広島県にある高校受験の塾を探す
高校受験は、子どもにとっても保護者にとっても大きな節目です。特に広島県の高校受験は、公立・私立ともに制度や選抜方法に独自の特徴があるため「うちの子に合う学校はどこ?」「どうやって準備すればいいの?」と悩む方も少なくありません。
本記事では、広島県の高校入試に関するスケジュールや選抜の仕組み、内申点の計算方法まで、わかりやすく解説します。さらに、効率的な勉強の進め方や塾の活用法にも触れているので、これから受験に向けて動き出す中学生や保護者は参考にしてください。
広島県の高校受験の基本情報
まずは、広島県の高校受験の基本情報を確認しましょう。
高校受験の流れ
・公立高校の場合
なお「一次選抜」で合格者が定員に満たなかった高校では、以下の日程で「二次選抜」が実施されます。
・私立高校の場合
広島県の私立高校では、1月上旬~3月下旬ごろにかけて学校ごとの日程で入試が行われます。
受験の流れは学校ごとに異なるため、志望校が決まり次第、募集要項などで早めに確認しておくことが大切です。
広島県における公立高校受験の仕組み
選抜方法 | 出願 | 選考方法 |
---|---|---|
一次選抜 | 1校1学科(系統)のみ出願可 ※例外あり | 学力検査(国語・社会・数学・理科・英語)、調査書、自己表現、一部高校では作文、小論文及び実技検査、自校作成問題による学力検査など |
二次選抜 | 1校1学科(系統)のみ出願可 ※例外あり | 調査書、自己表現、学力検査以外の面接、作文、小論文及び実技検査など |
広島県の公立高校受験では、一次選抜と二次選抜という2種類の選抜方法で合格者を決定します。
一次選抜では、5教科(国語・社会・数学・理科・英語)の学力検査、内申点に加え、「自己表現」が実施されます。自己表現は個人面談形式で行われ、受験生の自己認識能力や将来への意欲などが評価されるため、しっかりアピールできるように準備しておきましょう。
一次選抜には「一般枠」の他に「特色枠」という合格枠が用意されているケースがあります。
特色枠とは、各学校・学科(コース)の特色に応じた評価割合や条件で合格者を選抜する枠のことです。合格定員の50%以内と定められており、すべての高校で設けられているわけではありません。
一般枠とは基本的に学力検査と調査書、自己表現の結果で合否が決まる枠です。
特色枠がある場合、先に特色枠での合格者を選抜し、その後一般枠の合格者が決まります。
二次選抜では共通の学力検査は行われません。選考では調査書の内容や自己表現のほか、各学校独自の試験方法が実施される場合もあります。
また、広島県の公立高校はすべての通学区域を全県一円としており、居住地域に関係なく志望校を選ぶことが可能です。
2025(令和7)年度より広島県公立高校受験の「自己表現カード」廃止
自己表現カードとは、受験生が自己PRを書くために用いるカードのことです。
広島県では、2023(令和5)年に行われた公立高校受験制度の大幅改正以来、自己表現時の補足的な資料として活用されていました。受験生や教員の負担軽減を目的に、2025(令和7)年度より廃止されました。
ただし、自己表現自体がなくなったわけではありません。また、自分で作成した原稿などの資料を使うことは可能です。
広島県における私立高校受験の仕組み
広島県における私立高校受験の仕組みは、受験先の学校や学科、コースによりさまざまです。
科目数や試験日程、出願方法、当日の持ち物など、細かな点まで学校によって違いがあります。志望校が決まったら、早めに募集要項を確認し、不安な点があれば高校や中学校、塾などに相談しておきましょう。
なお広島県の私立高校は学校や選考方法ごとに選考日が決められているため、日程の異なる複数の高校を併願受験することも可能です。
受験科目と配点
公立高校と私立高校では、学力検査の科目や配点、評価対象などにも違いがあります。
公立高校の受験科目・配点
選抜方法 | 配点 | |
---|---|---|
一次選抜 |
|
|
二次選抜 |
|
一次選抜の学力検査の配点は、各教科50点の計250点満点です。ただし学校や学科によっては傾斜配点を行ったり、共通の学力検査に変えて一部独自の問題を出題したりするケースもあるので注意しましょう。内申点の225点満点、自己表現の15点満点です。
特色枠の場合、各得点は学校独自の評価割合で合否を決定します。
一方、一般枠の評価割合は「学力検査:内申点:自己表現=6:2:2」です。学力検査の結果が非常に大きく影響するので、受験対策の進み具合によってはより難易度の高い高校を志望するチャンスもあります。
