指定校推薦はいつ決まる?推薦枠発表から合格通知までの全スケジュールとやることリスト

「指定校推薦を狙っているけど、いつ合格が決まるの?」「スケジュールがよく分からず不安……」と感じている受験生や保護者の方は多いのではないでしょうか。
一般的な指定校推薦の流れは、以下のようになっています。
- 6月~7月頃:高校内で推薦枠が発表される
- 7月~9月頃:校内選考で推薦候補者が決定
- 9月下旬~11月上旬:大学への出願手続き
- 11月下旬~12月頃:大学から合否通知が届く
この記事では、指定校推薦の全体スケジュールをわかりやすく解説しながら、「いつ、何をすべきか」をまとめて紹介しています。志望校合格に向けた準備を効率よく進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

編集部
塾選ジャーナル編集部
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指定校推薦はいつ決まる?基本スケジュールをまず確認!
指定校推薦を目指すなら、「いつ何が行われるのか」を正しく理解しておくことが重要です。受験の準備や心構えも、スケジュールを知っているかどうかで大きく変わってきます。
ここでは、一般的な高校のスケジュールに基づいた、指定校推薦の基本的な流れを時系列で解説します。
高校内の推薦枠発表:6月~7月が一般的
多くの高校では、6月から7月ごろに、各大学から届いた指定校推薦枠(大学名・学部・学科・募集人数など)が発表されます。
この時点で、生徒は「どの大学・学部に指定校推薦で出願できるか」の選択肢を知ることになります。ただし、発表時期や方法は高校によって異なるため、必ず担任の先生や進路指導の先生に確認するようにしましょう。
発表時には以下のような情報が示されます。
- 指定校推薦枠がある大学・学部の一覧
- 各大学の募集人数(1〜数名が多い)
- 評定平均などの出願条件
- 校内選考のスケジュールや審査基準
- 提出書類や面接の有無
この段階から本格的な準備がスタートしますので、6月〜7月は「志望校を具体化し、選抜に向けて動き始める時期」と意識しておきましょう。
なぜこの時期に推薦枠が発表されるかというと、春〜初夏にかけて各大学から高校に推薦枠の通知が届き、それをもとに高校側が内容を精査・調整したうえで、生徒に向けて正式に公開するという流れになっているためです。
校内選考の時期:7月~9月に実施されることが多い
指定校推薦の最大の関門ともいえる「校内選考」は、高校3年生の夏休み前後(7月〜9月)にかけて実施されるのが一般的です。学校によって多少の違いはありますが、1学期の期末テスト終了後から夏休み明けのタイミングで行われるケースが多く見られます。
この校内選考では、以下のような評価項目が重視されます。
- 評定平均(内申点):過去3年間の成績が対象。
- 出席日数・生活態度:欠席や遅刻が少なく、真面目な生活を送っているか。
- 部活動・委員会・ボランティア等の活動実績
- 志望理由書の内容や、校内面接での受け答え
多くの高校では、6月〜7月に選考の詳細(希望調査の提出期限や面談日程など)が発表されます。選考時期を見逃さず、担任の先生や進路指導の先生の話をよく聞くことが重要です。
校内選考の詳しい内容や対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
大学への出願:9月下旬~11月上旬が目安
校内選考を通過すると、いよいよ大学への正式な出願が始まります。出願の時期は9月下旬~11月上旬が一般的なスケジュールです。ただし、大学や学部ごとにスケジュールは異なるため、必ず各大学の募集要項で出願期間を確認しましょう。
多くの大学では、以下のような選考方法が行われます。
- 面接:志望理由や入学後の目標を問われるケースが一般的です。
- 小論文:社会問題や志望分野に関するテーマが多く、論理的な思考力が問われます。
- 口頭試問・プレゼンテーション:一部の大学・学部では、より専門性の高い評価形式が導入されることもあります。
指定校推薦は校内選考を通過すればほぼ合格が確実な制度です。ただし、「絶対に落ちない」とは限りません。提出書類の完成度が低い場合や面接態度が不誠実差に欠ける場合は、不合格になる可能性もあります。
十分な準備と誠実な対応を心がけ、安心して本番に臨みましょう。
指定校推薦と不合格の関係については、以下の記事で詳しく解説しています。
合格通知が届く:11月下旬~12月が主流
指定校推薦の合格通知が届く時期は、一般的に11月下旬から12月中旬にかけてです。多くの大学ではこの時期に選考を行い、出願者に合否を通知します。
ただし、大学ごとに発表日や通知方法は異なるため、必ず募集要項や大学からの案内で最新情報を確認しましょう。
合格発表の方法には、以下のようなものがあります。
- 大学の公式サイトで合否を確認
- 高校を通じて書面で通知 など
合格通知を受け取ったら、速やかに入学手続きを行うことが必要です。入学金の納付や必要書類の提出など、期限が決まっている場合が多いため、見落としや遅れがないように注意してください。
入学手続きの流れや期限も、大学の募集要項に記載されていますので、合格発表とあわせて早めに確認しておくと安心です。
指定校推薦が決まるまでにやるべきことリスト
ここでは、指定校推薦で合格を目指す高校生が、時期ごとに「何を」準備しておくべきかを具体的に解説します。
指定校を狙うならそもそもいつから準備を始めるべき?
