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換算内申とは?高校入試での計算方法と合格ラインの目安を現役塾講師がわかりやすく解説

更新日:
高校受験
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換算内申とは、通知表の成績を公立高校入試用に計算し直した内申点のことです。地域や高校によって計算方法が異なるため、正しく理解することが大切です。この記事では、換算内申の仕組みや調査書点との関係、合格ラインの目安、内申アップのコツまで現役塾講師がわかりやすく解説します。正しく理解して、高校受験への不安を解消しましょう。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

大山雅司

監修者

大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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目次

換算内申とは?

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換算内申とは、中学校の通知表に記載された各教科の評定(1〜5)を、都道府県や高校ごとのルールに従って“点数化”した内申点のことです。

例えば、東京都では実技4教科の評定を2倍にして9教科合計を65点満点で算出します。このように、換算内申はある教科の評定に倍率をかけたり、特定の学年だけを対象にしたりと、単なる合計とは大きく異なります。

また、この換算内申が、どのように公立高校入試における合否に関わってくるかも地域や高校ごとに異なるため、正しく理解することがとても重要です。高校受験を控えているなら、なるべく早めに理解して対策したいのが換算内申です。合否の判断に使われることくらいは知っているけれど、その本質はどのようなものなのでしょうか。

換算内申と素内申の違い

評定(1〜5)をもとに算出される評価点を一般的に内申点といいます。

高校入試の際には、中学校から高校に提出される「内申書(調査書)」のうち、「学習の記録」として記載される成績情報が使用されます。評定は、通知表と同様に各教科ごとに1〜5の5段階で評価され、5教科または9教科分の合計や加重計算を通じて、入試の合否判定に活用されます。

内申点をよく理解するためには、「素内申」「換算内申」「調査書点」について知る必要があります。

「素内申」とは、9教科の評定(1〜5)を単純に合計したものです。たとえば、すべての教科が評定「4」であれば、4×9=36点が素内申になります。

一方、「換算内申」は各教科の評定に対して、都道府県や高校が定めたルール(教科によって倍率をかける、学年を限定するなど)に基づいて計算された点数です

これは、内申をより公平かつ多角的に評価するための仕組みです。

<例:換算内申の計算方法_東京都の場合>

中学3年生の9教科の評定(1~5)を対象に、教科ごとの倍率をかけて点数化。実技教科の評定が2倍に換算される。

●換算内申=主要5教科の評定合計+(実技4教科の評定合計×2)

分類 教科 評定の倍率
主要5教科 国語・数学・英語・理科・社会 1倍
実技4教科 音楽・美術・技術家庭・保健体育 2倍

入試では、換算内申点の数値がそのまま合否に反映されるのではなく、その地域の入試配点比率に合わせて点数化した「調査書点」が使用されます

<例:調査書点の計算方法_東京都の場合>

●調査書点 =(換算内申 ÷ 65) × 300

換算内申 調査書点
65点 ※満点 (65÷65)×300=300点 ※満点
52点 (52 ÷ 65)×300 ≒ 240点
39点 (39 ÷ 65)×300 ≒ 180点

東京都の都立高校入試では、学力検査と調査書点の合計は1000点として計算されます。

学力検査の得点との比率が「7:3」で、調査書点の満点は300点なので、換算内申(65点満点)を基準に65で割り、300を掛けて「調査書点」を出します。

この調査書点と学力検査の得点、中学校英スピーキングテスト(ESAT-J)の得点20点が合算されて最終的な合否が決まります。

このように、

  • 評定 → 素内申(合計) → 換算内申(倍率適用) → 調査書点(入試スコア化)

というステップを経て合否判定に活用されます。

計算方法が複雑なので、内申点がどのくらい合否に影響するかを知りたいと思ったら、お住まいの地域や志望校の計算方法を早めに確認しておく必要があります。

なぜ「換算」するのか? 制度の目的と背景

「受験戦争」という言葉が生まれた1960年代、その過熱ぶりを和らげるために公立高校の入試制度として導入されたのが、内申制度です。学力検査だけではなく、中学生活における学習状況や態度なども評価し、生徒の能力を総合的に把握することが目的です。

