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高校受験の志望校の決め方を実態調査|6割が中3からと判明

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高校受験
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高校受験が近づくと、「うちの子に合った学校はどこだろう」「いつまでに志望校を決めればよいのか」と悩む保護者は少なくありません。子どもにとっては成長の節目であり、保護者にとっても進路選択という大きな決断の場面だからこそ、不安や迷いを抱くのは自然なことです。

今回、塾選ジャーナルが1都3県の保護者を対象に調査したところ、6割の生徒が「志望校を決めたのは中3から」という実態がわかりました。

本記事では、この調査結果と先輩保護者の声をもとに、志望校の決め方や受験校の組み合わせ方の傾向を紹介し、後悔しない進路選択のヒントを探っていきます。

※本記事での調査は1都3県の保護者を対象としています。他地域の高校受験状況とは異なる場合がございますのでご了承ください。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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目次

志望校の決め手1位は「学校の雰囲気・校風」

高校受験において志望校を決める際に重視したポイントをアンケートの結果からランキングにしました。結果、多くの家庭が最も重視するのは「学校の雰囲気や校風」(60.2%)でした。次いで「通学時間・立地」(56.1%)、「子どもの学力」(53.1%)と続きます。

これは、偏差値や進学実績だけでなく、3年間を過ごす環境として“子どもに合うか”を重視する傾向を示しています。

高校志望校の重視ポイントアンケート結果

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

ここからは、上位3つのポイントについて、なぜ重要視されるのか、保護者や生徒の声を交えて見ていきます。

1位:「学校の雰囲気や校風」志望校選びの最重要ポイントである理由

高校生活を充実させるためには、子どもに合った雰囲気や文化が欠かせません。実際に保護者のコメントからは、校風を重視する理由として大きく2つが挙げられました。

理由①:子どもが楽しく、のびのびと過ごせる環境を求めたから

子どもが毎日を楽しく、充実して過ごせるかどうかは、学力だけでは計れません。そのため、保護者は子どもの性格や価値観に合う環境を探しています。子どもが毎日を笑顔で過ごせるかどうかを第一に考える保護者が多く、校風がその判断材料となっているようです。

「やはり学校の雰囲気や校風が子どもにあっているかどうかということは、楽しい高校生活を送る上で重要だと感じたからです。(神奈川県 高2女子 保護者)」
「校舎や校庭の雰囲気がとても明るく開放的でした。口コミサイトでもいじめが無く、全体的に地味ですが平和な校風という評価が多かったので親子ともに安心できました。(神奈川県 大学生女子 保護者)」
「どんなに進学実績やカリキュラムが優れていても、子どもに合わなければ意味がない、また、3年間通うので、雰囲気や校風との相性は絶対に大切だと考えました。(埼玉県 高3男子 保護者)」

理由②:実際に足を運ぶことで進学意欲が高まるから

実際に高校の学校説明会や文化祭に足を運ぶことで、学校の雰囲気を肌で感じることができます。そこで得た体験が、子どもの進学意欲を大きく左右することもあります。

学校の雰囲気や校風は、子ども自身に「この学校に行きたい!」と強い思いを持たせ、高校受験を乗り越えるための原動力にもなっていると言えるでしょう。

「学校の雰囲気や校風。本人が、進学した先輩や学校見学で自由な校風が気に入り、ここに入学したいから勉強を頑張りたいという気になったから。(神奈川県 高1男子 保護者)」
「学校の雰囲気や校風が最終的な決め手でした。実際に文化祭や説明会で学校を訪れた際、生徒たちの様子がいきいきとしていて、息子が『ここに通いたい』と強く感じたことが志望の決め手になりました。(千葉県 高2男子 保護者)」
「3年間通う学校なので、本人の雰囲気と学校の雰囲気や校風が合うのかどうかは特に決め手となりました。学校説明会で、在校生の方々が学校内を案内してくれたのですが、その際に生徒さん達の雰囲気なども知れたのがとても良かったと思います。(東京都 高2男子 保護者)」

2位:「通学時間や立地」重視する家庭が多い理由

志望校選びで「通学時間」を重視した保護者からは、毎日の生活における負担軽減や、時間を有効活用したいという声が多く寄せられました。通学時間は、高校生活の満足度に直結しやすい重要な要素であると考えていることがうかがえます。

