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高校生の不登校の原因と解決策|過ごし方は?勉強は?専門塾も紹介

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編集部

塾選(ジュクセン)編集部

文科省の令和4年度調査によると、不登校の高校生の数は約6万名で、これまで横ばい〜減少傾向だった数がこの2年間でおよそ1.7万人増加しました。 このような状況の中で実際に不登校の問題に直面し、「勉強に遅れが出てしまうのでは…」「大学受験はできるの?」「塾に通わせるべき?」などとお悩みの保護者の方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、経験者の体験談などをもとに、高校生の不登校の現状や学校に行かない時間の有意義な過ごし方、不登校の高校生におすすめの学習塾などを紹介します。

目次

不登校の定義とは?

一言で「不登校」といっても「何日学校に行かないと不登校になるの?」など、不登校の定義をパッと答えられる方は多くないかもしれません。そこで、まずはじめに文部科学省では「不登校」をどのように定義しているのかを見てみましょう。

文部科学省による「不登校の定義」

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた者

(参考:文部科学省 「不登校の現状に関する認識」)

文部科学省の定義では、以下の方は不登校には当てはまりません。

✅年間の欠席日数が29日以下の生徒

✅病気や経済的な理由で学校に行くことができない生徒

【令和4年度版】高校生の不登校の現状

高校生の不登校が2年間で約1.7万人急増。不登校生徒数は18年ぶりに6万人台へ。

文部科学省の調査によると、令和4(2022)年度の高校生の不登校数は60,575名で平成16(2004)年ぶりに6万人台となりました。

高校生の不登校数はこれまでほぼ横ばいで徐々に減少傾向だったのですが、令和2(2020)年度の43,051名から2年間で一気に数が増えていることがわかります。

画像引用元:文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」p.100

また、これまで減少傾向だった中途退学者数もここ2年で増加に転じています。

高校は義務教育ではないため、不登校から留年や中途退学になるケースは珍しくありません。こうした点は小中学校にはない高校ならではの特徴です。

令和4年度には約6万人の不登校生徒のうち、17.3%の1万人以上が中途退学となっています。

高校生全体の中途退学率が1.4%であることを考えると、不登校の高校生の退学率がいかに高いかがよくわかります。

高校生が不登校になる原因は?

高校生が不登校になる原因は、多くの場合一つではなく、複数の原因が絡み合っていると言われています。

ここでは、参考までに学校に係る状況・家庭に係る状況・本人に関わる状況の大きく3つに分けて調査した文部科学省のデータを紹介します。

出典:文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」

高校生が不登校になる原因_学校に関わる状況
原因 人数 割合
いじめ 118 0.3%
いじめを除く友人関係の問題 5,029 10.7%
教職員との関係をめぐる問題 256 0.5%
学業の3,139 3,139 6.7%
進路に係る不安 2,307 4.9%
クラブ活動・部活動への不適合 487 1.0%
学校の決まり等をめぐる問題 458 1.0%
入学・転編入学・進級時の不適応 4,273 9.1%

 

高校生が不登校になる原因_家庭に係る状況
原因 人数 割合
家庭の生活環境の急激な変化 753 1.6%
親子の関わり方 1,412 3.0%
家庭内の不和 874 1.9%

 

高校生が不登校になる原因_本人に係る状況
原因 人数 割合
生活リズムの乱れ・あそび・非行 6,411 13.6%
無気力・不安 17,963 38.1%

高校生が不登校になる原因で半数を超えるのが「無気力、不安」で17,963人(38.1%)でした。

中学生の原因と比較してみると、学業の不振が+3.5%、進路に係る不安が+4.6%と増加していました。高校生になると、より将来のことに向き合い悩みを抱える傾向にあるといえそうです。

【独自アンケート】我が家の不登校事情 不登校生徒の保護者・本人の声

〇 不登校になったとき不安に思っていたことランキング

第1位 進学ができないのではないか 65%
第2位 卒業ができないのではないか 60%
第3位 勉強についていけなくなるのではないか 35%
第3位 親子間の関係が悪化するのではないか 35%
第5位 受験ができなくなるのではないか 30%

n=7 複数回答可 調査期間:2024年2月3日~2024年2月9日 調査方法:弊社インターネット調査「不登校経験のある小中高生(保護者も含む)の経験談を募集!」

