関西の難関国立中学校とは?各学校の特徴や受験情報、進学実績、学費など徹底解説!


編集部
塾選ジャーナル編集部
関西で難関国立中学校の受験を検討しているご家庭も多いでしょう。
今回は国立中学校のメリットや私立・公立中学との違いや、関西の難関公立中学校「神戸大学附属中等教育学校・奈良女子大学附属中等教育学校・大阪教育大学附属天王寺中学校・大阪教育大学附属池田中学校・京都教育大学附属桃山学校・大阪教育大学附属平野中学校」のそれぞれの入試情報や学校の特徴、学費などを解説します。また、国立中学受験におすすめの学習塾も紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
【関西】国立中学校とは?受験するメリットや私立・公立中学校との違い
国立中学校とは、国立大学に付属している学校で、多くの学校が小中一貫校です。大学は新しい教育方法を研究する場であり、地域のモデル校としての役割もあります。大学の実験校という側面から、地域の公立中学校と比べて斬新でユニークな学習指導が高いレベルで行われています。
また、国が管理運営する学校なので入学金や授業料は無料です(ただし授業料以外の諸費用がかかるため地域の公立中学よりは高くなります)。比較的安い費用で私立にも匹敵する高いレベルの教育を受けられることは国立中学校の大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、私立中学と違って進学実績などは重視していないため、高校受験・大学受験対策は自ら行う必要がある点には、注意しておく必要があります。
【関西】難関国立中学校6選!学校の特徴や受験情報などを解説
関西には国立中学校が、大阪府に3校、兵庫県に2校、京都府に1校、奈良県に2校の計8校あります。ここではそのうち神戸大学附属中等教育学校・奈良女子大学附属中等教育学校・大阪教育大学付属天王寺中学校・大阪教育大学付属池田中学校・京都教育大学付属桃山学校・大阪教育大学付属平野中学校の6校について学校の特徴や受験情報などを解説していきます。
学校名 | 住所・最寄駅 | 生徒数 | 偏差値 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
神戸大学附属中等教育学校 | 兵庫県神戸市東灘区住吉山手5-11-1 阪急「御影」徒歩15分 | 389名 | 68 | 3.66倍 (2021年度) |
奈良女子大学附属中等教育学校 | 奈良県奈良市東紀寺町1-60-1 近鉄線・JR線「奈良」から市内循環バス「幸町」下車すぐ | 366名 | 66 | 4.6倍 (2021年度) |
大阪教育大学附属天王寺中学校 | 大阪府大阪市天王寺区南河堀町4-88 JR環状線「寺田町」すぐ | 479名 | 65 | 3.28倍 (2021年度) |
大阪教育大学附属池田中学校 | 大阪府池田市緑丘1-5-1 阪急宝塚線「池田」徒歩20分 阪急バス「池田病院前」徒歩7分 | 433名 | 65 | - |
京都教育大学附属桃山中学校 | 京都府京都市伏見区桃山井伊掃部東町16 近鉄京都線「近鉄丹波橋」徒歩3分、京阪本線「丹波橋」徒歩4分 | 398名 | 62 | 3.6倍 (2021年度) |
大阪教育大学附属平野中学校 | 大阪府大阪市平野区流町2-1-24 大阪メトロ谷町線「平野」徒歩7分 | 358名 | 61 | - |
神戸大学附属中等教育学校
参照リンク:神戸大学附属中等教育学校
兵庫県神戸市にある国立中等教育学校。神戸大学直轄の附属中等教育学校です。
学校の特徴や進学実績
6年一貫教育を行う中等教育学校です。神戸大学発達科学部附属の中学校を前身とし、「ゆとり」「継続」「交わり」を特色とした教育を行っています。また、神戸大学が掲げる「グローバルエクセレンス(国際的に卓越した)教育」を基に、新時代にふさわしい「グローバルキャリア人」の育成を教育目標としています。「Kobeポート・インテリジェント・プロジェクト」をはじめとする多彩な教科外活動など総合的な教育体制のもと、「見つける力」「調べる力」「まとめる力」「発表する力」を育むことができるでしょう。