二次選抜では、内申点225点満点と自己表現15点満点に、面接や作文、小論文の結果を加えて総合的に合否判定が出されます。
私立高校の受験科目・配点
広島県の私立高校入試では、受験科目、配点ともに学校や学科、入試の種類などによって異なります。
推薦書の提出が求められたり報告書が不要だったりと、選抜に使用する資料もさまざまなため、志望校が決まり次第、各校のホームページなどで早めに詳細を確認しておきましょう。
広島県の高校受験における内申点の基本
ここでは広島県の高校受験における内申点について詳しく解説します。
内申点の対象期間
広島県の公立高校受験では、中学1年生から3年生まで、3学年すべての成績が内申点の対象となります。特定の学年・科目だけでなく、中学校生活全体を通して学業に励むことが重要です。苦手な分野は早めに克服し、全教科で成績の維持・向上を目指しましょう。
特に難関校や人気校では、学力検査で差がつきにくいケースもあるため、内申点をしっかりと確保しておくことが合格への重要な要素となります。
内申点の計算方法
中1 | 中2 | 中3 | 合計 |
---|---|---|---|
9教科×5段階=45点満点 | 9教科×5段階=45点満点 | 9教科×5段階×3=135点満点 | 225点満点 |
中1・中2の成績は各教科の評定をそのまま合計し、中3の成績は3倍して計算されます。そのため、中3の内申点対策はより慎重に行う必要があります。
内申点を上げる方法
内申点を上げるためには、定期テストで高得点を取ることはもちろん、日頃の学習態度にも気を配る必要があります。
定期テストでは、テスト範囲をしっかりと把握し、日々の学習計画を立てて勉強に取り組むことが大切です。定期テストが内申点に及ぼす影響は学校によって異なりますが、テスト結果を重視する学校では、60点以上で評定3、80点以上で評定4が狙えるケースもあります。
提出物と授業態度も、内申点に大きな影響を与えます。提出物は、期日を守ってすべてやりきったうえで提出することが大切です。期日を過ぎてからの提出や未完成での提出は、内申点を下げるリスクがあるため注意しましょう。
授業態度では、生徒の積極性を重視する学校が多いとされています。授業中に積極的に発言したり、教師に当てられたときに正しい解答ができたりすると、内申点アップが期待できるでしょう。
受験スケジュール(2025年度)
下表は、2025(令和7)年度に広島県で実施された公立高校受験のスケジュールをまとめたものです。
一次選抜 | 二次選抜 | |
---|---|---|
出願 | 1月23日~2月4日 | 3月13~17日 |
出願変更 | 2月13~19日 | ― |
選考 | 2月26~28日 | 3月18日 ※広島市立広島みらい創生高等学校は3月24日 |
合格発表 | 3月10日 | 3月19日 ※広島市立みらい創生高等学校は3月25日 |
なお私立高校入試は、1月11日~3月24日にかけて実施されました。
学校や学科によって受験スケジュールも大きく異なるので、志望校の募集要項を早めに確認しておきましょう。
志望校の選び方
高校受験では、志望校を早めに決めておくことが、受験を成功させるコツの一つです。目標が明確になるとやるべきことが見え、学習意欲の向上を図れます。
ここからは、志望校を選ぶときの重要なポイントを5つ紹介します。
偏差値だけで決めない!適切な学校選び
志望校は、偏差値だけで決めるのではなく、高校の校風やカリキュラムも重視しましょう。
校風は高校によって大きく異なります。文武両道を目指している高校や、大学受験を重視している高校、学校行事を盛んに行っている高校などさまざまです。先輩から話を聞いたり、オープンスクールで見学したりすると、雰囲気をつかめるでしょう。
またカリキュラムも志望校選びで見ておきたいポイントです。将来の夢や目標に合わせて、学びたい内容が充実している学校を選ぶとよいでしょう。特に大学進学を目指している場合は、志望大学の受験に対応したカリキュラムになっているかどうかを確認しておくことが大切です。
公立高校 vs 私立高校のメリット・デメリット
志望校を選択するときに、公立高校にするか私立高校にするか迷っている人もいるでしょう。公立高校・私立高校は、どちらにも下記のようなメリット・デメリットがあります。
公立高校 | 私立高校 | |
---|---|---|
メリット | ・費用が安い ・比較的自由度が高い |
・施設・設備が整っている ・大学受験に対して手厚いサポートが受けられる |
