英検®で高校受験が有利に!加点制度・取得級・対応高校を地域別にまとめて紹介


編集部
塾選ジャーナル編集部

ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司
「高校受験で英検®は有利になるの?」「何級を取ればいいの?」と迷っている人も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、英検®は高校受験でプラスに働く場面があります。例えば、内申点の加点や出願条件の優遇などです。出願時期を考えると、中学3年生の11月まで、従来型であれば年度第2回目が最後のチャンスになりますが、可能な限り年度最初の第1回目の試験までに、最低限でも英検3級以上、出願する高校によっては準2級以上を取得しておくと安心でしょう。
この記事では、英検®が高校受験にどのように影響するのかを解説します。取得すべき級やおすすめの時期、加点制度の具体例も紹介しています。
英検®対策に役立つ塾や学習法もあわせて取り上げていますので、受験に向けた準備の一助として、ぜひご活用ください。
高校受験で英検®はどれくらい有利?取得すべき級とタイミングは?
受験する高校の性質にもよりますが、高校受験において英検®を取得していると有利になることがほとんどです。受験する高校によって評価基準は異なりますが、英検®を取得しておくことで、内申点や出願資格の面で優遇される可能性があります。
そのため、出願時期を考えると、従来型であれば年度第2回目が最後のチャンスになりますが、その時期は最後の定期試験や模試などに追われている時期のため、最初の年度第1回目の試験までに、年度最初の第1回目の試験までに3級を取得することがひとつの目安です。タイミングを逃さないように、計画的に受験を進めることが大切です。
英検®3級は「評価されやすい」ボーダーライン
高校受験で英検®を活用したい人は、まず3級の取得を目指すことをおすすめします。
英検®3級は「中学卒業程度」の英語力を測る検定です。この級は、高校入試の英語試験と難易度が近く、対策が両立しやすい点が特徴です。
また、多くの高校で英検®3級以上を加点の基準としています。高校受験においては「中学校の英語が身についている」と評価される分かれ目となるボーダーラインの級といえるでしょう。
3級を取得するために学習を進めることで、英語の基礎を固めると同時に、高校入試対策にもつながります。
準2級以上なら、より強力なアピール材料に
英検®3級に余裕がある人は、準2級以上の取得にも挑戦してみましょう。英検®準2級は、「高校中級程度」の英語力を問う検定です。
この級を持っていれば、上位の私立高校においても加点対象として高く評価する高校も多く、非常に有効です。難関私立高校や推薦入試での活用も可能でしょう。
出願条件として英検®準2級以上を課す学校もあり、取得しておくことで選べる高校の幅が広がります。
また、上位級の資格は入試だけでなく、入学後の英語クラス分けや学習支援の場面でもプラスに働く可能性があります。
英検®はいつ受けるべき?スケジュールの目安
英検®は受験当日に結果が出るわけではありません。そのため、出願直前に英検®を受けても、証明書の提出に間に合わないおそれがあります。英検®に限らず、資格の活用には「取得時期」と「証明書の準備」が重要です。
出願時に求められるのは、合格したという証明が手元にあることです。結果が出た後に申請するため、余裕を持ったスケジュールで受験する必要があります。
出願時期は高校により異なりますが、私立高校では12月から1月までに出願受付が始まることが一般的です。そのため、従来型であれば年度第2回目の試験までには合格しておきたいところです。
定期テストや部活との兼ね合いも考慮すると、中学2年の冬から中学3年の夏が、英検®受験の勝負時期といえます。
以下は、おすすめの受験スケジュールの一例です。
- 中学1年:学校の授業と並行で英語の対策を進める
- 中学2年夏あるいは冬(従来型の年度3回目までに):英検®3級合格
- 中学3年夏(従来型の年度1回目までに):英検®準2級合格
しっかりとスケジュールを立てて、有利に高校受験を進めていきましょう。
~高校受験のプロから見た「英検®のおすすめスケジュール」~ (大山先生) |
場合によっては、受験機会が多く設定されている英検®S-CBTを利用してみるのもよいでしょう。英検®S-CBTについては、以下の記事で詳しく解説しています。
英検®で加点される仕組みとは?公立と私立でどう違う?
