岐阜県の高校受験完全ガイド|スケジュール・勉強法・志望校の選び方
岐阜県の高校受験では、公立高校と私立高校では受験制度が異なり、内申点の計算方法や選抜方式にも特徴があります。また、学力検査の配点や試験日程も学校ごとに異なるため、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
この記事では、岐阜県の高校受験に関する基本情報から受験対策のポイント、塾の選び方まで詳しく紹介します。高校受験を成功させたい人は、ぜひ参考にしてください。
岐阜県の高校受験の基本情報
まずは岐阜県の高校受験の基本情報を確認します。
高校受験の流れ
・公立高校の場合
第一次選抜の合格者が定員に達しない高校では、以下の日程で不足分を募集するために第二次選抜が行われます。
岐阜県の公立高校を受験する場合、1月中旬頃に三者面談で志望校を決定します。2月上旬に出願し、3月上旬に検査。3月中旬に合格発表という流れです。
第一次選抜の合格者が定員に達していない高校では、第二次選抜を実施します。3月中旬に出願し、3月下旬に検査をして合格発表が行われます。
・私立高校の場合
11月 | 三者面談で志望校を決定する |
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1月 | 志望校に願書を提出する |
1月下旬~2月上旬 | 学力検査・合格発表 |
岐阜県の私立高校では、1月から出願が始まるため、公立高校よりも早めに志望校を決めます。推薦入試と一般入試どちらも1月下旬~2月上旬にかけて検査を実施し、2月中に合格発表があるのが一般的です。
岐阜県 公立・私立高校の受験制度の違い
公立高校の受験制度
- 入試の種類:第一次選抜のみ(欠員がある場合のみ第二次選抜を実施)
- 選考方法:学力検査+内申点+(高校によって)面接・実技検査+(高校によって)独自検査
- 倍率:2025年の平均倍率は0.96倍。人気校の倍率は1.4倍を超えることも。
- 学費:原則授業料の納付が必要だが、保護者の所得状況によっては支援制度が適用され、学費の負担が軽減される
- 特色:高校や学科によっては独自検査を実施する。独自検査は選抜の要件を満たした希望者のみ受けられる
岐阜県の公立高校入試は、第一次選抜の1回のみで、欠員が出た高校のみ第二次選抜を実施することがあります。標準検査では、学力検査と内申点によって合否を判定。また、高校によっては、面接や実技検査を行う場合もあります。
さらに、部活動の成績や専門分野での実技能力を重視する高校・学科では、独自検査を実施。内容は面接・小論文・実技検査・自己表現の中から各高校が決定し、定員の30%を上限に合格者を選抜します。
独自検査は、各高校が定める選抜の要件を満たし、受験者が希望する場合のみ受験することが可能です。
公立高校の選抜方法の違いとは?
岐阜県の公立高校では、独自検査を行う学校と、独自検査を行わない学校で選抜方法が異なります。
独自検査を行う学校では、入学定員の30%を上限に独自検査による合否判定を行います。次に、独自検査の合格者を除いたすべての受験生を対象に、内申書と学力検査などの結果から合否を判定する流れです。
一方、独自検査を行わない学校では、内申点と学力検査、面接などで選抜を行います。内申点の評定と学力検査の結果の比率は、3:7~7:3の範囲で各高校が決定。高校や学科によっては、学力検査の特定の教科の配点に加点する傾斜配点を行うことがあります。
私立高校の受験制度
- 選考方法:学校ごとに異なり、推薦入試・一般入試がある
- 学費:公立よりも高額だが、奨学金や補助制度が利用可能
- 特色:学校ごとに特色あるカリキュラムや付属大学への進学ルートがある
岐阜県の私立高校では、推薦入試と一般入試(単願・併願)があります。推薦入試では、多くの高校で国語・数学・英語の3科目の学力検査を実施。中には、作文や面接のみ試験を行う高校もあります。一般入試では、国語・数学・英語・理科・社会の5教科の学力検査を実施する高校がほとんどです。
受験科目と配点
公立高校の受験科目・配点
出願 |
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学力検査 |
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そのほかの検査 |
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選抜方法 |
|
岐阜県の公立高校の入試では、標準検査で国語・数学・英語・理科・社会の5教科の学力検査を実施します。各教科の配点は100点で合計500点満点。内申点は180点満点で評価され、学力検査と内申点から合否を判定します。