2022年度入試は2022年1月18日(火)でした。試験科目は言語表現・数理研究・自然環境または市民社会(各50分)・作文(25分・400字程度)です。
2022年度進学実績は、国公立大が京都大学13名・大阪大学11名・神戸大学14名など、私立大が早稲田大学7名・慶応義塾大学2名・同志社大学31名・立命館大学22名・関西大学21名・関西学院大学39名でした。
学費
項目 | 金額 |
---|---|
入学金 | 不要 |
授業料 | 不要 |
学年費(1年) | 50,000円 |
学年費(2・3年) | 40,000円 |
生徒会費 | 5,600円 |
PTA会費 | 3,200円 |
教育後援会関連費 | 65,000円 |
奈良女子大学附属中等教育学校
参照リンク:奈良女子大学附属中等教育学校
奈良県奈良市にある、奈良女子大学の附属学校。女子大学の附属学校ですが、男女共学です。
学校の特徴や進学実績
6年一貫教育を行う中等教育学校です。校風は「自由・自主・自律」。戦前から引き継がれている精神ですが、学校として制定されているものではありません。教育方針は「自由で自律した人格の養成と社会的責任の自覚を養い」、「生徒の多様な能力に対応した教育を行うと同時に個性を尊重しつつ学力を伸ばし、社会と世界に開かれた学校を目指す」ことです。
2022年度入試は2022年1月20日(木)で、試験科目は表現Ⅰー言語的表現・表現Ⅱー数理的表現各(60分)・表現Ⅲー対話的表現(面接)でした。
2022年度進学実績は、国公立大が京都大学7名・大阪大学5名・神戸大学4名など、私立大が早稲田大学5名・同志社大学3名36名・立命館大学21名・関西大学18名・関西学院大学26名など、でした。
学費
2022年9月現在、HPに記載はありません。
大阪教育大学附属天王寺中学校
参照リンク:大阪教育大学附属天王寺中学校
大阪府大阪市にある大阪教育大学の附属中学校。教育に関する実践的な研究や、大阪教育大学の学生の教育実習受け入れています。
学校の特徴や進学実績
校風は「質実剛健」。一般的に校則と呼ばれるものを大阪教育大学附属天王寺中学校「規律規定」と呼びます。これは生徒自身で定められたもので、これを自分たちで守ることが生徒会の取り組みとして行われているのも特徴。
先生からの一方的な知識の伝達のみでなく、教科に応じて「実験・考察」「創作・発表・表現活動」「課題の発見・問題解決」など様々な形態をとっています。机上の学習にとどまらず、学習の場を広げ、体験を通して身に付ける授業を展開しています。敷地内には大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎があり、ほぼ全員が連絡進学。また、大阪教育大学天王寺キャンパスも同一敷地内に立地しています。
2021年度入試は、第一次選考が2021年1月23日(土)、第二次選考が1月26日(火)でした。試験科目は第一次選考が国語・算数、第二次選考が理科または社会・実技(音楽・図工・体育・家庭から1教科選択)です。
2022年度の進学実績は、国公立大が東京大学2名・京都大学9名・大阪大学21名・神戸大学12名など、私立大が早稲田大学5名・慶応義塾大学4名・同志社大学24名・立命館大学23名・関西大学32名・関西学院大学26名など、です。
学費
2022年9月現在、HPに記載はありません。
大阪教育大学附属池田中学校
参照リンク:大阪教育大学附属池田中学校
大阪府池田市にあり、明治42年(1909年)学校教育の研究、実践の場として設立。日本で初めての世界保健機関(WHO)のインターナショナルセーフスクール(ISS)です。
学校の特徴や進学実績
大阪教育大学の研究校であり、常に新しい教育理念と中正な教育的信念をもち、望ましい環境のうちに個性を生かしながら真の中等教育を実践することを目指している学校です。一般生徒、国際枠生徒(帰国生徒、在日外国籍生徒)、学校災害特別研究生徒からなる混合学級で授業を行い、新しい教育の開発も重視されています。2020年1月に国際バカロレア中等教育プログラム(MYP)を行うIBワールドスクールの認定校になりました。
2022年度入試は、面接が2022年1月9日(日)〈女子〉・1月10日(月・祝)〈男子〉、調査が1月15日(土)でした。試験科目は、第1次選考が検査Ⅰ(国語)・検査Ⅱ(算数)、第2次選考が検査Ⅲ(理科または社会)・検査Ⅳ(実技検査、音楽・図工・体育・家庭から1教科選択)です。