実際、英検®で加点される仕組みは公立高校と私立高校で異なります。以下にそれぞれの特徴を解説します。
公立高校では「調査書点(内申点)」に加点されるケースが多い
公立高校の入試では、英検®の取得が調査書点に加算されることがあります。
これは「内申点の加点」や「学力検査の得点保証」など、学校や地域によって内容が異なります。
ただし、優遇制度の有無や加点内容は都道府県ごとに大きく異なるため注意が必要です。なかでも、英検®の取得を評価に生かせる都道府県には以下のような地域があります。
- 埼玉県
- 千葉県
- 大阪府
- 奈良県
- 岡山県
例えば、大阪府では英検®に関する優遇措置が明確に設定されている都道府県です。英語の試験があるすべての公立高校において、英検®2級を持っていれば英語の得点が80%、準1級であれば満点として扱われます。
制度の詳細が明示されていない場合もあるため、志望校の募集要項や自治体の情報は必ず確認してください。
私立高校では内申への加点や筆記免除が受けられるところも
私立高校では、英語教育に力を入れている学校や英語科のある学科で、英検®の取得が優遇されるケースが多く見られます。多くの場合、英検®3級〜準2級以上の取得が対象です。
例えば、東京都の青稜高等学校における併願優遇入試では、英検®準2級を取得している場合、調査書記載の5段階評定の成績に加算されます。
参考:2025年 高等学校生徒募集要項【一般入試】|青稜中学校・高等学校
優遇の内容は学校によって異なりますが、主に次のような例があります。
- 併願優遇としての内申点への加点
- 英語筆記試験の得点への加算
- 英語筆記の一部、または全部の免除
- 推薦入試における出願基準としての活用
- 入学金免除や奨学金への推薦
このような制度を利用すれば、英検®の取得が合格への大きな後押しとなる可能性があります。
対象校を調べる方法としては、各高校の募集要項を確認する方法が基本です。加えて、英検®公式サイトの「英検で入試優遇がある高校検索」も活用できます。
参考:入学前も入学後も、英検が決め手!英検・TEAP・IELTS 活用校検索|公益財団法人日本英語検定協会
事前に情報を集め、英検®取得を自分の受験戦略にどう活かすかを考えておくことが重要です。
英検®が出願資格になるケースもある
高校によっては、英検®の取得が出願の条件となっている場合があります。この場合、英検®の資格を持っているかどうかが、出願の可否を左右する重要な要素になります。
例えば、神奈川県の聖ヨゼフ学園高等学校が実施する「一般入試(オープン・併願)AEコース」では、出願資格の一つにCEFR A2レベル以上の英語資格を持つことが求められています。
CEFR A2は、英検®準2級〜2級程度に相当するレベルです。
このような制度がある高校では、英検®を持っていること自体が受験のスタートラインになります。裏を返せば、資格がなければ出願できないということです。
つまり、英検®の取得は出願機会そのものを広げるアドバンテージになります。チャンスを逃さないためにも、早めに情報を集めて準備しておきましょう。
【優遇措置だけじゃない】高校受験で英検®を取得することのメリットは?
