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高校生の留学を成功させるには?費用・制度・リアルな声をわかりやすく解説【2025年度版】

更新日:
中学受験 高校受験
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子どもから「高校で留学したい」と言われたとき、応援したい一方で、費用や安全、学業への影響など不安に思う点も多いはずです。 近年はグローバル化や英語教育改革を背景に、高校生の留学は特別な人だけのものではなくなりつつあります。

本記事では、最新データや体験談をもとに留学費用の目安を比較してまとめて解説します。国の奨学金制度「トビタテ!留学JAPAN」の情報も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

塾選ジャーナル編集部

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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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目次

高校生留学の近年の動向

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ここ数年、高校生の海外留学は確実に増加しています。文部科学省やJASSO(日本学生支援機構)の統計によれば、高校在学中に海外で学ぶ生徒数はこの10年で約1.5倍に。特に短期の語学研修や交換留学は、公立・私立問わず導入され、参加のハードルが下がっています。

背景には、下記のような変化があります。

  • 入試制度の多様化:総合型選抜や推薦入試で、海外経験や探究活動が高く評価されるようになった

  • 英語教育改革:4技能(読む・書く・聞く・話す)を実践的に身につける教育方針が進んでいる

  • グローバル化の加速:社会全体で国際感覚のある人材が求められる

社会の急速なグローバル化に伴い「求められる人材像」は大きく変化しています。それぞれ具体的に見ていきましょう

入試制度の多様化

国内の大学入試制度の変化は、高校生の留学が注目される理由の一つです。

近年の大学入試では、「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」といった、学力試験だけに頼らない選考方式が拡大しています。これらの入試では、主体性・表現力・課題解決力など、知識以外の力が重視されるのが特徴です。

留学を通じて得た「異文化環境での挑戦経験」や「自ら課題を設定し取り組んだ姿勢」は、こうした入試方式において大きな評価対象となります。

英語教育改革

高校生留学に注目が集まるようになった社会背景として、学習指導要領改定による英語教育の変化が要因です。

2020年から実施された学習指導要領改定により、日本の英語教育は、従来の「読む・書く」中心から、「読む・書く・聞く・話す」の4技能をバランスよく育てる方針へと変化しました。

ただし、教室内の学習だけで日常的に英語を使いこなす力を身につけるのは容易ではなく、実際に英語が使われる環境での体験が有効とされることも多くあります。

そのためより効率的に「生きた英語」を習得できる方法として、高校生の留学が注目されるようになりました。

グローバル化の加速

高校生留学に影響を与えた社会的背景の一つに、経済のグローバル化があります。近年では、開発・マーケティング・カスタマーサポートなど、あらゆるビジネスの工程が国境を越えて行われるようになりました。たとえば、日本企業が海外在住のエンジニアと開発を進めたり、海外の顧客に英語で対応するカスタマーサポート拠点を持ったりすることも一般的です。


このように、異なる文化・価値観を持つ人々とオンラインや対面で協働する機会は日常化しており、語学力だけでなく異文化理解や柔軟なコミュニケーション力が求められています。

吸収力の高い高校生の時期に留学を経験することは、こうしたグローバルな働き方に適応するための土台作りとして、大きな価値があります。
さらに、国際感覚を肌で学び、将来世界を舞台に活躍する力を養う絶好の機会ともいえるでしょう。

高校生留学の基礎知識

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子どもの留学を検討するうえで、まず押さえておきたいのが「留学の基本形」です。
留学にはいくつかの種類があり、それぞれ目的や期間、費用、得られる経験が異なります。
ここでは代表的な4つのタイプと、それぞれが向いている生徒像を紹介します。

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短期留学(1週間〜3か月)

概要:夏休みや春休みなどを利用し、語学学習と文化体験を組み合わせるタイプ。初めての海外生活にも適しています。

こんな人に向いている

  • 習った英語を実際に使ってみたい
  • 海外生活や異文化に触れてみたい
  • 将来の長期留学や海外進学を考えており、まずは短期間で試してみたい

長期留学(半年〜1年以上)