不登校経験のある高校生の保護者または生徒本人へのアンケート調査によると、回答者の65%が「進学ができないのではないか」、60%が「卒業ができないのではないか」との結果でした。

義務教育ではないことから、進学や卒業ができるのかという点に不安を抱く方が多いようです。

保護者からは以下のようなお声がありました。

■不登校の子どもがいる保護者のリアルな声

内申点に響くのではないかと心配をしていました。

自主退学させられる事。進学校で方針がそういう風にもっていかされる事です。

※弊社インターネットによるアンケート調査:不登校経験のある小中高生(保護者も含む)の経験談を募集!より引用/調査期間:2024年2月2日~2月13日

〇 子どもとの関わりで気を付けていたことランキング

第1位 ストレスを与えないコミュニケーション 86%
第2位 口を出し過ぎないようにした 14%
第2位 定期的に運動するようにした 14%
第2位 自宅でも勉強できる環境を整備した 14%

n=7複数回答可 調査期間:2024年2月3日~2024年2月9日 調査方法:弊社インターネット調査「不登校経験のある小中高生(保護者も含む)の経験談を募集!」

不登校の子どもをもつ保護者の方へのアンケートによると、子どもとの関わりで気を付けていたことは「ストレスを与えないコミュニケーション」が圧倒的に多く86%との結果でした。

〇 実際に不登校の不安を相談した先は?

第1位 家族や親戚 57%
第2位 ママ友・パパ友 43%
第2位 病院 43%
第4位 学校の友達 14%
第4位 不登校に対応した学習塾/予備校/家庭教師など 14%
第4位 フリースクール 14%
第4位 カウンセラー 14%

n=7 複数回答可 調査期間:2024年2月3日~2024年2月9日 調査方法:弊社インターネット調査「不登校経験のある小中高生(保護者も含む)の経験談を募集!」

実際に不登校になったとき、「家族や親戚」に相談したという方が57%でした。次いで「ママ友・パパ友」と「病院」が同率で43%と続きました。

【独自アンケート】不登校の高校生におすすめの過ごし方

アンケート結果からも少なからず不安に感じてしまった方が多くいることが分かりました。それでは、不登校になったとき、どのように過ごすのがよいのでしょうか。

不登校になったことで負い目を感じていたり焦ったりすることもあるかもしれませんが、まずはゆっくり休むことを意識しましょう。

不登校は、心と体が疲れ切ってエネルギーがなくなっているサインです。

このとき一番必要なのは、安心できる居場所で休んでエネルギーを回復させること。

ここでは、不登校の高校生におすすめの家での過ごし方をいくつか紹介していきます。

✅最低限の生活リズムを整える

学校に行かないことで時間を自由に使える分、夜更かしをして昼夜逆転の生活となってしまったり、食事が不規則になってしまうこともあるかと思います。

一度不規則になってしまった生活を取り戻すことは相当な努力が必要になるというデメリットも生じますので、できるだけ生活リズムを崩さないように心がけましょう。

とはいえ沢山の制約を設けるのもストレスになってしまいますので、まずは、最低限の生活リズムを維持することがおすすめです。

  • 決まった時間に起床する
  • 3食きちんと栄養のある食事をする
  • 決まった時間に就寝する

✅勉強をして過ごす

自分から「何かしたい」と思えるほど元気になってきたら、少しずつ勉強する時間を増やしてみてもいいでしょう。

≪勉強して過ごすことの例≫

  • 興味のある分野の本や漫画を読む
  • 学校の教材やプリントに取り組む
  • オンラインツールを使って自主学習する
  • 通信教材で勉強する
  • オンライン家庭教師を利用する
  • フリースクールで勉強する
  • 塾で勉強する