英検®を取得していると、高校受験でアドバンテージになる場面が多くあります。加点や出願条件などの優遇措置は、代表的な活用方法のひとつです。
しかし、英検®のメリットはそれだけではありません。英検®を取得しておくと、受験勉強の中でも他の受験生に差をつけやすくなります。
ここでは、英検®がもたらすその他のメリットを紹介します。
英語力が向上する
英検®を目指すことで、実践的な英語力が自然と身につきます。対策の過程で、語彙力・文法力・読解力・リスニング力を総合的に鍛えることができるからです。
また、英検®の試験には制限時間があり、時間内に正確に読み解くスピードも求められます。そのため、速読力や処理能力も同時に鍛えられます。
英検®合格を目指して取り組む過程で、自然と入試に必要な英語力も伸びていきます。英検®の取得をひとつの目標に据えることで、受験に向けた英語の学習にも弾みがつくでしょう。
学習習慣を身に付けられる
英検®の対策を通じて、計画的に勉強する習慣を身につけることができます。
英検®に限らず、資格試験には継続的な学習と時間管理が欠かせません。
特に英検®では、語彙・文法・読解・リスニングといった4技能をバランスよく対策する必要があります。それぞれの分野をスケジュールに組み込み、コツコツ取り組む力が求められます。
毎日少しずつ積み重ねることが合格への近道です。その結果として、自然と「毎日机に向かう」という習慣が身についていきます。
この学習習慣は、高校受験だけでなく、その先の大学受験や資格取得にも活きる大きな力になります。
試験会場など外部会場の雰囲気を経験できる
英検®を受験する大きなメリットのひとつは、外部会場での試験に早くから慣れることができる、ということです。
英検®は、基本的に学校外の会場で実施されます。これは、高校入試や模試と同じく、慣れない環境で試験に臨むという経験を積むチャンスになります。
初めて外部会場で試験を受けると、緊張や戸惑いから本来の力を出せないこともあります。
しかし、英検®を受験しておけば、ある程度その雰囲気を体験できるため、当日の不安を軽減しやすくなります。
もちろん、何度も経験しなければ完全に慣れることは難しいかもしれません。それでも、一度も外部受験を経験していない人に比べれば、精神的な余裕や場の空気への対応力は大きな差になります。
いつもと違う環境でも、落ち着いて実力を発揮する練習として、英検®受験は大いに役立ちます。
達成感や自己肯定感を得られる
英検®に合格すると、達成感だけでなく「もっと頑張りたい」という前向きな気持ちが生まれ、貴重な成功体験になります。
英検®は「〇級合格」という明確な成果が形として残る試験です。そのため、「努力が結果につながった」という手応えを実感しやすく、自信や自己肯定感にもつながります。
さらに、英検®は5級から順にステップアップしていく形式のため、次の目標が見えやすいのも特徴です。このように、目標設定と成功体験を繰り返すことで、学習への意欲を継続しやすくなります。
高校入学後の学習にスムーズに対応できる
英検®の取得を目指して中学時代から英語に取り組むことは、高校入学後の学習をスムーズに進めるうえで大きな助けになります。
例えば、中学3年生のうちに英検®準2級を取得していれば、高校中級レベルの英語力を先取りできている状態です。そのため、入学後の英語授業に対して余裕をもって臨むことができるでしょう。
また、英語力がある程度仕上がっていれば、高校の学習進度に追われず、大学受験に向けた英語の応用学習にも早く着手できます。
結果として、入学後の英語学習を有利に進めるだけでなく、受験勉強全体にも良いスタートを切れる可能性が高まります。
高校受験のために英検®を取得することの注意点は?
