夏休み勉強していない中3生がやるべきこと|効率的な勉強法など紹介
編集部
塾選(ジュクセン)編集部
本記事では中学3年生で夏休みに勉強していない子どもに向けたやるべきことを徹底解説しています。高校受験に向けた効率的な勉強方法や、やる気をアップさせるコツなども紹介。また8月後半の過ごし方などもまとめているので参考にしてください。
「気がついたら中3の夏休みも終わってしまいそう」
「受験生なのに、部活に没頭しすぎてしまい、勉強ができていない」
「トップ校への進学を希望しているのに、子どもがまったく勉強していないことが不安だ」
受験生の子どもを持つ保護者の中には、上記のようなお悩みを抱えている方も少なくないでしょう。
やる気はあるはずなのに集中力が続かなかったり、そもそもやる気がなかったりと、子どもによって状況はさまざまです。
しかしそのままの状態で2学期、冬休みを迎えてしまうと、まともな受験はできませんし、入試前に後悔することは目に見えています。
子どもの勉強に対する取り組みに不安を感じている場合は「勉強していなくてマズい」と少しでも感じてもらえるような働きかけをしてみましょう。
本記事では、受験生なのに勉強できていない中学3年生が今からやるべきことを詳しく解説します。
効率的な勉強方法や集中力・やる気を高める方法についても触れますので、受験生を抱える保護者はぜひ参考にしてください。
中学3年生で夏休みに勉強していないが高校受験はなんとかなる?
中学3年生の夏休みなのにほとんど勉強していない場合は、周りの子どもと比べて遅れをとっている状況です。
しかし、これからの勉強の取り組み方や現状の学力と志望校とのギャップ次第では、十分に間に合うタイミングといえるでしょう。
一般的には、高校受験に向けた勉強を本格的にスタートするタイミングは、中学3年生の夏休みといわれています。(※)夏休みの長期休みを活用して、中学1〜2年生の復習や基礎固めをするケースがほとんどです。
そのため夏休みを過ぎたタイミングでも、受験シーズンまでに遅れを取り戻せる可能性は十分あります。
ただし、決して安心できる状況ではないことを理解しなければなりません。それは、中学3年生の夏休みを迎える前のタイミングから高校受験に向けた準備をしている子どもも多く存在するためです。
Benesse教育研究開発センターの調査結果(※)によると、中学1〜2年生から受験対策を始めた子どもの割合はおおよそ18%、中学3年生の1学期からスタートした子どもはおおよそ21%でした。
このように、全体の約4割の子どもが中学3年生の夏休みよりも早い時期から受験を意識した対策を行っており、多くのライバルに先を越されているのは疑いもない事実です。
「もっと勉強しておけばよかった」と後悔しないためにも、一日でも早く受験に向けて準備を進めていきましょう。
夏休みに勉強していない中学3年生が今すぐやるべきこと
夏休みに勉強をしていない中学3年生が今すぐにでもやるべきことは、次の5つです。
- 目標を明確にして達成した時のことを想像する
- 勉強の妨げになるものは避けて集中できる環境を整える
- 高校受験までの勉強スケジュールを立てる
- 効率のよい勉強方法を知る・身につける
- 自分一人で勉強ができない場合は塾を活用する
それぞれの内容について詳しく紹介します。
目標を明確にして達成した時のことを想像する
勉強のモチベーションを高めるのに効果的な方法は、成功した未来をイメージすることです。
何かしら目標を掲げて、それを達成した姿を想像してみましょう。具体的には、次のようなシーンが挙げられます。
- 小テストで満点を取る
- 模試で90点以上獲得する
- 主要5科目でオール5を取る
- 志望校に合格する など
勉強を頑張って得られる達成感や満足感をイメージすることで、勉強に対するやる気も自然と高まっていくはずです。
はじめから大きな目標を掲げるのではなく、学校や塾の小テストや定期テストでよい点数を取る、宿題や課題を期日内に終わらせるなどの小さな目標から設定していくと、モチベーションを維持しやすいでしょう。
勉強の妨げになるものは避けて集中できる環境を整える
受験勉強に身が入らない場合は、勉強の妨げになるようなもの、集中力を削ぐようなものは視界に入れないように心がけましょう。
勉強の妨げになるものの代表例として、スマートフォンやゲーム、漫画、パソコン、テレビなどが挙げられます。
特にスマートフォンは、特別見たいものがないにもかかわらず、気がついたら1時間以上いじってしまうケースも少なくありません。受験生にとっては、大きな妨げになるものといえるでしょう。
視界に入れないために工夫できることは、次のとおりです。
- 勉強する時間帯は保護者が預かる
- 机やカバンの中にしまう