概要:現地の高校に通い、現地の生徒と同じカリキュラムで学ぶタイプ。語学力だけでなく、異文化理解や自立心が大きく育ちます。

こんな人に向いている

  • 英語や外国語を本格的に身につけたい
  • 現地の学問や活動に深く関わりたい
  • 将来、海外大学進学や国際的な仕事を視野に入れている

交換留学

概要:日本と海外の高校が提携し、生徒を一定期間交換するプログラム。費用が抑えられ、現地の家庭や学校生活をそのまま体験できます。

こんな人に向いている

  • 留学費用を抑えつつ、現地のリアルな学校生活を経験したい
  • 新しい環境にすぐ馴染める柔軟さがある
  • 日本での受け入れ家庭との交流も楽しめる

語学留学

概要:語学学校に通い、集中して英語力を伸ばすことに特化。試験対策やスコアアップ目的にも活用できます。

こんな人に向いている

  • 英検やTOEFLなどのスコアアップを短期間で狙いたい
  • 語学力に自信をつけてから長期留学に挑戦したい
  • 授業に集中しつつも、滞在期間や学習時間を柔軟にコントロールしたい

💡 ワンポイントアドバイス

留学スタイルを見ても、短期留学は「挑戦のきっかけ」、長期留学は「人生設計に直結」、交換留学は「費用を抑えた実生活体験」、語学留学は「語学力強化」と、それぞれ目的が異なります。お子さんに合った選択肢を検討してください。

また、実際に留学した方の話を聞くことや、体験談を読むことでリアルな情報を集めるのも大切です。特に「トビタテ!留学JAPAN」の公式サイトにある留学大図鑑では、2300名以上の体験談をキーワード検索できるため、検討の参考になります。

人気の留学先とその特徴

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高校生留学の行き先は世界各国に広がっていますが、人気は地域ごとに特徴があります。保護者としては、治安・費用・教育環境の3つを軸に比較することが重要です。

人気留学先比較表

国名 特徴 費用目安
(長期)
費用目安
(短期)
向いているタイプ
アメリカ 多様な文化と充実した教育環境。
課外活動(スポーツ・アート)が盛んで州ごとに特色が異なる。
250〜600万円 30〜100万円 英語圏の多様な文化を体験したい/
課外活動にも挑戦したい
カナダ 治安が良く、多文化共生社会。
発音が聞き取りやすく自然環境も魅力。
250〜600万円 30〜100万円 落ち着いた環境で学びたい/
語学と自然体験を両立したい
オーストラリア 温暖な気候で時差が少なく生活リズムを保ちやすい。
自然・環境分野の学びが充実。
250〜450万円 30〜100万円 生活環境のストレスを減らしたい/
環境保護や野外活動に興味がある
ニュージーランド 少人数教育と高い安全性。
留学生サポートが手厚い。
200〜450万円 25〜90万円 安全第一で初めての留学を考えている/
少人数制で学びたい
イギリス 歴史ある教育制度と文化的背景。
ヨーロッパへのアクセスも良好。
300〜600万円 40〜200万円 歴史・文化・芸術に興味がある/
ブリティッシュイングリッシュを学びたい

※金額は留学内容により大きく異なります。ここで示す金額は、あくまで目安です。

高校生留学で注目される国とその特徴

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人気の渡航先に加えて、実は費用や環境のバランスで“注目されている国”もあります。ここからは、知っておくと選択肢が広がる国々の特徴をまとめました。

コストパフォーマンスに優れた国

  • ドイツ
    授業料が無料または低額の大学が多く、教育水準も高いのが特徴です。英語で受けられるプログラムも用意されているため、語学力に自信がない高校生でも挑戦しやすい環境があります。学費負担を抑えながら本格的な学びを得たい方に適しています。

  • ポーランド
    EU圏でありながら生活費が比較的安く、治安の良さも安心材料です。歴史や芸術の分野で学べる環境が豊かで、英語プログラムも増加中。ヨーロッパ文化を身近に体験しながらコストを抑えて学びたい高校生に向いています。

  • マレーシア
    英語が広く使われている教育環境が整い、学費・生活費ともにリーズナブル。多民族・多文化の社会で学ぶことで、語学だけでなく国際感覚も養えます。物価が安く、安心して暮らせる点も大きな魅力です。

近くて安心、アジアの学び場

  • 台湾
    治安の良さや日本との文化的な近さから、初めての海外留学にも安心です。費用も欧米に比べて抑えられ、語学留学から探究活動まで幅広く選べます。親しみやすい環境で異文化体験をしたい高校生におすすめです。

  • 中国
    地理的に近く、経済や国際関係に関心のある高校生にとって刺激的な学びが得られる国です。語学学習はもちろん、急成長する都市での体験は将来の進路選択にもつながります。費用面でも欧米に比べ負担を抑えられます。

