高校受験に向けた夏休みの平均勉強時間|国公私立別の目安も紹介
編集部
塾選(ジュクセン)編集部
本記事では高校受験に向けた夏休みの平均的な勉強時間を徹底解説。中学3年生の1日・夏休み全体・夏以降の勉強時間の目安を紹介します。また通塾している場合と家庭学習のみの場合に分けた日々の勉強時間などもまとめていますので参考にしてください。
「高校受験に合格するためには、どのくらいの勉強時間を確保しなければならない?」
「中学3年生の夏休みにどの程度勉強すればいい?」
中学3年生の多くは、部活動も終わりに近づき、高校受験に向けて本格的に勉強し始める時期です。
ただし、それまでの間まとまった勉強時間を確保できなかった子どもや学習習慣がついていない子どもの場合、受験対策として何から手をつければ良いかわからないケースもあるでしょう。
本記事では、高校受験を控えた中学3年生が夏休みにどの程度勉強すべきかを詳しく紹介します。
国公立や私立別に学習時間の目安や塾に通う場合と自宅学習の場合で学習時間にどのような違いがあるかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
高校受験を控えた中学3年生の夏休みの平均勉強時間
子どもが十分な学習時間を確保できていないのではないかと不安に感じる保護者の方も多いでしょう。
ここでは、高校受験を控えた中学3年生の平均的な勉強時間を詳しく解説します。
1日の平均的な勉強時間
中学3年生の夏休みの平均勉強時間は、1日あたり6〜8時間です。
しかし、これまでまとまった勉強時間を確保してこなかった子どもにとって、1日8時間もの間勉強し続けるのは簡単なことではありません。
そのため、初めのうちは、1日3〜5時間勉強するように意識し、徐々に勉強時間を増やすように努力していきましょう。
多くの中学生は、部活動や習い事をしているため、学校がある期間は自宅での十分な学習時間を確保できないケースが多いでしょう。
しかし、夏休みに入ると部活動を引退する子どもも増えるため、これまで以上に勉強にあてられる時間を確保できるはずです。
時間がたくさんあるからと、スケジュールを立てずに勉強すると、夏休みを無駄にする恐れもあります。
集中して受験勉強に取り組める夏休みだからこそ、緻密なスケジュールを立てて学習を進めていきましょう。
夏休みトータルの平均的な勉強時間
夏休み中の1日あたりの平均勉強時間である6〜8時間を考慮すると、夏休み全体の勉強時間は300〜400時間程度になります。
ただし、必要な勉強時間は子どもによってさまざまです。現状の学力と志望校とのギャップがどの程度あるか、そしてこれまでの学習習慣の有無によっても大きく異なります。
志望校のレベルが実際の偏差値よりも高い場合は、1日あたりの目安である6〜8時間以上の学習時間を確保する必要があり、トータルの勉強時間も長くなるでしょう。
・受験生向け!中学生の夏休み平均勉強時間|偏差値や学年別に紹介
夏休み以外の高校受験に向けて中学3年生で必要な勉強時間
高校受験の一般受験本番は年明けの1〜2月です。夏休みが明けてからも、入試当日まで長い期間勉強し続けなければなりません。ここでは夏休み以外の時期別に見た勉強時間の目安を紹介します。
時期によって勉強すべき内容も大きく異なります。志望校に合格するためには、勉強時間だけでなく、学習内容についても考慮していきましょう。
高校受験に向けた春休みの勉強時間
新中学3年生の春休みの理想的な勉強時間は、1日約3時間です。春休み中は、学校が休みではあるものの、部活動や習い事が忙しい時期でもあります。
1日3時間と聞いて「少ない」と感じるか「多い」と感じるかは人それぞれでしょう。しかし、学校の授業がないことを踏まえると、3時間という学習時間は、そこまで大きな負担にならないはずです。
偏差値の高い難関高校の受験を検討している場合は、1日3時間では足りない恐れもあります。その場合は、4〜6時間程度を目安に学習を進めてください。
新中学3年生の春休みの時期は、次のポイントに注意しながら学習を進めていきましょう。
- 志望校をある程度明確にする
- 部活と勉強を上手に両立させる
- 学習計画を立てる練習をする
- 中学1〜2年の復習をスタートさせる
春休みの段階から志望校選びを始めておくと、時間をかけて志望校に合わせた受験対策ができます。
受験を成功させるために、学習スケジュールに沿って効率よく勉強を進めましょう。春休みの時期に、自分で学習計画を立てる練習をしておくと、その後の受験勉強が捗ります。
余裕がある場合は、中学1〜2年の復習を始めておくのもおすすめ。夏休み以降に総復習をする子どもが一般的です。
しかし、春休みのうちに苦手分野を克服しておくとその後の負担を軽減でき、予習などに時間を割くこともできます。
