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偏差値上位なのに受けやすい?知る人ぞ知る意外と倍率が低い都立高校5選

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高校受験
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塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

大山雅司

ひのき進学教室 三軒茶屋校講師

大山雅司

今の時代、高校選びもSNSの影響を大きく受けています。

「みんなが志望している=間違いない学校」と考えられがちで、人気校にはますます受験生が集まります。しかし、定員数が増えることはありません。その結果、倍率が高騰し、入試が熾烈になるケースも。

でも、ちょっと待ってください。実は“倍率が低いのに偏差値が高い”という、いわば「狙い目」の都立高校も存在するのです。今回はそんな“狙い目校”に注目し、魅力や低倍率の理由を分析して紹介します。

決して、「狙い目だからみんな受検しましょう!」ということではありません。受検校を選ぶ際、「偏差値」や「倍率」だけに左右されず、受検生本人であれば、“自分に合うかどうか”、保護者であれば、“子どもに合うかどうか”を大切にしてほしいという願いを込めて解説します。

目次

偏差値は高いのに倍率が低い?その理由とは

偏差値が高く倍率が低い理由

一般的に「偏差値が高い学校=倍率も高い」と思われがちですが、実際には、偏差値が高いのに、以下のような要因で“倍率が落ち着いている高校”が存在します。

  • 同じランク帯のライバル校が密集している
  • アクセスや立地の不利(通いにくさ)
  • 学校の雰囲気や文化の独自性が強く、好みが分かれることも

倍率の低さ=魅力のなさ、ではない

この記事で紹介する高校はいずれも、偏差値・進学実績ともに優秀でありながら、何らかの理由で“人気が集中していない”だけの学校ばかり。

倍率だけで学校を判断するのは早計です。情報に左右されすぎず、「相性が合うかどうか」を軸に志望校を選んでみてください。

都立高校 進学指導重点校などの倍率ランキング

まずは、都立高校の倍率がどのくらいなのか、進学指導重点校・進学指導特別推進校・進学指導推進校の一般入試の2025年度受検倍率をもとにランキング化しました。

区分 ■=進学指導重点校 ☆=進学指導特別推進校 △=進学指導推進校

ランキング 高校名 区分 年度
2025 2024 2023
1 豊多摩 1.90 1.62 1.48
2 駒場 1.79 1.70 1.36
3 上野 1.79 1.79 1.68
4 戸山 1.74 1.59 1.61
5 新宿 1.72 2.15 1.70
6 青山 1.72 1.86 1.70
7 北園 1.70 1.64 1.59
8 三田 1.60 1.76 1.26
9 調布北 1.60 1.44 1.31
10 江北 1.59 1.43 1.95
11 日比谷 1.57 1.40 1.93
12 国分寺 1.54 1.32 1.09
13 昭和 1.51 1.42 1.69
14 多摩科学技術 1.50 1.46 1.31
15 国際 1.48 1.99 1.80
16 竹早 1.43 1.67 1.51
17 江戸川 1.43 1.62 1.36
18 国立 1.42 1.43 1.52
19 城東 1.42 1.81 1.58
20 小金井北 1.41 1.57 1.65
21 八王子東 1.41 1.27 1.11
22 立川 1.40 1.33 1.61
23 小山台 1.36 1.25 1.34
24 西 1.31 1.46 1.48
25 武蔵野北 1.25 1.24 1.26
26 小松川 1.14 1.22 1.17
27 日野台 1.12 1.34 1.41
28 町田 1.11 1.34 1.33
29 墨田川 1.05 1.20 1.13

 

豆知識:都立高校の進学指導重点校・特別推進校・推進校とは?