誘惑となるようなものを視界に入れないことで、集中して勉強に取り組めるでしょう。なかなかやる気モードに慣れない子どもは、物理的な手段も試してください。
高校受験までの勉強スケジュールを立てる
短期間で成果を出すためには、受験シーズンまで残された時間と勉強できる時間を把握する必要があります。高校入試の日程から逆算して、残された日数を確認してください。
具体的な日数を知ることで、自分が勉強できる期間をイメージできるでしょう。そこから1日あたりに勉強できる時間を割り出すことで、より効率的かつ戦略的に受験勉強を進めることができます。
受験日までの具体的な勉強スケジュールを立てることによって、一気にやる気が出る子どもも少なくありません。
効率のよい勉強方法を知る・身につける
夏休みの期間、十分な勉強時間を確保できなかった場合は、限られた時間を効率よく活用していく必要があります。
机に向かっている時間が長ければ長いほど、偏差値アップや志望校合格に近づくと考える子どもも少なくありません。しかしこの考えは大きな間違いです。
学習する内容を考えずに長時間勉強するのは、効率のよい勉強法とはいえません。
少ない時間を最大限活用するためには、事前に決めたおいたスケジュールに沿って、学習時間を意識しながら勉強を進める必要があります。
そのため日頃から細かいスケジュールを立てたり、学習習慣を身につけたりすることが重要です。
自分に適した勉強方法を理解し、身につけていくことが受験を成功させるポイントといえるでしょう。
自分一人で勉強ができない場合は塾を活用する
「受験生にもかかわらず勉強が進まない」
「効率のよい勉強の仕方がわからない」
「自分の勉強方法が正しいか不安」
このように感じている場合は、受験のプロである「学習塾」に通うべきです。
高校受験を控えた受験生が学習塾に通うメリットは、次のとおりです。
- 塾に通い講師に相談することで受験に対する不安を解消できる
- 自分に適した勉強法や効率のよい勉強法を教えてもらえる
- 志望校に合格するためのスケジュールを管理してもらえる
- ほかの受験生と切磋琢磨できるためモチベーションが高まる
- 勉強しなければならない環境に身を置くことで勉強時間を確保できる
現状の学力と志望校とのギャップにもよるものの、中学3年生から一気に偏差値を上げるためには、塾や家庭教師などプロの力を借りるのもありです。
学習塾に通うことで、授業はもちろん課題や宿題を出してもらえたり、模試や面談を受けられたり、自習室も使えたりと、さまざまなメリットがあります。
さらに志望校によっては入試日がまばらであり、1月中旬などの早い時期に入試日が設定されているケースもあるでしょう。
その場合、学校授業の進捗状況によっては高校入試の範囲が終わらないケースも考えられます。塾に通うことで、先取り学習できる点も安心できるポイントです。
このように独学で受験勉強に集中できない場合は、夏休み明けから塾に通うことも検討してみましょう。
夏休みにやるべき高校受験のための効率的な勉強法
夏休みから実践すべき、高校受験のための効率的な勉強法は次のとおりです。
- 志望校の過去問などを解いて現状の学力と苦手分野を知る
- 中学1〜2年生までの総復習をする
- わからない問題はすぐに解決する
- 隙間時間を活用して短期間での反復学習を行う
- 複数の問題集に手をつけず1つに絞り繰り返し解く
それぞれの内容について詳しく解説します。
志望校の過去問などを解いて現状の学力と苦手分野を知る
志望校が決まっている場合は、過去問を解いて現在の学力と苦手分野を把握しましょう。過去問を解くべき理由は、主に次の3つがあります。
- 今の学力を知れる
- 苦手分野を把握できる
- 志望校の出題傾向を理解できる
過去問を解くことで現状の学力を把握できます。偏差値が足りていない場合は、その分勉強時間を増やすだけでなく、勉強方法にも工夫が必要です。
また夏休みの段階で偏差値や学力が足りていれば、今後どの程度勉強すればよいかを想像できるでしょう。
夏休みに過去問で高得点を取るのはとても難しいことです。あくまで学力レベルをチェックするための手段であるため、力試しに過去問を解いてみましょう。
中学1〜2年生までの総復習をする
高校受験に向けて効率よく勉強するためには、夏休みに中学1〜2年生の範囲の総復習をしておきましょう。秋以降は、本格的な受験対策や新たな単元の学習を進めなければならないため、これまで学習した内容の復習にあてられる時間が限られてしまいます。
「中学1〜2年生で学習した内容を復習するよりも、中学3年生の内容をやるべきだ」と感じる子どもも少なくないでしょう。
しかし、高校入試では中学1〜2年生、そして中学3年生の1学期で学習した内容が7割ほど出題される傾向にあります。