  • フィリピン
    英語教育が盛んで、マンツーマン指導など集中的な学習スタイルが特徴です。生活費が安いため長期滞在もしやすく、語学力を短期間で伸ばしたい高校生に人気。現地の人々のホスピタリティも魅力のひとつです。

専門分野や探究活動に強い国

  • フィンランド
    世界的に教育先進国として知られ、探究型学習や主体性を重視した教育制度が整っています。自然環境に恵まれており、教育や科学分野に関心がある高校生には特に魅力的です。学びのスタイルそのものを体験できる点が大きな価値です。

高校生が留学するメリットとは?

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高校生が留学するメリットとしては、次の3点が挙げられます。

  • 進路選択の幅が広がる
  • 自立心・語学力・多様性への理解が育つ
  • 帰国後の進学や就職が有利になることがある

高校生の時期の経験は、大学進学や将来的な就職にも大きく影響を与えます。留学の計画をスムーズに進め現地での生活を充実させるためにも、まずは留学がもたらすメリットを具体的に把握しましょう。

高校留学で広がる海外大進学という選択肢

将来グローバルな進路を選べるようになることは、高校で留学を経験する大きなメリットです。

高校生留学を経験せず日本の高校を卒業した場合、その後の進路は多くが国内の大学となります。

しかし留学を経験すると、世界中のさまざまな価値観や文化に触れられます。国によって学校のカリキュラムも異なるため、留学スタイルによっては日本の高校では学べない分野の授業を経験する機会もあるでしょう。

そのため日本にいるだけでは分からなかった、自分自身の新たな夢や可能性に気づくきっかけとなります。実際に、留学経験を通じて「やりたいことが明確になった」「海外大学進学を視野に入れた」という声も聞かれます。

こうした変化は、高校生という多感な時期に、日常とは異なる価値観や学びの環境に触れたことが大きな刺激となっているとも言えるでしょう。

自立心・語学力・多様性への理解が育つ

多感な高校生時期の留学は、自立心や語学力、多様性への理解を育む絶好の機会です。

「2020年トビタテ留学JAPANの奨学金を得て海外留学を体験した学生へのアンケート結果」によると、高校生が留学で得られたと感じるものは以下の通りでした。

高校生が留学で得られたと感じる能力

  身についたと感じる能力 割合
1位 何事にも挑戦するチャレンジ精神 83%
2位 対人コミュニケーション能力 70%
3位 広い視野で物事をとらえることができる力 70%
4位 英語の習得 63%
5位 国内外の友人ネットワーク 62%

※参考:「2020年トビタテ留学JAPANの奨学金を得て海外留学を体験した学生へのアンケート結果

留学中は親元を離れ、慣れない環境の中で自分の力で生活しなければなりません。
他人の指示を待つのではなく自ら考えて挑戦したり、周囲と協力して問題を解決したりする中で、自然に自立心が養われます

学校の授業のように「教科として学ぶ」のではなく、買い物や友人との会話、授業のやり取りなど日常生活の中で英語を使うことで、実践的な表現や反応の速さが身につきます。こうした環境では、短期間でも語学力が大きく伸びやすくなるのです。

さらに留学先では、現地の人や世界中からやってくる留学仲間と触れ合う機会も得られます。
自分とは違う文化や価値観を認める力が磨かれるのも、高校生留学のメリットといえるでしょう。

帰国後の進学・就職に活かせるチャンス

留学で身につけた力を帰国後の進学や就職に活かせるのも、高校生留学のメリットです。

2020年より実施された「高大接続改革」によって、国内の大学入試で評価される内容が以下のように変更されました。

  • 知識・技能
  • 思考力・判断力・表現力
  • 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

※参考:文部科学省「令和7年度大学入学者選抜実施要項に係る予告

特に特別選抜型入試や学校推薦型入試では、試験方法として小論文、プレゼンテーションを採用する大学が多いため、留学で身につけた力をアピールできれば受験を有利に進められるでしょう。

また高い語学力を活かして「帰国生枠」に挑戦できるケースもあります。多くの大学では、帰国生枠の応募要件に「1〜2年以上の海外教育経験」が求められます。そのため特に、長期留学を経験する人には検討すべき入試方法といえるでしょう。

一方、一般社団法人 日本経済団体連合会が2022年に行った「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果」によると、企業が新卒の大学生に求めるのは以下のような資質や能力です。