デメリット | ・私立高校よりも一人ひとりのサポートは手厚くない ・数年ごとに教師が変わる可能性がある |
・学費が高い ・校風が合わない場合がある |
公立高校は費用が安いというメリットがある一方で、教師の異動が数年ごとにあるため、3年間のうちに教師が変更になる可能性があります。
また私立高校は、大学進学率を重視している学校も多く、受験サポートがしっかりしています。ただし校風や雰囲気が学校ごとに大きく異なるため、入学後に「合わない」と感じる生徒もいるかもしれません。
それぞれのメリットとデメリットを比較して、自分にピッタリな学校を選びましょう。
志望校のオープンキャンパス活用法
気になる高校がいくつかある場合は、オープンキャンパスを活用しましょう。オープンキャンパスでは学校ごとにさまざまな催しを開催しており、実際に授業を体験したり、先輩からの話を聞いたりできます。
オープンキャンパスでは、以下の項目をチェックしておきましょう。
在校生の様子
在校生の様子を見れば、どのような校風かなんとなくつかめます。生徒の自主性を重んじる高校もあれば、伝統ある趣で落ち着いた雰囲気の高校もあります。
教師の雰囲気
高校によっては体験授業が受けられます。どのような雰囲気で授業が進むのかを確認しましょう。
施設の充実度
校舎や体育館、プール、グラウンドのほか、学食や購買の有無など、自分がこの高校でどのようなことをしたいかを想像しながら、必要な施設があるかを確認しましょう。またトイレや更衣室の清潔さもチェックしておきたいポイントです。
通学の利便性
通学にかかる時間や、電車の場合は利用経路などを調べておきましょう。自転車や徒歩の場合は、天候が悪い日でも通学しやすいかも考えてみましょう。
学習カリキュラム
文系・理系の決定時期、クラス分けが成績別かどうか、定期テストや大学進学に対するサポートなどは、自分の進路に関わるため重要です。
部活動の様子
部活動の加入率や入りたい部活動があるかなどを確認しておきましょう。
在校生や教師の雰囲気、通学の利便性については、実際に高校に行ってみないとわからないことがほとんどです。複数の高校のオープンキャンパスに参加することで、入学後の生活を想像しやすくなり、自分に合っている高校を見つけることができるでしょう。
オープンキャンパスは、高校の雰囲気を実際に見ることができる貴重な機会です。少しでも気になる高校があれば、オープンキャンパスに参加してください。
進学実績・大学合格実績の確認
大学受験を検討している人は、志望校の進学実績を確認しておくとよいでしょう。特に国公立大や難関私学への受験を考えている人は、目標とする大学への進学実績がどの程度かを確認しておくことが大切です。
進学実績が豊富にある高校では、個別相談や進路セミナーなどの進路指導が充実していると考えられます。高校によっては指定校推薦枠を設けている可能性もあります。自分の将来の目標とマッチした高校かどうか見極めましょう。
塾・家庭教師・オンライン学習の選び方
高校受験を考えている人にとって、塾選びは合格への重要なステップの一つです。
高校受験対策の塾の種類を大きく分けると、「集団指導塾」「個別指導塾」「映像授業の塾」「オンライン塾」の4種類があります。
塾の種類 | 講師1人が指導する人数 | 授業料目安 | カリキュラム | 代表的な塾 |
---|---|---|---|---|
集団指導塾 | 少人数/6~10人 大人数/11人以上 |
約6,000~15,000円 ※中学3年生が 週1回通塾する 場合の月額相場 |
あり | ・鷗州塾 ・能開センター ・飛高専塾 |
個別指導塾 | 1~3人 | 約6,000~36,000円 ※中学3年生が 週1回通塾する 場合の月額相場 |
オーダーメイド | ・個別教室のトライ ・スクールIE ・明光義塾 |
映像授業の塾 | ー | 3,278円 ※東進オンライン 学校中等部 |
オーダーメイド (ない場合も) |
・東進オンライン学校 中等部 |
オンライン塾 | 1人 (大人数の場合も) |
5,400円 ※そら塾 |
オーダーメイド (ない場合も) |
・トライのオンライン 個別指導塾 ・そら塾 |
文部科学省のデータ「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立中学生が通信教育や家庭教師を利用しなかった割合は約72.7%、学習塾を利用しなかった割合は約34.1%とわかりました。この結果から、通信教育・家庭教師を利用した人は全体の約3割、学習塾を利用した人は約7割にのぼるといえます。
