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【2025年最新版】埼玉の中学受験はこう変わった!志望校・傾向・準備の“今”を徹底解説

埼玉の中学受験は、この数年で大きく様変わりしています。かつては東京や神奈川の受験生による「お試し受験」のイメージが強かった埼玉ですが、近年は多様な教育方針を持つ学校が増え「埼玉を第一志望」とするご家庭も珍しくありません。都内・神奈川との併願戦略も複雑化し、子どもの個性やご家庭の考え方に合わせた「個別最適化」が求められています。

この記事では、埼玉の中学受験における最新の動向や変化のポイントを、中学受験指導のプロ・西村創先生が徹底解説。ご家庭にとっての「最適な選択」を見つけるための情報を提供します。

変化① 二極化する埼玉の志望校選び

Junior Saitama 1

近年の埼玉県の中学受験では、「試し受験の場」として埼玉の学校を受験する層と、「埼玉県内の進学校を第一志望とする層」とで、志望校選びが大きく二極化しています。

ここからは、1月入試をうまく活用している中学校と、コース制による差別化で注目を集めている中学校について、詳しく見ていきましょう。

「お試し受験」としての埼玉校の戦略的価値

埼玉県の私立中学校は、1月10日という首都圏で最も早い入試解禁日を活用し、東京・千葉の受験生が本命校の「お試し受験」として受験するケースが年々増加しています。

特に「栄東」や「開智グループ」は、受験情報を詳細にフィードバックする仕組みを整え、事前練習の場として多くの受験生を獲得している学校です。

栄東中学・高等学校

栄東は、毎年約12,000人が受験し、長年日本一の受験者数を誇っていた中学校です。入試は1月10日から始まり、受験日当日の夜には科目ごとの点数、順位、偏差値、答案が公開されるという独自の情報開示スタイルが特徴です。他校受験のお試し受験としての役割が強く、多くの受験生が利用しています。

開智グループ

開智グループは、埼玉県の「開智中学・高等学校」「開智未来中学・高等学校」「開智所沢中等教育学校」と、東京の「開智日本橋学園中学・高等学校」と、4つの校舎があります。1回の受験で複数校の合否判定が出る仕組みを採用しており、効率的に受験したい層から支持を得ています。

2025年の入試では、開智所沢の応募者数が15,175人、開智中学は14,100人です。応募者数の多さから人気の高さがうかがえます。

また特待合格制度もあるため、再受験する生徒も多く、結果的に受験回数が増える傾向があります。

開智グループの中学校は、国際教育にも力を入れているのが特徴。特に開智中学は国際バカロレアの認定校で、年齢に応じた3つのカリキュラムを用意し、国際教育を積極的に実施しています。

海外サマーキャンプやアメリカ・ニュージーランド研修など海外と連携したイベントもあり、人気を集めています。

「塾のようなクラス・コース制」で差別化を図る学校が増加中

埼玉県内の中学受験では、入試の仕組みだけでなく、入学後の学び方にも注目が集まっています。特に目立つのが、複数のコース制を導入している私立中学の存在です。

こうした学校では、入学時から「医進」「特進」「選抜」「難関国私立対応」など、目標や学力に応じたクラスに分かれ、塾のように目的別で効率的な学習環境が整えられています。

埼玉の中学校は、埼玉以外の首都圏在住の受験生にお試し受験として活用されることが多く、第一志望ではなく第二、第三志望として入学する生徒も少なくありません。そういった生徒たちは、大学受験でリベンジしたいと考えている場合が多いため、大学受験サポートに力を入れている学校が増加傾向にあると考えられます。

大宮開成中学・高等学校

大宮開成は、栄東、開智グループに続く人気校です。複数の進学コースを用意し「東大選抜」などの名称で進学実績を打ち出すスタイルが特徴です。大学受験に向けたサポートも手厚く、着実に志願者を伸ばしています。