理由①:体力と精神面の負担を減らすため

長時間の通学は、子どもの体力を奪い、疲労の原因となります。特に満員電車での通学は大きなストレスとなりかねません。

子どもの健康やコンディションを最優先に考え、通学時間を重要な判断基準にしている保護者が多いようです。

「通学時間が大きなポイントだった。体質的に疲れやすい子だったので、なるべく長時間の満員電車通学は避けたかった。近場でも、その分体力を残して勉強を優先できる高校を選択した。(埼玉県 高2女子 保護者)」
「自宅からの近さ。災害時や体調不良時にも公共交通機関を使わなくても徒歩や自転車で通える距離というものを一番重視した。(東京都 高1女子 保護者)」
「とにかく朝、起きられない子なので、家から近い高校というのが第一条件でした。(東京都 高3男子 保護者)」

理由②:時間を学習や部活動のために有効活用したいから

通学時間が短くなれば、その分、朝の準備や放課後の時間を有効に活用できます。たとえば、朝にゆとりを持って勉強したり、放課後に部活動に打ち込んだり、友人と過ごす時間を増やしたりすることが可能です。

通学時間を短縮することで、さまざまな時間を確保しやすくなり、充実した高校生活をサポートしたいという保護者の思いが伝わってきます。

「家から近かったので、通学にかかる他の時間に、自分の好きな事が出来るため。(埼玉県 高2女子 保護者)」
「電車やバスの時間を気にせず部活に専念できる。(千葉県 高3女子 保護者)」
「自宅からの通学時間や経路が短い学校の中から、学力に合うところを志望校にしましたが、結果良かったです。本人も時間にゆとりがあります。自習で最終時間まで学校に残っても通学時間が短いと、帰宅時間も遅くはなりません。午前授業の日は一度帰宅し部活のために再度学校に行くこともあります。朝の時間や保護者会、通学費用等、親も助かる場面が多いです。(東京都 高2男子 保護者)」

3位:「子どもの学力」を重視する理由

志望校選びにおいて、「子どもの学力」を重視する保護者は53.1%と半数以上にのぼります。子どもの学力と学校のレベルが合っていないと、入学後に学習についていけなくなり、自信を失ったり、学校生活が辛くなってしまう可能性があります。

学力に見合った学校を選ぶことで子どもがストレスなく、3年間を充実して過ごしてほしいという願いが見て取れます。

「子どもの学力が志望校にあっており、入学してもうまくやっていけると思ったので。(東京都 高3女子 保護者)」
「自分の学力に合った高校を選んでいて、偏差値が高い高校に入れたとしても入学してから勉強についていけないようでは苦労すると思ったので、自分の学力に合った高校を選びました。(神奈川県 高1女子 保護者)」
「子どもの学力に合っているかどうかについては、入学後に勉強についていけないことがないように、特に慎重に選びました。(東京都 高2男子 保護者)」

番外編:もっと重視しておけば……志望校選びでの後悔

上位3つのポイントを中心に、多くの保護者が「志望校選びで大切にしたこと」を語ってくれました。ここからは、志望校を決める際に“見落としがちだった点”や“もっと重視すべきだった”という保護者の声も紹介します。

本人の偏差値とあまりに開きがあり、勉強を頑張ってもなかなか成績が追いついてこないと、親子ともにストレスを感じるようになった(神奈川県 高1男子 保護者)。
もっと通学範囲を広げて志望校を探せばよかったと思います。子供も後から気付いたようですが、通えたはずの場所をわざわざ選択肢から外したことで、志望校探しの視野が狭まったと感じました(東京都 大学生男子 保護者)。
塾の方針で公立を第一に考えていたが私立校について幅広く情報収集すればよかったと思います。(東京都 高3男子 保護者)
中学の担任から私立を勧められ、いい事ばかり聞いていたので、魅力的で併願を決め、最悪私立に行ってもどうにかなるだろうと思っていましたが、実際に私立へ通わせることになり、結構家計はパツパツで色々ともっと調べたりできたんじゃないかと今になり思っています。(神奈川県 高1男子 保護者)
最終的に、本人が通いたかった学校には受かることができなかったため、校則が厳しい私立に行くことになってしまった。公立のレベルを一つ下げて、自由な校風の学校に行けた方が本人にとっては良かったのかもしれないと感じている。(神奈川県 高1男子 保護者)

高校受験の第一志望は75.5%が公立高校

志望校選びで重視するポイントが明らかになったところで、次に見ていきたいのは「実際に第一志望としてどの種類の高校を選んだのか」という点です。

高校受験第一志望校の種類アンケート結果

アンケートでは、子どもの第一志望校が「公立・国立・私立」のどれであったかを尋ねました。その結果、最も多かったのは公立高校(都立・県立)で全体の75.5%を占めました。続いて私立高校が23.5%、国立高校は1.0%と少数にとどまりました。