企業が新卒大学生に特に期待する資質・能力

  特に期待する資質 特に期待する能力
1位 主体性:84.0% 課題設定・解決能力:80.1%
2位 チームワーク・リーダーシップ・協調性:76.9% 論理的思考力:72.3%
3位 実行力:48.1% 創造力:42.6%
4位 学び続ける力:38.2% 傾聴力:35.9%
5位 柔軟性:18.4% 発信力:35.0%

※参考:一般社団法人 日本経済団体連合会「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果

企業が期待する資質・能力には、留学の経験を通して育まれやすい要素が多く含まれています
もちろん、これらは国内の課外活動や探究的な学びなど、多様な経験を通じて身につけることも可能です

留学は、そうした力をより実践的に磨ける手段のひとつとして注目されています。

つまり将来的に国内での就職を目指す場合も、高校生時期の留学経験を活かせる可能性が高いといえるでしょう。

💡 ワンポイントアドバイス

在学中の留学では、単位認定の有無が学校長の判断によるため、高校を選ぶ際に「休学や留年を避けたい」という方は、事前に確認しておくと安心です。
なお、留学のために休学や留年をしたからといって、入試や就職でマイナス評価されることはほとんどなく、むしろ日本でも海外でも充実した経験を積める大きなメリットと捉えられます。
制度の違いは学校や自治体によってさまざまなので、早めに担任や進路指導の先生に相談してみましょう。

高校生の留学費用はいくらかかる?費用と内訳

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高校生の留学費用は3か月未満の短期留学で30万~200万円程度、長期留学では100万~600万円程度と、滞在国や地域、留学期間などによって大きく異なります。

「時間をかけて考えた留学計画が予算オーバーで無駄になってしまった」ということのないよう、留学費用の詳細については事前に細かくチェックしておきましょう。

国別・期間別の費用相場(短期/長期)

人気留学先の費用相場を、期間別にまとめました。

国別・期間別の留学費用相場

国名 1か月 3か月 半年 1年
アメリカ 30~70万円 80~100万円 150~300万円 250~600万円
カナダ 30~50万円 80~100万円 100~200万円 200~450万円
オーストラリア 30~60万円 80~100万円 100~200万円 200~500万円
ニュージーランド 25~45万円 70~90万円 90~150万円 200~450万円
イギリス 40~70万円 100~200万円 200~400万円 300~600万円

なお表中の金額は、一般的な学費と滞在費を含んだ費用目安です。

選択する学校やプログラム、渡航時期、物価変動によっては大きく異なる場合もあります。最新の料金の詳細については事前に留学エージェントなどに相談しましょう。

見落としがちな「準備費用」や現地生活費

高校生の留学には、前項で紹介した費用の他にも、以下のような準備費用や現地生活費が必要になるケースがあります。

準備費用

項目 費用目安
※アメリカの場合
備考
パスポート申請料 ・5年用パスポート:10,900円(窓口申請の場合11,300円)
・10年用パスポート:15,900円(窓口申請の場合16,300円)
※18歳未満は5年用パスポートのみ申請可
・未取得の場合はすぐに申請が必要
・申請料は年齢によって異なる
※有効期限にも注意
ビザ/電子渡航証書費用 ・学生ビザ:US$185(SEVIS費用US$350別途)
・ESTA:US$21
滞在国や留学期間によって必要なものが異なる
※アメリカの場合、90日以上の留学期間もしくは週18時間以上の授業参加の場合はビザが必要
航空券代 10~25万円程度(往復) 利用時期や便によって費用が変動する
保険料 10,000~25,000円/月 エージェントや旅行会社指定の保険に加入するケースも

留学の際には、万が一のトラブルに備えて保険への加入を忘れないようにしましょう。短期留学の場合は海外旅行保険、長期留学では留学保険を利用するのが一般的です。

現地生活費

項目 費用目安
※アメリカの場合
備考
食費 3~7万円/月 滞在費に含まれない場合は別途必要
通信費 4,500~7,500円/月程度 滞在先によっては必要な場合も
交通費 2~8万円/月 滞在先によっては必要な場合も
お小遣い 2~5万円/月 現地の物価によって異なる
※現金は必要以上に持ち歩かない