東京都教育委員会では、生徒一人ひとりの力を最大限に伸ばし、大学進学を支援する体制づくりを進めています。その一環として、進学指導に組織的・計画的に取り組む都立高校を以下の3つに区分して指定しています。

・進学指導重点校
都内でも特に進学実績が高く、難関国公立大学への合格を目指した取り組みを行っている高校。以下のような基準に基づき、過去3年間の実績や学校の取組状況を総合的に評価して指定されます。

【主な選定基準】 5教科7科目で共通テストを受験する生徒の割合が6割以上 難関国立大学等に合格可能な得点(8割以上)を取れる生徒が1割以上 難関国立大学(東大・京大・一橋大・東工大・国公立医)への現役合格者が15人以上

・進学指導特別推進校
進学指導重点校に次ぐ大学合格実績をあげる学校の中から、各学校の取組状況等を総合的に勘案して指定されます。

・進学指導推進校
進学指導特別推進校に次ぐ大学合格実績をあげる学校の中から、地域ニーズ・地域バランスや学校の取組状況等を総合的に勘案して指定されます。

参照元:東京都教育委員会 都立高校における進学指導重点校等の指定について

魅力が溢れる“狙い目の都立高校”5選

魅力が溢れる狙い目の都立高校5選

今回は、進学指導重点校・進学指導特別推進校・進学指導推進校に指定され、高偏差値ながらも受検倍率が落ち着いている5校をピックアップして紹介します。

小山台高校(品川区)

━ 駅チカ×応援文化の熱量校

基本情報

正式名称 東京都立小山台高等学校
アクセス 〒142-0062 東京都品川区小山3-3-32
(東急目黒線「武蔵小山」駅から徒歩0分)

倍率の傾向

2025年度 2024年度 2023年度
1.36倍 1.25倍 1.34倍

低倍率の理由

理由は明快。周辺エリアに新宿・三田・駒場といった同ランク帯の人気校が密集していて、志望者が分散していることが考えられます。また、「共通問題トップ校」という位置づけがあだとなり、内申点に自信がない受験生からは敬遠されがちです。「理系志向が強い」というイメージもあり、文系志望の生徒は他校へ流れる傾向もあるかもしれません。

魅力

団結力が強く、応援文化が盛んな“体育会系の熱さ”を感じさせる一面もあります。「合う人にはバッチリ合う」タイプの校風。また、武蔵小山駅を出てすぐ校舎があり、都立屈指の駅チカ高校といえます。

2025年度の進学実績 一例

大学名 合格人数(現役)
東京大学 1
京都大学 1
早稲田大学 33
慶應義塾大学 28
上智大学 19

参照元:東京都立小山台高等学校 ホームページ 令和7年度入試大学等合格状況

町田高校(町田市)

━ 学習に集中したい受験生向けの隠れ名門校

基本情報

正式名称 東京都立町田高等学校
アクセス 〒194-0021 東京都町田市中町4-25-3
(小田急線「町田」駅より徒歩13分/JR線「町田」駅より徒歩15分)

倍率の傾向

2025年度 2024年度 2023年度
1.11倍 1.34倍 1.33倍

低倍率の理由

町田駅周辺という都心からのアクセス性の弱さが影響しています。東京最南西部に位置し、地理的な点がネックになっている可能性があります。

魅力

ICT教育を牽引してきた学校で、学習環境も充実。特に自習棟が丸ごと1棟あり、静かに集中できるスペースが確保されているのは大きな魅力です。また、部活動は17時までと少し早めの終了設定。この点も「勉強に専念したい層」には合うかもしれません。

地理的な点がネックと先述しましたが、実は、渋谷からは電車で約50分、下北沢からは約40分です。旧第9学区の調布市・狛江市や、旧第2学区の世田谷区からは、十分通学圏内といえます。

2025年度の進学実績 一例

大学名 合格人数(現役)
東京大学 -
京都大学 -
早稲田大学 17
慶應義塾大学 8
上智大学 10

参照元:東京都立町田高等学校 ホームページ 令和7年度入試大学等合格状況

八王子東高校(八王子市)