英検®の取得は、高校受験において多くのメリットがあります。一方で、勉強時間やスケジュール管理など、事前に考えておきたい注意点も存在します。
特に、普段の勉強との両立や、受験時期との兼ね合いには注意が必要です。せっかく英検®を活用するなら、計画的に準備していきましょう。
普段の勉強との両立が難しいことも
英検®の対策を始めると、学校の勉強とのバランスが崩れやすくなることがあります。
中学生になると、教科数も増え、学習内容も一気に難しくなります。
そのうえで、高校入試の勉強と英検®の対策を同時に進めるには、時間の使い方に工夫が必要です。
スケジュールを組まずに進めてしまうと、どちらも中途半端になるリスクがあります。
あらかじめ、英検®はいつまでに取得するか、どの時期に重点を置くかを明確にしておくことが大切です。普段の学習とどう配分するかも含めて、無理のない計画を立てましょう。
試験日が部活の大会や模試と重なるおそれもある
英検®の試験日が、部活動の大会や模試と重なるおそれもあります。
英検®は年に3回実施されますが、部活動の大会や校外模試と日程がかぶることも珍しくありません。特に中学3年生は、進路イベントや定期テストとも時期が重なりやすくなります。
そのため、英検®の受験を考える場合は、あらかじめスケジュールを確認し、無理のないタイミングを選ぶことが重要です。
どうしても予定が重なる場合は、どちらを優先すべきかを早めに判断し、先生などと相談しておきましょう。
~「英検®の取得が慢心を生むケースも」~ 級の取得が自信につながり、さらに勉強を進められるのであれば理想的ですが、もう「3級を持っているから英語は大丈夫だ」と慢心して勉強を疎かにしまうと、かえって英語が苦手教科に成り下がってしまうこともあります。 級の取得に満足せず、次の目標に向けて勉強を続けていくことが大切です。 (大山先生) |
英検®取得で有利になる高校は?
英検®の取得が、高校受験で有利に働く学校は少なくありません。ここでは、英検®を活用できる公立・私立高校を、都道府県別やタイプ別に一部紹介します。
ただし、制度の内容は年度ごとに変更される可能性があります。最新の情報は必ず各高校の募集要項や教育委員会のサイトで確認してください。
受験で英検®が使える公立高校
英検®が入試の加点や優遇対象となっている公立高校は、都道府県によって制度が異なります。
現時点で、次の5つの都道府県では、英検®が公立高校入試で加点・得点換算などに活用されています。
- 埼玉県
- 千葉県
- 大阪府
- 奈良県
- 岡山県
埼玉県
埼玉県の公立高校で英検®の取得が加点となる学校には、以下のような例があります。
学校名 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|
浦和高等学校 | 調査書に加点 | 英検®2級以上 |
浦和第一女子高等学校 | 調査書に加点 | 英検®準2級以上 |
大宮高等学校 | 調査書に加点 | 英検®2級以上 |
春日部高等学校 | 調査書に加点 | 英検®2級以上 |
川越高等学校 | 調査書に加点 | 英検®準2級以上 |
上尾高等学校(普通科) | 調査書に加点 | 英検®3級以上 |
千葉県
千葉県の公立高校で英検®の取得が加点となる学校には、以下のような例があります。
学校名 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|
船橋東高等学校 | 調査書に加点 | 英検®準2級以上 |
柏の葉高等学校 | 調査書に加点 | 英検®準2級以上 |
千葉南高等学校 | 調査書に加点 | 英検®準2級以上 |
大阪府
大阪府では、英検®の資格が英語の学力検査の得点に直接換算される制度が導入されています。
英語の試験を実施するすべての公立高校において、英検®2級を取得している場合は得点のの80%、準1級を取得している場合は満点として評価されます。
これは、公的に認められた得点保証制度であり、他県と比べても非常に明確かつ有利な仕組みといえます。
制度の詳細は、大阪府が公表している「大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項」に明記されています。出願前には、必ず最新版を確認するようにしましょう。
奈良県
奈良県の公立高校で英検®の取得が加点となる学校には、以下のような例があります。
学校名 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|