現地での生活費は、滞在方法や物価によって変動します。

たとえばホームステイでは滞在費に食費が含まれていることが多いですが、学生寮を選ぶと食事の準備は別途自分でしなければならないケースもあります。

また滞在先と学校の距離が離れている場合は、通学のための交通費が必要です。

事前準備費用や現地生活費は、利用するプランや滞在先によって必要な項目が異なるため、事前にエージェントや旅行会社に詳細を確認するようにしましょう。

費用を抑える3つの工夫と制度の活用

留学費用をできるだけ抑える方法としては、以下の3つが挙げられます。

物価の安い国や地域を選ぶ

・繁忙期の移動を避ける

・奨学金・助成金を利用する

留学費用は滞在国や地域によって大きく異なります。費用を抑えるためには、なるべく物価の安い国や地域を選ぶとよいでしょう。カナダやオセアニア地域のほか、フィリピン、マレーシアといったアジア圏もおすすめです。

繁忙期を避けて、航空券代を節約する方法も効果的です。特にゴールデンウィークやお盆などの期間は費用が高騰しやすいので、できるだけ避けるようにしましょう。格安航空や乗り継ぎ便を利用するのも一手です。

また奨学金や助成制度が利用できれば、留学費用を抑えられます。ただし、制度によっては英語力などの適用条件が設けられているものや応募書類の準備時間がかかるものもあるため、早めにチェックして対策を進めておきましょう。

留学費用をサポートする奨学金・補助制度
応募条件や審査があるため、早めの情報収集が重要

留学費用を支援する制度・割引の比較

制度・仕組み 内容 特徴・ポイント
トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム 返済不要の奨学金。
月額12万円または16万円+準備金
・国主導の代表的制度
・支給条件あり(詳細は制度説明を確認)
地方自治体の留学助成金 出身地の自治体が渡航費や滞在費の一部を補助 ・地域によって制度の有無や金額が異なる
・地元枠ならではの支援が期待できる
エージェントの早割制度 半年前〜1年前の申し込みで割引 ・割引額はエージェントごとに異なる
・早期計画で費用を抑えられる
民間財団の奨学金 財団や団体ごとに条件や対象国が異なる ・種類が豊富だが競争率が高い
・情報収集と早めの応募が重要

エージェントの選び方と比較

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高校生の留学では、エージェント選びが成功と失敗の分かれ目になることも少なくありません。
さらに、公的な奨学金制度「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」を併用すれば、費用面と計画面の両方で大きな支えになります。

信頼できるエージェントの見極め方

  • 加盟団体の有無
    日本国内では、留学事業者の健全性を推進する 「JAOS(海外留学協議会)」 に加盟しているかどうかや、留学カウンセラーの専門資格である 「J-CROSS(留学サービス審査機構)認定」 の有無などが、ひとつの参考材料になります。
    ただし、これらはあくまで「目安」の位置づけです。加盟や資格の有無だけで安心と判断するのではなく、実際に提供されるサポート内容や担当者との相性、口コミなども含めて総合的に確認することが大切です。

  • 実績と専門性
    過去の送出し人数、対応してきた国や学校の種類をチェック。

  • 口コミ・評判
    公式サイトだけでなく、SNSや第三者サイトのレビューも参考に。

  • 担当者の対応力
    契約前の相談で、質問に明確に答え、デメリットも説明してくれるかがポイント。

主要エージェント比較表

名称 種別 加盟団体 主な取り扱い国 サポート範囲 費用目安(1年)
A社 民間エージェント JAOS加盟 アメリカ・カナダ・NZ 出発前講習・現地サポート・帰国後進路相談 約250〜400万円
B社 民間エージェント J-CROSS加盟 豪州・NZ・英 滞在先手配・保護者向け説明会 約220〜350万円
C社 民間エージェント 無加盟 米国・加・英 渡航手配のみ 約200〜300万円

直接申し込みとエージェント利用のメリット・デメリット

項目 エージェント利用 直接申し込み
メリット ・学校、滞在先、ビザ申請、保険などを一括で依頼できる
・緊急時に日本語でサポートを受けられる
・費用を抑えられる
・プログラム内容を自分でカスタマイズできる
デメリット ・手数料がかかる
・契約プラン外の対応は別料金になる場合がある
・英語でのやり取りや手続きに不安がある場合は難しい
・緊急時の対応を自分で行う必要がある

「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」とは?応募資格・スケジュール・選考の流れ

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「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」とは