━ 落ち着いた学風と手厚い指導体制

基本情報

正式名称 東京都立八王子東高等学校
アクセス 〒192-8568東京都八王子市高倉町68-1
(JR中央線 豊田駅北口から 八王子駅北口行バスで「大和田坂上」下車、徒歩6分
または平山工業団地循環バスで「旭が丘中央公園」下車、徒歩6分
JR八高線 北八王子駅から徒歩11分)

倍率の傾向

2025年度 2024年度 2023年度
1.41倍 1.27倍 1.11倍

2023年度は、ライバル校・立川高校が2022年に新設した「創造理数科」が普通科との併願を可としたことで、生徒が流れた影響も考えられます。

低倍率の理由

都心からのアクセス性の低さや、独自作成問題の難しさが影響している可能性があります。

魅力

学校全体としては、先生の関与が強く、面倒見が良い印象。「中学では真面目にやりたかったけど、うまくできなかった」という人にとって、のびのびと過ごせる環境が整っています。倍率は気にせず、「自分に合うかどうか」で選んでほしい1校です。

2025年度の進学実績 一例

大学名 合格人数(現役)
東京大学 1
京都大学 1
早稲田大学 37
慶應義塾大学 33
上智大学 34

参照元:東京都立八王子東高等学校 ホームページ 令和7年度入試大学等合格状況

小松川高校(江戸川区)

━ 東の進学拠点×文武両道のバランスがとれた高校

基本情報

正式名称 東京都立小松川高等学校
アクセス 〒132-0035 東京都江戸川区平井1-27-10(JR「平井」駅から徒歩12分)

倍率の傾向

2025年度 2024年度 2023年度
1.14倍 1.22倍 1.17倍

近年はやや志望者が減少傾向にあります。

低倍率の理由

上位層が都心の人気校に流れているのが一因と見られます。また、近隣の城東高校が新校舎になったことで志望者がシフトしたという可能性もあるでしょう。城東高校は「スポーツ校」という特徴があるため、比較をすると小松川高校は「大人しい」という印象を抱かれるのかもしれません。

魅力

小松川高校は地域の一番手校の立ち位置。“東の日比谷”と呼ぶ人もいるように、進学実績は高く、旧帝大や千葉大への合格実績もあります。小松川高校から千葉大へ進学というのも1つの黄金ルートといえます。文化祭や運動会なども活発で、文武両道の印象が強いです。

2025年度の進学実績 一例

大学名 合格人数(現役)
東京大学 -
京都大学 1
早稲田大学 24
慶應義塾大学 14
上智大学 17

参照元:東京都立小松川高等学校 ホームページ 令和7年度入試大学等合格状況

墨田川高校(墨田区)

━ 独自入試で健闘する隠れ実力校

倍率の傾向

2025年度 2024年度 2023年度
1.05倍 1.20倍 1.13倍

低倍率の理由

墨田川高校は、中堅校でありながら独自作成問題を採用している数少ない学校。そのため、入試難易度が高く見られてしまい、受験生から敬遠されやすい傾向があります。実際、過去には定員割れに近い年もありました。

魅力

進学実績は安定しており、たとえば2021年度には定員ギリギリの状態でも千葉大学に7名が合格するなど、健闘が光ります。運動会を学年横断で盛り上げる応援文化も根付いており、文武両道のバランスが取れた学校です。

2025年度の進学実績 一例

大学名 合格人数(現役)
東京大学 -
京都大学 1
早稲田大学 9
慶應義塾大学 3
上智大学 5

参照元:東京都立墨田川高等学校 ホームページ 令和7年度入試大学等合格状況

まとめ:倍率ではなく“相性”で志望校を選ぼう

「倍率が低い=楽に入れる」ではありません。しかし、偏差値と倍率のギャップが大きい学校には、知る人ぞ知る“狙い目”の魅力が眠っています。

今年度の都立受検の予想倍率は1月に発表される校長会の志望校調査があります。

それまでに積極的に説明会などに参加しながら、自分と相性が合う高校を見つけていきましょう。

※参考動画:【都立】高偏差値だけど低倍率になりがちな高校を紹介

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執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

大山雅司
ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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