学力検査と内申点を評価する比率は、3::7~7:3の範囲で、学校ごとに決まっています。
私立高校の受験科目・配点
出願 |
|
---|---|
学力検査 |
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そのほかの検査 | 学校によっては面接や作文のみ検査が行われる |
選抜方法 | 学校・学科によって異なる |
岐阜県の私立高校では、推薦入試で国語・数学・英語の3教科の学力検査を実施することが一般的です。また一般入試では、国語・数学・英語・理科・社会の5教科の学力検査を実施する高校が多いのが特徴です。一部の高校では学力検査を実施しておらず、作文や面接のみで選考を行う場合もあります。
受験スケジュール(2025年版)
ここでは岐阜県の高校受験のスケジュールを紹介します。
まずは、公立高校の入試日程です。
岐阜県公立高校入試日程(2025年)
出願受付日 | 2025年2月7日(金)〜2月13日(木) |
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志願変更日 | 2025年2月14日(金)〜2月18日(火) |
検査日 | 2025年3月5日(水)・3月6日(木) ※ |
追検査日 | 2025年3月11日(火)・3月12日(水)※ |
合格発表日 | 2025年3月14日(金) |
備考 | ※一部の学校で実施 |
2025年の公立と私立の高校受験スケジュール比較表
日程 | 茨城県の公立高校 | 茨城県の私立高校 |
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1月~ | 推薦・一般入試の出願開始 | |
1月下旬~2月上旬 | 推薦・一般入試試験日・合格発表 | |
2月7日~13日 | 第一次選抜出願受付期間 | |
2月14日~18日 | 出願変更期間 | |
3月5日、6日 | 第一次選抜検査日 | |
3月11日、12日 | 第一次選抜追検査日 | |
3月14日 | 第一次選抜合格発表 | |
3月15日~17日 | 第二次選抜出願受付期間 | |
3月18日 | 出願変更期間 | |
3月21日 | 第二次選抜検査日 | |
3月25日 | 第二次選抜合格発表 |
(出典:岐阜県教育委員会「令和7年度 岐阜県立高等学校入学者選抜要項」「令和7年度岐阜県私立高等学校入試試験日について」)
岐阜県の高校受験における内申点の基本
内申点は、公立高校の受験を左右する重要な要素の1つです。しかし「内申点はどのように計算するの?」「何年生の成績が内申点に影響するの?」など内申点について疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
ここからは、内申点が評価される期間や計算方法などを解説します。
内申点の対象期間
岐阜県の公立高校を受験する場合、中学1年生から中学3年生までの成績が内申点として反映されます。評価される教科は、主要5教科と実技4教科の合計9教科です。各教科の学年の5段階評価を基に内申点が算出されます。
内申点の計算方法
岐阜県の公立高校では、内申点は以下のように計算します。
学年 | 計算方法 | 満点 |
---|---|---|
中学1年生 | 9教科の5段階評価 | 45点満点 |
中学2年生 | 9教科の5段階評価 | 45点満点 |
中学3年生 | 9教科の5段階評価×2 | 90点満点 |
例えば、中学1年生~3年生の間、9教科の評定がすべて「3」だった場合、中学1・2年生は9×3で27点、中学3年生は9×3×2で54点となり、内申点の合計は108点です。
内申点を上げる方法
岐阜県の公立高校を受験する場合、中学1年生の成績から内申点に影響を与えます。そのため、中学校に入学したら、早めに内申点対策に取り組むことが大切です。
定期テストの点数は、内申点に大きく影響します。高得点を取るほど、成績が上がる可能性が高く、内申点アップにもつながるでしょう。
また、課題の提出も内申点対策に欠かせません。課題は期日までに出すだけでなく、最後まで丁寧に仕上げてから提出することが大切です。
日頃の授業態度も成績に影響を与えます。積極的に発言したり、わからないところは教師に質問したりすると、授業への積極性を評価されて内申点アップが期待できます。
志望校の選び方
高校受験の際には、早めに志望校を決めることが大切です。志望校を決めると目標が定まるため、効率的に勉強を進められます。また、志望校を早めに決めておくことで、勉強へのモチベーションアップにもつながります。
ここからは、志望校を選ぶポイントを紹介します。
偏差値だけで決めない!適切な学校選び