春休みの勉強時間については、こちらを参考にしてください。
・中学生の春休みの学習計画の立て方|勉強時間や勉強方法も解説
高校受験に向けた4月〜夏休みまでの勉強時間
春休みが明けて学校が始まると、授業や部活などでなかなか学習時間を確保できないケースも出てくるでしょう。この時期の自宅での学習時間は、平均2時間程度確保できるように努力してください。
部活動が休みになる試験期間や週末などは、勉強にあてる時間をなるべく多く確保するようにして、5〜6時間程度学習できるといいでしょう。
学校で学習した内容の復習と中間や期末試験などの定期試験対策を中心に勉強を進めてください。
部活動が忙しいことを言い訳にして、受験対策をないがしろにしてはいけません。部活動を引退した後に受験モードにスムーズに切り替えられるよう、少しずつ勉強習慣をつけていきましょう。
高校受験に向けた夏休み〜12月までの勉強時間
夏休み以降は、多くの子どもが本格的な受験シーズンに入ります。
部活動を引退すれば、これまでよりもまとまった学習時間を確保しやすいため、しっかりと学習スケジュールを立てて受験勉強に取り組んでいきましょう。
夏休みから2学期が終了するまでに必要な勉強時間の目安は次のとおりです。
時期 | 1日あたりの勉強時間の目安 |
---|---|
夏休み中 | 6〜8時間 |
2学期の平日 | 4〜6時間 |
2学期の週末 | 8時間 |
夏休み以降は、次のポイントを押さえて学習内容を検討してください。
- 中学1・2年生の総復習を済ませる
- 志望校の過去問を解いて学力レベルを把握する
- 模試を受けて偏差値を把握する
- 複数の問題集に手をつけず1つに絞り繰り返し解く
中学3年生の秋ごろから本格的な受験対策モードに突入します。演習問題や過去問をひたすら解く段階に入るため、夏休み期間を逃すと復習にあてられる時間を確保しづらくなります。
夏休みは、中学1〜2年生の学習内容を復習し、苦手分野を把握・克服することが大切です。中学1〜2年生の総復習をすることで、基礎固めにもつながります。
また、夏休みごろには、ある程度志望校を決めておきたいところです。志望校の過去問を腕試しに解いて、現状のの学力を把握しておきましょう。
夏休み前後に実施される公開模試を受験して、試験慣れしておくことも大切です。
さまざまな問題集に手をつけたくなりますが、1冊の問題集を何回か解き直すことで、それぞれの単元に対する理解度が深まります。あれこれ手を出さずに、2〜3回程度繰り返し同じ問題を解いていきましょう。
学年別の平日、土日の平均勉強時間については、こちらをご覧ください。
・中学生の勉強時間は平均どれくらい?平日と休日、中学1・2・3年生の学年別ではどう違う?
高校受験に向けた冬休みの勉強時間
受験を間近に控えた中学3年生の冬休みの勉強時間は、1日あたり約8時間です。
ほとんどの子どもは部活動を引退しているため、受験勉強に全力を尽くせるでしょう。
地域にもよりますが、中学生の冬休みは、2週間ほどしかありません。その限られた時間のなかで、いかに効率良く学習できるによって、志望校合格を大きく左右するといっても過言ではないでしょう。
冬休み期間中に効率よく勉強を進めるためには、次のポイントを押さえてください。
- 志望校の数年分の過去問を解いて、受験勉強の総仕上げをする
- 模擬試験を繰り返し解く
- 苦手単元を中心に学習を進める
- 冬期講習を受講して発展的な問題にも取り組む
- 規則正しい生活をし、体調管理に気をつける
- 1日8時間程度の睡眠時間を確保する
この時期は、ほとんどの子どもが志望校を絞れているため、志望校の過去問を活用して、受験勉強の総仕上げをしましょう。
間違えた問題をそのままにするのではなく、なぜ間違えたのかを理解することが大切です。模擬試験を何度も繰り返し解いて、解説や参考書を読み込み、理解度を高めていきましょう。
苦手分野や単元に集中して取り組むことも、受験に成功するために重要なポイントです。得意な科目や単元を伸ばす以上に、苦手な箇所の勉強時間を重点的に確保してください。
また、冬休み期間に実施される冬期講習の受講を検討しましょう。学習計画が立てられない方やスケジュール管理が苦手な方でも、必然的に学習時間を確保できるため、勉強に集中できます。
冬休みは学校がない分、不規則な生活を送りがちです。早寝早起きを心がけ、体調管理には十分気をつけてください。勉強時間を確保したいあまり、睡眠時間を削るのはやめましょう。1日約8時間の睡眠時間を確保するのがおすすめです。
冬休みの勉強時間については、こちらを参考にしてください。
・中学生の冬休みにおすすめの勉強法は?平均勉強時間や注意点なども解説!