日々の学習成果が反映されるため、例えば学力検査の当日に体調が悪くなるなど、不運に左右されることも少なくなります。反対に当日だけがんばってもダメなので、日々の授業や提出物にも真摯に取り組む姿勢を促すことにもつながるのです。

東京都をはじめとするいくつかの地域では、実技教科の点数を数倍にして「換算」して比率を大きくしています。これは入試で試験がない実技の成績を公平に反映させるためです。

文部科学省は、高等学校入学者選抜において、学力検査だけでなく、調査書(内申書)を活用する意義について、以下のように述べています。

入学者選抜においては、学力検査の成績だけでなく、調査書等を活用することにより、受験生の中学校における学習状況や活動の成果を多面的に評価し、適切な選抜を行うことが求められる。 
出典:文部科学省「高等学校入学者選抜等における配慮等について(通知)(令和6年6月25日)」をもとに筆者が作成

換算内申の仕組みは、地域や高校ごとに異なる評価方針を形にした制度です。各地域の実情に応じた運用が認められています。

換算内申は合否にどう影響する?

換算内申が合否にどのように影響するかは、都道府県や高校によって計算方法や学力検査との配点比率が異なるため、一概には言えません

東京都立高校を例にすると、中学3年生の成績のみが評価対象となり、実技教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)の評定は2倍にして換算されます。

入試科目ではない科目の比重が大きいため、内申点対策が受験生の負担になっている側面はあります。一方で、これらの教科にも価値が置かれることで、生徒の多面的な能力が総合的に評価されていると捉えることもできます。

換算内申を意識して早めに対策を始めるなら、志望校や地域がどのように内申点を活用しているかを早期に把握しておくことが重要です。制度が変更されている可能性があるため、最新の入試制度を確認するのがおすすめします。

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換算内申の計算方法【具体例つき】

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それでは実際に、どのようにして換算内申を算出していくのかを見てみましょう。

一般的な計算方法(5教科+4教科×評価倍率など)

都立高校の一般入試を例にすると、下表のとおり、学力検査を実施する教科の評定を1倍、学力検査を実施しない教科の評定を2倍にして算出します。
評価対象になるのは3年生時の評定です。

● 一般的な都立高校の場合

学力検査がある教科の評定
1倍で計算
学力検査がない教科の評定
2倍で計算
合計
国語・数学・理科・社会・英語
満点は5×5=25
音楽・美術・技術家庭・保健体育
満点は5×4×2=40
65点
※満点

一部、換算方法が異なる都立高校もあります。

● 定時制など一部の都立高校の3教科入試校

学力検査の教科
1倍で計算
学力検査がない教科
2倍で計算
合計
国語・数学・英語
満点は5×3=15
社会・理科・音楽・美術・技術家庭・保健体育
満点は5×6×2=60
75点
※満点

参照:東京都教育委員会「調査書の記載」

定時制など、3教科入試を実施する一部の都立高校では、2倍で計算する教科が増えます。

換算方法のバリエーション(3年重視型/9教科均等型など)

東京都の例を見てきましたが、全国にはさまざまな換算内申の計算方法があります。

静岡県では、東京都と同じく中学3年生の9教科が対象です。すべての教科を均等に点数化するため、評定をそのまま足せば換算内申(=素内申)となります。

ただし、一般選抜に2つの選抜枠があり、合否における換算内申の影響も異なります。(詳細は後述)。

千葉県では、中学1年生から3年生までの評定が評価対象です。全教科を均等に点数化しますが、各高校で定めた評価倍率が適用されます。

さらに内申書の評定以外の事項も各学校のルールで加点されるため、志望校によって内申点(調査書点)が異なることになります。

神奈川県では主に、中学2年生と3年生の9教科の成績が対象になります。3年生の9教科は2倍にして加重計算します。しかし、一律ではなく、特定の教科(3教科以内)を2倍まで重点化する高校もある点に注意しましょう。

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評定がオール3の人は何点になる?換算内申の具体例

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東京都を例に、具体的な成績を想定して計算してみましょう。

都立高校の場合、学力検査を実施する教科の評定を1倍、学力検査を実施しない教科の評定を2倍にします。ここでは主要5教科の学力検査を実施する都立高校を想定します。。

オール3の換算内申は?