概要

文部科学省及び独立行政法人日本学生支援機構が運営する返済不要の留学奨学金制度です。経済的支援に加え、充実した事前研修・事後研修が整備されています。選考では語学力や学業成績ではなく、自ら設定した探究テーマに対する情熱・好奇心・独創性を重視されます。

特徴

  • 奨学金支給:月額12万円または16万円(地域により異なる)。家計基準外の場合は一律6万円。
  • 留学準備金:アジア地域15万円、その他地域25万円。過去年度は円安・物価高に伴い追加支援(アジア+6万円、その他+10万円)が行われた実績あり。
  • 対象活動:語学留学だけでなく、探究活動・インターン・文化活動・スポーツ・芸術など幅広く対象。
  • 事前研修・事後研修への参加が必須。

注意点

募集時期や選考スケジュールが決まっているため、早めの情報収集が必要。特に2025年第10期は「第一日程/第二日程」に分かれ、対象学年が異なる場合があるので要確認。

■ 応募資格・主な要件

高校1~3年生として渡航を行う方が応募対象です。高等専門学校や中等教育学校等に在籍する生徒についても、詳細は各回の募集要項にて明記されていますので、必ずご確認ください。また、採択後は全員が「事前研修」および「事後研修」に必ず参加していただくことになっています。これらの研修の日程も募集要項に記載されているため、応募前から事前に確認することが可能です。

家計に関する基準についても、募集要項に基準が定められていますが、具体的な確認方法などは、生徒の所属校に通知されます。詳細の確認は各学校を通じて行う流れとなります。
なお、語学力や学校の成績は応募要件には含まれません。海外での活動経験の有無や語学スコアにとらわれず、多様な背景を持つ高校生の挑戦が期待されています。

奨学金支給タイミング

準備金は手続きが完了していれば渡航前に事前支給され、月額奨学金(12万または16万円、家計基準外の場合は一律6万円)は、受入証明書の提出後に事後支給されます。

■ 求められる人材像

このプログラムが求めるのは、自らのテーマを持ち、留学を通じて新しい価値観や経験を得ようとする主体性のある高校生です。留学の目的や活動内容に対する意欲と、その後の還元意識を重視しています。

コース制度と定員(前年度募集実績)

コース名 コース内容 定員
マイ好奇心探究コース 「知りたい」「明らかにしたい」という自身の興味・関心に基づいた問いを設定し、「未知を既知にすること」や「疑問を解明」することを目的に行う探究活動を含む留学計画。 250名
社会課題探究コース 世界・日本・地域が抱える社会課題を自分ごととして考えた問いを設定し、課題解決や活性化、SDGs、社会貢献に寄与することを目的に行う探究活動が含まれた留学計画。 150名
STEM探究コース STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)領域における問いを設定した探究活動を含む留学計画や、問いに対してAIやIoT、理科的・数学的な見方・考え方を活用しながら行う探究活動が含まれた留学計画。 160名
スポーツ・芸術探究コース 実技経験や実績の有無にかかわらず、スポーツ・芸術分野における問いを設定し、当該分野の更なる発展に寄与することを目的に行う探究活動が含まれた留学計画。 140名

なお、125日以上の長期留学も対象となりますが、採用枠は全体で約20名と非常に限られています。

■ 選考スケジュール(例:2025年・第10期)

2025年実施の第10期募集では、2つの日程(第一日程/第二日程)で選考が行われる予定です。日程ごとに対象となる学年が異なる場合があるため、応募希望者は自分がどちらの日程に該当するかを確認の上で準備を進めてください。

スケジュールの詳細(募集開始日、応募締切、選考結果発表、研修日程など)は、すべて募集要項に記載されるため、必ず最新の情報を確認し、余裕をもって行動することが重要です。

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※新高校2・3年生は第一日程に応募してください。新高校1年生は第一日程又は第二日程いずれかで応募してください。
※在籍校ごとに提出期限がある可能性があります。早めにご確認ください。

画像提供:トビタテ留学JAPAN
出典:https://tobitate-mext.jasso.go.jp/

💡ワンポイントアドバイス

  • 初めての留学では、サポート体制が充実したエージェントやトビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラムのような公的制度を活用すると安心。
  • 英語力や海外経験がある方のサポートが得られるなど、手続きに自信がある場合は直接申し込みも検討可能。
  • 特にトビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラムは費用負担を軽減しながら、質の高い準備とネットワークを提供してくれる貴重な選択肢です。

