探究学習のテーマが見つかる!小・中・高生向けジャンル別ヒント&実例集

探究学習のテーマがなかなか決まらない…。そんな悩みを抱える子どもや保護者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、学年別にそれぞれに合った探究学習のテーマ例をジャンル別に紹介。さらに、テーマ選びのヒントや「問い」へと深めるコツまでわかりやすく解説します。

編集部
塾選ジャーナル編集部
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小学生向けの探究学習テーマ
小学生の探究学習では、「なぜ?」「どうして?」という素朴な疑問を大切にすることがポイントです。毎日の生活の中で感じたちょっとした不思議が、立派な探究テーマになります。
ここでは、小学生でも取り組みやすいテーマをジャンル別に紹介します。興味があるものを見つけて、自由な発想で深めてみましょう。
生活・身の回りの疑問
テーマ | 概要 |
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どうして消しゴムは文字を消せるの? | 消しゴムの素材や摩擦の仕組みを調べる |
エレベーターはどうして動くの? | 滑車やモーターなどの仕組みについて調べる |
電気はどこから家に来ているの? | 発電所から家庭までの電気の流れを学ぶ |
どうして冷たい水はコップに水滴がつくの? | 結露の仕組みと空気中の水分の関係を探る |
道路の白線はどうやって書いてあるの? | 道路標示の方法や使われている道具について調べる |
自然・動物・環境に関するもの
テーマ | 概要 |
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なぜ落ち葉は秋になると色が変わるの? | 光合成や葉の色素の変化について調べる |
虫はどうやって仲間と連絡をとっているの? | 昆虫のフェロモンや行動パターンを観察する |
土の中にはどんな生き物がいるの? | ミミズや微生物など土壌の生物を調査する |
どうしてゴミは分別しないといけないの? | リサイクルの仕組みやゴミ処理の違いを学ぶ |
海の中に音はどれくらい届くの? | 水中の音の伝わり方と生き物への影響を調べる |
食べ物・健康に関するもの
テーマ | 概要 |
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どうして野菜を食べたほうがいいの? | 野菜に含まれる栄養素と体への効果を調べる |
カレーの辛さはどうやって決まるの? | スパイスの成分と辛さの感じ方の関係を探る |
おやつを食べすぎるとどうなるの? | 糖分や脂質の摂りすぎと健康への影響を考える |
食べ物の賞味期限はどうやって決められている? | 食品の劣化や保存技術について調べる |
どうして風邪をひくと熱が出るの? | 免疫の働きと体温調整の仕組みを理解する |
中学生向け探究学習のテーマ
中学生になると、身近な疑問だけでなく、社会のしくみやテクノロジー、心の働きなど、より多面的な視点から探究が可能になります。
ここでは、中学生におすすめのテーマをジャンル別に紹介します。自分の興味・関心と重ねながら、気になるテーマを見つけてみましょう。
社会や地域に関するもの
テーマ | 概要 |
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なぜ地域に空き家が増えているのか? | 人口減少や高齢化、都市部集中との関係を探る |
商店街とショッピングモールの役割の違いとは? | 地域経済と生活スタイルの変化を比較する |
地元の観光地を盛り上げるにはどうすればいい? | 地域資源の活用方法やPR戦略を考える |
コンビニはなぜどの町にもあるの? | 立地戦略と地域需要の関係を調べる |
自治体の防災対策は十分なのか? | 過去の災害事例をもとに対策の現状と課題を探究する |
学校の制服は本当に必要? | 制服のメリット・デメリットと、自由な服装との比較を考える |
駅前にチェーン店が多いのはなぜ? | 商業立地と企業戦略の関係性を調べる |
なぜごみの分別ルールは地域で違うの? | 地域行政や処理施設の違いを探る |
電車とバス、どっちがエコ? | 公共交通機関の環境負荷や利便性を比較 |
昔の遊びと今の遊び、どう違う? | 子どもの遊びの変化から社会の変化を読み解く |
科学・テクノロジーに関するもの
テーマ | 概要 |
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自動運転車は本当に安全なのか? | 技術的課題と交通社会への影響を調べる |
スマート家電は生活をどう変える? | AI搭載機器の仕組みと利便性・問題点を探る |
なぜ風力発電は増えているのか? | 再生可能エネルギーの利点と課題を比較する |