この結果から、多くの家庭ではまず公立高校を第一志望に据えつつ、私立高校を併願先や選択肢として検討するケースが多いことがわかります。

受験校の組み合わせは「公立+私立」が多数派

高校受験において、公立高校を第一志望とする家庭が多いなか、併願校をどう選ぶかは大きな悩みどころです。今回の調査では、公立高校と私立高校を組み合わせて受験する家庭が全体の7割以上を占めていることがわかりました。

特に、「公立高校1校 + 私立または国立高校1校」という組み合わせが最も多く、57.1%にのぼります。このことから、多くの高校受験生が、公立高校を本命としつつ、万が一に備えて私立高校を1校併願するという選択肢をとっていることがわかります。

高校受験校の組み合わせアンケート結果

次に、併願校決めではどのような悩みを抱えるのか、具体的な声をもとに見ていきましょう。

併願校で迷う理由は「費用」と「合格可能性のバランス」

高校受験を控えた家庭が悩むのは、公立・私立を問わず、併願校の「数」と「レベル」の決め方です。アンケートからは、受験費用や子どもの負担、合格の確率など、複数の事情が絡み合っていることが見えてきました。

悩み①:費用と負担の壁 併願校は増やしたいけれど増やせない

併願校を増やすことは、合格の選択肢を広げる一方で、金銭的、そして子どもへの精神的な負担も増やすことになります。受験料や入学金の支払い、そして複数の学校の対策を同時並行で進めることの難しさに悩む声が多く寄せられました。

「私立を何校受けるべきか。第一志望は公立だったので、志望校よりも偏差値低めの私立を1校で十分か、志望校と同じくらいの私立ももう1校受けるべきか迷った。(神奈川県 高1男子 保護者)」
「行きたい公立高校が1つあった。私立は2つほど受けるか悩んだが、受験料がかかることと、学校の受験対策が増えるため、1つのみにした。(千葉県 高1女子 保護者)」
「受験料も高いため1校に絞らざるを得ない状況でした。(埼玉県 高1男子 保護者)」
「併願校を増やすと本人の負担が大きくなるのではと心配でした。一方で、滑り止めをどのレベルにするかも非常に悩みました。(千葉県 高3女子 保護者)」

このように、限られた予算や子どもの体力・精神面を考慮しながら、受験校の数をどう調整するかが、多くの家庭にとって大きな課題となっていることがうかがえます。

悩み②:合格の可能性を高めるため、滑り止め校や挑戦校のバランスに迷う

合格する可能性が高い「滑り止め校」と、少しでも可能性にかけたい「挑戦校」。この両者のバランスをどう取るかという点も、多くの家庭が直面する共通の悩みです。特に、単願受験を希望する場合や、併願優遇制度を活用する場合など、状況によってその悩みはさらに複雑になります。

「やはり確実に合格できる学校、つまり滑り止めと、行きたいけれど合格が難しいかもしれない学校、つまり挑戦校の数をどうするかでした。(東京都 高1女子 保護者)」
「1校受験をすることのリスクについてすごく悩みました。専願で受験をしたので結果的に1校受験になりましたが親としては『不合格になった場合は複数受験も検討してほしい』と感じていました。(埼玉県 高3女子 保護者)」
「沢山受けた方が滑り止めにもなり安心材料になるのか、それとも多いと対策に手が回らず、少数にした方がいいのかでかなり悩みました。(東京都 大学生女子 保護者)」
「併願校を何校にするかで悩みました。本人の体力的・精神的な負担や、私立受験の費用とのバランス、また合格した場合の入学金納入時期なども考慮しないといけなかったため、かなり迷いました。(千葉県 高2男子 保護者)」

このように、受験校の数や組み合わせは、家庭それぞれの教育方針や経済状況、子どもの学力や希望によって異なり、多くの家庭が「最善の選択は何か」を模索していることがうかがえます。

約6割の家庭が3年生になってから志望校を決定

併願校の数や組み合わせに頭を悩ませる一方で、そもそも「志望校はいつまでに決めるのか」という点も、保護者の多くが感じる疑問です。今回のアンケート調査によると、約6割の家庭が中学3年生になってから志望校を決定していました。

