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高校志望理由書の例文と書き方|準備から伝わるコツまで現役塾講師が徹底解説

更新日:
高校受験
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「高校の志望理由書って、なにを書けばいいの?」
中学生や保護者の方から、毎年このような声をよく耳にします。

高校の志望理由書は、特に推薦入試において、合否を左右する大事な書類のひとつ。でも、実際に書こうとすると、「どんな構成で書けばいいのか」「具体的な例文が見つからない」「最後の締めがわからない」など、悩むポイントは沢山ありますよね。

そこで本記事では、高校受験のプロである大山先生に志望理由書の基本構成から書き方のコツ、よくあるNG表現の改善例までを分かりやすく解説いただきました。この1記事で、「伝わる志望理由書」の書き方がすべてわかります。

すぐに使えるタイプ別の例文や、よくある疑問へのQ&Aも用意しましたので、ぜひ参考にしてください。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

大山雅司

監修者

大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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目次

高校志望理由書の例文4選│志望タイプ別

高校志望理由書の例文4選_志望タイプ別

志望理由書は、自分の目的や興味関心に合った高校を「なぜ選んだのか」を伝える書類です。

しかし、どのような観点で理由を書くかは人それぞれ。進学重視なのか、部活動を極めたいのか、あるいは学校の校風や特色に惹かれたのか─自分の志望スタイルに合った切り口で書くことが、説得力ある内容につながります。

それでは早速、志望タイプごとの具体的な例文を紹介します。これらの例文を参考にしながら、「あなたらしさ」を盛り込むヒントとしてぜひ活用してください。

※文字数は学校によって異なります。文字数オーバーをしない、かつ、指定文字数の8割以上は書くようにしましょう。

進学校志望タイプ

私が貴校を志望したのは、進学実績と学習環境に魅力を感じたからです。中学生の頃から医療系の大学進学を目指しており、特に貴校の「医療系キャリアガイダンス」に関心を持ちました。学びに意欲的な仲間と切磋琢磨しながら、将来の夢である医療従事者を目指して努力していきたいと考えています。

進学校志望の場合、「進学意欲の高さ」と「学校の学習環境への具体的な関心」を伝えることが大切。この例文では、「医療系キャリアガイダンス」といった学校の特色を具体的に挙げ、将来の進路との関連性をしっかり示しています。目標と学びの場を結びつけることで説得力が高まっています。

部活動重視タイプ(例:吹奏楽部)

私は中学校で吹奏楽部に所属しており、貴校の吹奏楽部の演奏に感動して志望を決めました。演奏会や大会での実績に惹かれ、自分もその一員として音楽に全力で取り組みたいと感じています。学業との両立を目指し、技術だけでなく協調性や責任感も高めていきたいです。

部活動を志望理由にする際は、「その活動にかける熱意」と「なぜその高校でなければならないのか」を明確にすることがポイントです。この例文では、実際の演奏に感動したという“きっかけ”と、部活動だけでなく、学業への取り組みや人間的な成長にも意識が向いており、学校生活全体への積極的な姿勢が伝わる内容になっています。

自由な校風・探究型の学校を志望タイプ

貴校の自由な校風と「総合的な探究の時間」に重きを置く教育方針に、強く惹かれました。私は中学校で地域課題をテーマに探究学習に取り組み、発表や調査を通じて主体的に学ぶ楽しさを知りました。高校でも、地域課題の解決について、さらに深く学びたいと考えています。

「自由な校風」や「探究学習」に興味を持つ場合は、自分の学び方のスタイルと学校の特色が合っていることを示すのがポイントです。この例文では、過去の体験を交えて「探究心」を具体的に表現しており、学校の教育方針との相性が伝わりやすくなっています。

専門学科(商業・福祉・情報)志望タイプ

私は将来、地域の福祉に関わる仕事に就きたいと考えており、貴校の福祉科を志望しました。中学の職場体験で福祉施設を訪問し、人と深く関わる仕事の大切さを知りました。高校では専門知識や実践的なスキルをしっかりと身につけ、将来の夢を実現したいです。

専門学科への志望理由は、「将来の職業意識」と「高校での学びの必要性」を結びつけて書くのが効果的。この例文では、中学時代の職場体験が動機となり、福祉科での学びが夢の実現にどうつながるかを丁寧に表現しています。

高校側は志望理由書のどこを見ている?