ドローンはどこまで社会で活用できる? | 現在の活用事例と今後の可能性を考察する |
人工肉は本当に食料問題を解決できるのか? | 食品技術の進化と倫理的課題について探究する |
なぜ電子レンジで水は急に沸騰するのか? | マイクロ波加熱と突沸現象のメカニズム |
3Dプリンターは未来のものづくりをどう変える? | 新技術が社会や教育に与える影響を考察 |
蛍光ペンはなぜ光って見える? | 色と光の関係、視覚的な錯覚を科学する |
なぜ夏に雷が多いのか? | 気象条件と雷の発生メカニズム |
植物に話しかけると育ちが変わるって本当? | 言葉・音と植物の生育の関連性を検証 |
環境・生活に関するもの
テーマ | 概要 |
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エコバッグは本当にエコ? | 素材・使用回数・廃棄までを比較して検証 |
ペットボトルはどこまで再利用されている? | リサイクルの流れと現実の課題を追う |
水道水とミネラルウォーター、どちらが安全? | 水質や管理方法を調査・比較する |
家の中で一番電気を使うのはどこ? | 家電ごとの消費電力と節電方法を探究 |
食品ロスを減らすには何ができる? | 家庭や学校でできる工夫を考える |
レジ袋有料化で本当にごみは減ったのか? | 導入前後の変化や市民の意識変化をデータで検証する |
なぜ洗剤にはいろいろな香りがあるの? | 香りによる心理効果と購買行動の関係を調べる |
節水トイレと普通のトイレ、どれだけ違う? | 水の使用量や仕組みの違いからエコ性能を比較 |
なぜ冷蔵庫は背後が熱くなるのか? | 熱交換のしくみと電気効率を学ぶ |
朝ごはんを食べないとどうなる? | 食習慣と集中力・健康状態の関係を調査する |
心理・コミュニケーションに関するもの
テーマ | 概要 |
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SNSで本音を言えないのはなぜ? | 自己表現と社会的な見え方との関係を探る |
なぜ人は緊張すると手が震えるのか? | 自律神経とストレス反応のしくみを調べる |
チームワークはどうすれば良くなる? | コミュニケーションと信頼関係の構築法を考える |
勉強のやる気はどうすれば出るの? | モチベーションのメカニズムと習慣化の工夫を探究する |
勉強中に音楽を聴くと集中できる? | 音と集中力の関係を実験・考察する |
音楽は気分にどんな影響を与える? | 音楽と脳の関係を科学的に分析する |
なぜ寝る前にスマホを見ると眠れなくなるの? | ブルーライトと睡眠の質の関係を探究する |
初対面で印象が決まるのはなぜ? | 第一印象と非言語コミュニケーションの関連を調べる |
「ありがとう」を言うと気持ちが変わる? | 感謝と心の安定、幸福感の関係性を研究する |
集団になると意見を変えやすいのはなぜ? | 同調圧力と個人の判断力について探る |
文化・言語・感性に関するもの
テーマ | 概要 |
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方言が消えつつあるのはなぜ? | 方言と共通語の変化、世代間の言語差を調べる |
漫画はなぜ日本でこれほど人気なのか? | 表現文化としての漫画の社会的役割を探る |
なぜ人は物語に感動するのか? | ストーリーテリングと感情の関係を考える |
和菓子と洋菓子、味の好みはどう分かれる? | 世代・地域・文化による嗜好の違いを探る |
名前にはどんな意味があるの? | 名前の由来と文化的背景、親の思いを調査する |
なぜ「かわいい」は世界で通じる言葉になった? | Kawaii文化の広がりと背景にある価値観を探る |
同じ日本語でも意味が変わるのはなぜ? | 方言・世代・SNSでの言葉の進化を比較する |
絵文字とスタンプは言葉の代わりになるの? | 非言語コミュニケーションとしての役割を分析する |
なぜ昔話は地域によって違うのか? | 地域文化・伝承の違いと共通点を探究する |
書道はなぜ「芸術」とされるのか? | 表現としての文字と感性のつながりを考察する |
高校生向け探究学習のテーマ
高校生の探究学習は、中学生と比べて、より専門的かつ社会的な課題に踏み込む内容が増えてきます。大学入試の総合型選抜(旧AO入試)でも探究学習の経験が活かされる場面が増えており、注目が集まっています。
※高校生向けの探究学習テーマは別の記事で詳しく紹介しています。進路や入試を意識した探究テーマに興味がある方は、以下の記事をご覧ください。
探究学習のテーマが決まらないときのヒント
探究学習は、大学入試の総合型選抜などで評価されることもあり、テーマ選びがポートフォリオの内容や志望理由書にも影響する場面があります。将来の活用も視野に入れつつ、自分らしい関心をもとにテーマを考えると、より深い学びにつながります。