最も多かったのは「中学3年生の1学期」で、全体の29.6%を占めています。次に多かったのは「中学3年生の2学期」で25.5%でした。

高校志望校の決定時期アンケート結果

なぜその時期に志望校を決めたのか、アンケートに寄せられた具体的な声をもとに深掘りしていきましょう。

【中学3年生1学期】志望校を決めた理由と背景

「なぜ中学3年生の1学期に志望校を決定したのか」を尋ねたところ、成績や学力の動向、学校からの進路指導、そして子ども自身の意識の変化など、いくつかの共通点が見えてきました。 ここでは、その理由を3つに分けて紹介します。

理由①:成績・学力が固まり、現実的な選択肢が見えてきたから

中学3年生の1学期は、これまでの学習成果が形になる時期です。定期テストや模試の結果が安定し、自分の学力でどのレベルの高校を目指せるのかが見え始め、選択肢を絞りやすくなります。

「中学3年生の1学期に志望校を決めたのは、子どもの学力がだいたい固まってきた時期だったからです。中1・中2の頃はまだ成績が安定せず、どのくらいのレベルの高校を目指せるか見えづらかったのですが、中3の1学期の模試で偏差値が安定してきて、塾の先生とも相談しながら現実的な候補を絞りました。(東京都 高2女子 保護者)」
「成績(内申点)がはっきりしてきたことで、受験校選択の目安がついてきた時期だったので。(神奈川県 高1男子 保護者)」

理由②:学校から志望校を決めるように指導があったから

中学3年生の1学期は、学校からの進路指導が本格的に始まる時期。三者面談や進路希望調査書の提出が求められ、志望校について具体的に考える機会が増えます。学校からの働きかけが、志望校決定のきっかけになっていることがわかります。

「三者面談までに決めるように学校から言われていたからです。(埼玉県 高3女子 保護者)」
「志望校について希望調査書の提出期限があったので、その提出に合わせて本人が決めました。(神奈川県 高1男子 保護者)」
「受験を意識した勉強に本腰を入れるようになり、目標校を決めるように学校からも進路希望を聞かれる機会が増えたため。(埼玉県 高2女子 保護者)」

理由③:子ども自身の進路意識が高まったきっかけがあったから

部活動の引退などを経て、子ども自身が進路について真剣に考え始めるのもこの時期です。また学校説明会やオープンキャンパスに参加し、自分の興味や将来の目標と向き合うことで、行きたい学校が見つかるケースも多くあります。

「部活動を引退した後に進路について真剣に考えるようになり、学校説明会に参加したことをきっかけに、本人の希望が固まりました。学力とのバランスも見ながら決めました。(東京都 高1男子 保護者)」
「オープンキャンパスでの雰囲気に強く惹かれたからとのことでした。先輩方が楽しそうに活動している姿を見て、ここで学びたい!と直感したそうです。(東京都 高1女子 保護者)」
「学校説明会に参加し、校風や授業内容に魅力を感じたからです。また先輩の話も参考になり、部活動も盛んで、本人の興味に合っていたため志望しました。(千葉県 高3女子 保護者)」

このように、中学3年生の1学期は、学校説明会といった外からの刺激と子ども自身の気持ち変化が重なって、志望校決定につながることが多いようです。

【中学3年生2学期】志望校を決めた理由と背景

中学3年生の2学期は受験本番が近づき、それまでにやってきたことが最終的に結果として表れる時期です。ここで志望校を決める家庭からは、成績や内申点の確定、学校見学を通じた気持ちの変化、そして子どもの進路意識の高まりが聞かれました。

理由①:成績・内申点が確定し、現実的な判断が必要になったから

中学3年生の2学期には、最後の内申点が確定したり、模試の結果が志望校決定に大きな影響を与えます。希望していた学校を変更するケースや、条件に合う学校を絞り込むケースも出てきます。

「最後の内申がどうしても足りず、当初の志望校から変更せざるを得なかったから(東京都 大学生男子 保護者)」
「偏差値が第1志望校のレベルに達しなかったので、時間的制約からこの時期になった(東京都 高2男子 保護者)」
「最後の内申が出たのがこの時期なので、それを見て志望校を決めました。(神奈川県 高1女子 保護者)」

理由②:夏休みの学校見学で気持ちが固まったから

夏休みは、高校の学校説明会やオープンスクールなど学校の雰囲気を直接体験できるチャンスが多くあります。実際に訪れることで、パンフレットやネットでは分からない魅力に気づき、志望校が決まることも少なくありません。