高校側が志望理由書で重視するポイント

高校側が志望理由書で重視するのは、その生徒が本当にこの学校で学びたいと思っているかどうか、そして学校の方針や特色としっかり合っているかどうか(高校とのマッチ度)です。

そのため、志望理由書では、単に「○○高校に行きたい」と書くだけでは不十分。どのようなきっかけで興味を持ったのか、どのような部分に魅力を感じたのか、そしてその学校で何を学び、どう成長したいのかまでが具体的に書かれていることで、「この生徒は本校に合っている」と判断されます。

また、入学後の意欲や将来像がイメージできるかも重要なポイント。高校側は、志望理由書を通じて「この生徒は学校の教育環境を活かしてくれそうか」「入学後も意欲的に取り組んでくれそうか」を見極めようとしています。

つまり、具体性・一貫性・熱意の3つを意識して書くことが、評価される志望理由書のカギになります。

なぜ高校受験で「志望動機」が重要なの?

高校受験で「志望動機」が重要視されるのは、単に学力だけでは測れない生徒の意欲や適性を見極めるため。学校側は、なぜその高校を選んだのか、どのような目標を持っているのかを通して、生徒の価値観や将来へのビジョンを知りたいと考えています。

明確な志望動機を持つ生徒は、自分の進路に対して主体的であり、入学後も積極的に学び、学校生活にも意欲的に取り組む姿勢が期待されます。自分の経験や将来像と学校の特色を結び付けて、説得力のある志望動機を伝えることが、高校面接のカギとなります。

高校が重視している具体的なポイント

ここまで説明した内容をまとめると、本当にこの学校で学びたいと思っているかどうか、そして学校の方針や特色としっかり合っているかどうか(高校とのマッチ度)を見極めるために高校が重視する具体的なポイントは以下です。

高校が重視している具体的なポイント

  • どのようなきっかけで興味を持ったのか
  • どのような部分に魅力を感じたのか
  • 学校で何を学び、どのように成長したいのか
  • 内容が具体的で入学後の意欲や将来像がイメージできるか

高校の志望理由書を書き始める前にすべき準備

高校志望理由書を書き始める前にすべき準備

いきなり志望理由書を書き始めて、手が止まってしまった…という中学生も少なくありません。実は、書き出す前の準備こそが、スムーズに内容をまとめる鍵になります。

志望理由書を書き始める前にやっておきたい、3つの準備を紹介します。

高校の情報を調べる、自分の気持ちや将来の希望を整理する、そして学校の方針と自分の想いをすり合わせる―。これらの準備を丁寧に行うことで、「伝わる志望理由書」にグッと近づけます。

① パンフレット・学校説明会での情報収集

まずは、その高校についての基本情報をしっかり集めましょう。

学校のパンフレットやホームページを見るだけでなく、実際に学校説明会などに参加してみることで、雰囲気や先生・生徒の様子、教育方針などがリアルに伝わってきます。

「なぜこの高校なのか」を説明するには、具体的な印象や気づきを書くことが非常に効果的です。

② 自己分析と将来像の明確化

「どんな高校生活を送りたいか」「高校で何を学びたいか」「将来どんな人間になりたいか」など、自分の考えや希望を整理しておくことも大切です。

明確な将来の夢がなくてもかまいません。部活動や好きな教科、関心のある分野など、今の時点での“興味”や“頑張りたいこと”を見つめ直すだけでも、十分に志望理由につながります。

③ 学校ごとの方針を理解する

高校によって、「自主性を重んじる」「学力重視」「探究型」「地域貢献に力を入れている」など、教育方針や求める人物像が異なります。

自分の考え方や将来像が、その学校の方針とどこで重なるのかを意識することで、「この生徒にぜひ来てほしい」と思ってもらえるようなピンポイントな志望理由が書けるようになります。