まず最初に、評定がオール3の成績で換算内申を算出してみましょう。

  • 主要5教科(国語・数学・理科・社会・英語)3×5教科=15点
  • 実技4教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)3×4教科×2=24点

となるので、15点と24点を足した39点が換算内申です。

オール4の換算内申は?

次に、評定がオール4のときの換算内申はどうなるでしょうか。

  • 主要5教科(国語・数学・理科・社会・英語)4×5教科=20点
  • 実技4教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)4×4教科×2=32点

となるので、20点と32点を足した52点が換算内申です。

オール5の換算内申は?

評定がオール5の場合を算出します。

  • 主要5教科(国語・数学・理科・社会・英語)5×5教科=25点
  • 実技4教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)5×4教科×2=40点

となるので、25点と40点を足した65点が換算内申です。

一部だけ成績が高い場合は?(例:主要5教科だけ5の場合)

最後に主要5教科の評定がオール5、実技教科の評定がオール3というケースの換算内申を算出してみましょう。

  • 主要5教科(国語・数学・理科・社会・英語)5×5教科=25点
  • 実技4教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)5×4教科×2=40点

となるので、25点と24点を足した49点が換算内申です。

東京都の場合だと実技教科の評定が2倍になるため、実技教科の評定が低い場合、不利になりがちです。

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地域で異なる換算内申制度【代表例を紹介】

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換算内申の計算方法は各都道府県によって異なります。どのような計算方法があるのか、東京都以外にも代表的な例を紹介します。

神奈川県の換算内申

神奈川県の公立高校では主に、中学2年生と3年生の9教科の成績が対象になります。さらに学年によって中学2年生は1倍、3年生は2倍と評価倍率が異なるため、3年生の成績の方が重要になります。

対象学年 対象教科 評価倍率 満点
中学2年生 国語・数学・理科・社会・英語・音楽・美術・技術家庭・保健体育の9教科 1倍 5×9教科=45点
中学3年生 国語・数学・理科・社会・英語・音楽・美術・技術家庭・保健体育 2倍 5×9教科×2=90点

 

参照:令和7年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要 公立高等学校入学者選抜選考基準 PDF選考基準の見方

特定の教科(3教科以内)を2倍まで重点化する高校もあります。

静岡県の換算内申

静岡県の公立高校では中学3年生の9教科が対象となります。教科による加重はなく、評定を足していくだけなので計算方法はシンプルです。

オール5で5×9教科=45点、オール3であれば3×9教科=27点となります。

そして、一般選抜にも各校が独自に定める「学校裁量枠」と、県共通の方法による「共通枠」の2つの選抜枠があります。

詳しくは「令和5年度静岡県公立高等学校入学者選抜のあらまし」を検索してください。

宮城県の換算内申

宮城県の公立高校には「共通選抜」と「特色選抜」の2種類の選抜枠があり、換算内申の計算方法もそれぞれ異なります。

【共通選抜】

中学1年生から3年生の成績が対象となり、主要5教科は1倍、実技4教科は2倍で計算します。3年間オール5の満点であれば195点です。

対象となる学年 主要5教科 実技4教科 満点
中学1年生 1倍 2倍 65点
中学2年生 1倍 2倍 65点
中学3年生 1倍 2倍 65点

参照:令和6年度 宮城県公立高等学校 入試制度説明資料

【特色選抜】

特色選抜では計算方法が一律ではありません。主要5教科は0.25から2.0倍まで、実技4教科は0.5から4.0倍までの倍率を用いて、高校・学科・コースごとに定めたルールで算出します。

自分が住んでいる地域の内申点、その計算方法を確認しよう

では、自分の住んでいる地域の計算方法はどのように確認すればよいのでしょうか。

インターネットで「都道府県名 内申点 計算方法」のようなワードを検索すれば、各地域の入試制度の詳細を調べられます。

その際には都道府県教育委員会などの公的機関が公表している最新情報も必ずチェックするようにしましょう。

各学校や選抜方法でも計算方法が変わってくるケースもあるため、細かい部分にも注目してください。

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換算内申を活用して志望校合格を目指すには【東京都の場合】