今年の入試では、2026年4月に新たに開校する「浦和学院中学校(仮称)」が注目されています。

浦和学院中学は、浦和学院高校と連携した中高一貫校。浦和学院高校は部活動が盛んで、大学進学や国際教育に力を入れている人気校でもあるため、同じ教育を受けることができる浦和学院中学の人気も高くなることが予想されます。

変化② 入試傾向は「応用力」や「処理能力」を重視

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中学入試では、知識を中心に問う試験から、応用力や処理能力を総合的に見る試験へと変化しています。

こうした傾向は、中高一貫校が大学進学を見据え、6年間をかけて「思考力・表現力のある生徒を育てたい」と考えている姿勢の表れともいえるでしょう。

以下では、具体的にどのような出題の変化が見られるのかを詳しく紹介します。

基礎知識の定着を前提としながらも「応用力」を問う傾向に

最近の中学入試では、基本的な知識が身についていることを前提に、より深く考えさせる問題が増えています。

例えば、社会では複数のグラフや統計資料を比較させて考察を記述させる問題が増加。理科では実験のプロセスを図で示し、そこからわかることを説明させるといった、単なる暗記では太刀打ちできない問題が主流です。

丸暗記で対応できる問題は減少し「なぜその答えになるのか」といった思考の過程や論理性が問われる傾向が強まっているといえるでしょう。

短時間で正確な解答を導く「処理能力」も重要な要素に

出題傾向の変化に伴うもう一つの大きな変化は「試験問題の長文化」です。国語はもちろん算数でも一問の文章量が格段に増えています。

また理科や社会でも、複数の資料や図表を比較・分析しながら解く形式が多く出題されており、単純な暗記だけでは対応できない構成になってきています。

ところが、試験時間自体はこれまでとほとんど変わっていません。そのため限られた時間の中で素早く文章を読み取り、必要な情報を処理する力が求められます

こうした入試のトレンドに対応するためには、日頃から知識を暗記するだけではなく、情報を理解し、要点を見極めて素早く処理する練習が不可欠です。

変化③ 1月入試(お試し受験)を活用した併願戦略

埼玉県内の中学入試は、首都圏の中でも特に早い1月10日前後からスタートします。このスケジュールの早さから、東京・神奈川の受験生が本番前の「お試し受験」として受験するケースが多く見られます。

特に栄東や開智グループといった人気校は、試験後すぐに得点や偏差値、答案まで開示する仕組みを整えており、志望校の本番前に「腕試し」として受験する生徒が年々増加しています。

ただし実際には第一志望でない生徒も受験するため、倍率が高くなる傾向があります。倍率の高さがそのまま志望度の高さを示すわけではない点に注意しましょう。

変化④ 塾・教材・学習環境も多様化

埼玉県における中学受験の学習環境は、ここ数年で大きく変わりつつあります。以前は「大手進学塾に通うのが当たり前」という風潮がありましたが、現在ではオンライン教材や個別指導など、学びのスタイルに幅が出てきました。

ここでは、保護者の間で関心が高まっている塾選びのポイントや、利用が広がっているオンライン学習について解説します。

塾選びは"ブランド"から"子どもとの相性"重視に

かつての「大手有名塾が王道」という考え方は変わりつつあり、子どもの性格や目標に合わせて個別指導や地域密着型の塾を選ぶ家庭が増えています。

特に注目されているのが「子どもと塾の相性」です。講師との信頼関係や、落ち着いて学べる環境があるかといった点が重視され、「偏差値が伸びるか」だけでなく「子どもが前向きに通えるかどうか」が塾選びの大事な軸となっています。

共働き家庭や遠方在住向けに「オンライン学習」拡大

働く保護者が多い家庭や、塾までの距離がある地域に住む家庭を中心に、オンライン学習のニーズが高まっています。

最近では、早稲田アカデミーや四谷大塚といった大手塾もオンラインコースを拡充しており、自宅にいながら質の高い授業を受けられる体制が整ってきました。

通塾にかかる移動時間をカットできるため、家族との時間や子どもの休息に余裕が生まれる点も選ばれている理由の一つです。地理的なハンデがあっても、オンライン学習を上手に活用すると、首都圏の中学受験に挑戦するチャンスが広がるでしょう。