指定校推薦で合格を勝ち取るためには、できるだけ早い段階からの準備がカギです。
特に重要なのが「評定平均(内申点)」で、高校1年生から高校3年生1学期までの成績が対象になるため、「高3になってから頑張ろう」では間に合いません。
そのため、高校1年のスタート時点から定期テストに真剣に取り組み、提出物をきちんと出す、授業態度を良く保つことが非常に重要です。
また、学校行事や部活動、生徒会などに積極的に関わることも、校内選考での評価ポイントになります。「まだ1年生だから」と油断せず、進路を意識した高校生活を送ることが、指定校推薦合格への第一歩です。
高2までに指定校推薦を受けるかどうかの方向性を決めておく
指定校推薦を視野に入れているなら、高校2年生のうちに進路の方向性を明確にしておくことが重要です。
特におすすめなのは、高校2年生の冬までに「指定校推薦を受けるかどうか」を決断しておくこと。
というのも、校内選考や出願の準備は高3の1学期〜夏に本格化するため、それ以前に必要な情報収集と対策が求められるからです。
高2までにやっておきたいこととして、以下の対策が挙げられます。
- 志望校の選定(どの大学・学部を目指すか)
- 推薦入試の有無や出願条件を調べる
- 自分の高校がどの大学の指定校になっているかを確認
- 評定平均が条件を満たしているかチェック
- 担任や進路指導の先生と定期的に相談
この時期から具体的な進路を意識して行動することで、校内選考に向けた対策や出願準備もスムーズに進められます。
「気づいたら間に合わなかった」とならないように、高2のうちに指定校推薦の方向性を固めておくことが、合格への近道になります。
【高3の4月~6月】評定平均を確保!選考を勝ち抜くための基礎固め期間
高校3年生の4月〜6月は、指定校推薦の校内選考に直結する「評定平均」を確定させる最後の重要期間です。
繰り返しになりますが、指定校推薦では、多くの大学が「評定平均◯.◯以上」という出願条件を設けており、この数値が出願資格の可否を左右します。
そのため、3年1学期の定期テストや提出物は、これまで以上に丁寧かつ計画的に取り組むことが不可欠です。
- 定期テストで確実に点を取る
- 提出物を期限通りに出す
- 授業態度も手を抜かず、先生からの評価を意識
- 苦手科目の底上げに注力して「バランスの良い成績」を意識
以上のポイントを意識して、最後まで高いモチベーションで学習に取り組みましょう。
【高3の6月~7月】希望進路の明確化と情報収集をスタート
高校3年生の6月~7月は、志望大学・学部を具体的に絞り込み、進路を最終決定する大切なタイミングです。
この時期に各高校で「指定校推薦枠」が公開されるため、自分の通う学校にどの大学・学部の推薦枠があるのかを確認しましょう。
また、指定校推薦の希望者が複数いた場合は校内選考での競争が発生するため、ライバルの存在や評定の状況など、周囲の動向にも注意が必要です。担任や進路指導の先生との面談で、他の生徒の希望校が重なっていないか、さりげなく情報を得ておくのも一つの手です。
【高3の7月~9月】校内選考を突破する
高校3年生の7月〜9月は、いよいよ指定校推薦の「校内選考」が本格的に実施される重要な時期です。
ここまでに積み重ねてきた評定平均、出席状況、部活動や生徒会での活動実績、生活態度など、すべての評価が総合的に判断されて候補者が決定されます。
学校によっては、面接、小論文の提出、志望理由書の作成などを求められる場合があります。
たとえ志望者が自分1人であっても、内容が不十分であれば落選することもあるため、油断は禁物です。これまでの努力を自信に変え、しっかりと自己アピールできるよう準備を整えましょう。
【高3の9月~10月】面接・提出書類の精度を上げる
校内選考を無事に通過した後は、いよいよ大学への出願手続きと本番の選考対策に入る段階です。指定校推薦の多くでは、面接や志望理由書・調査書・活動報告書などの書類提出が求められます。
この時期は、以下のような準備を丁寧に行うことが重要です。
面接対策
- 志望理由・高校生活で頑張ったこと・将来のビジョンなどを整理し、言語化しておく