高校受験に向けた受験直前期の勉強時間
中学3年の冬休み明けは、いよいよ高校受験直前期に入り、入試に向けたラストスパートをかけるタイミングです。
学校がある平日でも1日あたり約5時間の勉強時間が目安となります。土日などの休日は、約8時間の勉強時間を確保するのが一般的です。
この時期に何をやっても結果は変わらないと悲観的になる子どももいますが、決してそうではありません。入試日直前ギリギリまで点数や偏差値を伸ばすことはできます。
受験直前期に勉強する際の注意点は、以下のとおりです。
- 全教科の基礎固めに力を入れる
- 優先順位をつけて学習スケジュールを立てる
- 過去問や模擬試験をひたすらに解き続ける
- 新しい参考書や問題集に手を出さない
- 入試直前は暗記ものに注力する
入試日が近づけば近づくほど、難しい問題や応用問題に挑戦しがちですが、受験直前だからこそ全教科の基礎固めが重要です。
基本的な問題を正確に解答できるかを確認することで、試験当日のケアレスミスを防げるでしょう。
また、受験期は5教科全てを満遍なくなく勉強するのではなく、苦手科目を中心に学習スケジュールを立てることも大切です。
過去問や模擬試験を繰り返し解いて、間違った部分を重点的に対策していきましょう。新しい参考書や問題集に取り掛かる時期ではないため、手元にある教材を使って学習を進めてください。
さらに、入試直前に点数をアップしやすいのは、暗記が多い理科や社会です。専門的な用語や歴史の年表などを覚えることで、本番の点数アップにつながるでしょう。
この時期は、入試日まで駆け抜ける気力と体力が必要です。まとまった睡眠時間と適度な休息をとりながら、受験本番に臨みましょう。
高校受験までの年間スケジュールはこちらを参考にしてください。
・【高校受験】年間スケジュールや入試日程|やるべきことや勉強時間の目安なども紹介
通塾or家庭学習のみ|中学生の日々の勉強時間を比較
ベネッセ教育総合研究所が2018年に発表した「第2回 学習時間について考えるデータ」によると、中学3年生の平日の学習時間の平均は以下のとおりです。
学習内容 | 1日あたりの学習時間 |
---|---|
宿題 | 51.3分 |
家庭学習 | 43.9分 |
学習塾 | 38.5分 |
合計 | 2時間14分 |
上記データは、あくまでも平日の平均学習時間であるものの年間を通して2時間以上の学習時間を確保しています。
週末は、上記よりも長い学習時間を設けているケースも多く、受験に向けて真剣に学習に取り組む子どもが多いことがわかります。
学習塾に通っている子どもは、塾での授業時間分学習時間が上乗せされているため、自宅学習の子どもに比べて長い学習時間を確保しやすいといえるでしょう。
中学生の平均勉強時間についてはこちらを参考にしてください。
・中学生の勉強時間は平均どれくらい?平日と休日、中学1・2・3年生の学年別ではどう違う?
参照元:第2回 学習時間について考えるデータ|ベネッセ教育総合研究所
家庭学習する際のコツ!時間帯別の勉強に適した教科
効率よく学習を進めるためには、勉強する時間帯に合わせて適切な内容を選択することが大切です。
時間帯別にみたおすすめの教科は、次のとおりです。
時間帯 | おすすめの教科 |
---|---|
午前中 | ・数学や理科などの理系科目 ・英語や国語の長文読解 ・苦手科目 |
午後 | ・午前中の復習や答え合わせ ・国語 ・英語 ・社会など |
就寝前 | ・暗記もの (英単語、漢字、古文、 歴史用語、年表など) |
午前中は、睡眠によって脳がリフレッシュした状態になっているため、1日のなかで脳が最も活発に働く時間帯です。
そのため、午前中は頭を使う学習に適しています。思考力やひらめきが求められる「理系科目」や読解力や論理的思考が求められる「長文読解」などがおすすめです。また、苦手科目の学習時間としても最適です。
午後は、午前中に比べて脳の働きが鈍くなるため、ついうとうとしてしまう子どもも多いでしょう。特に、昼食後は食事によって血糖値が上昇し、脳に必要な糖が行き渡らなくなるため、注意が必要です。
午後の時間帯は、細かい作業や苦手な教科の勉強などには向いていないため、午前中の勉強の復習や答え合わせ、見直しをするのがおすすめ。
夕方に近づくとアドレナリンやセロトニンの分泌量が高まるため、やる気もアップします。国語や英語、社会などのような思考力と持久力の必要な科目に取り組んでいきましょう。