「夏休み中に高校説明会に行き、それぞれの学校の雰囲気や校風などを実際に見てから志望校を決めようと子どもと話し合ったから。(東京都 高2男子 保護者)」
「中学3年生の初めの学校面談で色々な高校の説明会に行くように先生から話があり、説明会へ行きながら自分に合った高校が見つかったのが秋頃でした。(神奈川県 高1女子 保護者)」
「偏差値で初めは考えておりましたが、学校見学に行っていちばん気に入って、自分が通学するところをイメージできる学校に決めました。(東京都 大学生女子 保護者)」

理由③:部活動を引退し、進路に本格的に向き合い始めたから

多くの学校で、部活動の引退時期は中学3年生の7月~8月頃です。時間的にも気持ち的にも余裕ができ、受験に向き合うようになります。

「部活動を引退し、受験勉強に本格的に取り組むようになったタイミングで、学校や塾の先生と相談する機会が増えたため、この時期に志望校を決めました。(千葉県 高2男子 保護者)」
「部活を引退して、本格的に受験勉強に取り組み始めた時期。模擬試験を受けるようになり、自分のいる位置がわかってきたから。(千葉県 高1女子 保護者)」

【中学2年生3学期】志望校を決めた理由と背景

中学2年生の3学期に志望校を決定した理由は、主に受験に向けた準備期間を十分に確保したいという考えが挙げられました。

理由:受験勉強期間を考慮し、早めの準備を始めたいから

中学2年生の3学期に志望校を決めた理由として「受験に向けた十分な準備期間を確保したい」が最も多く挙げられました。残り1年を切る前に目標を定めることで具体的な対策や学習計画を立てやすくなるというメリットがあります。

「1年だけでは時間が足りないと感じたからです。スタートダッシュが大事だという考えもありました。(千葉県 高1女子 保護者)」
「できるだけ早く決めたほうが、志望校ごとの対策が早くできると思ったからです。(東京都 高1男子 保護者)」
「受験勉強できる期間のことを考えると、中2の3学期が志望校を決めるタイムリミットだと思ったから。(埼玉県 高3男子 保護者)」

志望校選びで感じた苦労と先輩保護者からのアドバイス

高校受験の志望校選びでは、子どもも保護者も多くの悩みや葛藤を抱えています。特に「子どもの希望と学力のギャップ」や「情報集めの難しさ」で苦労する声が多く寄せられました。ここでは実際の体験談と、先輩保護者からのアドバイスを紹介します。

苦労①:子どもの希望と学力のバランスをとるのが難しかった

子どもが憧れる学校が、学力的にギリギリのラインだったり、少しレベルが高い場合、保護者としては「合格できるのだろうか」「入学後についていけなくなるのではないか」と不安になります。子どものやる気を損なわずに、現実的な選択を促すにはどう話せばいいか悩む声が多く寄せられました。

「一番苦労したのは、子どもの希望と学力のバランスを取ることでした。子どもは最初、偏差値が少し高い都立高校に憧れていましたが、模試の結果を見るとギリギリのラインで、親としては『本当に大丈夫かな』と不安でした。(東京都 高2女子 保護者)」
「学力と本人の希望する学校のレベルに差があった時、現実的なラインをどこに設定するかで特に苦労しました。本人のやる気を削がずに、将来を見据えた選択をさせるためのバランスを取るのが難しかったです。(東京都 高2男子 保護者)」
「本人の偏差値と志望校のレベルに開きがあり、たとえ勉強を頑張って合格したとしても、入学後について行けるか、燃え尽き症候群になってしまわないか不安だった。(神奈川県 高1男子 保護者)」

子どもの夢を応援したい気持ちと親心の板挟みで葛藤している様子が伝わってきます。

苦労②:学校の情報収集や比較検討に手間取った

高校の公式サイトやパンフレットだけでは、実際の雰囲気や学校生活の様子を把握しきれないと感じる保護者もいました。また、公立高校の場合、似たレベルの学校が多く、どこが子どもに合っているのか判断するのが難しかったという声も聞かれました。

「私立高校を決める際に、自宅から通える学校で、息子のレベルに合うところを納得して選ぶために、実際に足を運んで説明会に行くのが大変だった。(神奈川県 高1男子 保護者)」
「首都圏なので学校がありすぎてどう選んでいいか最初はわかりませんでした。それから受験方法が昔と違って複雑すぎます。(東京都 高2女子 保護者)」
「公立を選ぶ際に、同程度の偏差値の学校を比較してどちらが合っているか判断するのが一番大変でした。口コミを見たり色々な人に話を聞いたりしても、合っているかどうかは入学しないと分からない部分が多いためです。最終的には両方の学校説明会に行ってピンと来たほうに決めました。(千葉県 高1女子 保護者)」