そのため、これまで学習した範囲で苦手な分野がある場合は、早いタイミングで克服しておかなければなりません。さらに、中学1〜2年生で学習した基礎的な内容が理解できていれば、中学3年生の学習内容をより理解できます。
中学1〜2年生で学習した内容を復習することは、高校受験を成功させるために重要であると覚えておきましょう。
わからない問題はすぐに解決する
効率よく学習を進めるためには、わからない問題が出てきた場合すぐに解決することが大切です。
わからないことをわからないままにしておくと、同じ問題が出題された際に対応できません。
さらに「あとで質問したり調べたりすればいい」と後回しにしてしまうと、なぜ間違えたのかを忘れてしまうことにつながります。最悪の場合、質問することさえも忘れてしまうかもしれません。
わからない問題があった場合は、すぐに質問して解決する習慣をつけていきましょう。
隙間時間を活用して短期間での反復学習を行う
部活動や習い事で、まとまった学習時間を確保できないと悩んでいる場合は、隙間時間の活用がおすすめです。
1日の隙間時間を合計すると、想像以上にまとまった時間を活用できます。例えば、次のような隙間時間を活用していきましょう。
- 登下校の電車やバスの乗車時間
- 学校や塾の休み時間
- 食事中
- トイレ
- お風呂など
仮に毎日30分隙間時間で勉強した場合、年間で約180時間捻出できます。
すべての隙間時間を有効活用して1日あたり1〜3時間ほどの時間を確保できれば、相当な時間を勉強にあてることが可能です。
隙間時間を活用して取り組むのに適している勉強内容は、以下がおすすめです。
- 英語のリーディングやリスニング問題を解く
- 単語や漢字、歴史などの暗記ものを覚える
- 授業動画や音声を視聴する
持ち運びしやすい勉強道具や教材を用意することで、隙間時間を有効活用できます。ペンを使わずに学習できるものがおすすめです。
複数の問題集に手をつけず1つに絞り繰り返し解く
1つの問題集に絞って繰り返し問題を解くことも、効率的な勉強法です。
「さまざまな問題に挑戦した方がいいから、なるべく多くの参考書を使いたい」と感じる受験生も多くいますが、1つの問題集を繰り返し解くことで、問題集のレベルの定着につながります。
最低でも3回は解くことで、初めは間違っていた問題も最後には簡単に正解を導けるはずです。
ほかの問題集を活用する場合、違う問題集に似たような問題があったとしても、1冊目で間違えた内容を理解できていないケースが多く、同じような間違いを繰り返す恐れがあります。
新しい問題に挑戦したい気持ちは理解できますが、短期間で成果を出すためにも、まずは1冊の問題集を解き進めるように意識しましょう。
高校受験に向けた5教科の勉強法について知りたい場合は、こちらを参考にしてください。
・高校受験に向けた5教科の勉強法|いつ・何から始めるべきかや平均的な勉強時間など解説
高校受験に向けて夏休み中でも集中力・やる気をアップさせるコツ
高校受験を成功させるためには、集中力とやる気を高める必要があります。
受験シーズン全般において、モチベーションを高めるために実践したいポイントは、以下のとおりです。
- 勉強前にスモール目標を設定する
- 簡単な問題や得意な教科から勉強を始める
- ライバルを作ったり友だちと一緒に勉強したりする
上記のポイント以外にも、次のような夏休みだからこその取り組みもあります。
- 朝のラジオ体操で生活リズムを整え、体を動かし脳を活性化させる
- 早起きして本格的に暑くなる前に勉強を開始する
- 塾の自習室や図書館など涼しいところで勉強する
- 暑さで集中できない場合は勉強時間をこまめに区切る
ここからは、それぞれの内容について詳しく紹介します。
朝のラジオ体操で生活リズムを整え、体を動かし脳を活性化させる
夏休みは、就寝時間や起床時間が遅くなりがちで、どうしても不規則な生活になりやすいです。しかし集中力を高めるためには、まとまった睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムに整える必要があります。
生活リズムを整える対策としておすすめなのが「朝のラジオ体操」です。運動によって集中力が高まり、勉強の効率を上げることが期待できます。
なぜかというと体を動かすことで分泌される「セロトニン」は癒しホルモンと呼ばれており、前向きな気持ちにさせてくれる効果があるためです。
ラジオ体操だけでなく、軽いウォーキングやジョギングなどもおすすめ。夏の暑い時期はどうしても家にこもりがちですが、早朝外に出れば比較的涼しく、気持ちもリフレッシュできるでしょう。
早起きして本格的に暑くなる前に勉強を開始する
少しでも効率よく勉強を進めたい場合は、いつもよりも少し早起きする習慣をつけるのもおすすめです。