「リアルな声」はどこで見られる?体験談の探し方と出典

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高校生の留学情報を集めるとき、「留学経験者の声を参考にしたい」と考える人も多いでしょう。体験談を活用すれば、公式情報では得られないリアルな様子を知ることができます。ここでは体験談の探し方と注意点を紹介します。

トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム公式サイトの活用方法

公式サイトの、「留学大図鑑」では、留学スタイルや渡航先、フリーワード検索などを使って、関心のある事例を効率的に探すことができます
「留学前にやっておけばよかったこと」といった実践的なアドバイスも掲載されていますので、これから応募や渡航を予定している方にとって有益なヒントになります。

公式YouTube「トビタテ留学チャンネル」では、先輩のインタビューや現地での1日をまとめたVlogを公開。さらにInstagramやX、メールニュースでも最新情報や体験談が発信されており、留学の全体像や準備のポイントを具体的に把握するのに役立ちます。

留学団体が出している体験記

留学ジャーナルやEFなどの総合型エージェントサイトには、国や目的別で検索できる体験記があります。モチベーションアップにつながる一方、団体の信頼性やサポート内容も合わせて確認すると安心です。

SNSやYouTubeはあくまで補助的に

口コミ投稿や動画は、公式にはない詳細やデメリットを知るのに役立ちます。ただし、主観的・誇張的な情報も多いため、自分に当てはまるかどうか吟味して活用しましょう。

「高校留学はやめておけ」は本当?反対される5つの理由と解消法

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理由1:大学受験で不利になる?学業面での深刻なリスク

帰国後に日本独自科目に遅れが出ることや、単位不足で不利になることもあります。

回避策:休学・留年で受験勉強の時間を確保する、通信教材で補う、帰国生入試や総合型選抜を活用することで「不利」を「有利」に変えられます。

理由2:総額1000万円超えも?高額な留学費用という現実

1年間の長期留学では、学費・滞在費・渡航費・保険を含めると総額500〜1000万円近くになるケースもあります。

回避策:まず「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」のような返済不要の奨学金を活用することで、家庭の自己負担を大幅に軽減する方法があります。

さらに、日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援制度(学部学位取得型)や、各種民間財団の奨学金、現地大学が提供する奨学金なども有力な選択肢です。

理由3:孤独・ホームシック…想像以上に過酷な精神的ストレス

異国での生活は刺激的ですが、同時に孤独やカルチャーショックも避けられません。慣れない授業や人間関係で精神的に追い詰められ、「帰りたい」と思う生徒も少なくありません。

回避策:現地のサポート体制や相談窓口を事前確認。渡航前に親子で「困ったときの対応」を話し合うだけでも安心感につながります。

理由4:「行かなければよかった」留学が失敗に終わる人の特徴

目的意識が曖昧なまま留学すると、「語学力が伸びない」「遊んで終わった」といった後悔につながりやすいです。

回避策:出発前に「留学の目的と目標」を明確にしておくことです。たとえば「TOEFLスコアを上げる」「現地のクラブ活動に参加する」など具体的に設定すると、日々の行動が変わり、得られる成果も大きくなります。

理由5:大学留学じゃダメ?「高校で行く意味」への疑問

「大学になってからでも留学できるのでは?」という疑問もよく聞かれます。しかし高校生の時期ならではのメリットも存在します。

回避策:高校時代に異文化に触れることで、自立心・柔軟な価値観を育てることができます。また、大学入試や将来のキャリア選択にも早い段階でグローバルな視点を取り入れられます。

高校生の留学についてよくある質問(FAQ)

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ここでは、高校生の留学でよくある質問についてまとめました。

高校留学は大学受験に不利になりますか?

一般的には、高校留学=大学受験に不利ということはありません。

むしろ、総合型選抜や学校推薦型選抜では、主体性や課題解決力が重視されるため、留学経験が大きな強みになるケースも多く見られます。

ただし、帰国時期や教科ごとの学習状況によっては、日本の入試に対応した対策が必要になるため、帰国後の進学スケジュールを事前に逆算しておくことが重要です。

高校生におすすめの留学先はどこ?