変化⑤ 家庭の関わり方も"親主導型"から"伴走型"へ

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これまでの中学受験では、保護者が情報を集めて指示を出し、子どもを導くという“親主導”のスタイルが一般的でした。しかし近年では、子ども自身の意思を尊重しながら、目標を一緒に立て、計画を確認しながら並走していく“伴走型”のサポートに変化してきています。

ここでは、家庭内でのサポートの形がどう変わってきたのか、そして情報があふれる今だからこそ注意したいポイントを紹介します。

「ママだけが抱え込む」時代は終わりつつある

ひと昔前の中学受験では、母親が塾の送り迎えや勉強の進行管理、学校選びまで、すべてを担うケースが一般的でした。しかし、共働き世帯の増加や家族の関わり方の多様化により、父親が受験に関わる場面が増えてきつつあります。

例えば、平日の夜は父親が勉強を見たり、週末の学校説明会に夫婦で参加したりと、受験を「家族全体のプロジェクト」と認識している家庭も増えています

こうした分担や協力体制は、母親の負担を軽くするだけでなく、子どもにも「家族が応援してくれている」という安心感を与えてくれるでしょう。家庭全体で支えるスタイルは、子どものモチベーションや心の安定にもつながります。

SNSやYouTubeでの"情報疲れ"に注意

今の中学受験は、SNSやYouTubeといったメディアを通じて、さまざまな情報を手軽に得られる時代になりました。体験談や塾の比較、勉強法のアイデアなど、実際に役立つ情報があふれています。

しかし、情報が多すぎることで「うちはこのままでいいの?」と、不安を感じてしまうご家庭も少なくありません。成功例を見て焦ったり、自信をなくしてしまったりすることもあるでしょう。

大切なのは、その情報が自分の子どもに合っているかを判断することです。もし迷いや不安が強くなってきたら、一度スマートフォンやパソコンから離れて、家庭に合ったペースを見つけ直すことも大切です。

埼玉の中学受験、これからどうなる?

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近年の中学受験では、これまで「安全圏」と考えられていた学校でも、競争率が高まる傾向が見られます

かつては「この学力なら確実に合格できる」と安心されていた学校であっても、受験生が集まりやすくなっており、その影響で志望校のランクを一段下げて受験を検討する家庭も増えています。この流れは、単純に偏差値の上下にとどまらず、各校の入試難度そのものが上がりつつあることを示しているといえるでしょう。

また全国的には少子化が進んでいるものの、都市部では子どもの数が大きく減っているわけではありません。教育環境を求めて海外から移住してくる家庭の存在もあり、むしろ一部の地域では児童数が増える傾向も見られます。

こうした背景から、埼玉県内の中学受験は今後もしばらく志願者数の減少が見込みにくいと考えられます。その結果、以前よりもさらに競争率が読みにくくなり、志望校合格への道が厳しくなると予想されます。

変わる中学受験、変わらない大切なこと

埼玉県の中学受験は、ここ数年でその在り方が大きく変わってきました。「お試し受験」としての役割がある一方で、埼玉を第一志望とする家庭もあり、受験スケジュールや学校選び、そして受験戦略にも多様性が生まれています。

さらに試験問題は「基礎力+応用力」「処理能力」を重視する方向へと進化し、学びの場も塾やオンラインなど多様化。家庭の関わり方も“管理”から“伴走”へと変化し、子どもを中心に据えた受験が主流となりつつあります。

しかし、どれだけ環境が変わろうとも、中学受験のゴールは「偏差値の高い学校に入ること」ではなく「その子に合った学校で、これからの6年間をいきいきと過ごしてもらうこと」です。情報の波に飲まれることなく、子どもが安心して学び、成長できる学校を選ぶ姿勢が、今もこれからも中学受験で一番大切なことだといえるでしょう。

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