【お悩み相談室♯004】中学受験編|「勉強を頑張っているのに結果が出ない」テストで効率よく得点する対策は?
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編集部
塾選ジャーナル編集部
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受験指導専門家
西村 創先生
「中学受験は親子二人三脚で頑張るもの!」そう思ってスタートしたものの、現実は思った以上に厳しい…。子どもが勉強に集中せず遊びに夢中になる姿に、ついイライラしてしまうこともあります。その結果、親自身が疲れてしまうケースも多いようです。
実際、塾選ジャーナル編集部が行ったアンケートによれば、中学受験をする保護者の92%が「悩みがある」と回答しています。この記事では、保護者のリアルな悩みを集め、受験指導のプロ・西村創先生からのアドバイスをご紹介します。
今回のお悩み:頑張っているのにテストの結果がついてこない…そんな時の対処法とは
【CASE 002】小学6年生・男子
性格:
・超がたくさんつくほどの負けず嫌い。
(常に上を目指しているが、一生懸命になりすぎて、時に心が疲れていないか心配になるくらい)
【今回のお悩み】
ペンネーム:TOMOさん(小学6年生 保護者)
負けず嫌いなので、勉強している姿勢はありますが、結果がついてきません。
テストの場合、時間が足りないようで、よく問題文を読まずに回答してしまうせいか、△が多くあります。
どんな対策をすればいいでしょうか?
西村創先生のアドバイス:模試の解説をじっくり読ませることが、効率良い得点アップのポイント
勉強をしているのに結果が出なかったり、テストのときに時間がなくなってしまったりするのは、読解力や処理能力などの学力が足りていないからだと思います。もちろん、テストの内容やレベルによって異なりますが、問題文をじっくり読もうとすると、その分考える時間が減ったり、本文を雑に読んでしまったりすることもあるでしょう。
まずは読解力を向上させることが重要です。算数では、計算に時間がかかっているケースが考えられるので、計算スピードを速くしていくことで、問題文をしっかりと読む時間ができます。
解答が△になるのは、早とちりして問題文を読み間違えていることもありますが、中学受験の模試だと、そもそも学力が不足しているケースも少なくありません。
家で時間をかければ解けるのであれば、知識と理解力はあるけれど処理速度が追いついていない、ということになります。その場合、以下のような反復練習が有効です。
✅算数:計算問題を毎日10分解く
✅国語:読解問題に週3回取り組む
また、問題を効率良く解くテクニックを知らないことが、時間がかかる原因になっている場合もあります。
例えば、中学受験の算数では、計算の順序を入れ替えれば暗算で解ける問題があります。その場合、どうやったら速く計算できるかを考えたり工夫したりする必要があるのですが、それを自力で導き出すのは難しい。そのため、模試の解説をじっくり読ませることが、効率良い得点アップのポイントになってきます。
解説文を通じて、
✅算数:「どうすれば速く計算できるのか」
✅国語:「どのように理由を見つければよいのか」
✅次回:「類似問題が出たとき、どのようにアプローチすればよいのか」
といったポイントを理解すれば、効率よく解けるようになります。
とはいえ、学校や塾の宿題などもあるので、模試の復習を全部やろうとするのは無理があります。解説文をじっくり読み込ませるのは1科目2~3問で構いません。これだったら解けたかも、と思える問題を見直して、次に同じような問題が出たときに同じやり方で解けるようにしておくこと。1科目2~3問で10~15点アップできたら、4科目で合計60点プラスになります。偏差値で5~10近く上がれば合格圏内にグッと近づきますよね。
全部やろうとすると、終わらせることが目的になって、全部薄くなってしまうので、1科目2~3問でいいから模試の復習をすることが大事です。
基本的に、今までやってきた勉強のしかた、問題の解き方を保護者が変えようとしてもうまくいかないと思います。塾に電話で相談して、「こういう状況なのですが、先生から言ってもらえませんか?」と塾の先生にお願いしてみましょう。保護者が言っても聞かない場合、第三者が介入するとうまくいくケースが多いですよ。
成功へ導く賢者からの金言!
速く正確に解く力は、テクニックと日々の取り組みの積み重ね!
※塾選調べ:
対象:中学受験をする予定の子どもを持つ保護者50名にアンケートを実施
期間:2025年1月2日~8日実施
執筆者プロフィール
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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
執筆者プロフィール
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早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。現在は、セミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録12万人超)などを中心に活動。著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。 http://www.youtube.com/@nishimurasensei