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高校志望理由書の基本構成と書き方のポイント

高校志望理由書の基本構成と書き方のポイント

志望理由書であなたの熱意を伝えるためには、思いついたことをただ書き連ねるのではなく、読み手に伝わる“型”を押さえることが重要。どれだけ熱意があっても、構成がバラバラだったり、話の筋道が見えにくかったりすると、せっかくの内容も伝わりません。

この章では、志望理由書に共通する基本的な構成の流れと、それぞれのパートで何を書くべきか・どう書けば伝わるかを、現役塾講師の視点からわかりやすく解説。併せて、やってしまいがちなNG表現や、印象的な「締めの一文」のコツも紹介します。

基本構成のポイント|読み手に伝わる“型”を知ろう

①導入→②志望動機→③学校選びの理由→④将来展望

基本的な構成│読み手に伝わる「型」

  • ① 自己紹介やきっかけ(導入)
  • ② 志望動機(なぜこの高校か)
  • ③ 学校の特色と自分との接点
  • ④ 入学後の目標や将来の夢

この流れで書くことで、読み手に論理的で説得力のある印象を与えることができます。

書き方のポイント|印象に残る志望理由書を作るには

志望理由書は、「思い」を伝えると同時に、論理的で読みやすい文章であることも求められます。以下の点を意識することで、説得力があり印象に残る志望理由書になります。

ポイント① 文の構造を正しく保つ

例:「私の将来の夢は、貴校で学びたいです」

この文では「夢は〜です」と言いたいのに、述語が動作表現になっており不自然です。正しくは「私の将来の夢は、貴校で学び、○○の分野で活躍することです」など、“名詞句”で終えると自然な文になります。

ポイント② 具体性を意識する

「すごいと思いました」などの抽象表現は避け、どこに魅力を感じたのか、どう活かしたいのかを明記しましょう。

ポイント③ 自分の経験と高校の特色をつなげる

たとえば「中学で地域清掃に取り組んだ経験」→「貴校のボランティア活動に関心を持った」など、あなたの経験と高校との具体的な接点を盛り込みましょう。

ポイント④ 一文を長くしすぎない

一文に内容を詰め込みすぎると読みづらくなります。1文は60〜80字以内を目安に、句点(。)でしっかり区切ることが大切です。

ポイント⑤ 「私は」「貴校では」など主語を明示する

文の主語は明確にするよう意識しましょう。たとえば「私は〜したい」「貴校では〜に参加したい」といった書き方は、誰が何をしたいのかがはっきり伝わります。

ありがちなNG表現とその改善例

志望理由書でやりがちなのが、「よくある言い回し」や「浅い理由」に頼ってしまうこと。ここでは、よく見られるNG表現と、その背景にある問題点、そしてどう書けば良いかを具体例とともに紹介します。

NG①:「家から近いから志望しました」

なぜNG?
通学の利便性だけでは、その学校でなければならない理由になりません。どんな高校でも“近い”という理由は使えてしまい、志望の熱意が伝わりません。

改善例:
「貴校は自宅から通いやすいだけでなく、○○という学びの特色があり、私の興味関心に合っていると感じました。」

NG②:「なんとなく雰囲気が良さそうだったから」

なぜNG?
抽象的すぎて、何を見てそう感じたのかも伝わりませんよね。根拠のない印象論は、評価者が読んだときに、信頼性に欠けてしまうでしょう。

改善例:
「オープンスクールで先輩方が楽しそうに授業や部活動に取り組んでいる姿を見て、私もこの環境で前向きに学びたいと感じました。」

NG③:「部活が強いから入りたいです」

なぜNG?
単に“強い”ことに惹かれただけでは、受け身な印象になります。自分がどんな姿勢でその部活動に取り組みたいかまでを書くのがポイントです。

改善例:
「中学では3年間野球部に所属し、より高いレベルで努力を重ねたいと考えるようになりました。そのため貴校の野球部の指導方針や練習環境に惹かれています。入学後は部活動を通じて、技術面・精神面の成長を目指したいです。」