- 模擬面接を繰り返し、回答の内容だけでなく、話し方・表情・マナーも確認する
- 緊張に慣れるため、先生や家族など第三者に面接官役を依頼すると効果的
書類対策
- 志望理由書や自己PR文は、何度も書き直してブラッシュアップする
- 書いた内容が一貫していて、具体性があるかを確認
- 担任の先生や進路指導の先生に添削を依頼して客観的なアドバイスをもらう
指定校推薦では、学力試験が課されないケースが多いため、面接や提出書類のクオリティが選考の合否を左右します。
だからこそ、志望理由書や自己PR文は「この内容なら自分をしっかり伝えられる」と納得できるレベルまで磨き上げることが大切です。
【高3の11月以降】大学側の選考に備えた心構えと準備
11月以降は、指定校推薦における大学側の選考が本格化する時期です。多くの大学では、書類審査や面接、小論文などを通して、出願者の人間性や学習意欲、志望理由の妥当性などを総合的に評価します。
この段階で必要なのは、「ここまで頑張ってきた成果をきちんと伝える準備」と「本番で落ち着いて臨むための心構え」です。
書類の記述内容と面接での発言に一貫性があるかどうかは、選考の重要なポイントになります。志望理由書・自己PR・調査書の内容をあらためて読み返し、面接練習などを通じて、堂々と自分の思いを伝えられるようにしておきましょう。
また、最後まで油断せず、誠実な姿勢で準備を整えることが、合格への確かな一歩となります。
指定校推薦と「いつ決まるか」について気になる質問(FAQ)
ここでは、指定校推薦と「いつ合格が決まるのか」の関係について気になる質問を解説します。
指定校推薦の結果はどのように通知されますか?
指定校推薦の校内選考に合格した場合、その通知方法は高校によって異なりますが、いずれもプライバシーに十分配慮された形式で行われるのが一般的です。
多くの学校では、選考結果が入った封筒を担任の先生から直接手渡されるか、進路指導の先生との個別面談の場で伝えられることが多くなっています。
一方、大学側による本選考の合否通知については、次のいずれかの方法で知らされることが一般的です。
- 大学の公式サイトでの発表
- 高校を通じての書面による通知 など
いずれの段階でも、通知方法や時期は高校・大学によって異なるため、事前に高校の進路指導の先生に確認しておくことが大切です。通知の形式を正しく理解しておくことで、心構えや手続きの準備にも余裕が生まれます。
指定校推薦は必ず受かりますか?落ちる例はありますか?
指定校推薦は、大学と高校の間で築かれた強固な信頼関係に基づく入試制度です。大学は毎年、信頼できる高校に推薦枠(指定校枠)を提供し、高校側はその枠にふさわしい生徒を校内選考によって厳選します。
このように、大学側の出願基準をクリアし、なおかつ校内での評価を受けた生徒だけが出願を許されるため、実際の合格率は非常に高いといわれています。
しかし、それでも不合格になるケースがまったくないわけではありません。以下のような状況では、指定校推薦でも落ちてしまう可能性があります。
- 医学・看護・芸術系の学部に挑戦する
- 高校を留年してしまう
- 試験当日の遅刻・欠席 など
このように、制度上は高い合格率を誇っていても、「指定校推薦だから絶対に安心」と油断するのは禁物です。推薦されたからこそ、万全の準備と誠意ある態度が求められるのが指定校推薦だといえるでしょう。
指定校推薦で落ちるケースについては、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
指定校推薦で選ばれる人はどんな人ですか?
指定校推薦に向いている人とは、単に成績が良いだけでなく、日頃の学校生活や人間関係においても安定した信頼を得ている人です。以下のような特徴に当てはまる生徒は、指定校推薦を受けるチャンスが高まります。
- 高1から高い評定平均をキープしている
- 欠席日数や授業態度など生活態度が良い
- 部活動や課外活動で実績がある
- 英検®など資格を持っている
- 先生とコミュニケーションが取れている
指定校推薦で必要になる大学別評定平均の一覧はありますか?
