学が一番必要だと思います。実際に娘と第一志望の中学に見学に行ったことにより、より鮮明に志望校を決定することができたと思います。施設やカリキュラムも大切ですが、なによりも説明会を手伝っている在校生の振る舞いなどが参考になったようです。
在校生の様子を確認できることは、学校見学の最も大きなメリットです。学校見学を通じて、志望校合格への思いを高めたことが、合格に繋がった事例です。
東京都立両国高等学校附属中学校の特徴
東京都立両国高等学校附属中学校の特色と進学実績
【特色】
東京都立両国高等学校附属中学校は、開校120年を超える歴史を誇る伝統校です。
世界的視野を持ち、国際社会で活躍できるリーダーの育成を目標に、英語教育や探究学習を実施しています。
英語教育で力を入れているのは、4技能の向上です。授業は日本人と外国人講師の協働で行われ、全員が必ず英語ディベートに挑戦します。また放課後に英作文の添削指導があり、外部検定や大学受験対策に向けた実践的なライティング力を鍛えられます。
また6年間を通じて、「志学」と呼ばれるキャリア教育に取り組みます。具体的には、中学校での「職場体験」や「卒業研究」、高校で行う「探究活動」などの学習です。
社会に貢献する高い志と使命感を身につけられるよう、「志学」の授業が行われています。
【進学実績】
東京都立両国高等学校附属中学校の過去2年間の合格実績 ※浪人生も含む |
||
---|---|---|
2025年 | 2024年 | |
東京大学 | 8 | 6 |
一橋大学 | 3 | 2 |
早稲田大学 | 45 | 43 |
慶應大学 | 16 | 38 |
参照:東京都立両国高等学校附属中学校 過去5年間の大学合格者数PDF(148KB)
東京都立両国高等学校附属中学校に実際に合格した人の体験記
2020年度中学受験で両国高等学校附属中学校に合格した人の保護者の合格体験記には、以下のような記述があります。
通塾することで最も大きく変化したこと
◎入塾時から偏差値が大幅に向上した(+10以上)
文章作成方法がわからず、文をまとめることにも慣れていなかった。入塾の面談時に作文については入塾後にすぐに書けるようになるので、入塾前に不得意で書けなくても問題なしとの助言をいただいた。不安な要素はあったが、これに関しては本当に改善されて、合格基準まで学力が向上できていた。また、周りの友達の影響が大きい。本人が友達より誘われ入塾を決意。得意教科については友達と切磋琢磨し競争しあい学力が向上。夏期講習合宿については、互いに応援しあい最終日まで乗り切れた。親元を1週間も離れることがなかったが、親子ともども成長関田と感じる。
都立中高一貫校の入試では、作文が出題されます。そのため作文力を向上させるための指導は、塾選びの際に重視したい点です。
都立中高一貫校の魅力は?
本章では、都立中高一貫校に通う魅力を3点にまとめました。都立中高一貫校に通うことで、実際にどのようなメリットがあるのか、確認していきましょう。
6年間継続的に教育を受けられる
まず6年間一貫のカリキュラムで教育を受けられるのが、大きな魅力の1つです。
なぜ6年間一貫カリキュラムが魅力的なのかというと、中学・高校で学習が分断されないため、大学受験に向けて効率的な学習ができるからです。例えば高校の学習を中学で先取りし、高3年の1年を大学受験勉強に集中できるようなカリキュラムを組む学校もあります。
そのように大学受験に必要な学習を6年間でできるのが、6年間継続した教育を受けられる大きなメリットです。
また高校受験がないことで、中高の6年間を余裕を持って学習に臨みやすいメリットもあります。例えば探究活動や英語教育など、興味のある分野の学習に受験に影響されずに取り組めるでしょう。
独自の学習カリキュラムを経験できる
都立中高一貫校では、学校ごとに特色ある、独自のカリキュラムを組んでいます。
例えば、SSH指定校である「小石川中等教育学校」や「富士高等学校・附属中学校」は、理数教育に力を入れる学校です。
GE-NET20である「立川国際中等教育学校」や「三鷹中等教育学校」などの学校は、英語教育や国際理解教育に力を入れています。
武蔵高等学校には「地球学」という自然・社会・人文科学を、教科横断的に学ぶ独自の教科があります。