例えば、ゲームつながりでプログラミングを学んでみたり、テレビで面白いと思った歴史について本を読んでみたりすることも、立派な勉強です。

また、「学校の勉強ができるようになりたい」「専門学校や大学受験がしたい」と思っている場合は、塾や家庭教師を利用してしっかり学力を身につけるのがいいでしょう。

学校の進度に追いつければ、学校に復帰するハードルが下がるだけでなく、自分の学力に自信がついて将来のことも前向きに考えられるようになります。

✅決まった家事をこなす

少しエネルギーが回復してきたなと感じたら、簡単な家の仕事をルーティンにしてみるのも良いでしょう。

ごみ捨てやお風呂掃除、洗濯物を干す係など、家事を任せるなら毎日決まった時間にやるものがおすすめです。

家にいるときは時間の感覚がなくなってだらだら過ごしがちになるため、1日のルーティンができると自然と生活リズムも整えられます。

✅好きなことをして過ごす

不登校になってすぐの時期は、しっかり休んで心と体のエネルギーを取り戻すことが大切です。

例えば、私たち大人は残業続きで身も心もボロボロなときに10連休ができたら、どのように過ごすでしょうか?きっと最初は、好きなだけ寝たりスマホやゲームを見たりしてのんびり過ごすと思います。

それと同じで、子どもにも好きなことだけしてゆっくり休む時間が必要なのです。

ただし、スマホやゲームはやりすぎて生活リズムを崩す恐れもあるので、最低限のルールを決めておくといいでしょう。

ルールの例

  • 使用していい時間は◯時〜□時(または◯時間)まで
  • 食事は家族で一緒に取る(この時間はやらない)

✅アルバイトに行く

アルバイトに行くことによって、学校とは異なるコミュニティへ所属することができます。実際に社会で働くという経験や、周囲の大人・同僚との関わりによって、「自分のやりたいこと」が見つかったりと、状況が好転していくという可能性もあります。

〇やって良かった!不登校時の過ごし方ランキング

不登校経験のある生徒の保護者、または本人に「やって良かったと思う不登校の過ごし方」についてアンケート調査を実施しました。こちらもぜひ参考にしてみてください。

第1位 生活リズムを整えた 43%
第2位 学習塾に通った 14%
第2位 オンラインスクールに通った 14%
第2位 一緒に食事作りをした 14%
第2位 一緒に運動する習慣をつけた 14%

n=7 複数回答可 調査期間:2024年2月3日~2024年2月9日 調査方法:弊社インターネット調査「不登校経験のある小中高生(保護者も含む)の経験談を募集!」

アンケート調査結果でも、まずは「生活リズムを整えた」という方が43%でした。

次いで、「学習塾に通った」「オンラインスクールに通った」が14%と続きました。

実際に塾に通うことでどのような良い変化があるのでしょうか。

【独自アンケート】不登校経験のある高校生保護者に聞いた、塾に通った良い変化

〇不登校経験のある高校生保護者に聞いた、塾に通った良い変化 ランキング

実際に不登校時に学習塾へ通っていた生徒の保護者、または本人へ「塾に通った良い変化」について回答していただきました。

第1位 学校と同じ進度で勉強ができるようになった 29%
第1位 不登校前よりも集中して勉強できるようになった 29%
第1位 不登校が解消した 29%

n=7 複数回答可 調査期間:2024年2月3日~2024年2月9日 調査方法:弊社インターネット調査「不登校経験のある小中高生(保護者も含む)の経験談を募集!」

独自アンケートによると「学校と同じ進度で勉強ができるようになった」「不登校前よりも集中して勉強できるようになった」「不登校が解消した」が同率1位で29%でした。

不登校の高校生におすすめの塾

以下の記事では、塾選が厳選した「不登校の高校生におすすめの塾」を詳しく説明しています。不登校の生徒におすすめな代表的な塾としては、キズキ共育塾やLITALICOがありますが、それ以外にも全国には沢山の塾があります。「午前中から通える」など、塾ごとのおすすめポイントも併せて紹介していますので、ぜひご覧ください。

▶ 不登校の生徒におすすめの塾22選

まとめ

今回は、不登校の高校生のおすすめの過ごし方、学校以外の勉強の選択肢などについて解説してきました。

高校生の不登校は留年や中途退学になるケースがあるため、不登校になったことで焦ったり不安になったりする方は多いと思います。しかし、義務教育と違って転校や通信制高校への編入という選択肢もあるので、ゆっくりと本人に合った環境を整えてあげましょう。

不登校でも学びたい意欲が強かったり、大学・専門学校への進学を考えていたりする場合は、個別指導塾などを積極的に利用しましょう。最近は不登校児童生徒への対応実績がある塾も増えているので、ぜひ調べてみてください。

 

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塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。

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