「自分の志望校に指定校推薦で出願したいけれど、どれくらいの評定平均が必要なの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、指定校推薦で必要とされる評定平均は、高校ごとに大学から指定されているため、全国共通の一覧は存在しません。同じ大学でも、高校ごとに異なる評定基準が設定されているのが一般的です。
ただし、全国的な傾向として、下記のような評定平均が一つの目安とされています。
大学群 | 推奨される評定平均の目安 |
---|---|
早慶 | 4.2以上 |
MARCH | 4.0以上 |
関関同立 | 4.0以上 |
あくまで目安ではありますが、評定平均4.0以上を目指しておくと、多くの私立大学の指定校推薦において選考対象となる可能性が広がります。
指定校推薦のデメリットはありますか?
指定校推薦のデメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
- 校内選考を突破するのが難しい
- 指定校推薦枠がなければ受験できない
- 専願のため、他大学を受験できない
- 入学後の学習に苦労するおそれがある
- 国公立大学は基本的に受験できない
- 人間関係・評判に影響することもある
しかし、指定校推薦にはデメリットだけでなく、メリットもあります。
- ほかの推薦入試よりも合格率が高い
- 自分の学力より高いレベルの大学に合格するチャンス
- 合否の発表時期が早い
- 受験費用を抑えられる
指定校推薦を受験するときは、自分の性格や進路、学習スタイルに合っているかどうかを見極めることが大切です。しっかりと情報収集をし、納得できる選択をしましょう。
指定校推薦のデメリットについては、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
指定校推薦で推薦をもらうにはどうすればよいですか?
指定校推薦で推薦をもらうには、校内選考を突破するための準備と、日々の積み重ねが不可欠です。以下の6つのポイントを意識して、早期から取り組むことが合格への近道になります。
- 定期テストに取り組んで評定平均を上げておく
- 遅刻と欠席回数を減らす
- 副教科・課外活動に全力で取り組む
- クラスメイトや先生とコミュニケーションをとる
- 外部の資格試験を取得する
- 面接や小論文対策をする
指定校推薦では、塾に通った方がよいですか?
指定校推薦での合格を目指すうえで、塾を活用することは非常に有効な選択肢となります。特に以下のようなケースでは、塾のサポートが大きな効果を発揮します。
- 定期テスト対策
- 小論文や面接対策
まず、評定平均アップのための定期テスト対策です。指定校推薦では、高1〜高3の成績が大きく影響します。定期テストの点数が内申点(評定平均)に直結するため、学校の進度に合わせたテスト対策を行ってくれる塾に通うことで、安定して高成績を維持しやすくなります。
次に、小論文や面接対策です。指定校推薦では、大学ごとに異なる小論文課題や面接試験が課されることが多く、論理構成・表現力・話し方などをプロの目で添削・指導してもらえる点は大きなメリットです。自分では気づきにくい文章のクセや曖昧な表現も、第三者からのフィードバックで改善しやすくなります。
ただし、すべての受験生が必ずしも塾に通う必要があるわけではありません。学校の先生に質問しやすく、添削や面接練習のサポートが受けられる環境であれば、塾に頼らずとも十分な対策は可能です。
大切なのは、「どこが不安か」「どこを強化したいか」を客観的に把握し、それを補う手段として塾をうまく活用すること。
定期テスト対策・小論文添削・面接練習・志望理由書の指導など、自分にとって必要なサポートを見極めて、最適な準備環境を整えることが、指定校推薦合格への近道です。
おすすめの塾については、以下の記事をご覧ください。
まとめ|指定校推薦は「時期」に敏感になろう!
指定校推薦は、校内選考から大学側の選考まで明確なスケジュールに沿って進んでいきます。そのため、他の受験方式と比べて「いつ・何をすべきか」がはっきりしている反面、チャンスを逃さないためには、時期に対する意識が非常に重要です。
- 高1〜高2の評定平均の積み上げ期:ここで成績が決まります。油断せずコツコツ対策を。
- 高3春〜夏の校内選考期:担任や進路指導の先生と積極的に連携をとりましょう。
- 秋〜冬の出願・合格通知期:書類・面接の仕上げと、合格後の手続き準備を忘れずに。
「気づいたときにはもう遅い……」とならないように、早めの準備と計画的な行動で、指定校推薦合格を勝ち取りましょう。
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