上記は都立中高一貫校のカリキュラムのほんの一部です。上記以外にも学校ごとにそれぞれの教科で、独自のカリキュラムを組んでいます。
各校が独自のカリキュラムを導入しているため、自分の興味がある分野の学習に力を入れる学校を選択でき、特定の分野の学びを深められるメリットがあるでしょう。
私立中高と比べ学費を抑えられる
都立中高一貫校は、私立中学・高校に匹敵するカリキュラムの教育を受けられるにもかかわらず、公立校であるため学費が抑えられます。
都立中学の授業料は、義務教育のため無料です。都立高校の授業料は年間118,000円ですが、2024年度からの東京都の取り組みで、無償化されました。
対して、都内所在の私立中学校(全日制)における初年度納付金(総額)の平均額は、1,033,387円です。(参照:令和7年度 東京都内私立中学校の学費の状況について)
東京都在住の高校生に対しては、私立高校の授業料を負担する試みを東京都が開始しています。しかし入学金や施設費・修学旅行の積立金などの費用は、家庭で負担しなくてはいけません。また私立中学に通った場合、中学分の授業料は必要になります。
以上から私立の中高一貫校と、都立中高一貫校で、学費の差が大きいのは明白です。
都立中高一貫校入試と私立中入試の違い
都立中高一貫校入試と私立中入試は、中学受験という括りでは同じです。しかし入試形態や出題内容については全く異なるので、それぞれ対策が必要になります。
特に都立中高一貫校入試は、癖がある入試形態なので、特性を知らずに受験勉強をしてはいけません。必ず都立中高一貫校入試向けの対策をする必要があります。
本章では都立中高一貫校入試と私立中学入試の違いを比較し、それぞれの受験の特性を把握できます。都立中高一貫校を受検するうえで、重要な情報ですのでぜひご一読ください。
都立中学の入試は全校同日
都立中高一貫校の入試日は、すべての学校で同日です。2024年は2月3日に一般選抜が行われました。全校同日日程で入試をするので、都立中高一貫校の併願受検はできません。
対して東京の私立中学入試は2月1日に解禁されますが、入試日程は学校によってさまざまです。
そのため併願受検が可能で、私立中入試では複数の私立中学を受験する方が多くいます。
また私立中は、試験時間も学校によって異なるので、同日の午前と午後など1日に2校受験することも可能です。
都立中学の合格発表も全校同日
都立中高一貫校では合格発表もすべて同日に行われます。2024年の合格発表日は、2月9日でした。
一方、私立中学では、合格発表日も学校によって異なります。試験当日に合格発表をする中学もあるので、合否を確認後、翌日受験する学校を決定するといったような対策もできます。
合格発表日までの期間が都立中高一貫校は長めであるのに対し、私立中入試は即日発表もあるなど、発表時期が早いという点という点も2つの入試の大きな違いです。
適性検査と作文が出題される
私立中入試では算国理社から、4教科もしくは2教科の学力試験が実施されます。対して都立中高一貫校入試では、「適性検査」や「作文」が入試科目です。
適性検査には適性検査Ⅰと適性検査Ⅱ、適性検査Ⅲ(Ⅲは一部の学校のみ)があります。
適性検査Ⅰでは国語力、文章理解もしくは作文の問題を出題。適性検査Ⅱは算数、社会、理科の問題が含まれる3つの大問です。適性検査Ⅲは大問2つで、算数か理科の問題が出題されます。
適性検査は、知識を活用し、論理的思考や表現力があるかを確認する内容の試験です。解答の多くは記述式で、問題も独特のため都立中高一貫校入試に合わせた対策が必要になります。
都立中学は「報告書」が重要に
都立中高一貫校入試では、小学校の先生が作成する「報告書」も合否の判定材料の一つです。報告書は、高校受験における内申書に相当します。各教科の成績や、小学校での特別活動の記録や出欠状況などが記載されています。
一方で、私立中学入試で、報告書が必要となる学校はほとんどありません。基本的には、入試当日の学力試験のみで合否が決まります。
都立中高一貫校入試での適性検査と報告書の配点比率は学校で異なりますが、報告書の比率が2〜3割、適性検査が7〜8割になることが多いです。
報告書の比率もかなり高いので、都立中高一貫校を志望する場合、「報告書」を意識して小学校生活を送る必要があります。
都立中高一貫校についてよくある質問(FAQ)
都立中高一貫校の御三家はどこですか?