信頼できる情報源を見つけ、子どもに合う学校を比較検討するには、多くの時間と労力が必要となることがわかります。

次は志望校を決める保護者の方々へ向けて、先輩保護者からのアドバイスを紹介します。

アドバイス①:子どもの意思を尊重し、一緒に情報を集めて

最も多く寄せられたのは、「子どもの気持ちを第一に考えること」というアドバイスです。最終的にその学校に通うのは子ども自身なので、保護者が一方的に決めるのではなく、子どもの意見を尊重し、納得できる選択をさせることが大切との意見が多く見られました。

「お子さん本人の意思を尊重しつつ、親も複数校の情報を徹底的に集めることをおすすめします。特に、学校ごとのカリキュラムや大学進学実績、そして通学時間は必ず確認してください。最終的には親子で納得できる選択をすることが大切です。(東京都 高2男子 保護者)」
「親の希望などもあるかと思いますが、最終的には子どもの選択肢だと思います。よほど間違ったこと以外で、子どもの意思を無視したり自分の理想を強制したり、捻じ曲げるようなことは絶対にしてはいけないと思っています。(千葉県 高1女子 保護者)」
「親は黒子に徹し、本人が自分の意志で受験校を決めるまで、根気強く学校見学や行事に付き合い続け余計な口を挟まないことです。親が受験校を決めてしまうと、進学先でつまずきがあった際に親のせいだと感じ、やる気をなくす元になると思います。(神奈川県 大学生女子 保護者)」

保護者はあくまでサポーターとして、子どもが自信を持って受験に臨めるよう、支えてあげることが重要だと言えるでしょう。

アドバイス②:偏差値だけでなく、学校の雰囲気を肌で感じることが大切

学校の雰囲気や校風は、実際に足を運んでみないとわかりません。子どもが「ここに行きたい!」と強く思える学校を見つけるためには、オープンキャンパスや学校説明会に積極的に参加することが大切というアドバイスも多く寄せられました。

「偏差値だけでなく、本人が3年間通いたいと思える学校かどうかを大事にしてください。その上で実際に足を運び、自分の目で見て感じた直感も大切だと感じました。(千葉県 高3女子 保護者)」
「とにかく自分で学校を見に行き、肌で感じることが重要です。通えるかも含め、自分で体験することが重要だと思います。(神奈川県 高1男子 保護者)」
「気になる高校には積極的に見学などに参加して、学校の雰囲気などを肌で感じてみて欲しいです。(神奈川県 高1女子 保護者)」

子どもが自分に合った学校を見つけることで、受験勉強へのモチベーションも高まり、充実した高校生活を送ることにつながるでしょう。

まとめ:志望校の決め方は偏差値だけでなく“子どもに合う環境”が軸

今回の調査からは、高校受験における志望校選びが、単に偏差値や進学実績だけで決まるものではないことが見えてきました。学校の雰囲気や校風、通学のしやすさ、子どもの学力とのバランスなど、家庭ごとにさまざまな要素を照らし合わせながら「わが子に合う環境」を探している姿が浮かび上がります。

第一志望に公立高校を選ぶ家庭が多く見られる一方で、併願では「公立+私立」という組み合わせが主流となっていました。その過程では、受験費用のことや子どもの負担、合格の可能性をどう考えるかといった悩みに直面する声も少なくありませんでした。

志望校を決めるタイミングとしては中学3年生になってからが中心でしたが、学校見学や部活動の区切りなど、子ども自身の気持ちの変化がきっかけになったケースも目立ちました。最終的には、子どもの思いに寄り添いながら、親子で一緒に納得できる形を探していった家庭が多かったようです。

先輩保護者の体験談やアドバイスの中には、これから志望校を考えるご家庭にとってヒントとなる部分もあるかもしれません。本記事が、少しでも安心して受験準備を進めるきっかけにつながれば幸いです。

アンケート調査概要
調査対象:1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)、かつ直近5年以内に高校受験を経験した子どもを持つ保護者(有効回答数98名)
調査時期:2025年7月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「高校受験における志望校の決め方」についての調査
※掲載しているグラフや内容を引用する場合は「塾選ジャーナル調べ:「高校受験における志望校の決め方」についての調査」と明記し、『塾選ジャーナル』(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/29364/)へのリンク設置をお願いします。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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