日本女子体育大学附属二階堂高等学校 | 調査書に加点 | 英検®3級以上 |
奈良市立一条高等学校(普通科) | 調査書に加点 | 英検®準2級以上 |
岡山県
岡山県の一部の公立高校では、2月に実施される「特別入学者選抜」において、英検®の取得が評価対象となっています。
英検®は「重視する実績」として明記されており、評価項目の一つとして扱われる場合があります。
なお、特別入学者選抜は、岡山県で11年前に推薦入試に代わって導入された制度です。学力検査と面接に加え、学校によっては小論文や実技が課されることもあります。
学校名 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|
岡山一宮高等学校(理数科) | 実績の一つとして考慮 | 英検®準2級以上 |
岡山城東高等学校(国際教養分野) | 実績の一つとして考慮 | 英検®2級以上 |
岡山南高等学校(国際経済) | 実績の一つとして考慮 | 英検®2級以上 |
倉敷天城高等学校 | 実績の一つとして考慮 | 英検®2級以上 |
受験で英検®が使える私立高校
ここでは受験で英検®が使える私立高校を例として一部紹介します。
北海道・東北
都道府県 | 学校名 | 入試形態 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|---|---|
北海道 | 遺愛女子中学校・高等学校(英語科) | 推薦入試 | 学科試験免除 | 英検®準2級以上 3級の場合、学習成績が3ヶ年の評定平均値3.8以上でかつ英語の3ヶ年の評定平均値4.3以上であれば学科試験免除 |
北海道 | 札幌光星高等学校 | 専願1マリスコース | 出願資格 | 英検®準2級以上 |
宮城県 | 東北学院高等学校 | 特別進学コース自己推薦 TG総進コース推薦 |
一定割合を加算 | 英検®準2級以上 |
秋田県 | 聖霊学園高等学校 | 特別推薦(グローバル推薦) | 出願資格 | 英検®準2級以上 |
山形県 | 創学館高等学校 | 一般入試・推薦入試 | 判定優遇・合否参考 | 英検®3級以上 |
福島県 | 尚志高等学校 | 一般入試 | 出願資格・出願優遇 (特待併願選考において、中学3年の評定平均値4.5以上の出願資格のところ-0.2ポイント減で出願できる) |
英検®準2級以上 |
関東
都道府県 | 学校名 | 入試形態 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|---|---|
茨城県 | 水戸葵陵高等学校 | 一般入試 | 得点換算・試験免除 | 英検®3級以上 準2級以上は100点換算 |
栃木県 | 宇都宮短期大学附属高等学校 | 一般入試 | 入試得点に10点加点 | 英検®3級 準2級以上は20点加点 |
群馬県 | 高崎商科大学附属高等学校 | 推薦入試 | 出願資格・出願優遇 | 英検®3級以上 |
埼玉県 | 西武台高等学校 | 推薦入試 | 英語の試験免除かつ英語の試験100点換算 | 英検®準2級以上 |
千葉県 | 成田高等学校 | 一般入試 | 入試において10点加点 | 英検®準2級以上 2級は20点加点 |
千葉県 | 千葉日本大学第一高等学校 | 一般入試・推薦入試 | 入試において加点 | 英検®準2級以上 |
東京都 | 佼成学園女子中学高等学校 | 一般入試 | 内申点に+1加点 | 英検®3級以上 準2級以上は+2 |
東京都 | 足立学園高等学校 | 推薦入試 | 出願資格・出願優遇 | 英検®準2級以上 |
神奈川県 | 聖和学院高等学校 | 一般入試・推薦入試 | 1点加点 | 英検®3級以上 準2級以上は2点加点 |
北陸
都道府県 | 学校名 | 入試形態 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|---|---|
新潟県 | 開志学園高等学校 | - | 出願資格・出願優遇 | 英検®3級以上 |
中部
都道府県 | 学校名 | 入試形態 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|---|---|
静岡県 | 静岡英和女学院高等学校 | 一般入試 | 筆記試験を免除 |
英検®2級以上 準2級以上で入学料免除 |
愛知県 | 大成高等学校 | 一般入試・推薦入試 | 判定優遇・合否参考 | 英検®3級以上 |