夜間の勉強は、遅くならないうちに終わらせるのが原則です。質の高い睡眠を十分に取ることで、翌日の集中力や体力にもつながっていきます。しっかりと睡眠を取ることで知識も定着しやすいといわれており、覚えた内容を忘れづらくなるでしょう。
夜間に適した科目は、思考力をそこまで必要としない暗記系の勉強です。英単語や漢字、古文、歴史用語などの暗記を重点的に行ってください。
高校受験生の夏休みの1日のスケジュール|計画を立てる際のコツも紹介
効率よく勉強を進めるためにも、学習スケジュールを立てるのがおすすめです。
ここでは、中学3年生が受験勉強を本格的に始める夏休みの1日のスケジュールを解説します。
1日あたり8時間の学習時間を確保する場合の勉強スケジュール例は、次のとおりです。
時間 | 内容 |
---|---|
7時00分 | 起床 |
7時00分〜8時00分 | 朝食・準備 |
8時~9時 | 勉強① |
9時15分〜9時30分 | 休憩① |
9時30分〜10時30分 | 勉強② |
10時30分〜10時45分 | 休憩② |
10時45分〜11時45分 | 勉強③ |
11時45分〜13時00分 | 昼食・お昼休憩③ |
13時00分〜14時00分 | 勉強④ |
14時15分〜14時30分 | 休憩④ |
14時30分〜15時30分 | 勉強⑤ |
15時30分〜16時00分 | おやつ休憩⑤ |
16時00分〜17時00分 | 勉強⑥ |
17時00分〜20時00分 | 夕食・自由時間⑥ |
20時00分〜21時00分 | 勉強⑦ |
21時00分〜21時15分 | 休憩⑦ |
21時15分〜22時15分 | 勉強⑧ |
22時15分〜23時00分 | 就寝準備 |
23時00分 | 就寝 |
夏休み期間中は、最低でも6時間の学習時間は確保したいところです。こまめな休憩を挟みながら、集中力を切らさずに継続できるように努力していきましょう。
中学生の夏休み中の勉強時間についてはこちらを参考にしてください。
・中学生は夏休みにどのぐらい勉強すべき?効果的な勉強方法も紹介!
また、夏休みの学習スケジュールを立てる際のポイントは、次のとおりです。
- ムダな時間を削り勉強時間を作り出す
- 苦手教科や単元を把握する
- 1日ごとの学習計画を立てる
- 週末に1週間の学習内容を振り返り計画を見直す
学習スケジュールを立てる上で重要なのが、ムダな時間を洗い出すことです。いつもの生活スタイルに勉強時間を上乗せするのではなく、ムダな時間を削って、そこに勉強時間を入れるよう意識しましょう。
その他にも、苦手教科や単元を把握することも大切です。克服すべき教科や単元がわかったら、重点的に学習スケジュールに盛り込んでいきましょう。
中学3年生で学習する内容に加えて、受験対策を進めるためには、1日ごとの学習スケジュールを立てることも意識してください。
高校受験の年間スケジュールを把握したい方はこちらをご覧ください。
・【高校受験】年間スケジュールや入試日程|やるべきことや勉強時間の目安なども紹介
夏休みの親の関わり方|押さえておきたいポイント
高校受験をする上で、保護者のサポートは欠かせません。
特に夏休み期間は、子どもが自宅にいる機会が多く、どのように関わっていくかによって、勉強に対するモチベーションを大きく左右します。
夏休み中の親の関わり方で押さえるべきポイントは、次のとおりです。
- 感情的にならない・喧嘩をしない
- 頑張っている姿勢を評価してモチベーションを上げる
- 不安やストレスをなくす
- 気分転換をさせる
- 子どもの話にしっかりと耳を傾ける
最も大切なポイントは、決して感情的にならないことです。
勉強をせずにだらけていたり、思ったような成果が出なかったりすると、どうしても感情的になってしまい、喧嘩に発展してしまうケースも少なくありません。
子どもが集中して勉強に取り組むためには「親は自分の味方だ」と感じてもらうことが重要です。
勉強に対する意見があった場合は、気持ちが落ち着いたタイミングで話し合うように心がけましょう。
まとめ
高校受験を控える中学3年生の夏休みは、受験モードに切り替える絶好のタイミングです。
受験に成功させるためには、1日あたり約6〜8時間の学習時間を確保するのが望ましいとされています。
本記事で紹介した内容を参考にしながら、子どもの実態に合わせた学習スケジュールを立てて、勝負の夏を乗り切っていきましょう。
執筆者プロフィール
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。