NG④:「将来の夢はまだ決まっていません」

なぜNG?
進路が未定なのは自然なことですが、何も考えていないという印象を与えてしまうとマイナスです。将来の夢が決まっていなくても、現時点で「興味関心がある分野」や「やってみたいこと」を伝えましょう。

改善例:
「私は教育分野に興味があり、将来は人と関わる仕事に就きたいと考えてます。高校では探究学習を通じて、自分の関心を深めていきたいと考えています。」

NG⑤:「貴校の全てに惹かれました」

なぜNG?
漠然と「全部良い」と書くと、調べていない印象になります。特に惹かれた点を1〜2つに絞って、あなたとのつながりが分かるようにしましょう。

改善例:
「中学生の頃からプレゼンが好きで、人前で伝える力を磨きたいと思ってきました。貴校の総合学習では発表の機会が多く、自分の力を伸ばせると感じました。」

最後の一文の効果的な締め方

志望理由書の最後は、全体の印象を決める重要なパートです。

単に「以上です」で終わらせず、志望校での学びを通じて、どのように成長したいのか、将来にどうつなげたいのかを明確にすることで、前向きな意欲が伝わります。

具体的には、「高校生活を通じて何を得たいか」「どのような人間になりたいか」を簡潔に述べると、読み手の記憶に残りやすい文章になります。

例文:
「貴校での3年間を通じて、学力だけでなく人間性も高め、社会に貢献できる人間に成長したいと考えています。」

このように、「学び+成長+将来像」を含んだ締めの言葉は、あなたの熱意と将来性を同時に伝える効果的なまとめ方といえるでしょう。

大山先生

推薦入試の面接では志望理由書をもとに質問されることも多いです。
そのため、自分の志望理由書を読みながら、どのような質問がきそうか考えてみると、面接での質問対策にもなります。「誇張はいいが嘘はつかないようにする」というのも面接を想定した場合は重要です。

完成後は添削でブラッシュアップしよう

どんなに気持ちを込めて書いた志望理由書でも、読み手にきちんと伝わるかどうかは別の話です。書き終えたら、自分の目だけで完結させず、必ず誰かに見てもらうことをおすすめします。

第三者の視点が入ることで、以下のような点を改善できます。

・文章に一貫性があるか(話が飛んでいないか)

・表現がわかりやすく、丁寧になっているか

・誤字脱字や言葉の使い方にミスがないか

・志望校の特徴に合った内容になっているかどうか

まずは、学校の先生や保護者など、身近な大人に見てもらうのが良いでしょう。可能であれば、通っている塾の先生などにチェックしてもらうと、より実践的なアドバイスが得られます。

高校志望理由書についてのよくある質問(FAQ)

高校志望理由書についてのよくある質問

Q1. 志望理由書はどのくらいの文字数が適切ですか?

A. 学校にもよりますが、一般的には300〜600字程度が多いです。文字数の指定がない場合でも、内容が薄くならないように「なぜその高校を選んだのか」「入学後にどう過ごしたいか」を中心に、具体的に書くことが大切です。

Q2. 志望理由書に「部活動の実績」や「賞歴」は書いたほうがいいですか?

A. はい、志望理由に関係する場合は有効です。たとえば「吹奏楽部の地区予選で入賞を果たしました。」など、具体的な実績や熱意が伝わる内容であれば積極的に入れましょう。ただし、自分の高校入学後につながるように述べるようにすることが理想的です。

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まとめ|合格を引き寄せる志望理由書のコツは、“自分の言葉”で書くこと

例文や構成を参考にしながらも、もっとも大切なのは「自分の言葉」で書くことです。例文を参考にしながら、自分の体験や将来のビジョンと向き合って文章を組み立てましょう。それが、合格に一歩近づく志望理由書につながります。

あなたの体験・気づき・将来像を結びつけたあなただけのストーリーだからこそ、面接官の心に残ります。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

大山雅司
ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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