近畿
都道府県 | 学校名 | 入試形態 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|---|---|
三重県 | 暁高等学校 | 一般入試 | 英語の得点に加点 | 英検®準2級以上 |
滋賀県 | 近江兄弟社高等学校 | 一般入試・帰国生入試・推薦入試 | 最低得点の保証 | 英検®3級以上(CEFRで換算) |
京都府 | ノートルダム女学院高等学校 | グローバル英語科除く一般入試・帰国生入試 | 加点 | 英検®3級以上 |
京都府 | 京都暁星高等学校 | 推薦入試 | 出願資格 | 英検®3級以上 |
大阪府 | 四天王寺高等学校 | 一般入試 | 得点換算 | 英検®2級以上 2級で80%、準1級以上で100% |
大阪府 | 上宮高等学校 | 一般入試 | 得点換算 | 英検®2級以上 2級で80%、準1級以上で900% |
大阪府 | 追手門学院大手前高等学校 | 一般入試 | 得点換算 | 英検®3級以上 |
兵庫県 | 親和女子高等学校 | 一般入試 | 奨学金の対象 | 英検®2級以上 |
奈良県 | 育英西高等学校 | 一般入試・帰国生入試 | 入試得点に加点 | 英検®3級以上 |
和歌山県 | 初芝橋本高等学校 | 一般入試・帰国生入試・推薦入試 | 得点換算 | 英検®3級以上 |
中四国
都道府県 | 学校名 | 入試形態 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|---|---|
鳥取県 | 青翔開智高等学校 | 一般入試・推薦入試 | 判定優遇 | 英検®準2級以上 |
岡山県 | 岡山学芸館高等学校 | 一般入試 | 加点 | 英検®3級以上 |
広島県 | 盈進高等学校 | 一般入試・推薦入試 | 加点 | 英検®3級以上 |
山口県 | 野田学園高等学校 | 自己アピール型入試 | 評価対象 | とくになし |
香川県 | 藤井高等学校 | 一般入試 | 判定優遇・合否参考 | 英検®3級以上 |
高知県 | 土佐高等学校 | 一般入試(専願) | 判定優遇 | 英検®準2級以上 |
九州・沖縄
都道府県 | 学校名 | 入試形態 | 優遇措置の内容 | 対象となる級 |
---|---|---|---|---|
福岡県 | 福岡雙葉高等学校 | 一般入試・推薦入試 | 出願資格 | 英検®準2級以上 |
長崎県 | 鎮西学院高等学校 | グローバルイングリッシュコースにおける一般入試・推薦入試 | 判定優遇 | 英検®3級以上 |
このように、高校受験においては、英語の力を測る指標として「英検®」が一般的に使用されます。早い時期から3級ないし準2級を目標に勉強を進めていくことで、結果的に私立高校の入試において有効になる場合は多いでしょう。 (大山先生) |
高校受験と英検®対策でよくある質問(FAQ)
高校受験と英検®対策でよくある質問(FAQ)をまとめましたので、英検®対策にぜひ生かしてください。
英検®3級は内申点に加算されますか?
英検®3級を取得していると、調査書点(内申点)に加点される場合があります。そのため、高校受験では有利に働く可能性がある級といえます。
英検®3級は、多くの公立高校で評価対象とされるボーダーラインの級です。ただし、加点の有無やその内容は都道府県によって異なります。
また、具体的な点数や対象級を明示していない高校もあるため、募集要項等に記載がない場合は、志望校の説明会などで確認しておくと安心です。
英検®2級は高校生でも難しいものになりますか?
英検®2級は、高校卒業程度の英語力を測る試験です。高校3年生レベルであれば、十分に合格を目指せる難易度といえるでしょう。
ただし、中学生にとっては、語彙・読解・リスニングのいずれにおいても難易度が高く、十分な準備がないままでは合格は難しい試験です。英検®3級や準2級と比べると、出題範囲が広く、設問の形式もやや複雑になっています。
中学生のうちに2級を目指す場合は、まずは3級や準2級から段階的にスキルを積み上げていくのが現実的です。焦らず、コツコツと力を伸ばすことが、最終的な合格につながります。
ただし高校受験の場合、2級が加点要件になるケースは少ないため、多くの場合、高校受験の入試への活用という意味では準2級までで十分だという見方もできます。
高校受験で英検®4級や5級を取っても意味はありませんか?