「朝は眠たいから非効率だ」と感じる方も多いでしょう。しかし朝目覚めてからの3時間は「脳のゴールデンタイム」と呼ばれており、1日の中でも最も脳が効率よく働く時間帯といわれています。
思考力やひらめきに優れているため、次のような知識をアウトプットできる学習がおすすめです。
- 国語や英語の長文読解
- 算数や理科などの理系科目の学習
一方で漢字や英単語学習、そして理科や社会などの暗記ものなどは、就寝前の1〜2時間に学習することで定着率が高まるといわれています。寝る前は、インプット学習に力を入れてみましょう。
塾の自習室や図書館など涼しいところで勉強する
ここ数年は酷暑が続いていることもあり、集中できる環境にするためにはクーラーや冷房機器の活用が欠かせません。
しかし、温度を下げすぎてしまって体調を崩してしまう恐れもあるため、快適な室温をキープできるように心がけましょう。
子ども部屋にエアコンが設置されていない場合や毎日の電気代が気になる場合は、自宅以外の勉強場所で学習するのもおすすめです。塾の自習室や図書館などの涼しくて快適な場所であれば、集中力も高まるでしょう。
特に塾の自習室での学習は、次のようなメリットがあります。
- 勉強だけに集中できる環境が整っている
- 学習習慣が身につく
- わからないところをすぐに質問できる
- 長時間利用できる
- 保護者にとっても安心感がある
塾の自習室は、勉強に集中できるよう環境が整備されています。ほかの受験生と一緒に自習することで、よい刺激になるはずです。
またわからないことがあった場合にすぐ講師に質問できる点も、効率よく学習を進められるポイントといえるでしょう。
暑さで集中できない場合は勉強時間をこまめに区切る
効率よく学習するためには、こまめに休憩を取ることが大切です。集中できる時間は人によってそれぞれですが、一般的に40〜45分といわれています。
特に夏の暑い時期だといつもより集中できずに勉強が進まないケースもあるでしょう。
15〜30分を目安に勉強時間を区切って、ストレッチをしたり、好きな音楽を聴いたりしながら、リラックスできる方法を探してみましょう。
中学3年生の夏休み〜高校受験までの目安となる勉強時間
中学3年生の夏休みから高校受験シーズンに向けて必要な勉強時間の目安は次のとおりです。
時期 | 勉強時間 |
---|---|
夏休み | 6〜8時間 |
2学期 | 4〜8時間 |
冬休み | 8〜10時間 |
1月以降 | 5〜10時間 |
夏休みに入ると部活動を引退する子どもも増えるため、1日ごとのスケジュールを作成し、受験勉強に取り組む必要があります。1日あたり6〜8時間の学習時間を確保するのが望ましいといえるでしょう。
夏休みが明けてからは、平日は4〜6時間、また休日は8時間程度を勉強にあてるよう意識してください。
冬休みから受験直前期は、入試に向けたラストスパートをかけていく大切な時期です。平日でも5時間以上、休みの日は8〜10時間程度の学習時間を確保してください。
夏休みにあまり勉強できなかった子どもの場合は、上記の時間以上の学習時間を確保したり、効率よく勉強する方法を身につけたりする必要があります。
高校受験の年間スケジュールや入試日程を知りたい方は、こちらを参考にしてください。
・【高校受験】年間スケジュールや入試日程|やるべきことや勉強時間の目安なども紹介
8月後半からでも遅くない!残りの夏休みを充実させるための過ごし方
夏休み前半にまとまった学習時間を確保できなかった方は、2学期が始まる前に本腰を入れて受験勉強を進めていきましょう。
8月後半になってから残り少ない夏休みを充実させるためには、次のポイントを意識してください。
- 生活リズムを崩さない
- 十分な睡眠時間を確保する
- 適度に運動する
夏休みだからこそ生活リズムを崩さないように気をつけましょう。
学習時間を確保するために睡眠時間を削る子どももいますが、体調不良の原因となったり、集中力が欠けてしまったりする恐れがあるため、十分な睡眠時間の確保も大切なポイントです。
また勉強ばかりに専念するあまり、運動不足になる子どもも多いでしょう。体力が低下してしまうと集中力ややる気の低下につながるため、適度な運動も心がけてください。
まとめ
中学3年生の夏休みに十分な勉強ができていない場合は、今すぐ受験に向けて行動しなければなりません。
まずは学習計画を立てて、中学1〜2年生の総復習から取り組むのがおすすめです。
休み期間中は、受験に向けた勉強に専念できるよい機会です。適度に休憩を取りながら、集中して学習に取り組んでください。
本記事で紹介した内容を参考に、効率よく勉強できる方法を見つけていきましょう。
執筆者プロフィール
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。