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志望校の内申目安を知ろう(例:内申38以上など)

公立の志望校を決める際には、換算内申が目安の1つになります。塾で配られた資料やWeb記事などで、各学校のおおよその合格基準として、偏差値とともに換算内申が示された一覧表をご覧になった方もいらっしゃるでしょう。

都立高校の志望校を内申点から見つける方法(詳しくはこちらの記事を参照)は別記事でも解説していますが、ここでも大体どのくらいの換算内申で、どのくらいのレベルの都立高校に受かりやすいのか紹介します。

【換算内申57〜60】目指せ!上位校

通知表の評定でいうと4と5が半々くらいの成績です。十分に上位校も目指せる実力がありますが、ライバルもオール5に近い力があります。

併願受験する私立の難関校や独自問題を実施する高校の対策としてハイレベルな勉強をしている生徒も少なくありません。当日まで気を抜かず、頑張り続けることが肝心です。

【換算内申44〜48】中堅校を狙おう!

通知表の評定は3と4が半々ほどです。まずは中堅校を目標に設定してみましょう。

都立高校でも校風や部活動はさまざま、ぜひ行きたい!と思える学校を探してください。

注意したいのは、中堅校は高倍率になりがちな学校が多いことです。内申点を1つでも上げる努力を続けると有利になるだけではなく、併願優遇で出願できる私立高校も広がります。

【換算内申39未満】選択肢を広げるべく評定を上げよう!

通知表の評定は3だけでなく2もいくつかある状態です。都立高校も選択肢としてありますが、この成績では私立高校の併願優遇制度が活用しにくい成績といえます。そのため、都立高校ではなく、私立単願推薦を利用する人が多くみられます。

少しでも評定アップを心がけて、受験校の選択肢を増やしましょう。勉強の仕方がわからないというケースもあるため、次の定期試験に向けて学習計画を立てるところから見直してください。

内申アップのコツ(定期テスト・提出物・授業態度)

中学校生活の全体を総合的に評価するのが内申です。そのため内申アップを狙うなら、定期テストだけでなく提出物や授業への取り組みも改善しなくてはなりません。

【テスト】日々の予習復習で高得点を

内申にわかりやすく反映されるのがテストの点数です。定期テストはもちろんのこと、小テストの結果もあなどれません。特に小テストは日々の予習と復習がきちんとできていれば点数が取れるため、手を抜かずに取り組みましょう。

【提出物】期限を厳守し、自分なりの工夫を

提出期限を守ることが何より大切です。紛失したり期限を忘れたりしないように、しっかり管理しましょう。主体的に取り組めているかどうかも評価されるため、自分なりの工夫をして丁寧な仕上げを意識してください。

【授業態度】意欲的に取り組む姿勢が大切

意欲的な態度で授業に参加しましょう。積極的に授業に参加し、姿勢を正して先生と向き合い、グループワークでも自分の役割をしっかり果たすことが大切です。

当日点重視校では「逆転合格」も可能!

公立高校の入試では重視される内申ですが、私立高校では内申を考慮しない入試方式も一般的です。特に私立難関校が実施する一般入試の多くは、英数国3教科の学力検査です。

調査書の提出や中学校からの入試相談が必要ない入試方式を「オープン入試」といい、多くの場合は当日の学力検査のみで合否が決まります。公立高校やほかの私立高校との併願も自由です。

内申が低くても当日の実力次第で、学校の成績からは考えられなかった上位校の「逆転合格」もできます。ただし、推薦などの入試方式に比べて実質倍率が高く、合格の確証が得られにくい側面があります。過去問演習で試験内容や難易度を把握しておくなど、しっかり対策をした上で、万が一不合格であった場合の押さえ校をどうするかなども含めて検討をする必要があるでしょう。

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よくある質問(Q&A)

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通知表の内申と換算内申が違うのはなぜ?

各教科の評定を都道府県が定めた計算方法で得点化したのが、換算内申だからです。通知表の評定をそのまま足したものは素内申といいます。

公立高校の多くでは学力検査と併せて、学力を総合的に評価するために換算内申を使います。計算方法には、当日の学力検査にはない教科を2倍にするなどがあります。

1・2年の内申が悪くても巻き返せる?