学費
2022年9月現在、HPに記載はありません。
京都教育大学附属桃山中学校
参照リンク:京都教育大学附属桃山中学校
京都府京都市にあり、京都教育大学の附属学校として、教育の実証研究や実地教育(教育実習・観察参加研究)に取り組んでいます。
学校の特徴や進学実績
生徒一人一人の個性を尊重し、豊かな情操を養うとともに、社会や人とのかかわりの中で主体的に学ぶ生徒の育成を目指しています。
「MET」と呼ばれる総合的な学習が行われています。「MET」とは「Momoyama Explores’ Time」の略称で、2・3年生が学年の枠を外し、地域を活かし、様々な人と関わりながら、自ら選んだコースの中で主体的に課題解決型の学習を展開。「PreMET」にあたる中1では、地元伏見をフィールドにして、課題設定や調査研究のしかた、研究成果のまとめ方や発表のしかたなど、課題解決学習の基礎を学びます。
2021年度入試は2021年1月16日(土)で、試験科目は国語・算数・理科・社会でした。
2022年度進学実績は、国公立大が京都大学5名・大阪大学3名・神戸大学1名など、私立大が早稲田大学2名・慶応義塾大学3名・同志社大学36名・立命館大学23名・関西大学15名・関西学院大学22名などでした。
学費
2022年9月現在、HPに記載はありません。
大阪教育大学附属平野中学校
参照リンク:大阪教育大学附属平野中学校
大阪府大阪市にあり、昭和22年(1947年)大阪第一師範学校女子部附属中学校として開校。昭和47年(1972年)大阪教育大学附属高等学校平野校舎が設置されました。
学校の特徴や進学実績
自省五問(「真実であるか」「公正であるか」「個人の価値を尊重しているか」「責任をわきまえているか」「健康であるか」)を理念として掲げ、「考え、確かめ、発動する」を教育目標としています。
平成4年度から6年度にかけて文部省の研究開発していこうとして取り組んだ授業システム「JOIN」(選択履修の新しい試み)を導入。これは、グループ学習や教員の指導のもと、自分に合った課題を見つけ、主体的な学びと生き方の自覚を深めていくことで、「総合的な学習」の先駆けと言えるものです。「附中生は行事で育つ」を合言葉に、学校行事を充実させることで生徒の自主性や自立性の向上を図っています。
2021年度入試は、一次選考が2021年1月23日(土)、二次選考が1月25日(月)でした。試験科目は一次選考が国語・算数、二次選考が理科・社会・面接です。
学費
2022年9月現在、HPに記載はありません。
【関西】難関国立中学受験におすすめの学習塾
家庭での自学習も大事ですが、国立中学の多くは面接や作文、実技など通常の入試とは異なった独自の試験を課している学校も少なくありません。それらの試験に対応するためには、受験のプロがいる学習塾に通うことが、合格への近道となるでしょう。
ここでは難関国立中学受験に向けたおすすめの学習塾について紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
おすすめ塾1.KECゼミナール
奈良県を中心に展開する学習塾です。国立附属中学校の受験に強く、奈良女子大学附属中等教育学校や大阪教育大学附属天王寺中学校をはじめとする関西圏の国立中学校の合格者数において関西NO1を誇ります。
KECにはPDCAサイクルを循環させるため、独自に開発した「合格Road Map」があります。学ぶ楽しさを知り「もっと学びたい!」という意欲が高まると、子どもたちは自分で目標(Goal)を設定できるようになります。その目標に向かって計画(Plan)を立て、実行(Do)し、実力を確認・評価(Check)し、自分の課題の解決策を考え(Action)、また次の目標に向かって計画を立てます。これがKECのGーPCDAサイクルです。
目標を可視化することで成功体験を積み重ねながら子どもの自信を育んでいくことができるでしょう。その自信が受検本番で学びの成果を発揮する力となってくれるはずです。
2022年度の合格実績は、神戸大学附属中等教育学校1名・奈良女子大学附属中等教育学校59名・大阪教育大学附属天王寺中学校46名・京都教育大学附属桃山中学校34名・大阪教育大学附属平野中学校21名。
