「わからないとすぐ親に聞く」「一緒に考えてと言ってくる」――中学受験に向けて勉強を始めたものの、子どもが自分で考える前に頼ってくる姿に不安を抱く保護者は多いものです。

受験指導のプロ・西村創先生が、“聞きすぎ問題”の背景とともに、自分で考え、調べる力を育てる家庭での関わり方をアドバイスします。

中学受験の勉強中、なんでも親に聞いてくる小5男子！どうすれば“自分で考える力”が育つ？

辞書・参考書を活用して、小学生に“自分で考える習慣”をつけさせよう

質問されたら「調べ方」を教えるチャンスに

子どもに聞かれても、保護者は受験指導のプロではないのですべてを教えられるわけではありませんよね。子どもが質問してきたら、分からないところの調べ方を教えるとよいでしょう。そのために、調べられる材料を用意してあげることが必要です。

辞書・参考書をそろえて“学びの材料”を用意する

📚 家庭にそろえておきたい“調べる材料”

• 小学生用の国語辞典
• 必要な教科に合わせた市販の参考書（辞書代わりに使えるもの/要点が整理されているもの）
• 使用中の塾教材や教科書など、子どもがアクセスしやすい場所に置く

🧭 「調べ方」を伝えるポイント

• 「まずここを見てごらん」と具体的にページや使い方を教える
• 参考書は“辞書代わり”として活用できるものを選ぶ
• 最初は一緒に調べながら、少しずつ自分で探せるように促す

このように、調べられる環境と方法を用意しておけば、子どもが「わからない」と感じたときに自分で行動できるようになります。

もちろん、保護者が教えてあげることも必要ですし、質問が多い＝考える力がないわけではありません。今取り組んでいる内容が、その子の現状の学力にとって少し難しすぎるから、助けを求めているだけかもしれません。

「紙」と「スマホ」、調べる手段は柔軟に使い分けてOK

すぐスマホで検索する子どももいると思いますが、スマホで調べても構いません。ただし、辞書や参考書などの紙のほうが記憶に残りやすい傾向があります。

「このページのこの部分に載っていた」といった具体的な記憶がほかの情報と結びつきやすいからです。それを糸口にして記憶をたぐり寄せて思い返すことができるからです。

一方、デジタル情報は他の関連情報との結びつきが弱い場合があります。辞書や参考書などのほうが望ましいのですが、調べることを嫌になってしまうくらいならスマホでも構いません。何度か調べるうちに、自然と覚えていくでしょう。

最近では、インターネット検索の精度が向上しており、間違った情報が上位に表示されることは少なくなっています。信用性の高いサイトであれば、そこまでネット情報で間違ったことを覚えてしまうという心配はしなくてもよいと思います。重要なのは、子どもが自ら調べる力を身につけることです。

成功へ導く賢者からの金言！

分からないことをすぐ聞いてくるときは調べ方を教えよ！

※塾選調べ：
対象：中学受験をする予定の子どもをもつ保護者50名にアンケートを実施
期間：2025年1月2日～8日実施