地域によっては中学3年生のみが対象となる場合や、中学3年生の評価倍率が高くなっている地域があります。低いところから内申点を上げるには相応の努力が必要ですが、3年生時点から巻き返すことも可能です。

さらに当日の学力検査もあるので、中学1・2年生の成績が悪いからといって諦めず、試験当日まで前向きに努力することが肝心です。

換算内申が足りなくても合格は可能?

合格の目安とされる内申点に届いていなくても、当日の学力検査で高得点をとって合格を勝ち取る人もいます。入学後、「意外と低い内申点で合格した人が多くて驚いた」という話も聞きます。

とはいえ、当日点でフォローできる内申点の範囲を下回っていれば難しいでしょう。中学校や塾の講師に志望校を伝え、アドバイスをもらいましょう。

模試の偏差値と内申はどう関係する?

現在、通知表の評定は「絶対評価」でつけられています。各教科の目標に対してどれだけ実現できたかが基準であるため、集団内での順位は考慮されていません。

そのため通知表がオール3、素内申が27であったとしても、偏差値が50だということにはなりません。生徒全体の中で各評定の割合が決められていたかつての「相対評価」だった頃よりも評定が高くなる傾向にあり、模試を受けると、学校の成績から考えていた偏差値より下ということが多々あります。

志望校を決めるときには模試を受けて、偏差値でみた自分の実力も知っておくといいでしょう。

換算内申はどの学年の成績が使われますか?

地域や高校の制度によって異なりますが、東京都では中学3年生の成績のみを使うのが一般的です。一方、神奈川県では2・3年生、千葉県や宮城県では1年生から3年生までの成績が対象になる場合もあります。受験する地域の最新情報を必ず確認しましょう。

推薦入試でも換算内申は見られますか?

推薦入試でも換算内申は重視されます。特に公立高校の推薦では、学力検査がない代わりに調査書や面接、小論文などで生徒の人物像を総合的に判断する側面が強いため、換算内申の比重が高くなる傾向があります。内申点を意識した日頃の取り組みが大切です。

まとめ|換算内申を理解して受験を有利に進めよう

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まずは自分の内申を知る

お住まいの地域や志望校によって、換算内申の計算方法が異なることをお伝えしてきました。まずは、自分がどの方式で評価されるかを調べて、、自分の内申を計算してみましょう。

計算に使用するのは、各学年の最後に渡される「通知表」の評定です。中学1・2年生の評定は学年最後の学期に記載されたものが学年全体の評定になるからです。

中学3年生の評定は、学年末まで対象にすると、当然、入試に間に合いません。そのため3学期制なら2学期まで、2学期制なら後期の中間テストの成績までを対象とするのが一般的です。

合否の傾向や志望校の方針にあわせた対策を!

志望校について、合格内申の目安はどのくらいか、当日の学力検査との配分はどのくらいかを調べましょう。自分の内申や模試結果と比べ、いざ、合格に向けて計画を立てます。

「当日点は達成できそうでも内申点がかなり低い」などの場合は、早めに内申アップの努力をしましょう。例えば実技教科が2倍になる地域だったら、美術3を4にすれば換算内申は2点も上がります。

また、都立の難関校では、各学校が独自に作成した問題を使って当日の学力検査を実施します。共通問題よりも難易度が高く、内申が足りていても、独自作成問題の対策を怠ると合格が困難となるでしょう。

志望校の入試制度を早めに理解し、学習計画を練ることが合格への近道です。

地域ごとの制度に合わせた戦略がカギ

換算内申の計算方法は地域によって異なるため、早めに把握することで内申アップの計画が立てやすくなります。何年生の評定が対象となるのか、教科によって加重はあるのかなどを知ることで、学習の優先度が明確になるでしょう。

また、公立高校と一口にいっても、地域や高校によって特色のある入試方式や選抜枠が設定されています。自分に有利な制度が利用できるように、アンテナを張っておきましょう。

地域の制度に合わせた戦略が立てられるかどうかが、合否を分けることもありますから、しっかり取り組んでください。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

大山雅司
ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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