志望校を選ぶ際は、偏差値だけでなく、校風やカリキュラムにも注目しましょう。
高校ごとに校風は大きく異なります。例えば、学校行事を重視したり、勉強と部活動の両立を推奨していたりとさまざまです。自分に合った雰囲気かどうかを事前にチェックすることが大切です。
また、カリキュラムも重要な判断材料になります。英語教育に力を入れている学校や、理系科目を多く設置している学校など、特色はそれぞれ異なります。特に大学進学を考えている場合は、志望大学の受験に適したカリキュラムが整っているかを確認し、自分の目標に合った学習環境を選びましょう。
公立高校 vs 私立高校のメリット・デメリット
ここからは、公立高校と私立高校のメリット・デメリットを比較します。
公立高校 | 私立高校 | |
---|---|---|
メリット | ・費用が安い・校風や服装などの自由度が高い | ・生徒一人ひとりへのサポートが手厚い・施設や設備が充実している |
デメリット | ・私立高校より生徒一人ひとりのサポートが手厚くない・数年ごとに教師が変わる可能性がある | ・費用が高い・校風が生徒に合わない場合がある |
公立高校では、費用が安いというメリットがある一方で、生徒一人ひとりへのサポートが私立高校よりも手厚くないというデメリットがあります。自分で積極的に学習を進めていかなければ、授業についていけなくなるおそれもあるでしょう。
一方、私立高校は生徒一人ひとりへのサポートが手厚く、大学受験対策にも力を入れています。ただし、高校ごとの特色が大きく異なるため、入学後に校風が合わないと感じる生徒もいる可能性があります。
志望校のオープンキャンパス活用法
志望校を選ぶ際は、オープンキャンパスを活用して、複数の高校を比較しましょう。
オープンキャンパスでチェックしたいポイントは、以下のとおりです。
教師の雰囲気
高校によっては、体験授業が受けられます。どのような雰囲気で授業が進むのかを確認しましょう。
施設の充実度
校舎、体育館、プール、グラウンドのほか、学食や購買の有無など、自分がこの高校でどのようなことをしたいかを想像しながら、必要な施設について考えましょう。またトイレや更衣室の清潔さもチェックしておきたいポイントです。
通学の利便性
通学にかかる時間や、電車の場合は利用経路などを調べておきましょう。自転車や徒歩の場合は、天候が悪い日でも通学しやすいかも考えてみましょう。
学習カリキュラム
文系・理系の決定時期や、クラス分けが成績別かどうか、定期テストや大学進学に対するサポートなどは、自分の進路に関わるため重要です。
部活動の様子
部活動の加入率や入りたい部活動があるかなどを確認しておきましょう。
オープンキャンパスは、学校の資料や先輩の話などではわからない、実際の高校の雰囲気を感じることができる機会です。オープンキャンパスで授業の体験や部活動体験などを実施している学校もあります。実際の授業や部活の雰囲気、在校生、教師の様子などを確認することで、入学後の生活をイメージしやすくなるでしょう。
気になる高校がある場合は、積極的にオープンキャンパスを利用してください。
進学実績・大学合格実績の確認
大学受験を考えている場合、進学実績や大学合格実績を事前に確認することが大切です。なぜなら、進学実績が豊富な高校ほど、受験対策やサポート体制が整っていると考えられるためです。
大学合格者が多い高校では、進路指導や進学セミナーなどを積極的に実施している可能性が高いでしょう。また、高校によっては指定校推薦の枠があり、大学受験を有利に進められるケースもあります。
高校の進学実績は、各校の資料に掲載されていることが一般的です。さらに、オープンキャンパスや学校説明会で、進学実績を直接確認することもできます。
自分の目標に合った高校を選ぶために、進学実績をしっかりとチェックしましょう。
塾・家庭教師・オンライン学習の選び方
塾の種類 | 講師1人が指導する人数 | 授業料目安 | カリキュラム | 代表的な塾 |
---|---|---|---|---|
集団指導塾 | 少人数/6~10人大人数/11人以上 | 約6,000円~約15,000円※中学3年生が週1回通塾する場合の月額相場 | あり | ・飛高専塾・チャート学習塾・河合塾 |
個別指導塾 | 1~3人 | 約6,000円~約36,000円※中学3年生が週1回通塾する場合の月額相場 | オーダーメイド | ・個別教室のトライ・スクールIE・明光義塾 |
映像授業の塾 | ー | 3,278円※東進オンライン学校中等部 | オーダーメイド(ない場合も) | ・東進オンライン学校中等部 |
オンライン塾 | 1人(大人数の場合も) | 5,400円※そら塾 | オーダーメイド(ない場合も) | ・トライのオンライン個別指導塾・そら塾 |