高校受験で評価対象となる基準は、英検®3級以上が一般的です。そのため、4級や5級を取得しても、直接的な加点や優遇にはつながりにくいのが現状です。
したがって、4級以下は入試での活用よりも段階的な学習目標として位置付ける方が実態に即しているといえます。
級の取得は学習のモチベーションにつながるため、学習の目標設定として活用することは有効です。自分のレベルに合った級から始めることで、着実に英語力を伸ばすことができます。
たとえ評価の対象とならなくても、将来的に3級や準2級取得に向けた土台づくりとしては有効です。英語力と目標に応じて、どの級から挑戦するかを考えていきましょう。
高校受験の英検®対策で塾に通う必要はありますか?
英検®対策をするうえで、塾に通うのは有効な選択肢のひとつです。特に独学が難しいと感じる場合や、学習のペースを整えたい人には向いています。
一般的な進学塾の場合、学校のカリキュラムよりも前倒して授業が行われるため、入試に間に合うタイミングで必要な級の学習が進めやすくなります。
また、塾に通うことで勉強時間の確保と習慣化がしやすくなります。リスニング・リーディング・ライティングなど、英検®に必要なスキルをバランスよく鍛えられる点も魅力です。
もちろん、必ずしも通塾が必要というわけではありません。ただし、学習環境を整えたい人や確実に合格を目指したい人にとっては、大きな助けになるでしょう。
~高校受験のプロが語る英検®と塾のポイント~ この場合は、その単元に関しては個別指導でもない限り参考書などで自学する形がほとんどになると思いますが、これから先の勉強の予習だと割り切りつつ、自分では理解できない部分を塾の先生などに聞いたりしながら進めていけば取得のスコアに届くケースが多いです。 (大山先生) |
英検®のほかに高校受験で利用できる外部英語検定はありますか?
英検®以外にも、高校受験で利用できる外部英語検定はあります。代表的なものとしては、GTEC®やTOEFL Junior®などが該当します。
GTEC®
GTEC®は、ベネッセと語学教育企業ベルリッツが共同開発した英語検定試験です。
日本の学習指導要領に沿った出題が特徴で、学校で学んだ内容を実践的に確認できる構成になっています。
GTEC®にはいくつかの受験形式がありますが、通常の学校実施タイプは、個人では申し込めません。
個人で受けたい場合は、「GTEC® CBT」または「GTEC®検定版(公開会場受験型)」に申し込む必要があります。
例えば、履正社高校では、GTEC®のスコアをCEFR(セファール)基準で読み替えたうえで、英検®の級と対応させて入試加点に利用しています。
参考:2025年度 高等学校 / 生徒募集要項|履正社中学校・高等学校
TOEFL Junior®
TOEFL Junior®は、アメリカのETSが開発した英語検定です。
英語を母語としない中高生向けに、日常生活や学校での英語運用力を測ることを目的としています。
出題内容は、海外の授業や日常会話など、リアルな英語の使用場面を想定して構成されています。
読む・聞くといったスキルに加え、実際に使える英語力を評価できるのが特徴です。
例えば、大阪桐蔭高校では、TOEFL Junior®のスコアが645点以上ある場合、英語の入試得点を50点以上保証する制度があります。
このように、英検®以外の検定でも、基準を満たせば高校受験でアドバンテージになることがあります。
まとめ|英検は高校受験の強い味方!
英検®は、高校受験を戦ううえで大きな武器になります。加点や出願条件として活用できるだけでなく、英語力そのものを高める学習目標としても効果的です。
また、継続的に学ぶ習慣や試験への慣れ、自信と達成感など、入試を超えて将来につながる力も自然と身につきます。
ただし、スケジュールや普段の勉強とのバランスも大切です。
早めに志望校の情報を確認し、自分に合ったタイミングで無理なくチャレンジすることが成功のカギです。
英検®の合格は、「やればできる」という確かな手応えになります。自分の目標やレベルに合わせて、一歩ずつ挑戦していきましょう。
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。