都立中高一貫校の御三家は、都立小石川中等教育学校・武蔵高等学校附属中学校・両国高等学校附属中学校の3校です。
東京大学など難関大学への進学実績が高い3校が御三家校と言われています。
都立中高一貫校の御三家については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
都立中高一貫校に受かる子はどんな子ですか?
都立中高一貫校に受かる子の特徴として、以下の7つが挙げられます。
- 他人の意見に耳を傾け、そのうえで自分の意見を表現できる子
- コツコツと努力を継続できる子
- 好奇心が旺盛で、幅広い分野に関心を持っている子
- 日常的に会話が多く、語彙力がある子
- 周囲に流されにくく落ち着きがある子
- 数的処理に心配がない子
- 小学校の成績が高い子
都立中高一貫校に受かる子の特徴については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
都立中高一貫校受検で気をつけておきたいことは何ですか?
都立中高一貫校受検で気をつけておきたいことは、不合格になった場合も想定し、対策することです。
都立中高一貫校入試の倍率は例年約4~5倍と高く、競争が激しい入試です。しかも受検できるのは1校、1度のみと定められています
都立中高一貫校が不合格だった場合に公立中に進学するか、私立中と併願受験するかは、早い段階で子どもと話し合い、決めておきましょう。
大変な中学受験の勉強を経て、不合格になってしまった場合、子どもの心が傷つき、前向きに中学に進学できなくなる恐れもあります。そのような事態にならぬように、不合格の場合の子どものケアと対策は、事前に考えておくことが大切です。
都立中高一貫校はなぜ人気なのですか?
都立中高一貫校が人気の理由としては、以下4点が考えられます。
- 高校受験がないので、中高6年間を伸び伸びと過ごせる
- 学校ごとの独自のカリキュラムのもと、質の高い授業が受けられる
- 進学実績の高い学校に通える
- 私立の中高一貫校と比べて、学費が安い
私立中学とほぼ同等の教育が、公立校の学費で受けられるのが、都立中高一貫校が人気のある大きな理由でしょう。
都立中高一貫校の受検に塾は必要ですか?
都立中高一貫校の適性検査は、思考力・表現力・判断力を問う独自形式の試験です。そのため、一般的な中学受験のような知識偏重型の学習では対応が難しいのが現実です。
加えて、作文やグループワーク、面接などが合否に大きく影響するので、専門的な対策が欠かせません。
こうした理由から、都立中高一貫校を受検する際は、塾を利用して対策することを強くおすすめします。
特に作文や面接は、第三者の視点からのフィードバックが極めて重要です。
親子だけでは気づけない「伝わりにくい表現」や「論理のズレ」も、プロの講師による添削やアドバイスを通じて改善していくことが可能になります。
以下の記事では、都立中高一貫校を含む公立中高一貫校の受検に強い塾を詳しく紹介しています。塾選びに迷った方はぜひ参考にしてください。
まとめ 都立中高一貫校は独自のカリキュラムで人気!
本記事では都立中高一貫校受検について、主に以下の点について解説してきました。
- 都立中高一貫校入試の特色
- 都立中高一貫校全11校(区立を含む)の特色と進学実績
- 都立中高一貫校に入学するメリット
都立中高一貫校は6年間一貫で、大学受験を見据えた教育が受けられる公立校です。
SSHやGE-NET20などの指定校として、国や東京都の支援のもと学べる学校も多く、充実したカリキュラムの教育が受けられます。
現在、都立中高一貫校はすべての学校で、高校での募集を停止しています。そのため中学受験をしないと、都立中高一貫校には入学できません。しかも倍率は難関私立中以上に高く、レベルの高い挑戦になります。
それでも安い学費で、中高6年間充実したカリキュラムの教育を受けられる都立中高一貫校の環境は大変魅力的です。
情報を取捨選択しつつ、都立中高一貫校受検にチャレンジしてくださいね。
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