文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」が公開している統計(2023年度)によれば、
高校生の留学先としては、3か月未満の短期留学ではオーストラリアやニュージーランドが多く、3か月以上の長期留学ではアメリカやカナダが多いという傾向が見られます。

短期留学では、「治安の良さ」や「時差の少なさ」など、生活面での安心感が重視される傾向があります。
一方で、長期留学では「教育水準の高さ」や「現地高校と大学の接続性」など、学びの環境や進学につながる要素が重視されます。

どの国を選ぶかは個人の目的や条件によって大きく異なるため、特定の国に限定せず、複数の選択肢を比較して検討することが重要です。

高校留学は英語ができないと無理?

多くの高校留学プログラムでは、入学時点でネイティブ並みの英語力は求められません

プレイスメントテストで英語レベルに合ったクラスに分けられたり、準備コースで集中的に英語力を伸ばせたりする環境が整っているため、現地でのサポート体制が充実しています。

英語に不安がある場合は、事前にエージェントやプログラム主催団体に相談しておくと安心です。

短期留学と長期留学、どちらがいい?

まず「留学を体験してみたい」という気持ちには、1〜3か月程度の短期留学がおすすめです。費用や学業への負担を抑えつつ、気軽に海外に飛び込み、新しい環境を体験できます。

一方で「進学や将来のキャリアにつなげたい」と考えるなら、10か月以上の長期留学が効果的です。現地で単位取得に挑戦し、帰国生入試を活用できるなど、将来の進路選択に直結するメリットがあります。

いずれにしても「どちらが正解」というものではなく、ご自身やご家庭の事情・目的に合わせて検討することが大切です。

留学中の学習・通信制との両立は可能?

留学中であっても、日本の高校の学習や通信制高校との両立は可能です。

日本の大学への進学するためには、ほとんどのケースで日本の高校卒業資格取得が必要です。

留学中の学習スタイルとしては、主に以下の2つがあります。

  • 日本の高校に在籍しながらオンライン塾などを活用して学ぶ
  • 通信制高校に転入し、海外からオンライン授業に参加する

日本の高校に在籍しながら滞在先でオンライン塾などを使って学習すれば、帰国後に勉強についていけなくなる心配はありません。ただし長期留学の場合、学校によっては休学とみなされ留年の対象となってしまうリスクもあります。

通信制高校では、海外での学びを単位として認定できる制度を導入しているケースがあります。

こうした制度と留学を組み合わせることで、海外在住中も日本の高校卒業資格を取得しつつ進級することができます。ただし、時差の影響によってリアルタイム授業に参加しにくくなる場合があるため、スケジュール管理には注意が必要です。

留学を決める前に、親子で話し合うべきことは?

高校生留学を検討する際には、以下の3点について親子で確認しておきましょう。

  • 費用(いくらまでなら出せるのか)
  • タイミング(いつ行くのか)
  • 目的(留学先で何を達成するのか)

費用面はデリケートな話題ですが、あらかじめ上限を確認しておくことで、より現実的な視点で留学計画を立てられます。奨学金の利用についても早めに検討できるので、準備を有利に進められるでしょう。

留学のタイミングについては、現在の語学力や留学終了後の進路も加味して慎重に話し合うことが大切です。もし勢いだけで留学してしまうと、現地で授業についていけなかったり帰国後の進路に悪影響を与えたりしてしまいかねません。

また留学目的の明確化も、親子で取り組むべき重要な事項の一つです。目的が曖昧なままでは、貴重な留学期間が単なる海外旅行の延長で終わってしまう恐れもあります。あくまで子どもの気持ちを優先しながら、親子で目的を共有しておきましょう。

まとめ|高校生の留学を成功させるために

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高校生の留学を成功させるために大切なのは、出発前に親子でしっかり話し合い、気持ちと準備を整えることです。子どもの想いと保護者の考えをすり合わせることで、不安を安心に変え、前向きに挑戦できる基盤が生まれます。

留学は語学力や学力の向上にとどまらず、自信や広い視野を育てる大きなチャンスです。もちろん費用や安全、学業への影響といった不安はつきものですが、情報収集や計画的な準備によって負担を大きく減らせます。家庭のサポートがあれば、子どもは安心して挑戦し、一層の成長を遂げられるでしょう。

さらに、奨学金や助成制度、単位認定制度を活用すれば、経済的な負担や学業面でのリスクも抑えられます

不安を抱えながらも、正しい準備と選択をすれば、留学は「人生を変える経験」となり得ます。親の理解と後押しがあれば、子どもは未来を広げる第一歩を踏み出せます。「今の一歩が未来を変える」――そう信じて、まずは情報収集と相談から始めてみましょう。

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塾選ジャーナル編集部
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塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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