文部科学省が公表したデータは中学生全体の割合であるため、中学3年生の受験生だけに絞ると、さらに多くの人が通信教育・家庭教師・塾などを利用したと考えられるでしょう。
ここからは広島県の高校受験に適した塾を選ぶ方法を紹介します。
(出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者が作成)
集団塾 vs 個別指導塾の違い
高校受験対策ができる塾には、集団塾と個別指導塾があります。
集団塾は、講師1人が生徒10名以上に対して指導を行う指導スタイルです。学習カリキュラムはあらかじめ決まっており、学校の授業のように講師が一方通行で解説を行うのが特徴。生徒の学力や目標に合わせてクラスがわかれている塾が多く、同じ目標を持った同級生と切磋琢磨しながら学習を進められます。
ライバルがいたほうが学習のモチベーションが高まる人や、学習習慣がある程度身についている人には、集団塾がおすすめです。
一方で個別指導塾は、講師1人が生徒1~3名に指導をするスタイルです。生徒の学力や目標に合わせてカリキュラムを設定するため、一人ひとりのニーズに合った授業を受けられます。講師が生徒の近くで指導を行っているため、解説中にわからないところがあればすぐに質問できる環境です。
苦手分野が多い人や自分のペースで学習を進めていきたい人は、個別指導塾が向いているでしょう。
オンライン学習の活用法
オンライン塾は、インターネットを活用して学習指導を行うスタイルです。インターネット環境さえあれば、場所を問わず授業を受けられます。通塾する必要もなく、通塾にかかっていた時間を勉強に回せることは、メリットといえます。
また場所にとらわれずに授業を受けられるオンライン塾では、自宅にいながら有名講師の授業を受けることが可能です。ただし高校受験は各地域の特色が出ます。地元にある学習塾のほうが受験に対するノウハウを持っていることが多いため、志望校への合格実績があるかどうかは事前にチェックしておきましょう。
模試の活用法
模試は自分の苦手分野や現在の学力を客観的に把握できるため、受験生にとって欠かせない存在です。しかし模試にもさまざまな種類があり、どれを受験したらいいかわからないという人もいるでしょう。
ここからは広島県の主要な模試や出題傾向を紹介します。併せて模試の判定を見る際に注意すべき点についても解説しているため、高校受験対策の参考にしてください。
主要な模試の種類(広島県内全県模試・広島県公立高校そっくり模試・など)
広島県の高校受験におすすめの模試としては、以下の2つが挙げられます。
模試の判定結果の見方
模試の結果が返ってきたら、一番気になるのは志望校の判定結果でしょう。志望校にA判定が出ていたら、今の自分の実力でも合格できると安心してしまう生徒もいるかもしれません。しかしA判定が出たからといって、必ず合格するというわけではありません。
模試の合格判定は、過去に模試を受けた生徒の合格率で算出されます。例えば、過去にその模試で偏差値60を取った生徒のうち80%以上が高校に合格していれば、模試で偏差値60でA判定が出るという仕組みです。
そのため模試の判定結果を見る際には、偏差値と過去の生徒の合格率を結び付けて合格判定を出していることを認識しておきましょう。
模試を有効活用するには、自分が間違えた問題や足を引っ張っている教科を確認し、見直しをすることが大切です。
高校受験を成功に導くために大切なこと
広島県の高校受験では、公立・私立ともに選抜方法や評価基準が多様であり、受験する学校や学科(コース)によってスケジュールや出願条件、試験内容が大きく異なります。特に公立高校では、内申点や学力検査に加え、「自己表現」など独自の評価項目がある点が特徴的です。
内申点は中学1〜3年生の成績がすべて評価対象となるため、早い段階から学習習慣を整えておくことが大切です。また、志望校によっては特色枠や傾斜配点が設定されている場合もあり、対策方法が変わることもあるため、募集要項の確認は早めに行いましょう。
受験勉強においては、知識を積み重ねるだけでなく、模試を活用して自分の現在地を知ることが重要です。苦手分野を把握し、日々の学習を計画的に進めることで、効率的に得点力を伸ばすことができます。必要に応じて学習塾や家庭教師、オンライン学習などのサポートを活用するのも有効です。
「塾選」では、広島県の高校入試対策に対応した学習塾の情報も紹介しています。志望校合格に向けて、ぜひご自身に合った学びの場を見つける参考にしてください。