ここでは、探究学習のテーマに迷ったときに役立つヒントを、いくつかの視点から紹介していきます。
好きなこと・興味があることから考える
まずは「好きなこと」「気になっていること」からテーマを考えてみましょう。好きなゲーム、動物、料理、漫画など、日常の「ワクワク」には探究のヒントが隠れています。
毎日の生活で感じた疑問から考える
「なぜ?」と思った瞬間があれば、それがテーマ候補です。たとえば、「なぜ朝は眠いの?」「なぜ電車は遅れるときがあるの?」など、何気ない疑問こそ探究に向いています。
今話題になっているニュースから考える
ニュースや社会で話題になっている出来事をもとにテーマを考えるのもおすすめです。たとえば、気候変動、AIの進化、食品ロス、ジェンダーなど。身近な関心ごとと結びつけると、より主体的に取り組めます。
探究学習の専門塾・学習サービスを活用する
最近では、学校や家庭だけでなく、探究学習に特化した塾や専門機関も登場しています。塾選ジャーナルでは、そうした探究学習塾の実例を取材・レポートしています。実際にどのようなテーマに取り組めるのか気になる方は、ぜひ以下の特集も参考にしてみてください。
特集:探究学習塾最前線レポート
探究学習のテーマを「問い」に変える3つのコツ
探究学習では、「テーマ(関心がある領域)」と「問い(明らかにしたいこと)」を分けて考えることがとても大切です。
テーマ=自分の関心がある領域(例:食品ロス)
問い=そのテーマに対して「何を明らかにしたいか」という具体的な視点(例:なぜ家庭で食品が無駄になるのか?)
このように問いを立てることで、調べる方向性が明確になり、より深い学びへとつながります。
ここでは、初めて探究学習に取り組む子どもでも実践しやすい、問いづくりのコツを3つ紹介します。
なぜ?どうして?を出発点にする
探究学習は、「なんで〇〇なんだろう?」という小さな疑問から始まります。
例えば、「なぜ雨の日は気分が下がるんだろう?」、「どうして夜になると眠くなるの?」といった日常の不思議で大丈夫。難しく考える必要はありません。
教科書に載っていないような、自分だけの視点で見つけた疑問こそ、探究学習に最適なテーマです。
まずは、自分がふと気になったことや、友達との会話の中で「へえ、そうなんだ」と思った瞬間を思い出してみましょう。
比べる・変化を見る・原因を探る
問いをより深く・具体的にするには、「型」を使うのが効果的です。探究で使いやすい問いの型には、以下の3つがあります。
比べる:「AとBの違いは何だろう?」
例)公立中学校と私立中学校では給食の内容にどんな違いがあるのか?
変化を見る:「昔と今でどう変わったの?」
例)地元の駅前の風景はこの10年でどう変化したのか?
原因を探る:「なぜそうなるのか?どんな理由があるのか?」
例)なぜ夜遅くまでスマホを使うと寝つきが悪くなるのか?
このような型を使うことで、テーマを“ただ調べる”のではなく、「何を明らかにしたいのか」がはっきりしてきます。結果的に、調査や考察の方向性もブレにくくなります。
具体的な「問い」に落とし込む例
テーマが決まっても、それだけでは探究が始まりません。
例えば、「食品ロス」というテーマを選んだとしましょう。しかし、単に「食品ロスについて調べる」では範囲が広すぎて、何をすればよいかわかりにくくなってしまいます。
そこで、「問い」を立てることが重要です。
例えば、
「なぜ家庭では食品が無駄になってしまうのか?」
「食品ロスを減らすには、どんな工夫ができるのか?」
このように問いを立てると、「どこを調べるか」「誰に聞くか」「何を比較するか」といった具体的なアクションが見えてきます。
また、問いが明確になっていると、調べたことを発表やまとめにするときにも、自分の考察や意見が伝わりやすくなります。
探究学習のテーマと問いが決まったら、次はどうする?
探究学習のテーマと問いが決まったら、いよいよ本格的な探究のスタートです。「情報を集める」「整理・分析する」「発表する」など、探究にはいくつかのステップがあります。
「どうやって情報を集めればいいの?」「“分析する”って具体的に何をするの?」「発表はどんな形にすればいいの?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
こうした“次のステップ”については、以下の記事で詳しく解説しています。テーマが決まったあとに何をすればよいのか迷ったときは、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ:探究学習のテーマは“身近な疑問”から広がる!
探究学習は、難しいテーマを選ぶことが目的ではありません。
むしろ、「身近なこと」「小さな不思議」から出発することで、自分だけの問いにたどり着けます。
ぜひ、本記事で紹介したテーマ例や問いのヒントを参考に、自分だけの探究テーマを見つけてみてください。
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