高校受験を目指す人にとって、塾選びは合格への大切なステップの一つです。高校受験向けの塾は、大きく分けて「集団指導塾」「個別指導塾」「映像授業の塾」「オンライン塾」の4種類があります。
文部科学省が発表した「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立中学校に通う生徒のうち、家庭教師を利用していない割合は72.7%、塾に通っていない割合は34.1%です。
この結果から、約3割の公立中学生が家庭教師を利用し、約7割が塾に通っていることがわかります。また、このデータは中学生全体を対象としており、受験期の中学3年生に限定すると、さらに多くの生徒が塾や家庭教師を利用していると考えられます。
とはいえ、高校受験対策を行う塾は数多く存在するため、「どの塾を選べばよいか分からない」と悩む人も少なくありません。そこで、塾選びのポイントについて解説します。
※出典:「令和5年度子供の学習費調査」(文部科学省)を参考に筆者が作成
集団塾 vs 個別指導塾の違い
集団塾と個別指導塾、どちらを選ぶべきか迷っている人は多いのではないでしょうか。それぞれの塾の違いを解説します。
集団塾は、1つの教室に複数の生徒が集まり、講師が一斉に授業を進めるスタイルです。学校と同様に、講師が前で説明しながら授業を行い、決められた年間カリキュラムに沿って学習が進められます。多くの塾では、学力や志望校ごとにクラス分けが行われ、模試や定期テストの結果が掲示されることもあります。ライバルと競い合う環境の中で勉強することで、モチベーションを高められるのが特徴です。
競争意識を持ちながら学びたい人や、計画的に学習を進めたい人には、集団塾が適しているでしょう。
一方、個別指導塾は、講師1人に対して生徒1~3人という少人数制で授業が行われます。生徒それぞれの学習状況や目標に応じたカリキュラムが組まれ、個別のサポートを受けられるのが特徴です。講師が近くで指導してくれるため、わからないことがあればすぐに質問できる環境が整っています。
苦手分野を克服したい人や、自分のペースでじっくり学びたい人には、個別指導塾が向いています。
オンライン学習の活用法
高校受験の勉強を効率よく進めたいなら、オンライン学習を取り入れるのも一つの方法です。
オンライン学習は、インターネット環境があればどこでも授業を受けられるため、通塾の必要がありません。その分の時間を有効活用でき、部活動や習い事と両立しやすいのがメリットです。
さらに、自宅にいながら有名講師による質の高い授業を受講できる点も魅力の一つです。特に映像授業では、納得できるまで何度でも繰り返し視聴できるため、理解を深めやすいでしょう。
ただし、高校受験の制度は都道府県ごとに異なるため、地域の受験対策に特化した塾のほうが適している場合もあります。オンライン学習を選ぶ際には、合格実績や授業内容をしっかり確認し、自分に合った学習方法を見極めることが大切です。
模試の活用法
模試は、受験すると自分の今の立ち位置や苦手分野を把握できます。そのため、高校入試対策を効率よく行うためには、模試の活用が不可欠といえるでしょう。
ここからは、岐阜県の高校受験に対応した主要模試を3つ紹介します。
主要な模試の種類(岐阜全県模試・岐阜新聞 中学3年学力テスト・岐阜模試)
模試の判定結果の見方
模試の結果が返ってきたら、まず一番に気になるのは、志望校の判定結果ではないでしょうか。AやB判定であれば、安心する人も多いでしょう。しかし、模試で合格判定の結果がよくても、必ず志望校に合格するとは限りません。
模試の結果を見るときには、現在の自分の学力による評価であることを認識しておくことが大切です。直近で受験した模試の結果がよくなくても、今後の努力次第では志望校に合格できる可能性は十分にあります。反対に、志望校がA判定だからといって勉強をサボると、志望校に合格できないケースもあるでしょう。
模試の結果を今後の勉強に生かすには、間違えた箇所の見直しが不可欠です。問題を見直し、自分の苦手分野を把握することで、効率的に受験対策を進められます。
まとめ
岐阜県の高校受験は、公立と私立で選抜方法が異なります。公立高校では第一次選抜、私立高校では推薦入試と一般入試があります。中学3年生は、それぞれ受験制度について知っておくことが大切です。
また、高校受験では、早めに志望校を決定しておくことで効率よく勉強を進められます。志望校選びでは偏差値だけでなく、校風やカリキュラム、進学実績を考慮しましょう。
高校受験を控えた中学3年生の多くが、学習塾を利用しています。ただし、塾によって指導スタイルや授業の雰囲気は大きく異なります。自分に合った塾を見つけるために、複数の塾で体験授業を受け、指導内容や講師の教え方を比較してください。