おすすめ塾2.浜学園
浜学園は兵庫県西宮市に本部を置く中学受験塾で、関西を中心に教室を展開。講師は1人につき1教科指導としているので、各教科のエキスパートが質の高い授業を行います。
浜学園では学習計画表で学習管理を実施。1週間ごとに目標設定し、学習目標を細分化することで、やるべきことが明確になり、必要に応じて重点的な対策を行うことができます。また、授業後には家庭学習と復習テストを実施します。どんなに予習に力を入れても、復習が不十分であると授業で得た知識は身に付きません。復習に重点を置き、理解度を復習テストで確認するため、弱点も明確にすることができます。
2022年度の合格実績は、神戸大学附属中等教育学校56名・奈良女子大学附属中等教育学校11名・大阪教育大学附属天王寺中学校26名・大阪教育大学附属池田中学校31名・京都教育大学附属桃山中学校5名・大阪教育大学附属平野中学校10名。
おすすめ塾3.日能研
日能研は中学受験塾として全国に展開し、中学受験界において圧倒的な存在感を持つ学習塾です。特に主催の公開模試は首都圏中学受験の三大模試の一つに数えられるほどです。志望校への合格可能性が把握できる貴重なテストとなっています。
子どもの発達段階に合わせて指導を行うステージ制を導入しており、低学年から中学受験対策を始められます。日能研は講師全員が1教科専任のプロフェッショナルで学生アルバイトはいません。知識と経験に裏付けられた質の高い指導を受けることができます。「授業を中心とした塾での学び」と「家庭での学び」、そして「テストを中心とし���自分の学び」といった3つのサイクルが主軸となり、確かな学力を身に付けられるでしょう。
2022年度の合格実績は、神戸大学附属中等教育学校51名・大阪教育大学附属池田中学校48名。
おすすめ塾4.希学園
希学園は東京と神奈川の首都圏、大阪、兵庫、京都、そして奈良の近畿圏に教室を持つ中学受験専門塾です。難関中学受験対策に特化した塾として知られています。
授業は集団型で、学力別にクラスが編成され、教科専属のプロ講師による授業で実力を身に付けていきます。長年の受験指導実績に基づく学習計画がされており、洗練されたカリキュラムで第一志望合格を目指すことができるでしょう。また、日々進化する入試問題に柔軟に対応するため、授業担当講師が自ら考え抜いたオリジナルテキスト・テストを作成し授業を行います。
2022年度の合格実績は、神戸大学附属中等教育学校56名・奈良女子大学附属中等教育学校11名・大阪教育大学附属天王寺中学校26名・大阪教育大学附属池田中学校31名・京都教育大学附属桃山中学校5名・大阪教育大学附属平野中学校10名。
おすすめ塾5.ひのき塾
奈良を中心に展開する学習塾です。国立中学専門塾を標榜する珍しい塾です。
関西・中部圏から岡山・広島エリアまでの国立中学の入試問題を単元別に整理して独自にまとめた「国立中学問題集」を毎年作成し、入試にも類似問題が頻出するなど毎年成果を上げています。一般書店にはないオンリーワンの教材で、「問題集だけでも売ってほしい」という声が多数上がるほどです。
受験だけでなく、志望校に合格した後も中学・高校と通える体制が構築されています。実際、生徒の3分の2以上が受験後も3年、6年と通い続けています。
2022年度の合格実績は、奈良女子大学附属中等教育学校40名・大阪教育大学附属天王寺中学校27名・京都教育大学附属桃山中学校22名・大阪教育大学附属平野中学校3名。
まとめ
関西の代表的な難関国立中学は神戸大学附属中等教育学校・奈良女子大学附属中等教育学校・大阪教育大学附属天王寺中学校・大阪教育大学附属池田中学校・京都教育大学附属桃山学校・大阪教育大学附属平野中学校です。
いずれの学校も偏差値は60~65と高い水準にあり、倍率も高い学校。国立中学は私立中学に比べ学費を安く抑えられるにもかかわらず、国立大学附属ならではのユニークかつ質の高い授業を受けることができます。
以上に紹介した学校・学習塾にはそれぞれ独自の色があります。皆様も記事を参考にぜひお子さんにあった学校・塾を見つけてください。
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